に願うばかりです。
「ねえ、ヒカル今日って何の日か知ってる?」
奈々は抱きついた手を離し僕の頭を優しくなでた。
僕は少し考えるがわからない。
「ヒカルの髪の毛いじりフワフワ
して癖になっちゃうな〜」
奈々は話をずらした。
でも分からない。
多分僕に考える時間をくれたのだろう。
「う〜ん、わからないか」
少し残念そうだった。
また、さっきみたいに
突然豹変してしまう
のが怖かった。
「ごめんなさい分からなくて」
僕は下を向いた。
だがまた頭をなでられた。
「今日って、8月10 日じゃない。
私、誕生日なんだ〜〜。」
微笑んで楽しそうだった。
でも何か引っかかる。
「誕生日?8月10日って
『僕の誕生日』....................」
「あったり〜!ヒカルと奈々の一番、
大事な日。ヒカルが奈々のもの
ものになって奈々がヒカルの
ものになった日!」
みんな忘れていた。
僕ですら忘れていた
僕の一番大事な日!
「目からうれし涙が出てるよ」
奈々は自然とでた僕の涙を指で
拭き取り舐めた。
「美味しい」
ほっこりした笑顔だった。
「それじゃ〜さ〜、一緒にケーキ作ろうか。
あんな物騒なロープ外したら、
材料買いに行こ〜」
僕はロープを外した。
「そのロープいらないから
燃やしちゃお〜」
奈々は笑顔で呟いた。
結局、それは二人でほどいて一本ずつ燃やすというか
溶かしていった。
「さ〜て行こうか。お金は全部払うよ。ヒカル
といる時間はお金じゃあ買えないし、
もし帰るんだったらいくらでも払いたいなあ〜」
「ウルウル」
泣きそうになったが耐えた。
「でもその代わり手を繋いで歩こう!」
一瞬ためらった。なぜならそんな姿を見た第三者は
どう思うか?
きっと奈々を馬鹿にするに違いない。
だが、奈々は何億人もの僕以外の人に最低と思われる
より、僕に手を繋いでもらえない方が何倍
いや、その程度で済むはずがない
違う何ガイ倍も辛く苦しいに違いない。
僕は手を繋いだ。誰がどんな目で見ようと、
そいつらは第三者だ!
買い物は意外とサクサク進んだ。
僕が好きなケーキ
(まあ普通のあの白いケーキなんだが)
を奈々は何故か知ってたから。
「さーて、作ろうか」
奈々がほとんど作ってくれたが僕も
少しは手伝った。混ぜたり塗ったり
しただけだが奈々は嬉しそうに僕を
見守っていてくれった。
かわいい
作り終わり、食べる事にした。
「ロウソク消して。あとケーキ全部食べていいよ」
奈々が嬉しそうに言う。
「誕生日が一緒なら二人で消したいし、
一緒に食べたい」
「あわわわ」
照れてるのがあからさますぎる。
「で、でもさ一口目は先に食べて!
楽しそうに食べてる姿見たいの!」
二人でロウソクを消し、
最初に口に運ぶ。
美味しい。
奈々ありがとう。
僕は視線を奈々へ移す
「おめでとう、今までよく頑張ってきたね
エライ、エライ」
自分を認め必要としてくれる存在
がいることがこんなにも幸せだとは。
人は孤独を憎悪し、自分の存在を受け入れてくれる人を
盲目的に探そうとする。しかし、どんなに深い愛でも死に
勝る事は出来ない。つまり、いつかは、、、、必ず、、、
最愛、、、、、自分の命よりも大事であろう物を喪う運命
にある。しかも死はいつ来るか全く分からない恐ろしい物
自殺は苦しいからするのでは無く死の時間を操れる事による安堵が原因でするのかもしれない。
人と会わずして死ぬのと大事な人と別れながら死んでいく事はいったいどちらが幸せなのでしょうか。
ヒカルにとって奈々とはいわゆる一時的な苦しみを無くす
薬のようなものなのか、それとも...........