魔法少女リリカルなのは~転生する者~   作:かおうどう

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作者「つ、疲れた…」

クロノ「いったい急になんだ」

作者「世知辛い世の中になったと思ってね」

クロノ「また、唐突だな」

作者「それが私クオリティ」

クロノ「はぁ、それよりも話を進めるぞ」

作者「はい」

クロノ「虚数空間に落ちたプレシアの手を掴む咲夜。これからいったいどうなるのか」

作者「心配そうな顔だね」

クロノ「あいつは昔から無茶しかしないからな」

作者「クロノが…デレた?」

クロノ「誰がデレルか!」

作者「ツンが来た!」

クロノ「やめろ!」

作者「さぁ、そのツンデレでいつものを!」

クロノ「なっ!…べ、別に言われたからじゃないぞ。君たち勘違いするなよ!
リ、リリカル・マジカル。始まるぞ」


名前を呼んで

 

それは咲夜がプレシアの手を掴む前

 

「離してアルフ!母さんが!」

「だめだよ!このままじゃフェイトまで落ちちゃう!」

 

プレシアのもとへ向かおうと身を乗り出そうとしているフェイトをアルフは懸命にとどめるがそれでも、主の思いが伝わっているのかだんだんとフェイトはアルフを引っ張るようにプレシアの落ちたもとへ向かおうとしている

 

「クロノ、ここはもうもたない脱出するぞ」

「わかっている。フェイト!君も早く来るんだ!」

 

クロノも咲夜も軽傷とはいいがたけがをしていたが動けないわけではないのですぐにでも脱出するために体に鞭を打って起こしアースラへの通信を開いていまだに残っているフェイトに声を掛けるが、フェイトは一向に動こうとしない。そのせいで

 

「あ!」

「フェイト!」

 

もともと弱くなっていた地盤が崩れフェイトも虚数空間へと身を投げ出された。アルフは間一髪でのがれたが、すぐにフェイトがいないことを知りあわててフェイトに手を伸ばす。だが、もう少しというところで手が離れた

 

「フェイト!」

「っ!」

 

もうだめだ、そう思ったとき自分を包む何かがあることにフェイトは気が付いた

 

「サク…ヤ?」

「アルフ!」

 

なんで、どうしてといったように咲夜をみるフェイトに微笑んでアルフに向かってフェイトを投げた。アルフがフェイトをキャッチしたのを満足そうに見て、咲夜は虚数空間に落ちた

 

「サクヤアアアア!!!」

 

フェイトの悲鳴がその場にこだました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(物語はこれで完結した。なら、ここからどうしようと俺の自由だ)

 

プレシアが虚数空間に落ちたことにより神が描いたシナリオは完結した、だからプレシアを救うのならこのタイミングしかないと悠斗は思っていた。けれど、まさかフェイトが落ちるとは思わなくて急いでその手を掴んだのだ

 

「見つけた!」

 

落ちていくプレシアを見つけて悠斗は一生懸命手を伸ばす

 

「ごめんね、フェイト」

 

小さくつぶやいた言葉は確かに悠斗に聞こえた

 

(全く、どこの世界でもお前はお前か…なら)

 

「それはちゃんと、本人の前で言ってやれよ」

 

不敵に笑いながら悠斗はプレシアの手を掴んだ

 

「あなた、どうして」

「なに、ちょっとあんたの娘を助けるために飛び込んじまってね」

「あの子は…無事なの?」

「ああ」

「そう」

 

どこかほっとしたようなプレシアの表情に悠斗は本当に不器用な奴だと思った

 

「まだ少しだけなら魔法が使えるわ。あなたを上に押し上げるからあなたは早くここから脱出しなさい」

「悪いがそれはできないね」

「なぜよ!?」

「あんたたちも救わないと気が済まないんでね」

「無理よ」

「いいや、無理じゃない」

 

(咲夜、もう少しだけ体借りるぞ)

 

諦めているプレシアをとりあえず腰に巻きつかせて、その間にポットから出したアリシアを挟むように入れる。悠斗はこれから無茶をする咲夜の体に謝りながらも最後のリミッターを解除した

 

「しっかり捕まってろよ」

 

もう、どうなっても構わないと思っているのかプレシアに抵抗はなかった

 

(俺が表に出られる時間もあとわずかだ、それにこのリミッターは本来俺のであって咲夜のじゃない、どこまで耐えられるか…)

 

一つの体に二つの魂。異常な状態であるからこそ悠斗は咲夜の体に自分という存在がいないという錯覚を与えていた。けれど、悠斗の魂は確かにそこに存在していた。だからこそ悠斗も表に出てくることが可能であり刀を体内に取り込めることもできたのだ。そして、咲夜は無意識化で行われている体の制御を解除するすべ、トランスモードを所持していたが、それは本当の意味で解除していたわけではなかった。なぜならば悠斗がいまだ成長途中の咲夜がそれを行ったときに起る弊害を恐れてのことだったのだ。だが、現状を打破するためにはそのリミッターを解除する以外すべはなかった

 

「ゼロトランス」

 

――――待て!それは今使ってはならぬ!

 

悠斗の行動にさすがにこれ以上傍観は出来なと思ったのか神の一角が悠斗を止めようとしている。だが、悠斗はそれを無視して力を発動した

 

(ち!思っている以上にこれはきついな…)

 

今まで使ったことがなかったため、体に起きた障害に悠斗は一瞬だが顔をしかめた

 

「時間がない。しっかり捕まってろ」

「ええ、でもあなたそれはいったい…」

「時間がないといっただろ」

 

さっきまでと魔力の質が一変した咲夜にプレシアは驚きを隠せずにいたが、悠斗の言葉に口をつぐみ黙ってしがみついた

 

「行くぞ」

 

返事を聞かずに刀の上に乗り、悠斗は一直線に飛び上がった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サクヤ……」

 

アースラに戻ったフェイトたちは咲夜が虚数空間に落ちたことを伝えられみな茫然としていた。そんな時

 

「なんで葬式みたいな顔してるんだ?」

 

扉から何食わぬ顔で入ってきた咲夜を見て幽霊でも現れたように驚愕した表情を浮かべた

 

「サクヤ?」

「なんだ?」

「サクヤ!!」

 

歓喜余ってフェイトは咲夜に飛びついた

 

「本当にサクヤなんだよね?お化けじゃないよね?」

「おいおい、今触ってるくせに何言ってるんだ?」

「うん。でも…」

「仕方ないな」

「あ」

 

咲夜は少しだけため息をこぼしながらフェイトの頭を撫でた。それによってフェイトは安心したように涙をこぼす

 

「咲夜。君が生きていてくれてよかった。けど、どうやって助かったんだ?」

「なに、ちょっとばかし無茶しただけだ」

「はぁ、君はまた…まぁ、なんだ。無事でよかったよ」

「ありがとよ」

 

どこか照れくさそうにいうクロノに咲夜もまた照れくさそうに返した。そんな二人を周りは暖かく見守った。その時咲夜は思い出したかのようにフェイトを見た

 

「フェイト、お前に合わせたい人がいる」

「え?」

「おい!いい加減隠れてるのやめろ!」

 

咲夜の向く方に視線が集まる中ゆっくりと扉が開きその中からプレシアがゆっくりと入ってきた

 

「かあ、さん?」

「…………………」

「プレシっむぐっ!」

 

警戒心をあらわにしてデバイスに手を掛けようとしたクロノを咲夜が抑える。フェイトはゆっくりとプレシアのもとへ歩く

 

「母さん!」

「っ!」

 

抱きよるフェイトにプレシアは複雑そうな顔をしたがそれでも、フェイトを拒むことはなかった

 

「母さん、母さん!」

 

泣きじゃくりながら顔をプレシアに押し付けるフェイトを見て、プレシアもまた一粒の涙をこぼし

 

「ごめんなさい。フェイト」

 

振える手でフェイトを抱きしめた。それか二人は涙が枯れるくらいに泣き合った

 

「プレシア、貴方が今回起こしたことは決して許されません。だから、本局で罪を償ってください」

「わかってるわ」

 

泣き止んだ頃、リンディはプレシアの処分を下そうとした、そんな時

 

「ちょっと、待ってくれないか」

「咲夜君。何かしら?」

「プレシアの件。無罪にはできないですか?」

「咲夜!君は何を言っているのかわかっているのか!」

「ああ。無論ただでとは言わない」

 

咲夜がモニターに映したのはヒュドラ事件についての詳細な記述だった。そこには

 

「これは…」

「プレシアのことを調べた時本局の奥を探ったら出てきたものだ」

 

そこに書いてあるのは本局による実験の真相だった

 

「ブラックホール生成実験による弊害。それにより生み出す利益…」

「本局では利益を優先させてまだ未完成の実験を強行した。それが事の真相だ」

「咲夜、これは本物なのか?」

「ああ。あの人たちにもすでに話は通している」

「そうか…」

 

利益を優先するあまりに無茶な事件を行いそれによって悲劇は起きた。けれど、本局はそれを隠すためにすべての責任を当時の研究者、つまりはプレシアたちに押し付けたと記すものだった

 

「アリシアは、こんなことのために…」

 

あまりにも身勝手な真相にプレシアは絶望の淵に落とされる。最愛の娘を金に目がくらんだものたちのせいで失ったのだ。当然の反応と言える

 

「プレシアさん。その、何と言っていいか…本当にすいません」

「…………………」

 

無論リンディたちに非はないのは明白だ。だが、それでも局の一員として謝るほかなかった

 

「これで司法取引をすれば無実は勝ち取れる」

「だが、プレシアの娘は…」

 

罪には囚われないといっても失ったものはあまりにも大きすぎる。けど、咲夜にはもう一つ切り札があった

 

「プレシア、お前はフェイトをちゃんと娘としてみるか?」

「…………………」

「答えろ」

「咲夜君。今は」

「答えろ!」

 

いまだに焦燥しているプレシアに咲夜は詰め寄る。リンディは止めようとするが咲夜は気にせずつづけた

 

「どうなんだ?プレシア?」

「…フェイトも私の娘よ。アリシアがいない今。フェイトだけが私の娘なの」

「そっか。なら、これをつかえ」

「これは?」

「咲夜、それはあの時の」

 

咲夜が取り出したのは昔、クロノとともにもらった宝石だった

 

「死者蘇生の可能性」

「え?」

「これを使えばアリシアは蘇るかもしれない」

「「「「「え?」」」」

 

咲夜を誰もが信じられないといったように見た。それもそうだろう、咲夜自身これが本当に人を生き返らせることができるのかいまだに半信半疑だ。でも、あのドラゴンの言葉が本当ならアリシアは生き返る

 

「本当に、アリシアが生き返るの?」

「ああ」

 

プレシアはいまだに信じられないといった顔をしているがそれでも、しっかりと手に取った

 

「早く使ってやれ」

「ええ」

 

プレシアはアリシアのもとへ走った。少ししてフェイトもまたプレシアのもとへ向かい、みんなもそれに続いた

 

「咲夜、僕は聞いてないぞ」

「言ってないから」

「咲夜!」

「いいだろ別に。これが本局に伝わったらあのドラゴンたちが狙われる。それが嫌だったんだ」

「それは…」

 

さっきの資料をみた手前、それがないとは言い切れずクロノは口をふさいだ。死者蘇生の秘術。確かにこんなことが公表されたらどうなるか、それがわからないクロノではなかった

 

「ほら、俺たちも行くぞ」

「ああ」

 

まだ、どこか納得しきれていないといった表情だが、すぐに答えも出ないだろうと思い咲夜の後に続いた。部屋に入ったときそこには泣きながらアリシアに抱き付くプレシアと嬉しそうに涙を流すフェイト、そしてみんなの姿があった

 

「成功したみたいだな」

「サクヤ!」

 

現れた咲夜にフェイトは嬉しそうに抱き付いた。その後ろでアルフもまた涙を流しながら咲夜にお礼を言った

 

「プレシア、これから二人の娘を大事にしろよ」

「……ええ」

 

そういったプレシアだが、どこか浮かない表情をしていた。そして

 

「ゴホッ!」

「母さん(ママ)!?」

 

血を吐いたプレシアにフェイトをアリシアは驚き寄り添う

 

「もう、時間がないみたいね」

「母さん?」

「ママ…」

 

フェイトは何を言っているのという表情で、アリシアは何かを悟ったのか心配そうに見ていた

 

「お前、病気だったのか?」

「ええ。もう長くはないわ」

「そんな!」

「いいのよ。こうして娘二人を見れたのだから」

 

そうは言うプレシアだが、後悔の色が消えずに残っていた

 

「プレシア、一つだけ、可能性がある」

「まだ、何かあるのかしら?」

「あ!」

 

アルフはここで、咲夜のレアスキルのことを思い出した。だけど、他言無用という約束があったので口で言うことはできなかった

 

「ああ、だが、これは他言無用だ。みんな悪いが外へ出ててくれ」

「でも、サクヤ」

「いいから。プレシアを助けたいんだろ?」

「みんな。ここは咲夜に任せよう」

 

唯一事情を知っているアルフだけはみんなをこの場から出ていくように指示をした。最初は納得がいかないようだったがプレシアが助かるならと全員がこの場から去って行った

 

「さて、始めるか。Rewrite」

 

淡いオーロラに包まれプレシアの体の時間が戻っていく。光が収まったときプレシアは信じられなさそうに自分の体を見ていた

 

「苦しくない…あなたこれはいったい」

「質問も無しだ」

「そう」

「さて、俺は疲れたから家に戻る。あとはよろしく頼むな」

 

咲夜はそのまま転移魔法で自宅へと帰って行った。

この後部屋に入ったフェイトが若返っているプレシアを見てたいそう驚いたことがあったとか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、ひとつめの物語が終わったな」

 

―――――――あまり身勝手な行動をとるな

 

黒い影は不機嫌そうに悠斗に言う。けれど、悠斗は気にした様子はなかった

 

「お前たちの望み通りプレシアは虚数空間に落ちた。なあ問題はないだろ?」

 

――――――――再生するものの体を酷使したことはどうする

 

「すでに記憶は書き換えた。体も、俺の魔法で元に戻したし問題ないだろ?」

 

プレシアを救出した後、悠斗は咲夜の記憶を変え、今まで起こした行動は自分のものだと思わせた。ゆえに咲夜は自分が悠斗に体を乗っ取られたとは記憶していない。それにアースラに戻るころにはすでに悠斗から咲夜に意識は変わっていたため。誰も変わっていたことに気が付くものはいなかった

 

―――――――次はないのだぞ

 

「リインフォースに関しては俺にできることはないよ」

 

たとえあの宝石を使ったとしてもプログラムであるリインフォースを救うことは悠斗には出来なかった。だからと言ってこのまま見て見ぬ振りをするつもりもないのだが。そんな悠斗に思いを知ってか知らずか影は何も言わずに消えた

 

「さて、あと一つか。それで、俺がやるのは咲夜お前を殺すだけだ」

 

リインフォースに関して手がないわけではない。正確には悠斗ができることはないのだが、そのためにプレシアを助けたのだ。科学者として天才であるプレシアならきっとどうにかできると思ったためだ

 

「なぁ、フェイト。みんな。俺はこれでいいのかな?」

 

悠斗の思いに応えるものは誰もいない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはは朝早くからある場所を目指して走っていた。

 

「フェイトちゃん!」

 

見覚えのある人影になのはは笑顔で手を振った。

あの後、咲夜に対してクロノたちは質問したが結局咲夜が答えることはなかった。そして、フェイトの裁判が行われることが決まり、ミッドへ行く前にフェイトがなのはに会いたいと言ってなのははそれを承諾した。広場にはクロノ、ユーノ、アルフ、プレシア、アリシア、楓たちもそろっていた

 

「僕たちは少し外す。二人で話してるといい」

「うん。ありがとう」

「ありがとうクロノ君」

 

フェイトの隣にいたクロノがみんなを引き連れてその場から去って行った

少しの間だけ二人は無言だったがなのはが口を開く

 

「なんだろうね。いっぱい言いたいことあったのに…」

「うん。私も…」

 

どこか照れくさそうに笑いあう二人

 

「行っちゃうんだよね」

「うん。少しだけ長い旅になる」

 

裁判のために離れてしまう、そのことが二人には重くのしかかった

 

「今日ここに来てもらったのは返事をするため。君が友達になりたいって言ってくれたことに対しての」

「あ…」

 

それはその時なのはが言った言葉。ぶつかり合ってしまったけれど、その思いはいまだに変わることはない

 

「でも、私。どうしていいのかわからなくて…」

 

申し訳なさそうにするフェイトになのはは微笑んでフェイトの手を握った

 

「友達になるのはすごく簡単。名前を呼んで」

「え?」

「君とか、あなたとかじゃなくて。ちゃんと名前で呼んで。私なのは、なのはだよ」

「なの、は…」

「うん」

「なのは」

「うん!」

「なのは!」

「フェイトちゃん!」

 

やっと届いた思いになのはは涙を流しながらフェイトに抱き付き、フェイトもそっとなのはを包み込んだ

 

「少しだけ、わかったことがある。友達が泣いてると同じくらい悲しいんだ」

「フェイトちゃん!フェイトちゃん!」

 

少しだけ涙を浮かべながら言うフェイトになのははさらに強く抱き付いた

そんな二人を涙を流す者、温かく見守るもの、さまざまだった。そんなみんなのところに咲夜が来た

 

「うまくいったようだな」

「咲夜か」

「プレシアもどうにかなるみたいだしな」

「ええ。本当にあなたには感謝してるわ」

 

結局、プレシアは死んだこととなった。死者蘇生を行ったアリシア、若返ったプレシア。これが世間にばれれば二人は実験動物として扱われる可能性がある。そう考えたリンディが出した妥協案だった。プレシアもあの資料にあった人物たちが罪に問われるならとそれを飲み込んだ。さらに、フェイトが、プレシアに操られていた、そういう扱いにすることで罪の軽減ができるということも大きかった。最終的にはフェイトはプレシアのもとへ養子として引き取られることとなり、今は咲夜に店に下宿という形に収まった

 

「気にするな。俺は俺がやりたかったことをしただけだしな」

「そう。でも、本当にありがとう。あなたたちがいなかったらあの子があんなにいい子だったなんて知らずに終わるところだったわ」

 

いまだに名前を呼び合っている二人を見てプレシアの頬に涙が伝う

 

「さて、二人が仲良くなれたのも見れたし俺は店に戻るかな」

「なんだ、挨拶していかないのか?」

「今の二人に近寄るのは野暮ってものだろ?」

 

クロノもさすがにあの二人の間に入るのは心苦しいと納得、咲夜はそのまま去って行った

そんな咲夜を見て、クロノは重い気持ちになりながら二人に近づいた

 

「すまない。そろそろ時間だ」

 

管理局として無理を通してこの時間を作っているから、クロノとしてはこれ以上の時間を延ばすわけにはいかなかったのだ

 

「うん」

 

思いのほか二人はすぐに離れフェイトはクロノのもとへ歩きだした

 

「フェイト、しばらく会えないけど、いつでも通信しなさい」

「はい。母さん」

「お姉ちゃんも待ってるからね」

「うん」

 

しばらくの別れになるのはプレシアたちも一緒で、二人はフェイトを抱き寄せ。フェイトもまた、二人に抱き付いた

 

「楓たちも今回は迷惑かけちゃったね」

「ううん。僕らは何もしてないよ」

「そうよ。気にしないで」

 

楓たちは今回ほとんどできることはなかった。変えたいと思っていても何もできないでいる現状に二人はもっと強くなろうと密かに誓い合っていたとはだれも知らない

 

「それじゃあ。行くね」

「あ、私。思い出にできるものこんなのしかないんだけど」

 

なのはは自分の髪を結んでいるリボンを取りフェイトに差し出した

 

「なら、私も」

 

フェイトもまた、リボンを取り二人で交換し合った

 

「つらくなったらきっとなのはの名前を呼ぶから。だから、またね」

「うん。私も。…またね。フェイトちゃん!」

 

光に包まれながらフェイトはアースラへと向かった

 

「サクヤ、来なかったな」

(sir 咲夜殿からメッセージがございます)

「なに?バルディッシュ」

(また、おいで。専用を創って待ってるよ。だそうです)

「…サクヤ」

 

不器用な咲夜にフェイトは笑みをこぼしながら咲夜の家のあったほうを向いた

 

「またね。サクヤ!」

 




これにて、無印は終了です。
長かったような、短かったような…
さて、悠斗はリインフォースを救えるのか?
救ったとしても因果はどうなってしまうのか?
次回も頑張ります!

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