はやて「本当やで。うちらがメインなんやからしっかりしてな」
作者「いや、本当に申し訳ない」
はやて「それで、小耳にはさんだんやけど。これもうすぐ終わるって本当なんか?」
作者「………………」
はやて「なんかいいや!」
作者「闇の書編が終わったらお知らせします!」
はやて「ほんまかいな…」
作者「それでは!」
はやて「逃げたな…ま、ええわ。ほなリリカル・マジカル。始まります」
「眠い…」
微睡の中はやては朦朧とした意識の中で遠くの空を見上げていた
「どうかそのままお休みください。我が主」
はやての前に膝をついて頭を垂れる銀髪の女性は悲しそうにはやてへと告げる
はやてはその言葉に従うようにゆっくりと瞳を閉じた
――――――――――――――――――――――――――――
「紅花焔月!!」
「アクセルシュート!!」
「フォトンランサー、ファイヤ!!」
楓、なのは、フェイトの三方向からの魔法弾が闇の書を襲う。だが、闇の書はそれをひらりと交わし、一番近くにいたなのはに殴りかかる
「でりゃあああ!!」
上空からアックスフォームになった良太郎(キンタロス)が闇の書の動きを止めようと斧を振り下ろすが、闇の書はゆったりとそれを避けた
「あかんか…」
「キンタロス。次は当てられそう?」
「どやろな。あいつの速さ泣けるで!」
(おい!バカ熊!こんなところで泣いてる暇なんかないだろ!)
(へぇ~脳筋の先輩でもこの状況のやばさが理解できてたんだ)
(モモタロスの脳筋~!)
(うるせぇ!!!)
(もーみんな。今は喧嘩しないの!)
漫才を始めたモモタロスたちに楓はため息をつきながらもなのはたちを見る
「なのはちゃん。そっちはどう?」
「マガジンあと3発。ASC。やらないとまずいかな?」
「私も。ソニックフォーム。やるしかないかも」
咲夜が消えた穴は思った以上に大きく。なのはたちは苦しい戦いを続けていた。フェイトとなのはが後方支援に徹して、できるだけカートリッジを節約していたが。このままでは先になのはたちの魔力がきれて負けてしまう。だからこその切り札。フルドライブを使うしかないのかと思っていた
「正直苦しいわよね。こっちの攻撃全く聞いてる感じがしないし…」
この中で一番攻撃力が高いキンタロスだが、何とか当てることができたのは初めの2,3発だけだった。それ以降は全く当たらなかったのだが、動きを見ている限り、聞いている感じは皆無である。
「楓ちゃん。一発逆転。乗ってくれる?」
「……なのはちゃん。それってもしかして」
「うん。フルドライブからのゼロ距離での砲撃」
「なのは!そんなの危険だよ!」
ただでさえ体に負担になる砲撃魔法。さらにカートリッジを乱用している状況でなおかつフルドライブというリミッター解除。これがどれだけの危険なことかわからないなのはではなかった。それでも、その瞳には決意の色が満ちていた
「勝算は、あるのよね?」
「少なくとも動きは止められる。だから」
「嬢ちゃんを捨石みたいにしろ言うのか!?」
(僕もそれは賛成できないよ)
「でも!…今やらなきゃ。私は助けたい!咲夜お兄さんも。はやてちゃんも。みんなを助けたい!だから!」
「………はぁ。仕方ないわね」
「楓?」
どこかあきらめたような、それでいて覚悟を決めたような楓にフェイトは首をかしげる
「この子はこうなったら止まらないわ」
(そうだね。いつもこうなったら止まらない)
良太郎と楓はどこかおかしそうにくすくすと笑った
「さ、フェイトちゃん。覚悟を決めましょ?」
「でも!」
「フェイトちゃん」
「なのは…」
なのははフェイトの手を握ってまっすぐに見据えた
「確かに危険だと思うの。でも、怖がってたら何も救えない、だから信じて」
「…………うん」
「さ!行くわよ!」
楓の合図で一斉に4人は動き出した
「レイジングハート。無茶するけど。付き合ってくれるよね!」
(Allright mymaster)
なのははカートリッジを6発ロードする
「フルドライブ!」
(ASC standbyready)
レイジングハートから6のピンクの翼が飛び出した
――――――――――――――――――――――――――――
「お前たちももう眠れ!!」
「いつかは眠るわ。でも、それは今じゃない!」
楓たちはなのはの準備が整うまで闇の書をひきつけるために多重攻撃を仕掛けていた
「弱いお前たちが…何をわかったようなことを!!」
「何も知らなかったり、弱かったりしても、それは何もしないことの言い訳にはならない!!」
闇の書の拳を受け止めながら良太郎が叫ぶ
「哀しいことだっていっぱいある、辛いことだってたくさんあるよ!でも、それが逃げていい理由にはならないよ!!」
フェイトはバルディッシュのフルドライブ。ザンバーフォームで闇の書に切りかかる
「みんな!行くよ!!」
なのはの合図とともに一斉にフェイトたちはその場から飛び立つ
「一つ覚えの砲撃が通ると思うか!」
「通す!!レイジングハート、みんなが力をくれる!泣いてる子を救ってあげてって!!」
なのはの思いに答えるようにレイジングハートがより一層輝く
「ACS、ドライブ!!」
(イグニッション)
翼をはばたかせ闇の書に突撃した
――――――――――――――――――――――――――――――
「…や。…くや」
「誰だ…?」
「起きろ、咲夜」
「悠斗?」
「ようやく目が覚めたか」
咲夜が起き上がるのを確認した悠斗はどこかほっとしたようにため息をこぼした
「俺、あの後どうなったんだ?それにここは?」
「あの後?何のことだ?ここは闇の書の夢の中だ。お前は闇の書に取り込まれて、お前の中にいた俺も同時にこの中に来たんだ。でも、なかなか目を覚まさなかったから心配したぞ」
「俺はずっとここにいたのか?」
「?そうだが」
咲夜はさっきまでのことが夢なのかと不安に思ったがポケットに何かあるのを感じ、手を伸ばして取り出した。それを見て驚いたのは悠斗だった
「どうしてお前がディンを持っている…」
「やっぱり、夢じゃなかった」
「おい!咲夜!いいから答えろ!どうしてお前がそれを持っているんだ!?」
「落ち着け悠斗!ちゃんと話すから!」
「あ、ああ。すまない」
前の世界での相棒を目にした悠斗は咲夜の声にはっとなり、落ち着きを取り戻した
「それで、どういうことなんだ?」
「…悠斗の世界のフェイトたちにあった」
「会ったのか?あいつらに…」
「ああ」
「元気、だったか?」
「ああ」
「そうか…良かった…」
悠斗はよかったと嬉しそうに、肩の荷が下りたかのように呟いた
「それで、聞いたよ。お前のこと。あと、俺を殺そうとしてることも」
「っ…………」
悠斗は苦しそうに顔を歪めた後、すぐに落ち着きを取り戻したように咲夜を見据えた
「それで、お前はどうするんだ?俺の目的を知ってお前はどうする?」
「止める」
「止める?無理だ。お前にはできない」
「無理じゃない」
「なぜ言い切れる」
「お前の世界のフェイトが俺にかけてくれた。フェイトだけじゃない。お前の世界のすべての人の思いを俺は背負ってるから。だから、何があってもお前を俺が止める」
「…………………そのためにお前の世界が壊れるとしてもか?」
(それは違いますよ)
「ディン…」
(マスターは勘違いしています)
「勘違いだと?」
悠斗は咲夜とオーディンからこの世界の仕組み、イグナイターの存在。どうすればもとの世界に戻れるのかを聞かされた
「そういう、ことだったのか…」
「納得、してくれたか?」
「正直信じきれない方がでかい。でも、フェイトがお前にディンを託した。それだけでお前に協力するのには十分だ」
悠斗がこの世界で最も信頼しているのは良くも悪くもフェイトただ一人だ。だからこそ、フェイトが咲夜に賭けたというのなら悠斗もまた、咲夜にすべてを預けようと決めたのだ
「なら、さっさとこんな場所から出よう」
「そうだな。咲夜。外に出たら俺はまた、お前の中にいることになる。でも、俺の中にイグナイターの残留思念が残っているのなら、早急に俺を追い出せ」
「でも、そんなことをして悠斗は大丈夫なのか?」
(問題ありません。私の中にマスターを入れるための器が用意されています)
「と、言うわけだ。お前は俺のことなんか気にしなくていいから、今は目の前の問題をどうにかしろ」
「……わかった」
悠斗の言う通り、今は一刻の猶予もない状態だ。咲夜はも外に残っているフェイトたちのことが心配で仕方なかった
「それじゃ、行ってくる」
「ああ」
咲夜はアルテマを掲げ、空間を切り裂いた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「私、なんでこんなところにいるんやったっけ…」
はやては虚ろな瞳で虚空を眺めながらどうしてこうなったのか思考を巡らせる
「お休みください。我が主。すべてはあなたの望みのままに」
「私の望み…?」
「健康な体。安息の日々。大切な家族」
「……………」
「どうかお休みください。もう少しで主の望みのままに…」
「私が、私が願ったことは…」
何かが違う。そんな思いがはやての思考を駆け巡らせて行く
その時、空間にひびが入り、はやての体が大きく揺れた。そして、ぼやけていた頭が次第に晴れていく
「そうや、思い出した。思い出したんよ。どうしてこうなったか、何があったのか」
はやてはヴィータたちが消えたこと、なのはたちのこと。すべてを思いだし、瞳を目の前に座る、泣いている女性に向けた
「どうか、どうかお休みください。我が主!」
はやてはそんな女性の頬をそっと撫でて微笑んだ
「確かにこれは素敵な夢や。でも、夢でしかない」
「ですが!このままでは私は私の呪いであなたを殺してしまう。ですからそれまでは幸せな夢の中で!」
「本当に優しい子や。でも、夢に逃げてばかりでいいことなんてあらへん。私が何とかしてみるから、な?」
「無理です!もう暴走は止まりません!!」
「……止まって」
はやてが女性に触れながら強く念じた。その時足元に白い魔法陣が出現しはやてたちを包んだ
―――――――――――――――――――――――――――
「ほぼゼロ距離…これでだめなら…」
なのはは肩を痛めたのか抑えながら闇の書がいたであろう方向を見ていた。
フルドライブにより闇の書の障壁を超えてのバスターを打ち込んだなのはは全身に疲労を感じながらも立っていた。そんななのはにフェイトたちは心配して、呆れて、少しだけ怒りながら近づいた
「なのは!あんなの危険だよ!」
「そうね、確かに容認できるものじゃないわ」
「もう、二度としちゃだめだからね」
「にゃはは。ごめんね?」
みんなの言葉に嬉しそうに恥ずかしそうに、なのはは笑ったが、ほぼ無傷で現れた闇の書に気を引き締める
「もう少し、頑張らないと。だね」
「頑張るのと無茶するのは違うからね?」
「うっ…」
さきほどのことがよっぽどなのかフェイトは今だに膨れながらなのはを見た。なのははそんなフェイトにたじろ気ながらも闇の書を見た
(あの!外のかた!この子の保護者八神はやてです!)
その時聞こえたのは助けたいと願った子の声だった。
「はやてちゃん!?」
(その声、なのはちゃん!?どうして…)
「今分け合って闇の書さんと戦ってるの!」
(ならちょうどええ、その子に着いとる黒い淀みそれを取り除いて欲しいんや!それがあると管理者権限が使えんのや!)
「えっと…つまり、どういうこと?」
頭がちょっと弱いなのはははやての言っていることが理解できず首をかしげる、その時ユーノから通信が入った
(なのは!時間がないから簡単に説明するよ!その子についてる黒い淀みをなんでもいいから純粋魔力で吹き飛ばして!全力全開、手加減抜きで!)
ユーノの説明にポカーンとしながらもなのはは嬉しそうにうなずいた
「さっすがユーノ君!わかりやすい!!」
(全くです)
レイジングハートを向けてなのはは魔力を溜める。フェイトたちもなのはに合わせるように魔力を溜め始めた
―――――――――――――――――――――――――
「名前をあげる。もう呪われた魔道書とか言わせへん。呼ばせへん!祝福のエール。幸運の追い風。リインフォース」
はやてはリインフォースに笑いかけながら手を握った
―――――――――――――――――――――――――
「行くよ!フェイトちゃん!」
「うん!」
「私たちも行くわよ!」
「おう!」
「T&H」
「中距離殲滅魔法!」
「駆け抜ける刃を燃やして我が敵を打て!!」
(良太郎!あれで行こうよ!)
(てんこ盛りや!!)
「うん!」
(モモウラキンリュウ。クライマックスフォーム)
良太郎は赤い携帯を取り出してベルトに掲げる
ベルトから3つの顔が出現し、肩、胸に取り付けられる。さらに背中に純白の翼が現れた
(Fullcharge)
「俺たちの必殺技」
腰を落とし、空へと跳躍する
「「カラミティブラスト!!」」
「鳳凰焔月!!」
「クライマックバージョン!!」
4人の一斉攻撃が闇の書を包み込み、黒い淀みごと吹き飛ばした
―――――――――――――――――――――――――――
「管理者権限が復活しました。ですが、暴走した闇は止まりません」
「うん。まぁ、なんとかしよか。守護騎士プログラム修復。おいで、私の騎士たち」
はやては腕を広げて、その周りに4つの光が浮かび上がった
「あれって…」
白い光を守るように4つの光が周りを漂い、光がまして、その中から4人の騎士たちが姿を現した
「我ら夜天の主のもとに集いし騎士」
「主ある限り、我が魂尽きることなし」
「この命ある限り、我らは御身のもとにある」
「我らが主、八神はやての名のもとに」
「ヴィータちゃん!」
「シグナム!」
そして、白い光が弾けその中からはやてが現れた
「はやてちゃん!」
はやてはなのはたちに微笑んで、腕に持った杖を空高く掲げた
「祝福の風、リインフォース!セット・アップ!」
今ここに本当の夜天の主が復活した
あと少しで闇の書編は終結です。
この後については終わり次第お知らせします。
楽しんでくれている方がいたらいいなーと思いながら頑張るので
温かく見守ってください!