バズったしらゆきちゃんの配信風景
(配信風画面案その②です)
真説・爆破系美少女配信者しらゆきちゃん③
世の中には生主、
「ミュート確認よし、バーチャル火薬庫からこんボム〜です!」
:こんボム〜!
:こんボムー!
:視聴しに参った
:シラユキチャンカワイイヤッター
「はい、スパチャありがとうございます。ということで、今日も始めていきますね!」
そしてそれこそが、悲しいことに外堀を埋められた今の俺の職業だった。大神さんを巻き込んだ実況とそのあとに行ったスパチャお礼配信をきっかけにして、ズブズブと界隈の沼に引き摺り込まれてしまったのが全ての原因だった。今では大神さんの所属する『ウタカタ』のライバーさんともコラボしたりして、なんか凄いことになってしまった。企業所属はまだしてないのに。
結果、なんだかんだでUPO以外のゲームにも手を出すことになってしまったが……1ヶ月の収入が十数万円〜数十、数百万円とかいう意味不明な金額になっている。UPO運営に確認したところ、このしらゆきちゃんボディは年齢での変化はないらしいし、学業と両立しながら働くスタイルが完成してしまっていた。……103万以上稼ぐと、法律的に色々と面倒なことになるのを身をもって知ることになったが。
「ということで、今回やっていくのはこれ! 【大乱闘叩き込み兄弟達〜仮想現実〜】ですっ! 私これ、実は初めてやるんですよね。テレビ画面でやるやつは昔、ちょっとだけ触ったことあるんですけど」
:なぜ全編日本語に訳したし
:レトロゲーコレクターしらゆき
:頑なにタイトルを言わないスタイル草
:それフルダイブ化してから操作根本的に変わってるけど大丈夫?
「そうなんですよねぇ。私が知ってるこのゲームは、コマンドを入力してコンボを決めていくゲームだったんですけど……なんか今は、基本的に自分の体を動かしていくらしいじゃないですか」
と言うわけで、今日もまた
コメントでも言われてる通り、かつての同名タイトルと現在のこのゲームは些か性質が異なっている。根本的なシステムは何も変わらないが、ステージは2Dの平面からフルダイブ用の3Dへ。かつてコマンド入力で動かしていたキャラは、弱攻撃はそのプレイヤーのセンス次第に。スマッシュや強攻撃は自分の身体を"事前に設定されたモーション"に近くなるよう動かすことで発生するという、何とも玄人スタイルな動きが必須となっていた。
一応初心者用に、旧来のコントローラースタイルで動かすこともできなくないが、俗に言うAC持ちでもしない限り完全操作は不能になってしまっている。
「折角ウタカタの方でやる大会に招待して頂いたので、今のうちから練習をしておきたいなと思ったんです。初心者ですけど、付き合ってもらえますか?」
:Oh yeah!
:初心者を引き込むことも玄人の嗜みよ……
:今ならしらゆきちゃんに手取り足取り教えられると聞いて
:ガタッ
:座ってろ
「ありがとうございます。ってことで、早速部屋建てちゃいますねー」
取り敢えず好感触。初めてやるゲームにワクワクしつつも、取り敢えず今回のメインは練習だ。一応、大神さん辺りのプレイは見てきたけど、ぶっちゃけまるで分からなかったし。
「そういえば、初心者が使うのにオススメなキャラとか居ますかね? 居たらまずは、そこから手を出してみようと思うんですけど」
:初めてならMiiファイター1択
:Miiファイターやろうなぁ……
:下心ありでもMiiファイターだし、なしでもそう
:↑こういう奴がいるから、自分の頭身とよく似たキャラを使う手もある
:Miiファイターを選ぶと、使うことになるのはログインしてる自分のアバター。最初に戦闘タイプを選んで、基本コマンドは共通で設定される。だから1番使いこなし易いとは言われてる。
:ただあんまり強くはないよね
配信画面の向こう側に問いかけてみると、そんな答えが返ってきた。なるほど、確かに一理ある。ゲームに慣れるのにうってつけというのは、あながち間違いでもないのだろう。多分、このアバターとの接触を狙ってる人も少なからずいるだろうけど。
「ならまずは、古い相棒を封印してそっちで遊んでみますね! 選べるタイプは格闘・剣術・射撃……取り敢えず慣れてる格闘スタイルにしますが……ボマーはないんですね、残念」
:初手格闘スタイルは勇気の塊で草
:火力と爆発力はあるけど、リーチがね……
:女性アバターは殴れない人 vs 合法的に触りに行く屑 vs ダークライ
:またしても戦わされるダークライさん(年齢不詳)
:それはそれとして、ボロボロに泣くしらゆきちゃんはみたいから全力で潰しに行く
:ダークライはそろそろ休んでもろて
:爆弾はアイテムにある
:安定の爆破卿
:い つ も の
:爆弾に取り憑かれた男
:女の子やぞ
思った通りのことを言っただけなのに、何故かコメント欄が爆速で加速していた。まあ確かに、格闘スタイルは一番相手と密着するスタイル。女性配信者は嫌な人も多かろう。俺は別に男だから気にしないが。
「えっ! あるんですか爆弾。ならその、普通ならアイテムなしステージランダム終点化だと思うんですけど……爆弾だけは使ってもいい、かな?」
:かまへんかまへん!
:寧ろないとしらゆきちゃんじゃないのでは?
:爆発物に取り憑かれてる……
:突然のタメ口は俺に刺さる
:お気に入りの人形を買ってもらった子供みたいな表情で草
:お気に入りの人形(爆弾)
:シャンハーイ
などと思っていると、そんな特大の爆弾が投げつけられた。イオ君さぁ……いや、確かに性癖を捻じ曲げた元凶は俺だし、毎月限度額までスパチャを投げる根性には感心するけど……いや、もう何も言うまい。
「くっ、赤スパには……赤スパには勝てないっ! イオさん、いつもありがとうございますね。でも、もしかして、私のこと女の子かと思った? 残念、男だよバーカ」
部屋が立ち上がりマッチングが始まる直前だけど、配信者は赤スパに勝つことは出来ないのだ。よっぽど変な要求のものでもない限り、それには応えねばならないと古事記にも書いてある。いとをかし。
:それはよくない。大変よくない
:lewd!
:男だろうが女の子として扱えば女のコになるんだよ!
:スパチャニキナイスゥ!
:わからせたい、この笑顔
:君のせいで…俺は…俺は普通だったのに…君のせいで俺は今大変なんだから!
:ありがとうございます! ありがとうございます!イオ
:いいわね、わからせ本。書くわナナナナナナナ
:やべーぞ大先生だ
折角なので、ASMR気味に囁くようにして言ってみた。ヤバい人が沢山釣れた上に、自分を題材にした本がまた増えた。UPO本、微妙にジャンルとして発生始めてる途中なのに、もう自分の本が10冊あるんだけど……いいのだろうか。これ。取り敢えずスパナ*3付けとこう。許可貰ったし。
とても楽しいが、こうしていては、いつまでも本題に進めない。故に一旦スパチャ読み読みは中断。本来の予定に沿って配信を進めるとしよう。
「基本的に、一戦ごとに交代するスタイルでやりましょうね。デュエルはルールとマナーを守って楽しくです! 私もみんなと色々やってみたいので!」
:はーい!
:その元ネタのルールとマナー、守れてますか?
:遊戯の王ぇ……
:まあ一戦毎にチェンジは残当よな
そうして、元気のいいコメントで配信欄が埋め尽くされたのを確認したのに合わせて、えいえいおーと身体を動かす。TS娘特有の無防備に見える動き……やはりこれに限る。そんなことを思っている間に、マッチングが完了した。
いつも通り場所はランダムで終点。マッチングした相手のキャラは、某アメコミヒーローのような姿をした毎日SNSにランチをあげてそうなキャラ。確かこのゲームの区分だと、足の速いコンボキャラ……だった筈。こっちも軽量コンボ型だから、対面での相性は悪くないはず!
「うわっ、小さ……」
「えーと、タソガレさん。よろしくお願いします!」
そりゃあ180近くのキャラを使えば、この150前後しかない身体は小さいでしょうよ。そんなに体格差があっても、バトルが成立するのがこういう格闘ゲームの面白いところだけど。
「残機2機、時間制限7分でやっていきますっと」
3 2 1
Go!
「その開幕ダッシュキックはテンプレなんですかね?」
技の発生終わりに1発脚を払って動きを止め、掴みを入れて下叩きつけ。跳ね上がったところに大上段キック。大きく浮かせて相手のダメージ%を稼ぎつつ、接近して追撃。百烈拳と言われるタイプのパンチを打ち込んでから、大きいのを1発どーん!
「ふぅ、コンボ決まると気持ちがいいですね」
:見え
:見え……た!
:初心者の動きじゃなくて草
「初心者なのは間違いないですよ。ちょっと他のッ、ゲームとかUPOで鍛えられたのと、古いシリーズの方はやり込んでただけッ、で!」
無敵時間が終わり、ぴょんぴょん跳ねながら迫ってくるお相手の動きを空間認識全開で観察。向こうの攻撃に合わせて当たり判定の範囲から一歩外れ、攻撃を1発差し込む。
:コメント読む暇あって草
:↑だってお前極振りだぞ?
:キックの判定完全に見切ってて笑う
:リーチ短いのにようやるわ
あっ、その復帰位置なら多分こうして、こうすれば──
「KA☆KA☆TO☆O☆TO☆SHI!」
ダメージの%はそこまで稼げてなかったけど、崖側に追い込めたのでした方向にオーバーヘッドで踵落とし。落下した先からいつものエフェクトが発生し、残機を1つ消し飛ばした。
:脚技の方が判定強いのはわかるんだけど、さっきからずっとパンモロしてて草
:これが羞恥心を焼却して得る力……!
:脚技使いに脚技で競り勝つ煽り芸
:初心者だと思ってたけど元々極振りだからアレなんだよな
:しらゆきちゃんまだ0%で草
:おみあしprprだけどおてて……
:おてて民が静かだから正解かもしれない
「格ゲー……にVR時代の作品を分類していいのか微妙な部分ですけど、格ゲーってそういうものですか──」
あっ、まず。いつもの空から戻ってくる演出で復活した相手の、こちらに向けて落ちてくる急降下キック。先程と同じように見切ろうとしたそれが、空中で動きを若干ながらも修正。カウンターをまた決めようとしていたこっちより早く、相殺も間に合わない速度で叩き込まれた。
そのまま掴まれて、腹パン、腹パン打ち上げ、ストライク! 痛い痛いこれはまずッ
「にゃーッ!?」
:猫やんけ!
:いつもの悲鳴
:助かる
:VR版の洗礼だな
:基本的に動きが合ってれば、細部のアレンジが可能という運動音痴殺し
:まあ基本的に上級者テクニックだし
:腹パン、キック……ふむ、続けて?すナナナナナナナ
:やべーぞ大先生だ(2回目)
:先生にスパナ付いてて草
:これでも2D版のしらゆきちゃんのママだし……
:寧ろそれで、なんで付いててなかったんだ?
:大先生が拒否してた
:あっそっかぁ
飛ばされた、復帰。あっあっ空中コンボ。ダメージ率、やばい。赤ゲージ。反撃差し込み、間に合ったけど削れない。コメントを読む暇なんてとうにない。いやそれはあるけど返信する暇がない。まず、まずい。この距離は──
「膝大学!!」
「国立ッ!?」
30%弱まではなんとか差し込んだけれど、時すでにお寿司。どうしようもないメテオ返しで、こちらも残機を1つ吹き飛ばされるのだった。しかしタダでやられてなるものか。復活がてらに落ちてるアイテムを回収、再度参戦する!
「爆弾ゲット! さっきはよくもやってくれましたね!」
「爆破卿にそれはまずいッ!?」
:勝ったな風呂入ってくる
:鬼 に 金 棒
:駆 け 馬 に 鞭
:しらゆきちゃんを鞭でわからせる……?
:しばいて貰うに決まってるだろ
:爆破卿降臨
:安心と信頼の爆破卿
:火薬の香りがしてきたな……
:変態も同時に湧いてきたがな!
:シラユキチャンカワイイヤッター
この後この試合はなんとか競り勝ったものの、上手い人には普通に負けるような試合が続き、【猫シーンまとめ】なる切り抜きが作られたのだった。