はやて「よろしゅうな」
作者「前回最後のほう結構シリアス?だったね」
はやて「そやな、みんなの決意…うちのせいでみんな大変な思いしたんやな」
作者「さてさて今回もどうなることやら」
はやて「ほな、リリカル・マジカルはじまります」
「そういえば、今年のクリスマスはどうする?」
「あ、みんな。そのことなんだけど」
きっかけはアリサの何気ない一言から始まった
いつものように屋上で昼食をとっていたなのはたちはすずかの提案によって入院中である友人のお見舞いもかねてクリスマスプレゼントをサプライズで送ろうというものだった
「はやてちゃん、お見舞いに来たよ」
「あ、すずかちゃん。みんな。ようこそや」
「「「こんにちわ~」」」
なのは、フェイト、アリサ、すずか、隆の四人ははやてのところへと来た。
初対面ながらも、はやての人柄もあってかみんなはすぐに仲良くなった。
「それで、みんなどうしたんや?」
「それわね~」
アリサがにやつきながら手に持ったコートをめくる
「「サプライズプレゼント」」
「ほわ~なんやうれしいな」
笑顔を浮かべるはやてにみんなも笑顔になる。その時後ろの扉が開かれる
「すいません、遅くなりました」
聞き覚えのある声がしてなのはとフェイト、隆は後ろを振り向く。そこには
シグナム、ヴィータ、シャマル、和人の四人がいた
「な、んで」
「あれ?和人君、みんなと知り合いやったの?」
「え?ああ、うん」
歯切れの悪い和人にはやては首をかしげる。アリサたちも急に固まったなのはたちに機嫌な表情をした
「あ!みんなコートを預かるわね」
アリサたちがコートをシャマルに渡し、フェイトがシグナムに近づく
「通信ができない」
「シャマルはバックアップのスペシャリストだ。この距離なら造作もない」
コートを渡しながらもフェイトは通信ができないことを不思議に思ったがシグナムの言葉にシャマルを見るといつの間にか指にはシャマルのデバイス、クラールヴィントが展開されていた。
「あの、そんなに睨まないでほしいんだけど」
「睨んでねーです」
「こら!ヴィータ。あかんよ!」
「にゃははは」
敵であるなのはを警戒してにらみつけるヴィータになのはは少しおびえながらも声をかけるがヴィータは睨むことをやめない。それに対してはやてがヴィータの鼻を引っ張った。なのはもそんなやり取りに困ったような苦笑しかできなかった
「どういうつもりだよ」
「…今は言えない」
壁際ではなす和人と隆も今にもつかみかかりそうな雰囲気だった。
すぐに面接時間が終わりアリサとすずかは車に乗り込み、なのはたちは忘れ物をしたともう一度病院へと向かった。そして
「はやてちゃんが、闇の書の主…」
「管理局にこのことを伝えてもらっては困るのだ」
「私の通信妨害の範囲から出すわけにはいかないの」
「待ってください!闇の書を完成させたらはやてちゃんは!」
「でりゃああああ!!!」
「きゃっ!」
「なのは!?」
ヴィータがなのはを吹き飛ばしフェイトはすぐに行こうとするが目の前のシグナムもレヴァンティンを展開する
「シグナム!」
「我らもこのような結果は望んでいなかった。だが!」
「くっ!」
フェイトもバリアジャケットを装着する
「もうすぐなんだよ。もうすぐではやてが笑顔で帰ってくるんだよ。だから邪魔スンナ!」
目を見開き涙を流すヴィータになのははバリアジャケットを展開した姿で炎の中を悠然と歩いてくる
「悪魔め」
憎しみを込めた目でつぶやくヴィータの言葉はなのはに聞こえていた
「あくま、いいよ。悪魔らしいやり方でお話。聞いてもらうから!」
レイジングハートを展開しヴィータとなのはは空をかけた
「薄い装甲をさらに薄くしたか。軽い攻撃でも当たれば落ちるぞ」
「その分早く動けます」
「…このような戦いでなければどれほどの友になれたのだろうな」
「まだ、間に合います」
「もう、止まれん。主のためとこの剣を掲げたあの日から…今更言葉では止まれんのだ!」
紫の炎に包まれシグナムも甲冑を装備する
「止めて見せます。私とバルディッシュが」
構えをとり二人が激突する
「和人…」
「こんな形で君と決着をつけるなんてね」
「もうやめてくれ!闇の書を完成させちゃいけないんだ!」
「そんなことはない!はやては、闇の書を完成させたらきっと元気な姿で帰ってきてくれるんだ!」
「違うんだ!闇の書を完成させたらはやては死んでしまう!」
「そんなことない!あるはずがない!!」
「この、分からず屋が!!!」
打ち出される弾丸をよけながら隆と和人の一騎打ちが始まった
その中みんなを悠斗は悲しそうな瞳で見ていた
「すまない。これが俺の最後の我儘だ。赦してほしいとは言わない。けど、俺は決めたんだ、お前たちを守ると。約束したから、だから、そのためならなんと呼ばれても構わない」
一度だけうつむいて銀時計を取り出しのそ表面をそっと撫でた。そして顔をあげたとき悠斗には迷いわなく転移魔法を唱えはやてを呼び出した
「なに!?」
「はやて!」
「はやてちゃん!?」
「なんや、みんな何やってるんや!?」
行き成りあらわれたはやてにみんなが戦いの手を止める。そんな中悠斗がゆっくりとはやての隣に降り立つ
「闇の書の主だな」
「だ、だれや」
「名乗る必要はない」
悠斗は静かに刀を振り上げる。それを見てシグナムとヴィータ和人がすぐに悠斗に攻撃を仕掛ける
「邪魔をするな」
シグナムの剣を押さえつけ突撃してきたヴィータにシグナムを投げつける。そして一瞬油断した和人に魔法弾を撃ち込みさんには屋上へとたたきつけられる
「みんな!なんでや。あんた誰や!なんでこんなことするんや!」
「全ては君のせいだ」
「聞くなはやて!くっ!」
「和人君!」
痛みで膝をつく和人にはやては手を伸ばすが麻痺した足のせいで動かない。それでも手を伸ばそうと必死に地面を這う。そんなはやてを見ながら悠斗は続ける
「君の病気、それは君が持つ闇の書のせいだ」
「違う!主!聞いてはいけません!」
「悠斗さん!いったい何を!?」
「お前たちも静かにしていろ」
シグナムの叫びも無視して悠斗はなのはとフェイト、隆をバインドでしばりつけクリスタルケージの中に閉じ込める
「彼らは闇の書を完成させれば君の病気が治ると思っていた」
「なんや、なにいっとるんや」
「しかし、それにはあるものが必要だった」
「はやて!」
ヴィータの叫びも今のはやてには聞こえていない。信じられないものを見るかのように悠斗を見つめている
「君も知ってるだろ?」
「そんな、まさか。みんな」
「はやて!!!」
「そう、彼らは他人から魔力を蒐集し、君を助けようとした。あそこにいるなのはたちもその被害者だ」
「なんでや、そんなこと…私のせいなんか…」
「違う!はやてのせいじゃない!」
「いや、君のせいだよ。君のせいで多くの人が傷ついた。君が生きてるからこそ彼らは苦しい思いをしたんだ」
「わた、私の…」
「違います!主のせいではありません!」
「君が生きたいと望み、彼らはそれをかなえようとした。たとえ犯罪者と呼ばれても」
「ちがうの!はやてちゃん!」
だんだんとはやての目から涙が零れ落ちる
自分のせいで友達を家族を傷つけた
自分が生きていたからみんなは苦しい思いをした
「これがあれば闇の書は完成する」
差し出した小さな魔力の塊
「悠斗さん!?何を!」
「これで、彼らの彼岸は達成されるのだ。さぁ、どうする闇の書の主よ」
「そんなんいらへん!」
行き成りの悠斗の行動にフェイトは声をあげるが悠斗はそれを無視して続ける
はやては悠斗の腕をはじく。だが悠斗は逆にはやてを押さえつける
「いらない?君は彼らの努力を無駄にするのか?」
「みんながしたことは私が謝る!全部ちゃんと謝るから!みんなを赦して!」
「無理だな。すでに彼女たちには一生折の中で過ごすのだ」
「一生?」
「そう。もう、あえない」
会えなくなる、その言葉にだんだんとはやての顔が絶望に染まっていく
「あえない。みんなに…あえない」
「悠斗さん!やめてくれ!」
「てめぇえええ!はやてから離れろ!」
「主!!!」
「いやや、みんなと、会えないなんていやや!!」
「ならば力を手にしろ」
「ちか・・・ら」
「はやて!聞いちゃだめだ!!!!」
和人の叫びに康応するように駆けつけたザフィーラが悠斗を攻撃する
「主から、離れろ!!」
「ザフィーラ!!」
「邪魔だ」
「ぐおっ!」
「ザフィーラ!!!!」
防がれシグナムと同じように投げ出されるザフィーラにはやての悲鳴がとどろく
「選べ、力をとるか、何もせずにただ現実を受け入れるか」
「みんなと、みんなと会えないなんていやや」
ゆっくりとはやては悠斗の持つ結晶に手を伸ばす
「はやて!とっちゃだめだ!」
「和人、これでお前が望んだ闇の書は完成するのだぞ?」
「僕らはただはやてに幸せになってほしかっただけだ!こんな形望んでいない!」
「…………甘ったれるな」
静かに小さく、だけど確かに悠斗の言葉はすべてのものの耳に届いた
「何かを得るにはそれだけの対価がいる、何かをなすには覚悟がいる。どのような形であろうと、お前たちは闇の書の完成を望んだ、それがどんなものかも理解せずにただ完成を望んだ。自分たちだけが罪に問われればそれでいい?甘ったれるな!!」
「っ!!!」
悠斗の迫力にみんながい気を飲む
「自分が犠牲になればすべてが救えるだと、そんなものはありはしない!何かを守りたいのら力を手に入れろ!誰かを助けたいならそれだけの力を!現実を受け止めずただ安直になにもかも救えることなどありはしない!」
かつて悠斗は経験した、誰かを守るということのむずかしさを、助けるという儚さを。自らの無力を呪い、力を望みけれど、その先にあったのはただの虚無感だった。得た強さの代わりに失ったものが大きすぎたのだ。それでも今ここまで心が回復したのは周りの人たちの温かさがあったからだろう。悠斗は無意識に銀時計をにぎった
「これがお前たちが受け入れなきゃならない現実だ!!」
悠斗ははやての腕を引き闇の書に最後の魔力を蒐集させた。
そして
「うわあああああああ!!!!」
(起動)
闇の書が完成した
しばらくおまけコーナーはお休みです