幼馴染がガチ勢だったので全力でネタに走ります   作:銀鈴

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なんか感想欄から書いてって怨念が飛んで来たので書きました。
いつかぶりのクリスマス短編です。
当然IFですよ?


番外編 爆破系美少女配信者しらゆきちゃん

 世の中には生主、配信者、或いはゲーマー、或いはDotuberと呼ばれる職業がある。その中でも、バーチャルなガワを被って楽しくゲームなどを配信する者を略してVtuberという。

 

「えーと、今回はちゃんとミュートになってませんね。こんボム〜です!」

 

『こんボム〜』『こんボム〜』『鼓膜の変え買ってきた』『ミュートになってるよ』『なってないよ』

 

「だ、大丈夫ですよね? いえ、大丈夫だと信じて今日も配信していきたいと思います!」

 

 つまり、今の()の職業がそれだった。しかもユキとしての姿じゃなくて、しらゆきちゃんとしての姿で。

 

 ことの発端はれーちゃんが作った性別反転装備と、割と有名なVtuberに出会ったこと。そしてギルドのみんなとVの者に乗せられて、しらゆきちゃんとして配信をしてしまったこと。そして何の因果かバズってしまったことと、何だかんだで収益化が通ってしまったことにある。

 そして、2、3回釣られて配信したら完全にハマったという訳だ。なおセナと藜さんというか、ランさん以外は何故かノリノリだった。

 

「前回は今開催中の【探索!従魔大森林-β版-】を配信したので、今回は通常サーバーですね」

 

『やったぜ』『蜂も悪くないけどやっぱりこっち』『ゆきセナてぇてぇが見れるからな!』『あかゆきだルルォ!?』『やっぱり爆破のクオリティが高いからな!』『虫系実は苦手だったんだよね……』『は?』『は?』『は?』

 

「私は大丈夫でも、虫が苦手な人って多いですからね〜」

 

 そんなことを話しながら、さて今日は何をしようかと考える。雑談配信をして欲しいとか言われてたし、いっそそういうのもありなのかもしれないけど、少しそれはプレイ時間が勿体ない気がするし……そもそも待ち合わせまでの時間潰しでもあるし……

 

「ところで今日、配信内容が思いつかなかったんですけど、何かやってみて欲しいこととかありますか?」

 

『爆破』『一心不乱の大爆破』『ミスティニウム爆破したい……したくない?』『第四の街、また爆破したくないです?』『そりゃあもう、爆破祭りでは?』『密林で鼓膜補充してくるわ』『ん?今何でもするって……』

 

 瞬間、いきなりコメントが湧き立った。そしてその殆どが爆破予告に近い内容だ。配信にハマった今でも、毎日のデイリーボーナスで第3の街にあるビルを爆破してるからだろう。

 

「何でもはしませんよー、出来ることだけです。……でも、見事に爆破ばっかりですね」

 

『前言ってたレッサーラビットとの1on1が見たい』

 

「あ、それいいですね。折角ですし、当時の装備……防御力は今の方が低いですし、初心者の杖に変えてやってみましょうか」

 

『レベルカンストでVit0』『変わらない布装備』『それ以外の性能はあるのにね』『初心者のデコピンで瀕死』『初心者装備でも実質Vit2だゾ』『初心者の杖だと、Str実質1なのにやれるの……?』

 

 レッサーラビット戦で計算に使われる能力はVitのみ。そしてVitの値は初心者用装備が5、今の装備が0である。問題はAglが今は20もあること。それじゃあ検証とは言えないから……

 

「やれてないと、今の私はいませんよ〜? あ、でも、Agl20もあったら検証にならないので、靴脱いじゃいますね」

 

『おみあし!』『おみあし民歓喜』『グローブ取ってくれてる!?』『おてて民も忘れるな!』『言うて中身男やん』『中身が割れてる分ガチ恋できる安心感』『だからこそでしょ』『セナゆきに混ざりたい』『←百合に割り込む男だ!処せ!』

 

 火がついたコメント欄を苦笑いで眺めつつ、久し振りに移動でエド・フェニックス(動詞)する。イヤッッホォォォオオォオウ式爆発紋章スケボーで一気に加速、始まりの街東側の森に到着した。

 

『また変な移動してる……』『ああ見えて超高等技術なの笑うしかない』『流石紋章術のトッププレイヤーだ』

 

「まあ、これはいいじゃないですか。それよりも、やっと出てきましたよ。レア個体ですが」

 

 久し振りに握る初心者の杖の感触を確認しながら、森の中から現れたレッサーラビット……ではなく、レア個体のホーンラビットを見据える。

 

「軽く初期並みの紋章も用意しましたし、やって出来ないわけはないですって」

 

『負けそう』『フラグがビンビン』『しらゆきちゃん敗北シリーズが増えるのでは?』『※ご覧のプレイヤーはLv80です』

 

「それじゃあ行きますよー。って言っても、作業画面になっちゃうので、軽く雑談でもしましょうか」

 

『負けフラグ』『紋章使っても良いのよ?』『慢心せずして何が王か()』『出来ればどうやって戦ってるのか教えて』

 

 そんなことを言いつつ、初心者の杖を構えて相手の動きを待つ。軽く手をくいくいと動かせば、案の定挑発に乗ってホーンラビットが飛び掛かってきた。

 少しだけ予想より早いけれど、軌道が単純すぎる突進に合わせて当時使っていた倍率で全種のデバフを付与。序でに杖のアーツの《奪撃》を起動。突進の動きに合わせて突き出した杖を引き、ホーンラビットを巻き込むようにして地面に叩きつけ、全力で蹴り飛ばした。

 

「どうやって戦ってるのか、ですか? 私がゲーム始めた頃にも同じような質問されて答えたんですけど、意味不明って言われちゃったんですよね……それでも良いならしますよ?」

 

『あっ(察し)』『しらゆきちゃんは感覚派だから……』『知ってた(当時民)』『やっぱり極振りだなって結論だった筈』『でも改めて聞きたい味もある』『分かる。それが出来れば極振りプレイヤー増えそうだし』『増えてない意味』

 

「じゃあ、懐かしですけど説明しますね」

 

 良い感じに実践も交えながらやれば、あの時よりは理解者も増えてくれるかもしれない。

 

「まずはこうやって、集中して相手を見ます。うさぎさんの一挙手一投足を見逃さないように」

 

『うさぎさん』『かわいい』『リスナーの名前火薬子なのに』『スパチャの名前が発火剤なのに』『私が育てた』『←清楚に育ってるじゃねぇか!』『お客様! 電磁発火剤を投げるのはおやめください!』『うさぎさんって誰だよ』

 

「で、立てた予測通りにうさぎさんが飛び掛かってくるので、出を魔法で潰します。それで動きが止まるので、適当に杖を突き込みます」

 

『どうして予測立てられるんですかねぇ?』『なおここまで素の能力』『リアルチートやんけ』

 

 まちぼうけの歌のように、すってんころりん転んだホーンラビットの目に杖を叩き込んだ。ここまでで減ったホーンラビットのHPは2割〜3割の中間ほど。

 

「実際、空間認識能力を限界ぶっちぎって使ってたらこうなっただけなので、リスナーの皆でもなる可能性はありますー」

 

『リアルチート育成ゲーム』『ナニカサレタヨウダ』『このゲームの上位陣はみんな使ってる……つまり?』『まあリアルで、ゲーム用剣術道場出来てるくらいだし』『←何それきになる』

 

「で、そのあとは蹴り飛ばすか、杖で掬い上げて投げ飛ばすか、自分で距離を取るかをして、動きを見るところに戻ります。空間認識能力が無くても、これくらいはやれますよね?」

 

『かわいい顔しても無理』『出来ない』『控えめに言って頭極振り』『懐かしい空気だ…』『やれますよね(むり)』

 

 話しつつ、さっきは蹴り飛ばしたので杖で掬い上げ投げ飛ばす。丁度木にぶつかってくれたお陰で、さらにHPバーがいい感じに減少する。その後の落下ダメージも含めれば、大体減らしたゲージは3割。

 

「でもやっぱり、Luk値の暴力でオールクリティカルなのが効いてますね。当時よりずっとダメージが出てます」

 

『これでダメージ出てるの?(震声)』『ホーンラビットのHPって確か50……』『これだけの攻防で20ダメージも出てない件』『12ダメージと見た』『初心者の攻撃ってダメどれくらいだっけ?』『一般的な戦士がアーツ使ったら20くらい』

 

「……え、そんなに火力出るんですか? 初心者戦士で?」

 

『出る出る』『大剣とかならもっと』『……純魔でもまだ威力は高いゾ』『素手格闘でも……うん』

 

 嘘でしょ……? 感心しながらも手と足の動きは止めることはない。自覚はしてたけど、それほど私の火力は致命的にないらしい。

 

「……慰めてください」

 

『よしよし』『膨れっ面かわいい』『よっ、トッププレイヤー』『シラユキチャンカワイイヤッタ-』『シラユキチャンカワイイヤッタ-』『シラユキチャンカワイイヤッタ-』『シラユキチャントヒスイチャンカワイイヤッタ-』『フォロワーのいない極振り!』

 

「途中から煽ってますよねそれ」

 

 ぶーたれながら、軽く雑談をこなしつつホーンラビットのHPバーを削りきる。

 いつかの経験を生かしてその後は、すぐに装備を変更してバックアタックラビットを爆殺。っと、ファンサービスも忘れちゃいけない。カメラの視点に合わせて満面の笑みを浮かべて──

 

「爆破しますよ?」

 

『ひぇっ』『ひえっ』『ゆるして』『ゆるして』『花火ルに縛り付けられるのはもう嫌だ……』『ぼすけて』『たすてけ』

 

「後この方法、ちょっと相手の防御力が上がると通じないので、私としては爆弾をお勧めします。爆弾。いいですよ爆弾。爽快です。それになんと、第二の街に到達してすぐに着く【すてら☆あーく】のギルドホームに来れば、現時点最高性能のものが売ってますからね!」

 

『流れるように爆弾推し』『本性表したね』『まさに爆破卿』『伊達にビルを花火にしてない』『自然なステマ』『自然な導入』『自然薯挿入』『おい誰だ今の』『頭に火薬でも詰まってそう』『いい匂いしそうって言って近づいた奴が、火薬臭しかしなかったって言ってた』『なおそいつは念入りに爆破された模様』

 

 そうやって30分ほどウサギと戯れていたお陰で、合流までの時間が稼げた。知覚できる範囲内にはもう入ってきてくれてるし、そろそろ話題を振っておこう。

 

「まあ、それはそれとして。今日は実はゲストを呼んでるんです」

「美味しいご飯が食べれると聞きました」

 

 カメラの位置を調節した途端、隠密とステルスを解除してその人は現れた。そう、呼んだコラボゲストとは他でもない極振りの先輩……その中でも、飛びっきりにヤバイ人。翡翠ちゃんである。

 

『ひえっ』『ヒスイチャワカワイイヤッタ-』『ヒスイチャワカワイイヤッタ-』『ヒスイチャワカワイイヤッタ-』

 

 途端に爆速で流れ始めるコメント欄。それを楽しく見ながら、配信画面を操作してタイトルを変更する。元のタイトルから【お散歩】ぶらり途中捕食旅【翡翠ちゃんと一緒】に。

 

「それじゃあ、張り切っていきましょうか!」

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