【未完】とある原石の闇影の支配者《ブラックマスター》 作:スキート
Kamijyo touma side
わからない。
何もかもがわからない。
何故、俺の住んでいる学生寮にインデックスが倒れていたんだろう?
『魔術師』とは何なのだろう?
そして、何故、八幡は『魔術師』と名乗ったのだろう。
俺は、タダでさせバカだ。
何もわからない。
今日だって、補習帰りだった。
そして、帰ってきたら、朝会った女の子が倒れていた。
『魔術師』、『魔術』。
この二つとも、朝、インデックスに聞いたことだった。
けど、俺はそんなものないと思っていた。
担任の小萌先生の家に向かう中、ずっと思っていた。
お前は何者なんだ?
八幡。
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Hikigaya hachiman side
「はぁ、着いた……」
俺は今、担任の先生、小萌先生の家の前にいる。
背中には、修道服を着た血まみれの少女。横には、ウニ頭の親友。
路地裏を出て、十五分ほどの前に場所に、小萌先生の家があった。
小萌先生が住んでいるのは、まぁまぁ、ボロい二階建てのアパート。俺はその中から、『月詠』と書かれている、プレートを探す。
「ここ、か…」
小萌先生の部屋を見つける。
「当麻、部屋を開けてくれ」
「あ、あぁ」
当麻は戸惑いまじりに返事をする。……そりゃ、当たり前か。こいつには、今何が起こっているのかもわかってはいないのだから。
すると、当麻が、部屋のドアを蹴破ろうとする。だが、やはり『不幸』な彼は、ドアを蹴破ることは叶わず、「〜〜〜ッ‼︎」、と悶える。
「はいはいはーい、対新聞屋さん用にドアだけ頑丈なんですー。 今開けますよー?」
部屋の中から、小萌先生の声が聞こえてくる。素直に待ってりゃ良かった、とか当麻思ってるだろうな。と、俺が呆れ顔で思っていると、ドアががちゃりと開いて緑のぶかぶかパジャマを着た小萌先生が顔を出した。 のんびりしている表情なので、インデックスの傷は見えていないようだった。
「ん、なんで比企谷ちゃんと上条ちゃんが?新聞屋さんのアルバイトを二人で始めたんですか?」
「二人で同じところいるわけないでしょ…」俺はめんどくさそうに 「入りますよ先生。はいごめんよー」当麻は不機嫌そうに、小萌先生の家の中にズカズカと入って行く。
「ちょ、ちょちょちょちょっとーっ!」
ぐいぐい横に押される小萌先生は慌てて当麻の前に立ち塞がる。
「せ、先生困ります、いきなり部屋に上がられるというのは。いえそのっ、部屋がすごい事になっているとか、ビールの空き缶が床に散らばってるとか灰皿の
いや、見られたくないだけじゃねぇか………。
すると、当麻が「先生」と呼びかける。
「はいー?」
「……八幡が今背中に抱えるモノを見て同じギャグが言えるかどうか試してみろ」
「ぎゃ、ギャグではないんですー……って、ぎゃああ⁉︎」
「今気づいたんかよ!」
「比企谷ちゃんの背中が大っきくて怪我してるって所まで見えなかったんです!」
俺の背中にいるインデックスの大量の血を見てわたわたしている小萌先生を押し込み、俺と当麻は小萌先生の部屋に入る。
「………」
つい黙ってしまった。
部屋の中には、ビールの空き缶が床に散らばり、
「おっさんの部屋かよ……」
「比企谷ちゃん‼︎そんな事より、き、救急車は呼ばなくて良いんですか?で、電話そこにあるですよ?」
小萌先生は震える手で、部屋の片隅に置いてあるダイヤル式の黒い電話を指差す。
すると、唐突に、インデックスの口が開かれる。
「────出血に伴い、血液中にある
俺と当麻と小萌は反射的にインデックスの方を見る。
インデックスは畳に寝っ転がったまま動いていない。
だが、インデックスの様子は明らかにおかしかった。
いつもの光っている瞳は、静かな、『冷静』な瞳だった。
「──『
俺は唐突に
「──警告、第二章第六節。出血による生命力の流出が一定量を超えたため、強制的に『
動揺を隠せない。俺も、当麻も、小萌先生も。俺はこの姿を、一昨年の任務の時に一度見ている。だが、やはり、『気持ち悪い』。
「な、なんだよ⁉︎インデックスはどうしたんだ⁉︎八幡‼︎」
「な、何なのですか⁉︎比企谷ちゃん‼︎」
「…黙って見てろ。すぐに終わらせる」
俺は迷わずに、治療魔術に必要な物を小萌先生の部屋から探し、集める。
ゲームのメモリーカード。ちゃぶ台。シャーペンの芯のケース。チョコの空き箱。文庫本を二冊。食玩の小さいフィギュアを二つ。
俺は、昔発動した、治療魔術のやり方を思い出す。そして、探して集めたものを記憶通りに並べる。
「…出来る方がいるのは私にとっては幸いです」
「〜〜♪」
俺は、鼻歌感覚で、『音色』を奏でる。
そして、ちゃぶ台に置いてある、フィギュアが『歌った』。
ちゃぶ台と、神殿がリンクしたことを確認した俺は、金色のの天使、体格は子供、二枚の羽を持つ美しい天使の姿を思い浮かべる。
それを思い浮かべたのと同時に、体中の血管が何本を切れる感覚がした。
現在は血管を
天使の姿をイメージして、一分が経った。
おそらく、血を吐くまで、残り二分。
まだ、出ない。治療魔術は苦手だ。手順が長い挙句、発動が難しい。
残り一分ぐらいか……。と思った時だった。
「…ぐふっ⁉︎」
口から血が溢れる。突然、
だが、その瞬間に、天使の固定化を完了した俺は思わず寝っ転がる。
「───
そして、彼女の目は、いつも通り、暖かく、優しい瞳に戻っていた。
俺はそんな彼女の顔を見ると、安心したかのように、止まらない血を吐き出し、意識を手放した。
っていうか、超能力開発してない小萌先生に魔術を発動させればよかったんじゃ……とか思った俺だった。
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