幼馴染がガチ勢だったので全力でネタに走ります   作:銀鈴

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前話の入れなかった部分と掲示板っぽいものの合成話
フィリピン爆竹はいつ登場させるべきか……


第15話 第1回イベント②

「【潜伏】」

 

 突然の登場に微妙に硬直した戦況の中、最初に行動したのは俺だった。ソロほど自由に行動できないPT戦で俺の役割があるとしたら、それは【紋章術】によるバフ・デバフ、そして暴発による足止めがせいぜいだろう。因みに一番優先するのは死なないことだ。

 だけどこの武闘派シンデレラを足止めするのは、なんとなくできない気がしてならない。だったら補助に回るしかないし、どちらにしろ俺がヘイトを集めたら意味がない。何より紙装甲だし。

 

「【赤蜻蛉】【ブレイクファング】!」

「ッ!」

 

 そしてそれを契機に戦闘が始まった。

 武闘派シンデレラが滑るように移動しガラスの(やいば)で切り上げ、赤い燐光を纏い加速したセナがそれに銃剣を叩きつける。うん、やっぱりこれ俺が介入できる戦いじゃないわ。

 

「《フルカース》《フルエンハンス》ついでに《ラックエンハンス》」

 

 だからコッソリ支援する。

 セナには+が描かれた小さな円が、相手側には-が描かれた小さな円が出現した。自分にも出てるんだろうけど、紋章って言う割にショボいなこれ。

 残念な紋章を半目で見る俺の前で、灰被り姫は見る間にボロボロになっていく。銃剣に斬られ、撃たれ、最初と比べ明らかに精彩を欠いた蹴りは、更に加速したように見えるセナに回避される。

 

「《バーストショット》!」

 

 そして、銃剣の先で起きた爆発が大きく灰被り姫を吹き飛ばした。うわぁ、酷いダメージ。1発で3割消しとばすってどうなのよさ。

 

「あ、ごめんユキくん。そっちにタゲ行っちゃった」

 

 やっちゃったという声音でセナが言った通り、確かに瀕死の灰被り姫はこちらに向かって跳躍していた。そして空中で身体を丸め、綺麗なライダーキック姿勢に移行。因みに白だった。ライダーキックの速度は十分で、壊滅的なAglに加え足元がぬかるみなこともあって俺は回避できそうもない。

 

 さて、ここでせっかくだから【紋章術】について少し説明しようと思う。そもそもこのスキルは【付与魔術】の延長線上にあるもので、基本はバフ・デバフを自分・相手を基点に範囲展開するものだ。だけどそれとは別に、ひとつ新たに使えるようになったものがある。

 

「《障壁》多重展開。防ぎます。ーー以上!」

 

 昔のアニメキャラの真似をして言った俺の目の前で、ライダーキックの軌道上に5枚の紋章が展開された。

 今度は円の中に、えらく達筆な文字でと書かれててなんとも言えない気分が俺を襲う。因みにこの障壁は、最低値こそあるが基本的に硬さはプレイヤーのステータスを加算して考えるらしい。マイナスはされないらしいけど、俺のは無論最低値である。

 よって多少の抵抗はあれど、ライダーキックの直撃に晒された障壁はパリンパリンと砕けていく。

 

「だけど残念」

 

 最後の1枚も砕けたけれど、そこでライダーキックの威力は完全に殺しきれたようだった。ギリギリすぎて笑えないなこれ。

 

「《吸撃》《フルカース》」

 

 とりあえず冷静に、錫杖で落下してくる灰被り姫の胴体を勢いよく突き、回収したMPで爆発を起こす。HPバーはロクに削れてないが、俺は死んでないし相手の体勢を崩すことはできたからなんの問題もない。

 

「《アサシネイト》!」

 

 なにせ今は、隣にセナがいる。レベルの暴力で、与ダメージが俺なんかとは桁が3つは違っていそうな……いや、やっぱり訂正する。武闘派シンデレラの首が勢いよく飛んだし、4つくらい違うかも。

 

「なんでユキ君、そんなに戦闘慣れしてるの?」

 

 灰になって崩れていく灰被り姫の残骸を挟み、開口一番そんなことを聞かれた。俺はそんなに変なことでもしたのだろうか。

 

「いや、むしろあれくらい普通じゃないのか?」

「幾らVRで痛みがないって言っても、敵意を持って攻撃してくる人型に落ち着いて対処なんて、普通は無理だよ…」

 

 確かに、あらためて振り返ってみればそう思う。けれど、理解はできてもなぜか共感ができない。敵は敵って思ってるのは恐らく違うだろうし……あぁ、でもあらためて考えると思い当たることがあった。

 

「分かった。ログイン初日から毎日、最低でも10回は死に戻りしてるからだ」

「死にすぎだよぉ……」

 

 セナががっかりと項垂れるけど、仕方ないじゃないか。ソロで遊んでると、結構すぐにアッサリ死ぬのだ。不意打ち斬殺刺殺圧殺爆殺毒殺轢殺絞殺撲殺溺死落下死捕食……まあ、色々あった。この感覚は、ゲーム内に留めないと大変なことになるな。

 

「まあそんな事は良いとして、何かドロップしたか?」

「んー…灰の宝珠ってアイテムと、ガラスの靴だけだね」

 

 ふむふむと頷きながら、俺の方もドロップ品を確認する。ちょっと待って何これ多い。

 

「ユキ君はー?」

「灰の宝珠が5つ、ガラスの靴が2つ、灰の衣1つに、なんか黄金のティアラなんて物まである」

 

 因みにポイントは、18,000増えていた。………いちまんはっせん!? ポイントマジやばくね? というか、少し目を離した隙にギルドポイントが6桁突入してた件について。

 

「…いや、そんなことよりポイントがヤバイ。セナの方も大量に貰えてるんじゃないか?」

「うわ、ほんとだ。11,000も増えてる」

 

 もしかしたら、今回のイベントはLuk極振り(おれ)の独擅場かもしれない。ウィンドウを覗きながらそう思った瞬間、俺の探知圏内に何かが凄い勢いで突入してきた。

 

「っ! 《障壁》!」

 

 苦し紛れに張った障壁が砕ける音が聞こえ、衝撃とともに俺の胸から透明な刃が生えてきた。うん、安定の即死だ。

 

「あー、回収頼んだ」

 

 そう言って、俺の視界は暗転した。

 最後に見えた灰被り姫2号の頭には、金ではなく銅色のティアラが載っていた気がした。

 

「さてと」

 

 見慣れた喫茶店の内部で俺はリスポーンした。

 ……障壁、やっぱり最低値だけあって脆いなぁ。重ねないとコレあってもなくても……いや、MP消費する分無駄だわ。

 

「それじゃあセナが来てくれるまで、ゆっくり行きますか」

 

 また【紋章術】の説明でも読みながら、ゆっくり湿地帯を目指そうと思う。Aglが死んでるから、どうせ来てくれるのに間に合わないだろうけどね!

 

 え、あ、はい。なんです?

 私がどうやって戦ってるのか知りたい……ですか?

 まだギルマスが来るまで時間はありそうですし、丁度いいので付き合ってくれませんか?

 はぁ…掲示板に。まあ別に良いですけど。スキル構成は教えませんし、一応ボカしてくださいね?

 

 

【イベント】最新情報 part3

 

 1.名無しさん

 で、今のところ一番ポイント効率の良いところはどの辺りなんだろうな?

 

 2.名無しさん

 ……最前線は、来ない方がいいぞ

 

 3.名無しさん

 一番ポイント取れそうだと思ったんだが……何でだ?

 

 4.名無しさん

 考えてみるといい、最前線はガチ勢の巣窟だ。奴らは、イベントにも本気で取り組んでいる。後は分かるな?

 

 5.名無しさん

 なるほど、世紀末か

 

 6.名無しさん

 ジョインジョイントキィ

 

 7.名無しさん

 テ-レッテ-

 

 8.名無しさん

 トキ…病んでさえいなければ。でもそれ世紀末違い

 まあ大体あってる。魔法とスキルと同速のプレイヤーが乱れ舞う修羅の国になってる

 

 9.名無しさん

 トップギルドが暴れまわってるのか…

 よし止めよう。他だ他!

 

 10.名無しさん

 それなら、第3の街【ギアーズ】辺りかなぁ?

 

 11.名無しさん

 ああ、あそこのダンジョン辺りなら丁度よく稼げるだろうな

 

 12.名無しさん

 そもそも俺氏はまだ第2の街で足踏みしてる件

 初イベントなのに、これ町中探してもストーリーっぽいクエストがないんだが

 

 13.名無しさん

 それなら第3の街にあるな。

 なんか変な王様が「国の秘宝である王冠が、灰でできた魔物に盗まれた。取り返してくれ」って依頼出してくる。ポイント交換の方に『王権の象徴』なんてアイテムがあるからそれだろ

 

 14.名無しさん

 情報早スギィ…でも情報ありがとナス!

 

 15.名無しさん

 ホモは帰って、どうぞ

 

 16.名無しさん

 お前もじゃねえか!

 

 17.名無しさん

 お前もだったのか

 

 18.名無しさん

 暇を持て余した

 

 19.名無しさん

 ホモ達の

 

 20.名無しさん

 遊び

 

 21.名無しさん

 息ぴったりじゃねえか!

 やりますねぇ!

 

 22.名無しさん

 流れ切って悪いんだが、ちょっと聞いてくれ…

 

 23.名無しさん

 おっ、どうした?

 

 24.名無しさん

 いやな、極振りスレってあるだろ? 最近あそこでLuk極振りが出たって騒いでたんだ。それで今回のイベントは、Lukが高ければ高いほどドロップがしやすいって話だろ?

 

 25.名無しさん

 お前、まさか…

 

 26.名無しさん

 ああ、そのまさかだ

 別アカウントで極振りしてみた。そして、地獄を見た

 

 27.名無しさん

 地獄を見た? 確かあっちのスレじゃ、戦えないことはないってことになってなかったか?

 

 28.名無しさん

 まあ、VitもMinもなんだかんだ戦えてたしな

 

 29.名無しさん

 うむ。確か本人も、中々楽しいとか言っておったな

 

 30.名無しさん@2号

 アレは……本人が極度のマゾか、異常なプレイヤースキルがあるかのどっちかだ。じゃなきゃこんな真似できやしねぇ

 

 31.名無しさん

 説明はよ

 

 32.名無しさん

 俺もそれ考えてたしな。ちょっと教えてくれ

 

 33.名無しさん@2号

 ほいほいそんじゃ問題点を

 

 ①そもそもウサギが倒せない

 攻撃がどう足掻いても当たらねぇし、当たっても1割もダメージを与えられやしない。寧ろ反動でこっちのHPが消し飛ぶ。そして死ぬ

 

 ②魔法が使えない

 ならばと頼った攻撃魔法は、手元で爆発して俺のHPを消しとばした。明らかにふざけきってる。誰だよ魔法ならいけるとか言ったの。そして死ぬ

 

 ③回避ができない

 当たらなければどうということはない。しかしAglが0なため回避ができない。そして死ぬ

 

 ④敵の動きが見えない

 速い、追えない、そして死ぬ

 

 34.名無しさん

 ………

 

 35.名無しさん

 うわキツ

 

 36.名無しさん@2号

 まあそれでも、本データのギルメンに頼んでPTを組んでもらったんだ。けどそこでも問題が起きた。

 

 ⑤PTメンバーに追いつけないで死ぬ

 壊滅的なステのせいで、全力で走ってもギルメンに追いつけない。そしてエンカウントして死ぬ

 

 ⑥巻き込まれて死ぬ

 なんとかPTで戦闘になっても、不意打ちや味方の余波でHPが蒸発する。

 

 ⑦レアモンスターで死ぬ

 死ぬ気で頑張ってレアモンスターと遭遇。灰被り姫っていう、広告に載ってたモンスター。金冠だったからこりゃ良いと思って挑んだら、PTごと全滅。

 

 37.名無しさん

 ん? まあ無残なことにはなってるが、灰被り姫ってそんなに強いのか?

 

 38.名無しさん

 そら金冠ならそうなるわな……

 

 39.名無しさん

 プラチナが出なかっただけ良いだろ…

 あいつら、王冠で強さもポイントも変わるんだよ…銅→銀→金→プラチナって感じで(全滅した奴)

 

 40.名無しさん@2号

 おう、やばいぞ。HPを3割くらいまで削ったところで、ライダーキックで後衛が全滅してオジャンになった。ヒーラーが消えたそこから総崩れ。

 そして一人になって今に至る(´;ω;`)

 

 41.名無しさん

 っハンカチ

 涙拭けよ……そしてこう唱えるんだ

 (そんなデータは)存在しないと

 

 42.名無しさん

 博士は永遠にフルステルスしててどうぞ

 

 43.名無しさん

 ちょっといいか? 俺、さっきLuk極振りの本家さんと遭遇してちょっと一緒に狩りしてきたんだが

 

 44.名無しさん

 ほうほう

 

 45.名無しさん@2号

 なん……だと。あなたの情報によって、俺の別アカウントの生死が決まる。

 

 46.名無しさん

 2号さんの言う通りだった。アレは頭おかしい

 一応本人が教えて良いって言ってた範囲だからな? いや、言ってることが完全に意味不明だったが

 

 47.名無しさん

 kwsk

 

 48.名無しさん

 戦闘開始→敵を見る→敵の動きを見る→予測する→出を魔法で潰す→繰り返す→何もさせない→死なない→勝つ。異常。

 あ、魔法は【付与魔法】だってさ。暴発させて使うらしい。

 

 49.名無しさん

 ちょっと訳がわかりませんね

 つーか誤字wwwいや、誤字じゃないのかも

 

 50.名無しさん

 そうか……極振りスレの奴ら、全員どこかしら頭のネジが外れてるけどこいつもか…

 

 51.名無しさん

 なんだそれ……俺には無理だな。素直に枠食うからリセットしてくる

 

 52.名無しさん

 いてらー。だから、アレほど極振りはやめろといったのに…(言ってない)

 ……因みに、その後Luk極振り君が、とても親密そうな『すてら☆あーく』のギルマスと狩りに出て行ったことをここに記しておく

 

 53.名無しさん

 ガタッ

 

 54名無しさん

 ガタッ

 

 55.名無しさん

 落ち着けお前ら……

 (魔女)裁判の準備だ

 

 56.名無しさん@2号

 有罪にする気しかねーじゃねーかww

 れーちゃんprpr

 

 57.名無しさん@ラン

 ほう、良い度胸をしてるな。

 特定したぞ?

 

 58.名無しさん

 ニーサン、ニーサンじゃないですか!

 さよなら2号

 

 59.名無しさん

 死んだな2号…お前のことはきっと忘れない

 

 60.名無しさん@2号

 はっ、イヤイヤまさか。いくらなんでもこ

 

 61.名無しさん

 途中送信…あっ(察し)

 

 62.名無しさん

 慈悲など要らぬ!

 

 63.名無しさん

 残酷なことだ(便乗)

 

 64.名無しさん

 はいはい、彼氏面さんは大人しくカルデアに帰りましょうねー

 

 65.名無しさん

 さぁ、首を切りましょう、おさらばです(更に便乗)

 

 66.名無しさん

 千魔眼、解放(便便便乗)

 

 67.名無しさん

 ◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ッ!(唸り声)

 

 68.名無しさん

 いつからここは、アヴェンジャーの集合場所になったんだ…

 

 69.名無しさん

 さぁ…?(バースデイに乗りつつ)

 

 70.名無しさん

 チェス……

 

 71.名無しさん

 うるせぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇ!!

 

 72.名無しさん

 おっ、そうだな

 そんじゃ、マトモな話にもどるぞー

 

(以下通常の会話が続く)

 




ポイント内訳

灰被り姫(プラチナ)12,000
灰被り姫(金冠)9,000
灰被り姫(銅冠)3,000

黄金のティアラ 3,000  灰の衣 1,500
ガラスの靴 1,000  灰の宝珠 500

アッシュファルコン 200
灰の欠片 20
灰の翼 75

灰鯊 100
灰の鱗 50


そして意味不明なスキルの説明を追加
【赤蜻蛉】
 AS
 消費MP 50
 反応速度上昇
 攻撃を交わした回数×3%Aglを上昇
 冷却時間 : 30秒
 効果時間 : 敵の攻撃に当たるまで
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