幼馴染がガチ勢だったので全力でネタに走ります   作:銀鈴

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時期外れなうた

爆ーぜるんご 爆ぜるんごー
花火ル夜空に爆ぜるんごー
楽しい爆破で爆ぜるんごー
いっぱい爆ぜるんごー(ンゴ-

爆ーぜるんごー 爆ぜるんごー
花火ル夜空に爆ぜるんごー
あーまい火薬で爆ぜるんごー
もりもり爆ぜるんごー(ンゴー)

この子は朧ちゃん(ンゴー)


第155話 開幕!PvPイベント

 イベント開始日である12/7日の1日前。その日の正午から深夜0時まで、UPOはメンテナンスに入った。当然イベント実装&運営の為に行ったのだろうと思い、特に気にしてはいなかったのだが……

 

「このタイミングで実装って……えぇ」

 

 翌朝ログインして自分のステータスを確認したところ、今までフレーバーテキストのみだったアストの神臓を利用した装備が、その能力とテキストを変化させていた。

 藜さんから貰った腕装備【ハザードグローブ】は【ジーニアスグローブ】に。【仮称 : 機装堕天の神核】だったアクセサリーは【天界の加護】に、それぞれ変化していた。見た目はそのままに性能的にはこんな感じ。

 

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【ジーニアスグローブ】

 Dex +40

 爆破ダメージ上昇50%

 爆破範囲強化(極)

 副次爆破追加 副次爆破追加Ⅱ

 環境汚染爆破/環境爆破浄化

 一定時間爆破に属性追加(属性と時間は捧げたアイテムに依存する)

 オートリロード(簡易ポーチ)

 リアクティブアーマー・真(爆弾系アイテムを1つ消費することで、威力に応じた範囲の状態異常を1種無効化する併用不可)

 耐久値 1000/1000

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《アクセサリ》

【天界の加護】

 部位 : 翼を追加する(出し入れ任意)

 翼展開中HPMP自動回復

《特殊装備》

【天界の翼(堕天)】

 飛行不可

 HP・MP+1600

 展開中被ダメ-30%

 着用者のIntに応じた光弾・ビーム砲撃機能

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 どちらもステータス面での変化はなし。グローブの方は、副次爆破が追加という嬉しい能力。ペンダントの方は正直な話、半分くらいが死に性能だった。黒アストに生えているのと同じ翼が生えて、MPが1600増えたのは嬉しい誤算だったけれど。ただ、切り札を切った時ならば、使える予想外の一手にはなるかもしれない。

 

 そんな個人的で、大きな変化を齎すことは……多分、そんなにない話は一旦横に置いておいてだ。

 

 時は午前10時少し前、場所は第7の街。イベント開始時刻、試合中継用に展開されたモニターに、今まで一度も姿を見せる事のなかった運営がその姿を現した。

 

 そして彼等は、()()()()()()()()()()()()()

 

 ある者は6腕2面の阿修羅のような姿であり、ある者は不定形の蠢く名状し難い生物であり、またある者は全身にサブアームが複数装着されたサイボーグだった。

 そんな異形の集団が、病院の院長回診の様に列をなしてる。明らかに人の姿を捨てている奴らを……どうしてだろうか、何時もお世話になってる人だと直感できるのは。どうしてだろうか、後ろから3番目くらいの場所にいる腕が少し多い人の顔が、ほぼ同一人物レベルでマイファザーに似ているのは。あ、ピースしやがったアレ親父だわ。

 

 落ち着け(ユキ)、落ち着くんだ俺……否、(しらゆき)。今は潜入中、敵状視察の為の変装中なのだから。12時にみんなと合流する前に、どうせなら1回PT戦に出てみたり、個人戦を見てどんな相手がいるのか確認する為に、下手に(ユキ)とバレるわけにはいかないのだ。

 何だらしない顔でダブルピースしているんだ親父……変装用の装備とはいえ、最前線級の銃が手元にあるせいで撃ち殺──あぶない、マインドセットこわれる。

 

「どうかしたんですか? しらゆきさん」

「いえいえ、少し興奮してしまって」

 

 そう話しかけてくれたのは、隣に立つメイド姿の人物。初期の頃から実はフレンドのユニーク称号【大天使】持ち、イオ君だ。この切札であるTS変身に理解があって、このイベント中は秘密を守ってくれて、協力してくれるとなるとイオ君以外に協力者が思いつかなかったのだ。

 

「気をつけて下さいね? 今バレたらお終いなんですから」

「すみません、でもやっぱりワクワクしちゃって」

 

 そして実際、この通り快く協力をしてくれた。報酬としてこのTS装備の素材と作成方法を聞かれたけど、現状黒アストをソロで倒したのは(おれ)とアキさんのみ。パーティーで倒したのも確か【幕末抜刀隊】と【チェスト関ヶ原】【薩摩捨てがまり】【我が心は不動】とかいう刀キチギルド達だけだった筈だ。流石に第3の街のボス、少しずつだが討伐者も増えてきた。

 

 そんなことを思い出していると、漸く街のざわつきも治ってきた。それを運営陣も確認したのだろう。異形の軍勢の中から、来ている白衣が生物的なこと以外は普通な青髪ショタが、マイクを片手に一歩踏み出した。

 

 そして、反り返る様にして大きく息を吸い、

 

『Ladieeeees aaaand Gentlemen!! お前ら、盛り上がってるかぁぁぁぁ!!』

 

 クソ煩い音量と音圧で、そんなことを叫びやがったのだった。しかもこの声、ミスティニウム解放戦の時に聞いた覚えがある。

 

「「「「「いぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」

「ボスの声お前だったのかよ!!」

「うるせぇハゲ!!」

「くたばれ!」

 

 歓声と共に、罵倒と攻撃がモニターに向けて飛ぶ。音量設定を間違えているとしか思えない爆音だったのだ、然もありなん。ということで、こっそり親父のいる部分に狙撃をしておく。今度帰ってきた時問いただしてやる。

 そんな様々な音に紛れ込んでいる野次で、そういえばそうだったと思い出す。そうだ、この声はあれだ。ミスティニウム解放戦の時、最後の最後に出てきたギミックボスの中の人だ。

 

『ハゲては……10円ハゲしかない! 盛り上がってないなら、今から盛り上がってくれると嬉しい。鯖落ちは勘弁だがな!!』

「運営がそんな態度でいいのかー!」

『こういうのはなぁ、書類上でさえ真面目にしてりゃあなんとでもなるんだよ!』

 

 全体放送の筈なのに、不思議と放送と野次は噛み合っていた。というか、内容としてもこれは良いのだろうか。多分いいんだろうなぁ。

 

『さあさあ、これからリアルタイム換算で10分後にイベント開始だ。プレイヤーの全一を決める、基本なんでもありの戦いだ。基本的にトーナメント式でやるぜ。そして俺たち運営は、バグ以外にゃ基本介入しねぇ!

 全一の栄誉かぁ? 欲しけりゃくれてやる。探せぇ! 栄誉の全てをコロシアムに置いてきた。世はまさに、大決闘時代ってなぁ!』

 

 もしかしなくても、ワンピース好きだな?この人。

 

『最終日にはバトロワも用意したぞ! ドン勝つでもチャンポンでもビクロイでも呼び名は何でも構わねぇ、頂点(てっぺん)目指して駆け上がりやがれ!』

「当たり前だー!」

「極振りなんて敵じゃねぇぜ!」

「そうだそうだ!」

 

 白衣の青髪ショタ運営が取ったポーズは、まるでサタデーナイトフィーバー。或いは止まるんじゃねぇぞポーズ。大分サブカルに明るいと見た。いや、うちの親父があんな生き生きとしてるんだから、薄々と察せはするけど。

 

「言われてますけど、いいんですか?」

「はい、私は特に気にしませんから。弱いのは本当のことですし」

 

 ツンツンと肘で(おれ)を小突きながらイオ君が言う。多分極振りなんて敵じゃないって部分について何だろうけど……特に最強への拘りはないから良いのだ。そういうのに燃えるのは、一部の好戦的な極振りだけである。

 

『さあ、第5回公式イベント【正月礼賛、餅つき兎は最強の夢を見るか】開催だ!!!』

「「「「「Fooooooo!!!」」」」」

 

 そして、運営の言葉でまたもドンパチ賑やかになる第7の街。きっとこの雰囲気は、始まりの街にはないものだろう。この、ここまでネジが外れているような雰囲気は。

 

「さて、これで闘技場も解放されたみたいですし、1回くらい挑んでみましょう?」

「まあ良いですけど……本当に2人だけで挑むんですか? 確か今のユ……しらゆきちゃんって、確か純魔の構成ですよね?」

「はい。光属性と狂気神話魔法、後は常識的な範囲の紋章が使えるくらいです。あ、銃も撃てますよ」

 

 そう、イオ君のところの初心者支援ギルドに引っ張ってきて貰った風に見せかけたお陰で、しらゆきとしてのレベルも今は70。戦いに交じったとしても、あまりおかしくない強さに(見かけ上)なっている。あくまで全部偽装で、ステータス自体は特殊なデバフを自分で掛けて変動させているだけだが。

 

「確かに僕は前衛盾役(タンク)ですから、それなら相性は悪くないですけど……」

「参加するだけでも称号貰えますし、ね?」

 

 両手を合わせて頭を下げそう言ってみれば、顔を赤くしてイオ君は顔を背けてしまった。ははは、耐性のない輩には辛かろう。美少女上目遣いと誠心誠意のお願いは。

 

「中身は爆破卿中身は爆破卿中身は爆破卿中身は爆破卿中身は爆破卿」

「ダメ、ですか?」

「ああもう! 1回戦で負けても知りませんからね!」

「ありがとうございます!」

 

 イェーイとハイタッチ。うっうーとは言わないけれど、これで試合を体験しつつ時間を潰せるし楽しく遊べる。この身体の試運転にもなるし。そして恐らく、先輩方と戦う時には使わざるを得ないだろうから、慣れておくに越したことはない。

 

 あと、さっきからずっとこっちを見ながらスクショ連打してる奴。『文学少女とメイドの百合てぇてぇ』とか言ってたお前。中身は両方男だから、薔薇で作られた百合の造花だぞ節穴め。でもそのスクショは言い値で買おう。側から見た「しらゆき」としての自分は気になる。RPの精度は上げれば上げるだけ、その為の情報と研鑽もあればあるだけ良いのだから。

 

 

 そうして、意気込んで挑んだPT用のトーナメント。

 参戦してみて分かったことは、戦闘フィールド外部からは内部でバトルするプレイヤーの能力を、どんなスキルでも覗き見る事が出来ないという大きな欠点。そして(おれ)達が、大きな見落としをしていた点だった。

 

『第1回パーティ部門()()()! 奇しくも同じ2人組み、チャレンジャー達の入場だぁぁぁ!!!』

 

 (おれ)もイオ君も、お互いレベルカンスト勢。そして共にユニーク称号持ちのプレイヤー。今は秘策を実行中なお陰で極振りとして戦うことはできないとは言え、一応は最前線組である。

 しかも片や前衛盾役(タンク)兼嫌がらせのような攻撃を行うヒーラー、片やバフとデバフをばら撒きながら、今は後衛から魔法でまともな火力の攻撃もできる後衛。しかも最初期からのフレンドだから、お互いの呼吸もなんとなく合わせられる。そんな相手に、勝てる相手が何人いようか?

 

『白いフリルにメイド服、握ったモップと銀トレイはご主人様を守る誓い! 知ってる人も多かろう。まさに完璧なメイド、だ が 男 だ! 初心者支援ギルドからまさかの参戦。ギルド【空色の雨】所属、【大天使】イオ!

 一体どこにこんな逸材が眠っていた。強化も弱体も自由自在、狂気の魔法でマッドなパーティーにご招待! 文学少女然とした、華奢なポーズに惑わされるな。こいつは邪教の神官よ! 無所属、【司祭】しらゆき!

 パーティ名『百合花ァ!』の入場だぁぁぁ!!!』

 

 キャーキャーと、謎の歓声を浴びながら入場すれば、そんな散々なことを言ってくれやがる運営の声に出迎えられた。まあ盛り上がるなら良いか!!

 

『対するは、こちらも知っている奴は多かろう。

 まさかのメイド被り! ただこっちのメイドは甘くないぜ。白いフリルにメイド服、だが顔には死神の口付けが刻まれた! ご主人様より先に敵を刈る、ご褒美にムチが欲しい。無所属、【不吉の黒猫】バベル!

 私のメイドは私の物だ、他の誰にも渡しはしない。放つ弓は百発百中! だが氷の魔法も忘れるな? 触れたらただでは済まないぜ! 無所属、【不屈の白猫】Neko!

 パーティ名『ご主人様と下僕』の入場だぁぁぁ!!!』

 

 暇をしているらしい運営の実況と共に、ここまで来たらやってやろうとハイタッチしながら闘技場のステージに立つ。そう、(おれ)達は何故か、決勝戦にまで駒を進めてしまっていた。

 どうして(現場猫)

 




主人公のペットバフ込みのスペック。スキルとか装備内容は省略。
ちなみに幸運以外のステータスの実数値は半分です。
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 Name : ユキ
 称号 : 爆破卿 ▽
 Lv 80(レベル上限)
 HP 4000/4000+1600
 MP 3975/3975+17300(25250)
 状態 : 憑依(朔月)
 Str : 0(20) Dex : 0(200)
 Vit : 0(0) Agl : 0(20)
 Int : 0(68)Luk : 990(30000)
 Min :0(36)

《スキル》
【幸の求道Ⅲ】【仕込み長杖術(極)】
【動作制限解放】【戦術工兵】
【ドリームキャッチャー】【龍倖蛇僥】
【コート・オブ・アームズ】【魔力の泉】
【運命のタロット】【常世ノ呪イ】
【存在偽装】
 -控え-
【幸運は手指を助ける】【神匠の内弟子】
【特化作成 : 爆薬】

《装備一覧》
【錫杖《三日月》】憑依 : 繊月
 ・装備ステータス適応中
【杖刀《偃月》】憑依 : 幻月
【二式銃杖《新月》】憑依 : 暈月
【浮遊魔導書 参拾式】
 ・装備ステータス適応中

 頭【機装堕天のモノクル】
 体【機装堕天の多機能コート】
 手【ジーニアスグローブ】
 足【機装堕天のズボン】
 靴【機装堕天のブーツ】

《アクセサリ》
【賢者の証 : 消費魔力】×2
【多機能ベルト】
【アイテム射出装置(腰)】×2
【アイテム射出装置(胴)】×2
【多機能ウェポンラック】
【最低の保険証】
【天界の加護】

《特殊装備》
【無限火薬】
【天界の翼(堕天)】

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《ペット6/8》
 ・朧  ・暈月 ・幻月
 ・繊月 ・朔月 ・ヴァン
 (残り2枠)

ペット枠残機4
常世ノ呪イ枠残機 安定してるのは300くらい
紋章全般 消費MP1〜10
障壁(紋章) 消費MP1〜5
障壁(スキル)消費MP1〜5
自動HP回復1%/5s
MP自動回復10/1s + 15/2s + 1%5s

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