暗い僕と至高の彼女   作:ネコ缶

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表裏

奈々と祝った誕生日の翌朝

 

「ヒカル、もう起きて」

奈々は僕の体を優しくさする。

夏休み中、僕はたいてい昼に起きる。

起きているのか、寝ているのか、

はたまた、『死んでいる』のか、

わからない時間。

みんな、、無能で期待外れな僕を避けてったなぁ。

「まだ6時じゃないか」

僕は、ボソッと不満を言う。

「それじゃ〜長生きできないよ。

規則正しい生活をしないと、幸せになる前に、

死んじゃうよ」

急に、奈々は暗い表情になる。

昨日出会っただけなのに、どうして、

こんなにも悲しそうになるんだろう。

「わかったよ」

「私の言う事聞いてくれてありがとう。

自分の事を粗末にしちゃダメだからね」

 

僕と奈々は台所に行った。

もちろん、手を繋いで。

奈々は嬉しそうであったが何故か

悲しそうであった。

 

奈々は、既に料理を作ってくれていた。

しかも、家にあった残り物で作っていてくれた。

僕は、料理も下手でいつも、

カップラーメンか適当に作った料理しか作っていない。

 

「オムライス?」

 

オムライス、幼い頃、僕が落ちこぼれて、

親の期待に応えられなるまえ、

嬉しかった時、いつも作ってくれた料理だ。

 

「どうして、オムライス?」

「嫌いなの?」

「いや、大好きだけど、でも......」

「それなら、一緒に食べよ」

 

 

「いただきます」

 

奈々は僕にそう言うようにせがんだ。

美味しかった。

両親が僕を愛していた昔のような気分

だった。

「泣いてるの?」

奈々が僕に問う。

僕は黙っているしか無かった。

 

「今日、何処か出かけない?」

沈黙が切れる。

「どこへ?」

「二人で遠くまで行って戻って来るの。

ヒカルは、人混みが多いところや、

うるさい所は、あまり好きじゃないでしょ」

「わかったよ」

奈々の言ってる事は正しい。

 

僕と奈々は、バスに乗って、

寺院、教会、などにの外観を眺めに行った。

ほぼ引きこもりの人が、気楽にできる事

は、それくらいしかないだろう。

奈々は、常に幸せそうだった。

特に、教会の鐘がなった時、

「ヒカルと結婚したいなぁ〜」

と言って顔が真っ赤になる程、興奮していた。

 

 

帰り、バス停から降り、家に帰るて時、

事件が起きた。

 

僕は大事な事を忘れていた。

バス停と家の間には、暗くなると、

よく不良がたまる狭い場所があった。

 

いつもなら遠回りするのだが、

夏休み中、特に外出しなかったせいか、

奈々といて気が緩んでいたのか、

数人の学生服を着た不良達と出くわしてしまった。

僕は、高校三年生なので、

不良達は同級生か、年下のどちらかである。

 

「おい」

不良の一人が僕を睨む。

「はい、何でしょうか?」

僕は、以前の経験からどのように対処する

のが最良の選択か知っていた。

とにかく相手様の神経を逆撫でしないように

神経に沿って行動しさえすればいい。

 

いつもは、それでよかった。

 

バシン‼︎

 

僕は殴られ、道に倒れ転がった。

まるで無生物のような力のない運動だった。

 

「おまえ見たいな最弱でキモいカスが、なに

偉そうに女といるんだよ!」

「ずいまぜん」

僕は、かすれた声で謝る。

 

「俺なんかな〜

先週まで付き合ってた彼女に振られたんだよ

それなのに何でお前が、、、」

僕が奈々を守ろうとしようと、目を奈々の方

に向けたとき、

 

ボゴッ、グシャ、、、

 

奈々は僕を殴った不良に殴りかかっていた。

ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ

ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ、、、、

奈々の拳の周期的な運動が、

鈍い音のリズムを刻む。

「お、お前やめろ!」

別の不良が動揺して止めるように促すの

 

奈々はその不良をにらむ。

「消えなよ」

死神のような声だった。

さっきまでの愛くるしかった奈々とは、

考えられない姿だった。

不良達は、奈々を恐れて殴られてる事奴

以外、一目散に逃げて行った。

 

僕も恐怖心から後ずさりしようとしたら、

奈々は、

倒れている不良に馬乗りになって殴り続けながら

「今手当てしてあげるから、じっとしてて!」

と呟いた。

僕は後ずさりすらできなかった。

 

 




どうして人というのは、表と裏があるのでしょうか。
裏を隠すため、偽りの表を作り上げ、人々は生きて
いるのでしょうか。
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