こいつ誰だ?とかもう記憶の彼方に行っている方も多いと思います。
いや、本当に更新が遅くて申し訳ない。ここのところ忙しくて忙しくて…
え?御託はいいからはじめろ?
はい、そうですね。って悠斗君痛い痛い。
ああ、すいません。それでは久しぶりですが
リリカル・マジカル。始まります」
「リインフォース!リインフォース!」
はやては倒れたリインフォースを泣きながら必死に声を掛ける。リインフォースはどこか虚ろな目ではやての顔に手を添える
「大丈夫…です。主…」
「何が大丈夫なんや!しっかりしてぇな!リインフォース!」
リインフォースの体がだんだんと光り輝き薄くなっていく。はやてはリンフォースが消えてしまわないように必死に魔力を送り続ける
「貴様!どういうつもりだ!」
シグナムはレヴァンティンを取り出して悠斗に剣先を向ける。ヴィータやなのはたちもすでに臨戦態勢をとった。そして咲夜もまたアルテマを展開して悠斗と対峙する
「悠斗!なぜこんなことを!?」
「サクヤ知ってるの?」
誰もが知らない人物を咲夜が知っていることにみんなが驚くが咲夜は悠斗を睨み続ける
「せっかく手記を渡したのに俺が手を出してしまうとはな…」
悠斗がつぶやいた一言に咲夜は首をかしげる
「手記?何のことを…もしかして夜天の主の手記か!?」
「そうだ、俺がリインフォースを救うために用意したのにまさか古代ベルカの言葉がネックになるとは予想外だったよ」
「お前が用意した?さっきから何を言っているんだ!?」
「お前は忘れたか?俺がどうしてこの世界に存在するのか。そして、今まで何をしてきたか」
咲夜はこの時思い出した。悠斗が悠斗自身の世界でプレシアとリインフォースを救ったことを。そして、咲夜の世界でもそうなるように様々なヒントと可能性を残していたことを。そのために因果が崩れてしまったこともだ
「全てはお前の手のひらの上だったのか?」
「さっきも言っただろ。予想外だったと。本来なら俺はこの場に出てくる気はなかったんだが。このままリインフォースが消えてしまえば今までのことが無駄になってしまう」
「無駄ってどういうことだ!?」
「リインフォースが消えるのは本来通るはずだった物語だ。それは因果を調整することと同義だ。そうなればイグナイターの残留思念の思うつぼだ。だからこそ俺は手を出した」
もう誰もが悠斗の言葉を理解できなかった。悠斗の事情を知っている咲夜でさえ。ただし、原作を知っている楓たちは本来の物語という言葉に悠斗が転生者であることが理解できた
「でも、貴方はリインフォースを殺したじゃない!」
「それが死んでいるように見えるのか?」
悠斗が指をさした先にはいまだに光り輝いているリインフォースがいた。だが、体がさっきまで透けていたのがだんだんと元の色に戻ってきていた
「何をしたの?」
「防衛プログラムを破壊した。その根底からな」
「そんなことできるはずがない!」
「なぜそう言い切れる?」
「だって…」
どこにも助ける手段がなかった。それはリインフォース本体が言っていたこともあったためだ
「確かに信じられない話だろうな。だが、目の前のこれが現実だ」
リインフォースが助かっていく姿。悠斗が言う通り目の前にある現実こそがすべてを物語っている
「さて、これでもう後戻りはできないな」
「え?」
悠斗がそういった瞬間に空間が世界が振動した
「な、なに?」
フェイトは不安そうに咲夜の腕を掴む
「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!」
この世の生き物とは思えない声にみんな体を震わせる
「俺が介入することにより因果が崩れ奴が動き出す」
まるでただの世間話をするように悠斗は普通に立っていた。ただ、目だけは遠くの空をにらみつけていた
「奴はもともとこれを狙っていた。俺が介入することはこの世界のバランスを破壊する。その時にできる次元の裂け目。その中に封印されているあいつの本体を取り戻すことこそが奴の本来の目的だったみたいだ」
「本体?それに次元の裂け目って…本来はその穴を利用するはずだったろ!?」
夢で渡った世界でフェイトはそういっていた。だが、悠斗の言う通り次元の裂け目の中にイグナイターの本体が存在しているのならこの作戦は意味をなさない
「イグナイターは奴の本体の力を現代に影響させるためにあるただの媒体だ。本体ではない」
「サクヤ。さっきから何を言っているの?この人も…」
「フェイト……」
「詳しく話してやることも時間もない。お前たちはこの場から逃げろ」
「悠斗?何を言ってるんだ?」
「…くる」
悠斗の一言とともに空間に裂け目が生まれその中から何かが飛び出た
「イグナイター…」
「ギサマラヲコロス。コロスコロスコロス!!!」
口から黒い息をだし、つぶれた片目、背中には漆黒の翼が二枚。全身を黒い靄で覆っている悪魔のような物体が恨めしそうに悠斗たちを見ていた
「早く逃げろ。そんな震えている体じゃ無理だろ」
悠斗が言う通り、なのはたちは目の前のイグナイターに恐怖しおびえていた。頭の中には逃げたいという思いしかなかった
「咲夜、お前もこんなところで終わるわけにはいかないだろ」
「だが悠斗!」
「もともとは俺の責任だ。なら俺が終わらせなきゃいけないだろ」
始まりは些細な願いだった。誰かを救いたいと悲しみで包まれた結末を覆したい。そう思った小さな願い。だが、世界はその願いを否定し拒絶し、認めなかった。だからこそ悠斗は責任を取ろうと決めた。始めた責任を取るために。
「俺の願いが世界を崩し、そのためにお前たちにはたくさんの迷惑をかけた。だから俺がやらなきゃいけないんだ。すべてを、俺一人で」
これはイグナイターの存在を聞いた時から悠斗が決めていたことだった。
「ユウト、イクドトナクワタシノジャマヲシタキサマヲコロス!」
「何度だって邪魔してやるよ。俺があの子のもとへ帰るために。そしてこの世界を守るために!」
悠斗はオーディンを展開して構えをとる。その構えを見てフェイトはある姿に重なった
「サクヤと同じ構え?」
「違う。俺の構えが悠斗と同じなんだ」
「え?」
「逃げよう。ここにいたら悠斗の邪魔になる」
悠斗とともに戦いたい。そう思っている咲夜だが、目の前の存在にいまだに震えが止まらない。こんな状態で戦おうとしたところでただ悠斗の足を引っ張るだけだとわかっているからだ
「咲夜。Rewriteが最後にどうしても必要になる。だから、その時までお前には生きていてもらいたい」
「……死ぬなよ」
「誰に言っている」
悠斗はそういって笑った
「お前の師を信じろよ」
悠斗はイグナイターに向かって駆け出した
「旋風裂斬!」
悠斗の放つ斬撃が風を纏いながら螺旋上にイグナイターに向かって駆け巡る。
イグナイターはそれを片手で払う。しかし、悠斗はすでにイグナイターの後ろに回っていた
「月光剛覇!」
上段からの刀の振り下ろし。反応が遅れたイグナイターは片腕で受け止めようとしたがそれよりも一瞬早く悠斗の刀がイグナイターに激突して吹き飛ばした
「焔月!」
刀に炎を纏わせて悠斗は斬撃を飛ばす。先ほどの攻撃で態勢を崩しているイグナイターには防ぐすべもなく激突した
「やった!」
誰が言ったかわからないが悠斗の攻撃は完璧と言っていいほどきれいで、誰もが勝利を確信した。悠斗以外は
「コンナモノカ?」
「そんな…」
「あの攻撃で無傷だと…」
まったく気にしていない風に歩いてくるイグナイターに恐怖した。悠斗の攻撃は一撃一撃がなのはのディバインバスター並に威力があり、技の完成度はシグナムよりも高く、速さはフェイト以上だった。その攻撃をまともに受けてなお無傷でいるイグナイター。その強さになのはたちは恐怖に包まれる
「陽炎!」
「コザカシイワ!!」
咲夜が使うそれよりも大きくそして鋭い斬撃をイグナイターは指先で受け止めた
「コンドハコチラノバンダ」
「っ!」
イグナイターの予備動作無しの移動。その速さは悠斗でさえ一瞬だが見失うほどだった。
「ドコヲミテイル?」
後ろに回り込まれ悠斗が振り向いたときにはイグナイターの鋭利な爪が目前まで迫っていた
「アクセル!」
あと数センチというところで悠斗の姿が消えた。いや、消えたように見えるほど早く動いたのだ。イグナイターはそのスピードを見て面白そうに笑った
「ヨイヨイ!ソウデナクテハコロシガイガナトイウモノ!」
「来たれ閃光!我が剣は魔を滅する刃なり!聖光爆裂斬!」
悠斗は気にせず刀に魔力を込めて解き放つ
イグナイターの上空にミットともベルカとも違う魔法陣が出現し、そこから光が降り注ぐ
「グッ!コノヒカリハ!」
先ほどまでどれほどのダメージを与えても動じなかったイグナイターがこの攻撃で初めてうろたえた
「お前という存在を倒すために俺が求めた答えがこれだ」
「ルーンノチカラダト!?キサマドコデコレヲ!?コノセカイニハソンザイ、イヤドコニモソンザイスルハズナドナイ!」
「ああ、確かにないな。でも、俺は知っている」
全ての知識を所有している悠斗は
「カミノチカラヲナゼキサマガ!!!」
「それをお前に言う理由はない!」
「ダガ、ダガアマイゾォオオオオオオオ!!!」
イグナイターは力を解き放ちその波動で悠斗の魔法陣を掻き消した
「ちっ!これでもだめか。だが!」
悠斗はさらに魔力を刀に込める。
先の攻撃は確かにイグナイターに届いた。この力なら通用する。その確信が悠斗が求めていたものだった
「星の力。その身に刻め!七つの息吹!北斗天真打!」
刀を振り下ろすと、光がイグナイターに降り注ぎ刃となつて突き刺さる
「コシャクナ!!」
イグナイターもすぐに刃を引き抜き悠斗に向かって力の波動を飛ばす。悠斗はすぐに回避し次の詠唱に入ろうとした。だが
「サセンゾ!」
イグナイターは悠斗の動きを封じようと影を使って悠斗の体を縛り上げようとする。悠斗は冷静にそれを一つ一つ見抜き避けていく。だが、だんだんと逃げ場を失いついに
「くっ!」
「ツカマエタゾ!ユウトォオオオオオオ!!!」
振りほどこうと力を込めるが、影は強く悠斗を縛り上げて悠斗は悲痛な表情を浮かべる。その表情を見てイグナイターは満足そうに笑った
「まずい!」
咲夜は悠斗が捕まって危険だと感じ、走り出そうとしたとき、誰かに腕を掴まれた
「離せ!フェイト!」
「いや!」
「このままじゃ悠斗がまずい!」
「それでもいや!」
「このっ!」
悠斗が危険にさらされているのにいまだにフェイトは咲夜の手を離すものかと力を込めている。いい加減にしろと咲夜が振り向いたとき、そこには目に涙をためているフェイトがいた。その顔に咲夜は込めていた力を抜いた
「あの人が心配なのは、私も…みんなも一緒だよ。でも、このままサクヤが行っても何ができるの!?お願いだから。危ないことはやめてよ…」
「フェイト…」
大切だから失いたくないから。そんな大事な人が危険な場所に行こうとしている。フェイトはそれが嫌で怖くて。我慢できなかった。一度は母親を失いかけて周りの人の温かさに救われて。そして、とてもとても大切な人ができたから。二度と失いたくないというフェイトの思いが咲夜の手を掴んだのだ。でも、それでも咲夜は
「ごめん」
フェイトの手を振りほどいた
「待って…待ってサクヤ!!」
必死に手を伸ばすフェイト。たったの数センチの距離がフェイトにはとても遠く感じた
「はぁああああああ!!」
「来る…な!咲夜!」
叫びながらかけていく咲夜を悠斗は苦しそうな表情で止めようと声を出す。それでも咲夜は止まらず走り続ける。その姿を見たイグナイターは嬉しそうに笑う
「飛燕天昇駆!」
「オソイ」
飛び上がりアルテマを振りおろす咲夜。だが、攻撃した場所にすでにイグナイターはいなく。咲夜の後ろに回っていた
「コンナモノガワレノイチバンノショウガイトハナ」
「あぐっ」
咲夜の鳩尾に一撃を入れてつまらなそうに言うイグナイター
咲夜はそのたった一撃で地面に足をついた
「モウアキタ。オマエヲコロシテオワリニシヨウ」
咲夜の首を持ち上げて片手に魔力を溜め始めるイグナイター
「逃げろ!咲夜!」
必死に自分を縛る影から逃れようと動く悠斗は咲夜に叫ぶ。
「ここでお前が死んでしまったら残されたものはどうなる!できたんだろ!?守りたいものが!大切なものが!」
「ダマレ」
「ぐああああああああ!!!!!」
今まで以上の力で縛り上げる影に悠斗は悲鳴を上げる。それでも、瞳はいまだに強く輝いていた
「この、ままでいいのか!?咲夜!!」
「ダマレトイッテイル!」
イグナイターは魔力を溜めた拳を叫ぶ悠斗にぶつけ大きな爆発が生まれた
「アトデジックリアイテヲシテヤル。ダマッテイロ」
「悪い、が。お前の望む通りにはならない」
イグナイターは驚き声の聞こえた後ろを見る。そこにはぼろぼろになりながらも立っている悠斗の姿があった
「お前の、力の…おかげで…俺を縛る影を壊すことができた…」
「キサマハジメカラソノツモリデ」
どうあがいても自分の力では脱出することはできない。ならば相手の力を利用すればいい。そう考えた悠斗はわざと自分で攻撃を受け、束縛が緩くなった一瞬を見据えて抜け出したのだ
「無茶をする…」
無謀ともいえる行動にシグナムはつぶやく。一歩間違えば死ぬかもしれない。それなのに一切の躊躇いもなく行動した悠斗に、畏怖の念を抱いた
「斬魔一武幻!」
「ヌッ!?」
幻術を利用した居合。幻の正面からの攻撃と。本物の後ろからの攻撃。その両方からの攻撃を同時に受けたイグナイターは掴んでいた咲夜を放す。悠斗はその一瞬で咲夜を抱えてフェイトたちの場所まで走った
「サクヤ!」
「気を…失っている…だけだ」
「おまえ大丈夫なのかよ!?」
ところどころ血を流している悠斗にヴィータが焦って声を掛ける
「問題、ない。この状態でもお前たちよりは動ける」
「でもよ!」
「いいから、早く逃げろ。俺が時間を稼ぐ。だからあれをアルカンシェルで殺せ」
「そんなことをしたら!」
ここは結界の中とはいえ、いまだに街の近くだ。そんな場所にアルカンシェルを打てばどんな被害かなど想像するまでもない
「問題ない。あの穴が見えるだろ」
悠斗が指差したのはイグナイターが出てきた裂け目だ
「あの中に向かって打てば、現実世界に影響はない。あれはこことは別次元の世界だから」
「でも、どうやってあの中にあの化け物を入れるんだよ!?」
「俺が奴の動きを止める。その隙に転送魔法で俺ごと飛ばせ」
「お前…死ぬ気か?」
たとえ裂け目の中に入れてもすぐにイグナイターが出てきてしまったら意味はない。だから誰かがあの中でイグナイターを抑え込まなければならない。でも、その役目はアルカンシェルが着弾するまでイグナイターと戦うことだ。しかし、アルカンシェルがイグナイターに着弾するまで戦うということは当たる寸前まで近くにいるということだ。それほど近くにいてアルカンシェルの余波を受けないはずがない
「誰かがやらなきゃいけないんだ。それにもともとは俺の責任だ。始めた責任は取らなきゃいけない」
「責任を取ることが死ぬことだなんてあるかよ!」
「だが!それ以外に方法はないんだ…」
これ以上戦闘を長引かせれば悠斗も持たないという確証があった。だからこそもう帰れないとわかっていても。自分のせいで壊してしまった責任を負うために悠斗は死を選ぶ
「理解しろとは言わない。だが、これしか方法がないのはお前たちにもわかるだろ?」
その言葉に反論できるものはいなかった。悠斗の強さは先ほど自分たちの目で確認した。その悠斗が互角に戦うのでもぎりぎりだったのに、倒すなんて無理でしかないと。たとえ自分たちが協力してもそれはただ足を引っ張るだけだとわかっているから
「だめだ…悠斗」
「サクヤ!まだ起きちゃダメ!」
「咲夜。これは俺の責任だ。だからいいんだ」
「いいことなんてあるはずがない!お前にだって待っている人たちがいるだろ!?」
その言葉に悠斗は目を伏せた
「そのために今まで頑張ってきたんだろ?ならあきらめるなよ!」
「……………………」
「絶対に道はあるはずだ…だから!」
――――――その通りですよ悠斗さん
その時空から声が響いた