【未完】とある原石の闇影の支配者《ブラックマスター》   作:スキート

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第三章 為すべきこと、果たすべき正義

「お兄様!行きますわよ!」

 

「ああ、わかってるよ」

 

俺と白井は走る。攫われた少女を助けに。

 

 

 

─────────────────────────────────

 

 

 

遡ること2時間前───────。

 

 

 

俺がぴったり風紀委員(ジャッジメント)の支部に着いた頃に俺は少女が攫われたことを知る。

 

「比企谷くん、白井さん。行ける?」

 

来たばかりの俺と正義感の強い白井に指名がくる。

 

「はぁ、やりますよ……」

 

「もちろん、やらせていただきますわ。しかもお兄様と一緒だなんて……ぐふふふ……」

 

俺はこんな白井を無視し、一番最新の情報を頼りに現場に向かう。

後ろから「ああん!無視するお兄様も……!」とか言っていたが、気にしたら負けだろう。うん、気にしない。八幡嘘つかない。

 

そんなこんなで俺たち二人は少女が攫われた現場に向かった。

 

 

 

─────────────────────────────────

 

 

 

現場の路地裏に着く。

そこには、少女が持っていたとされる鞄があった。

 

「こっからどうすっか……」

 

俺がそう呟くと、白井は固法先輩に電話をかける。

 

「固法先輩。新しい情報とかはありますか?」

 

『んーと、一つだけならあるわ。確か比企谷くんの学生寮の近くなんだけどね。近くの廃墟に抵抗する女の子連れて入っていく男たち(・・)を見たって情報がさっき来たわ。二人はそこに向かってちょうだい』

 

「ありがとうございます。固法先輩」

 

そう言い白井は携帯をしまう。かなり有力な情報が手に入った。

 

「固法先輩が男たち(・・)と言ったので、複数犯ですわね……」

 

武装無能力者集団(スキルアウト)、か……」

 

武装無能力者集団というのは、いわゆる無能力者(レベル0)の集団である。要するに、能力が手に入らず、不良の道を進んだ者たちのことだ。

 

 

 

そして、冒頭に戻る───────。

 

 

 

─────────────────────────────────

 

 

 

第七学区にある廃墟

 

「…聞こえるか?白井」

 

「ええ、バッチリと」

 

廃墟の中からは複数の男の声と叫び続ける少女。

 

「…行くぞ。白井」

 

「わかりましたわ。お兄様」

 

そして、俺たちは廃墟の中に入る。風紀委員として、果たすべきことをする為に───。

 

 

 

「風紀委員だ。拘束する」

 

「風紀委員ですの‼︎」

 

「な、何だ!?」

 

「風紀委員かよ!」

 

「風紀委員さん……。助かった……」

 

そういい、攫われた少女は安心したのか、意識を落としてしまう。はぁ、面倒いけど直ぐに終わらせるか…。

 

「行くぞ、俺は左、お前は右のやつらを頼む」

 

「了解ですの!」

 

俺の合図とともに俺と白井は走り出す。

 

白井は空間転移(テレポート)の力を駆使し戦い、俺は能力を見せるわけにもいかないので、素手でぼこしていた。

 

「お、お前ら‼︎あれを用意しろ‼︎」

 

武装無能力者集団のリーダーと思わしき男は叫ぶ。

何を出すのかは知らないが早いうちに片付けなければ。

 

だが、大きな機械から音が鳴り始める。それと同時に白井が膝をついてしまう。

 

「お、おい!白井!大丈夫か!?」

 

俺はつい反射的に白井に近づく。くると白井が、「演算が出来ないんですの……」と言う。

 

「わかったか?ガキィ‼︎これはキャパシティダウンっつってなぁ、能力者の演算を妨げる装置なんだよ‼︎」

 

ほうっ!それは厄介だな。何て思うわけないだろうくだらない。

 

「お前はたった一人でこれだけの人数を相手にしなくちゃいけないんだぞ!」

 

男たちは俺と白井を囲むように立つ。人数は12人。最初にいたのが18人なので6人しか倒せていない。

 

だが、俺はこう言う。

 

「……雑魚が何人で来ても……、雑魚は雑魚だろうが……」

 

「お、お兄様?」

 

「白井、安心しろ。お前が起きた時には全部終わってるから……すまん…」

 

俺はそう言うと、白井の首をトンッと叩き、気絶させる。

 

「…さぁ、かかってこい。雑魚ども」

 

「て、てめぇ…!ぶっ殺す!行くぞてめぇら!」

 

「「「「「おお!」」」」」

 

俺は能力を発動する。えっ?何故キャパシティダウンが効かないって?答えは簡単だ。

 

俺が演算をしないで能力を発動しているから、だ。

 

そんなことはどうでもいい。

俺は能力《闇の支配者(ダークマスター)》を発動させる。

なんか垣根の《未元物質(ダークマター)》みたいだな……。

 

一応説明しておくと、闇の支配者と影の支配者(シャドウマスター)には違いがある。

闇の支配者は闇を自発的に出せるが、影の支配者は物体の影などを操る能力だ。

 

俺は発動した闇の支配者の力であたり一体全てを闇で包み込む。

廃墟からは溢れんばかりの闇があり、この状態で視覚が上手く使えるのは俺だけだ。

 

俺は闇を手の形に変形させる。その手で白井と同じように首を叩く。

全員を気絶させた俺は闇を消す。

 

俺以外、闇の中で何が起きたのはわからない。

わかるのは俺だけでいい。何が起きようが何があろうが、俺は闇の中から出られない。どんなところでも闇に捕らわれた俺は………………俺は─────────────。

 

 

 

─────────────────────────────────

 

 

 

Sirai Kuroko side

 

(わたくし)が起きた時にはもう、すでに、全てが終わっていた。

倒れている犯人たち。縄を解かれ、気絶している少女。そして、足りないのは──────この事件を終幕させたと思われる彼の姿。比企谷八幡の姿。

 

『…俺のことは深く詮索するな』

 

『…俺はお前の兄貴じゃないぞ。白井』

 

昔のことを思い出す。私にとっては苦くて、思い出したくないもない昔の話。お兄様とは和解が出来た。でも、お兄様は何か隠しているのだけはわかる。

 

「お兄様は一体………」

 

私はボソッと呟く。誰を聞いてなどいない私の独り言は私の胸の中で何回もリピートされていた。

 

でも、仕事がめんどくさいからって、仕事をサボるのは感心しませんわね……。私の命の恩人さん。……そして、私の初恋の相手。

 

 

 

 

 

 

 




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