魔法少女リリカルなのは~転生する者~   作:かおうどう

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少女と少年と

 

「ん?これは…」

 

朝、修行のために浜に来ていた悠斗は光輝くものを見つけ手に取って

それはなのはたちが探し求めているジュエルシードだった。

実を言うと悠斗はすでに二つジュエルシードを見つけ隠し持っていた

これは実質三個めとなる

 

「さて、どうするか…」

 

二人の戦力バランスが偏っているため一方的な流れを防ぐためにジュエルシードを探していたが、正直自分もそこまで持っている気にはなれなかった、あまりにも保有しすぎると管理局のサーチに引っかかる可能性もあるし、自分の存在を彼女たちに感ずかれる恐れもある。最終的にはそれでもいいが今はまだその時ではない。だからこそこれをどうするか悩んでいた

 

「あの、それを譲ってください」

 

声がする方を振り向くとそこにいたのはフェイトだった

 

「君は?」

「…それを譲ってください」

 

あくまでも有無を言わせない口調で話しかけてくる

 

(少々予想外だな。思考にふけっていたわけだがここまで接近を赦すとは…)

 

戦いを日常としている悠斗だからこそ気配には敏感だ、だけど、この世界ではどこか油断していたのかここまで近づかれる、もとい声を掛けられるまで気が付かなかった

フェイトがすごいのか、もしくは悠斗が悪いのか

 

(両方、といったところか。さてどうしたものか…)

 

別にこのまま譲るのもやぶさかではないが簡単に渡すのもどうかと思う

 

「なぜこれが欲しいんだ?」

「私には必要なものだからです。拒むと言うなら」

 

今にも戦闘を始めようとするフェイト

 

(やれやれ、一般人ならこの場合やっていいことじゃない。常識が足りてないのか?)

 

もしくはジュエルシードしか頭にないのか

 

「渡すのはいいが、こちらの条件をのんでもらう」

「………なんですか」

「とりあえず家に来ないか?」

「えっ?」

 

その顔は年相応の少女の顔だった

 

(あっ、リニスのこと忘れてた)

 

誘った手前今更なしというのも気が引ける、しかしここで合わせるのも…

 

(どうにかなるか…)

結局解決策もないしこのままでいいと判断しフェイトを家に連れて行った

 

「それじゃ、入ってくれ」

「お邪魔します?」

 

なぜに疑問形?

とりあえず触れないでおくか

 

「悠斗今帰ったんです…」

 

リニスがリビングから出てきて声を止める

フェイトも同じく目を丸くして固まっていた

そんな二人を気にせず悠斗は家の中に入っていた

 

「で、どういうことですか?」

 

あの後、玄関で騒ぎ出した二人にとりあえずリビングに来いと言って二人は今は言葉を飲み込んで家に入ってくる

 

「浜であった」

「そういうことを聞いてるんじゃありません!」

「ならどういうことだ?」

「なぜフェイトがここにいるということです!」

「そんなの本人に聞け。俺は朝会っただけだ」

「フェイト、どういうことですか」

「えっと、あの」

 

それからぽつぽつと事情を話し始めた

すべてを話し終えたときリニスはため息をこぼした

 

「プレシアはそんなことを…」

「うん。だから母さんの望みをかなえたくて」

「そうですか…」

 

リニスも思うところがあるだろ。アリシアのことを知っているからなおさらだろう

 

「それより、リニスはどうして?」

「私は消える寸前にこの世界に転移してきました。その時に悠斗に救ってもらったんです」

「え?この人が?でも、魔力を感じないよ?」

「悠斗はリンカーコアを持っていませんから?」

「????」

 

そりゃ意味は分からないだろ。リンカーコアをもっていないならどうやって救ったというんだとふつうは思う

 

「悠斗は、古代魔法が使えるので、だから私を救うことができたんです」

「古代魔法ってリニスが前に話してくれたお伽噺みたいなものじゃないの?」

「いえ、実際はそのはずなのですが。悠斗はなぜか使えるんです」

 

俺が古代魔法をつかえるのはいまだにリニスには詳しく話していない

めんどくさいのもそうだが転生者なんてばれるのもめんどくさい

 

「俺の話はどうでもいいだろ。とりあえず飯だ」

「そうですね。冷めてしまってはダメですし。ほらフェイト食べましょ」

「う、うん」

 

戸惑いながらもフェイトは一緒に食事をとった

 

「おいしい」

「よかったです。ね、悠斗」

「え?これ悠斗さんが作ったんですか?」

「ああ」

 

家出の食事は基本的には俺が作っている。昔リニスに作らせたらなぜかゲテモノ?が出来上がった。味いは問題なかったが見た目が…

だから今は俺が作る。もしリニスが作るなら俺がいるときの身に限定している

 

「あの、おいしいです」

「………」

「えっと…」

「大丈夫ですよフェイト。照れてるだけですから」

「おい、あほ猫。馬鹿なこと言うとひげむしるぞ」

「ね?」

「あはははは」

 

フェイトが苦笑する。この野郎マジで引きぬこうか…

そんなこんなで食事が終わった

 

「ごちそうさまでした」

「ああ」

「今度はアルフたちも連れてきてください」

「うん、必ず」

「と、忘れるところだった。ほら」

「あ」

 

差し出したのは今日拾ったジュエルシード

フェイトもすっかり忘れてたのか間抜けな声を出す

 

「お前が言ったんだろ。忘れるなよ」

「うっ」

 

恥ずかしいのか顔をうつむかせてる

しかし、しっかりとジュエルシードを受け取った

 

「あの、また来ます」

「ああ」

「気をつけて帰ってくださいね」

「うん」

 

フェイトが帰宅し、俺はため息を吐いた

 

「よかったのですか?」

「何がだ?」

「フェイトに私のことを教えて」

「いずればれる、というよりいずれ言うつもりだった。その時お前から俺のこともばれるだろうし今言うか後で言うかの違いだ」

「それは、そうなのですが」

「うれしくないのか?」

「そんなことありません。でも」

「プレシアのことか?」

「はい」

 

結局はそのことが解決しなければフェイトたちと本当の意味で笑いあうことはできないだろう

 

「何とかなるだろ」

「悠斗はいつもそういいますね」

「できるかできないかを考えるよりは現実的だと思うが?」

「楽観的過ぎです」

 

リニスはそういいながらかたずけを始めた

楽観的ね…

俺は最後にしようと思ったときの庭園への潜入を早めようか考えていた

やはり、これ以上フェイトが苦しむのは見たくない

同情かはわからないが、傷つくことをわかっているのに何もしないのはやはり気分が悪い

 

「どうするかな…」

 

結局妙案は浮かばない。知識をもってしてもわからないことが多すぎる

 

「ままならないな…」

 

やるせなさを抱えながら悠斗はもう一度思考を巡らせた

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「リニスが生きてる?」

「うん」

「フェイト、それ本当なのかい?」

「うん、あれはリニスだったよ」

 

今朝、フェイトが一度みんなに集まって欲しいと念話を飛ばしてきたのでよくわからなかったけど集合した。

フェイトから聞かされた話は昔消えたはずのリニスが生きていたという話だった

 

「けど、いったいどうやって」

 

リニスは使い魔だ、主であるプレシアがどうしてリニスを切り捨てたかはわからない。けど、主を失った使い魔はただ消えゆくのが定め、なのにリニスは生きていた。

ということは誰かが契約をしたということになる

 

「どんな魔導士だった?」

「ううん、魔導士じゃなかった」

「「は?」」

 

フェイト何言ってるんだ?確かにちょっと頭があれなところがある子だけどそんなこと言うなんて

 

「なんか、和人馬鹿にしてない?」

「してないよ?」

 

なぜに疑問形とは言わないでもらいたい。だって、ね

 

「ならなんでリニスが生きてるんだい?」

「よくわからない。魔法で何とかしたって言ってたけど」

「魔法でって、やっぱ魔導士なんだろ?」

「ううん。リンカーコアもってなかったもん」

「「??」」

 

やばい、うちのフェイトがとうとうおかしくなったちゃった…

 

「私は普通だもん!」

 

いや、もんって。だって普通そう思うだろ。魔法をつかえるのは魔導士、リンカーコアを持った者だけなのに

 

「とりあえず、よくわからないけどリニスが生きてるのは確かんだよね?」

「うん」

「なら、会いに行けばわかるだろ?」

 

確かにここでごちゃごちゃ考えるより実際に見たほうが早いか

フェイトがあれなのはこの際おいておいて

 

「和人?」

 

え?なんでそんな笑顔でこっちを見てらっしゃるのですかフェイトさん。

落ち着きましょ?ね?ちょっ、まっ。

 

「ぎゃあああああああ」

 

すがすがしい朝のはずがなぜか悲鳴が海鳴にこだました

 




リニスとの出会い。若干なギャグも入れてみました
楽しんでいただけたら幸いです。
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