「これで4つ目、合わせて9つか…」
悠斗は戦いが始まっている戦場を見ながら佇んでいた
すでにジュエルシードはなのはが5つ、フェイトが3つ、悠斗が3つとなっている。原作通りの動きならフェイトがジュエルシードの暴走を止め四つ目を手に入れるはずだ。全部で12個のジュエルシードが封印されることになる、最後の戦いで6個のジュエルシードがある。それを合わせて今見つけていないのはあと3つ。結局最後は二人で半分に分け合うことになる。となると、あと三つ、これをどちらが先に手に入れるかで勝敗は決する。プレシアが欲する数は15以上、俺が持つジュエルシードはまず奪われないと思っている、ならばあと3つ、最低でもこれだけ死守すればプレシアの望みが果たされることはない。でも、アニメでは12個のジュエルシードで次元心を起こした。今回も最悪その手を使うことになるだろう。だが、ここには俺と和人、桐原の三人のイレギュラーが存在する、そう思うとただでは済まない気がする
「決着がつくな」
なのはとフェイトが互いに封印したジュエルシードを取ろうと一斉に飛び掛かる。そして
「っ!」
「あっ!」
ジュエルシードが暴走を始めた
「なんだこの魔力は!?」
「フェイト!」
別の場所で戦っていた和人と桐原も暴走した魔力に一度手を止めなのはたちのもとへ向かう
「止めなきゃ!」
「だめだフェイト!」
アルフがフェイトを止めている、本当ならここでフェイトが手を出すんだが…俺は正直焦っていた。この魔力量は異常だ。なぜ、こんな魔力が…
「くそ、これがイレギュラーか」
この魔力はおそらく、いや確実にフェイトでは手が負えない。転生者の二人ならどうにかできるだろうがさっきの戦いで消耗している
「まだ介入したくはないが仕方ない!」
ここで手をこまねいて誰かが傷つくくらいならそんなことは関係ない
「話してアルフ!」
「フェイト!」
「フェイトちゃん!?」
俺が演唱を唱え出すと同時にフェイトも走り出す。アルフと高町が驚いた声をあげる
そのまま動きを止めてくれればいいものを!
「フェイト!危険だ!」
だが、寸でのところで和人がフェイトを抱えて後ろに下がる
この瞬間しかない俺はここにいる全員にバインドをかけた
「「「「「なっ!?」」」」」
「悪いが、邪魔だ」
「誰だよお前!」
必死にバインドを解こうとするが無駄なことを。これはただのバインドではない、このバインドはかけられた対象の魔力を使って拘束力をあげる、つまり、魔力が高ければ高いほど自分の魔力で体を縛ることになる。魔力を持たない俺には相手の魔力を利用する術が必要だった。だからこの魔法はかなり重宝している
ちなみに俺の格好は頭をフードで隠している。バリアジャケット?必要か?そんなもの
この格好は傭兵の時の基本スタイルだ。変身魔法で姿を変えているが職業がら恨まれることもある、だからこそ念には念を入れて顔も隠している。
今はこいつらに構っている暇はない、だから
「凍てつく絶対無上の凍土よ。我が前にひれ伏せ、アブゾリュート!」
上空に直径数キロのはある氷の礫を顕現させる。
最上級古代魔法の一つ。アブゾリュート。周りにあるものを飲み込み半径1キロを銀世界へと変える氷の魔法の中でも最上位の魔法。今回は結界もあるので町が凍ることはまずない。それに高古代魔法以上になると認識設定を加えられることにより、指定したものはたとえ対象エリアにいても決してダメージはおろか寒さや暑さを感じることすらない
「くだけ」
振り下ろしジュエルシードに直撃する。大きな光に包まれるて、光が晴れるとジュエルシードの暴走は収まっていた。
これであとはあいつら次第か。俺はそのままバインドを解除してその場を立ち去った
結局ジュエルシードは近かったフェイトがとったらしい。
ここは原作通りでよかったよかった
「しかし、あの暴走。やはりイレギュラーは起こった。となると、時の庭園には潜入して現状を確認する必要があるな」
もしかしたら、アリシアにも変化があるかもしれない。プレシアにばれる可能性もあるがこれ以上この場を引っ掻き回されるよりはいいだろう
始まったばかりで物語が途切れるなんて冗談じゃない。すでに原作ブレイクをしている俺だからこそ、この先を見据えないといけない
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ちくしょう、結局俺はまた何もできなかった
ジュエルシードが暴走したとき、俺はまた何もできなかった。しかもあの魔力流をあっさり止めてしまったあの男のことも気になる。
顔を隠してたから正確には男かわからなかったけど声と口調からして男だと思う。
あの野郎は結局ジュエルシードを取らずにそのまま消えてしまった、何が目的かもわからねー。しかもなのはのレイジングハートも自己修復機能の治るらしいが今は壊れてしまってる。昨日もジュエルシードの反応を感じたけど封印ができない俺では何もできなくて結局あっちに取られてしまった。これで互いに持っている数は5つずつ。互角、と言いたいけど、正直こっちが押されてると思う。こっちは圧倒的に経験が足りない。なのはの成長スピードはかなりのものだけどそれでもまだかなわない、俺自身強くならなきゃ
「隆君大丈夫?」
「俺は大丈夫だよ、なのはこそ大丈夫か?」
「うん、なのはは元気だよ」
「そっか」
学校も終わって二人で魔法の練習をしてるけど、こんなんで本当に強くなれるのだろうか?
焦りだけが募っていった
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あの時の彼は何者だろうか?
僕らが彼らと戦い、そしてジュエルシードが暴走を始めたときいきなりあらわれた彼。
僕の魔力が万全なら問題なかっただろうジュエルシードを簡単に処理してしまった。あれほどの魔導士となるとやっぱり管理局の人間だろうか?
だが、それならなぜ僕らを見逃しジュエルシードに見向きもしなかったんだ?
「和人、準備できたよ」
「わかったよ、でもフェイトそれ本当に持っていくのかい?」
「うん。こういうのは気持ちが大事らしいから」
フェイトが今持っているのは悠斗さんが買ってきてくれたこの町で御用達のケーキだ。あの人がこれで喜ぶとは思えないけど、フェイトの気持ちに顔がほころんだ
本当に優しい子だ
「それじゃ、行くね」
「うん、頼んだよ」
「座標固定、転送位置、時の庭園」
淡い輝きに包まれながら僕らはプレシアのもとに向かった
そんな彼らを悠斗は陰から見ていた
「あれが座標か、よし。俺も行くか」
悠斗は前回起こったイレギュラーが気になり、現状を確認するために時の庭園に行くことにした。しかし、いまだに転送先の座標がわからず手をこまねいていたが、今朝フェイトが一度母親のもとに帰るといったのでこの機会に行くことを決めフェイトたちを陰から見ていたのだ
「よし、準備はこれでいいか。転送開始」
必要ならここでアリシアを目覚めさせる必要もあるな。そう考えながら悠斗は飛び立った。
しかし、すでに物語は大きく狂いだしていたことを悠斗はまだ知らない
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「艦長、大きな次元震を観測しました」
「そう」
「母、艦長どうなさるつもりですか?」
「…真相を確かめます。アースラ発進!」
「はい!目標管理外97世界、地球!」
世界を守り管理する者たちが動き出した
時を同じくして、悠斗は時の庭園に来ていた
「ここが、時の庭園」
何もない、あるのは腐敗した草木、枯れ果てた大地、それだけだった
「あそこにフェイトたちがいるのか」
原作通りなら今頃フェイトはプレシアから罰を受けているだろう。和人の存在があるがフェイトが母親のところに行くといったときの顔を見る限り和人もプレシアに対しては何もできないのだろう
「今はアリシアか…?あれは…」
悠斗は地面に落ちる小さく光るものを見つけそれを手に取った
「これは…」
それはどこにでもあるようなただの髪留め、銀の塗装を塗っただけのただの髪留めだが悠斗の顔は驚愕に包まれていた
「まさか、あいつがここにいるのか?いや、そんなはずはない。あいつはすでに死んだ。生きているはずはないんだ」
まるで自分に言い聞かせるように悠斗はつぶやいた
「いや、今はアリシアのことを確認しよう。仮に生きていたならまた殺せばいいだけだ」
悠斗は髪留めを投げ捨てアリシアのもとへ向かった
城の中に入り最深部まで来ていた。目の前には大きな扉が、この中にプレシアがいるのだろう。扉が開きそこから傷つき気負失ったフェイトとそれを抱える和人とアルフが出てきた。フェイトの傷ついた姿を見て悠斗はかすかに怒りを感じた。
「わかってはいても納得はできないか…」
ただ純粋なフェイトの気持ち、それを見向きもせずに切り捨てるプレシア。人のことを言えるほど自分は善人でもない、むしろプレシア側の人間だろう。だが、それでもそのまま見なかったことにはできなかった
「癒しの光よ輝け、ヒーリング」
小さな妖精が悠斗の手の中から生まれフェイトに降りかかる。すると傷が少しづつ消え始めた。一応幻影も付加しておいたから今はまだ傷ついてるように見えるだろうが明日には傷がないフェイトが見ることになるだろう
「所詮は自己満足か…」
悠斗は気づかれないようにそっと降り立って扉を開いた
「あんたがプレシアか」
「何者?どうやってきたのかしら?」
「あんたの娘のことでな」
「……管理局の人間?それでフェイトに何の用」
忌々しそうにつぶやくプレシア、そこまで嫌悪するものなのか?いや、違うな。この顔は本当に嫌っているんじゃない。
「あんたもしかして、その態度はわざとか?」
「…何のことかしら?」
この言葉でそれは確信へと変わった。プレシアは結局はただの親だったんだ。ただの弱い親だった。だからアリシアの復活を望んだ。そして作り出したフェイトに対しても確かな愛情を持っている。そうでなければフェイトの名前を出すはずがない。俺は娘としか言っていない、ならばここはアリシアのことを出すのが普通だ。記録にもアリシアが死んだことは登録されているはず、ならばこそ、娘というのはアリシアをさす。なのにプレシアはフェイトの名前をあげた。それはプレシアが意識的にせよ無意識的にせよフェイトを娘として思っていることになる。となると、今までの行動もうなずける。プレシアがやっているのは犯罪だ、ならばこそフェイトは自分に利用されている、その事実がこの先フェイトを救うかもしれない、頭のいい彼女のことだそのことには気づいているだろう
「まぁいい。アリシアのことだ」
「なぜアリシアのことを知っているの」
落ち着きを払っているが言葉に焦りを感じる
「生き返らせてやろうか?」
「どういうことかしら?」
「なに、俺のせいでもあるからな。埋め合わせに来たと思ってくれていい」
「行っている意味が分からないのだけど」
「アリシアを殺したのは俺だ」
次の瞬間雷が俺を貫こうとする。障壁を張り何事もないように俺は立っていた
「あれは私の、いえ、あの無能どもせいで起きた事件が原因よ、貴方が関与するはずないじゃな。それとも何かしら?実はアリシアが生きていてあなたが殺したとでも」
「その通りだ」
「っ!」
今度は先ほどより強力な雷が襲い掛かる、けれど俺はまたも障壁で防ぐ
「Sランクの魔法をそうもあっさり防ぐなんてね」
「なに、手加減してくれてる手負いの相手ならこんなものさ」
「……あなた、どこまで知ってるの」
「何も知らないし、なんでも知ってる」
「言葉遊びは好きじゃないの」
「そうかい、とりあえずアリシアを生き返らせる。俺はそのためにここに来た」
「そんな言葉が信じられるとでも」
「なら、対価にこれを渡そう」
俺が取り出したのは3つのジュエルシード
「なぜあなたがそれを」
「これを欲しているのだろ?俺が失敗したらこれを使えばいい」
「……いいわ、やってみなさい」
俺にできるはずがないと思っているのだろう。だからこそジュエルシードを手に入れるためにこの案を飲んだのだと思う
「さあ、早くしてみなさい」
「そうせかすな。束縛の鎖を解き放ち、すべてのものを解放しろ。ディスペル」
アリシアの体が光り輝き何かが砕ける音が響いた、そして
「お母さん?」
「ア、リシア?」
「お母さん!」
抱き付くアリシアにプレシアはいまだに困惑した表所をしていた
「いったい何をしたの?」
「簡単なことだ、アリシアの呪いを解除した。それだけだ」
「呪い?」
「悪いがそれは教えない。さて、約束は果たしたし、聞きたいことがあるのだがいいか?」
「何かしら?」
「クリスとレオン。こいつらを知っているか?」
「ええ、前に来た二人組ね。けど、それがどうかしたの?」
「何を言っていた」
「クローンの精製法を聞いてきたわ」
「………そうか」
「あなたと関係あるの?」
「あ「関係なんて大ありですよね」!」
後ろ振り向くとそこには白銀の髪をなびかせ白い甲冑に純白のスカートと銀の柄の剣を携えた女と赤い髪に赤い瞳、燃えるような赤のシャツ、その上に銀の胸当てをつけ、鉄の防具を足に着けた槍をもつ男がいた
「クリス、レオン」
「やっと会えたわね」
「クローンを作ろうとしてるのは本当か?」
「ええ、私は彼を取り戻す」
「無駄なことはやめろ。それよりもどうして生きている。あの時確かに」
「ええ、私たちは確かにあの時あなたに殺されたわ、いえ、殺されるとこだった。実際は私は生きていた。あなたが見落としたのでしょ?」
俺はクリスから目線を外し隣の男を見る
男はところどころ何か違和感を感じる…そう、生きているという感じがしないのだ
「…………そいつは、レオンではないな」
「ええ、このレオンは魔術で構成したただの土くれ、でもね私はそれで満足していたはずだった」
「だった。だと」
「ええ、だって何も話さない、ただ命令をこなす、そんなのレオンじゃない!私が愛した彼を取り戻すためにはクローンの技術プロジェクトFがどうしても必要だった。だからそこをどいてもらえるかしら?」
「断る」
「そう、なら。死になさい」
クリスの言葉と同時にレオンが切りかかる
「紅蓮槍」
「氷花!」
炎と氷がぶつかりあたりには水蒸気が立ち込める
この状況でプレシアたちがいるのはまずいと思い転送の準備を始める
「おい、あんたらをここから逃がす」
「何を言ってるの」
「そこにいるやつに事情を説明してたっぷり怒られろ。あと、フェイトのこと頼んだぞ」
「ちょっと待ちなさい!」
「転送開始、座標地球」
プレシアの言葉を聞かずに俺は転移を開始させプレシアを俺の家の地下の道場まで飛ばした。もうジュエルシードは必要ない、まだ管理局が来ていない今なら何とかできるかもしれない。いや、今はそんなことよりも
「死んだ人間は生き返らない。目を覚ませクリス!」
「いいえ、そんなことあるわけない。現に今あなたが死人を蘇らせたじゃない!」
あれはただ魔法を解いただけだ、だがそんなことを説明しても今は理解できないだろう
「この、うっとうしい!」
レオンの顔をした木偶人形、顔色一つ変えずにこちらに攻撃をする、すでに腕を吹き飛ばしたが痛みすらないのか
「灼熱の炎よ大地を焼け!フレイムバニッシャー!」
レオンを囲むように炎が広がる
「これで、少しはおとなしく、なりもしないか」
体を燃やしながら出てくるレオンに俺はため息を吐く
「魔力回路を破壊しないことには止まらないか」
もしくはクリスを殺すこと、主が死ねば魔力の供給も止まり死に絶える
だが、レオンがいるせいでクリスには近づけない、ならやることは一つ
「氷月懺翔!」
横なぎに振りぬきレオンと交差する
レオンの頭と体が離れ、斬られた部分からどんどん凍っていく。そしてすべてが凍り付き砕け散った
「やっぱり、貴方はそういうやつなのよね。たとえレオンじゃない人形でもためらいもなく殺せる。あなたを友と呼んだレオンを殺した!」
「…………」
「何か言ったらどうなの、言い訳位してみなさいよ!」
「…………」
「この!グランドクロス!」
剣を振りかぶり振り浮きざますぐに横に振りぬくことにより十字の斬撃を生む
悠斗はそれを刀で軽く受け止めた
「あんたはいつだってそう。何も言わない、何も言おうともしない!」
交差する剣と刀、すさまじい金属音が響く
「なんでレオンを殺したの!?どうしてあの時、私を殺さなかったの!」
「俺はお前を殺した気でいた」
「っ!無氷鳴動剣!」
「烈火陣」
悠斗の上空に突如現れる氷はクリスが剣を振りぬくことでそのまま落ちてきた
それを自らの周りに炎を生み出すことで蒸発させる
霧が晴れて二人の姿が見えてくる
クリスは肩で息をしているが悠斗はいまだに涼しい顔をしている
「あんたは私が殺す!そのためにここまで来た。強くなった!」
「…今の状況でそれが言えるのか?」
ここまで悠斗はそこまで大きな技を使っていない、それはクリスがそこまでの相手ではないということ。さらにはクリスは満身創痍、悠斗は余裕の表情、これを見る限る二人にはいまだに大きな壁があることがわかる
「あなたにまだ届かなくても、たとえこの身が滅んでもあんたを殺す!
それが私がした約束、私の望み!」
次の瞬間、悠斗の後ろにあったジュエルシードが光りだした
「なに、これ」
「まさか、クリスの望みに反応して!いかん!」
悠斗は焦りクリスに切りかかる、悠斗からの初めての攻撃だ。だが一歩遅い
「なっ!」
「ふふふふ、遅いわね」
「くっ」
素手で悠斗の刀を受け止めたクリス。
姿かたちは変わっていない、だけどクリスから発せられるオーラは明らかにさっきまでと違っていた。クリスの周りには8つのジュエルシードが漂っていた
(最悪だな)
状況は限りなく最悪だった。悠斗もある程度の魔力を持つ者、それこそAAAくらいなら本気を出すまでもなく圧倒できる、それくらいの力はついていた。だが今ここにいるクリスはさっきまではAAの魔導士だったが今はジュエルシードの魔力でSSSを凌駕するほどの魔力を保持している
(魔力だけなら問題ないが、こいつ、さっきまでと違って隙が無い)
そう、ジュエルシードにより願いをかなえたクリス。いびつな形で願いをかなえるそれは歪で壊れたクリスが願ったことにより、限りなく正当に願いをかなえてしまった。今のクリスはただの少女ではない、戦場を渡り歩いた悠斗にはそれを肌で感じていた
(ここまでイレギュラーが起こるものなのか。これが世界の因果を壊したことによる影響なのか?)
本来あるべき世界の流れ、因果。それは悠斗たちの介入より確かに崩れていった。そして、アリシアの復活により世界の物語の基盤は崩壊し因果を歪めた。これがその結果、世界そのものが悠斗たちを排除するために用意した舞台。因果を元に戻すための行動
(くそったれが。これはアリシアのほうもまずいかな)
そう、今ここにいる異物は何も悠斗たち転生者だけではない、生きることのないアリシアが生き返った、そのことでこの先の物語に影響を与える。だからこそ世界が彼女も排除する動きを見せても不思議ではない
(様子を見に行きたいがそうも言ってられないか)
「いつまで考えごとしているのかしら?」
「……地の意思よ、その気高き牙をもって愚かな贄を喰らえ、アースプレッシャー!」
「無駄よ、そんな魔法では私に傷一つ、っ!」
地面から岩が飛び出し槍のようにクリスに襲い掛かる、それを嘲笑うかのように幾重にも障壁をはるクリスだが、障壁を貫通しながら襲い掛かる地面にクリスは驚き後退する
「何をしたの」
「吹け暴風、荒れ狂う流れをもって無数の刃とかせ!ブレイジングストーム!」
「この!ソニックムーブ!」
クリスが高速の移動を行おうとするがそれより先に悠斗の魔法がクリスを包み込み竜巻を生みクリスに切りかかる。風が晴れクリスは無傷で立っていた
「ダメージはあるはずだが…」
「ええ、痛いわ。けどね、この子たちのおかげでどれだけ傷ついてもすぐに直してくれるわ」
それは過度の魔力を使い自身の回復力を異常なまで上げているからこそだ。人の細胞が分裂する回数は決まっている。そして細胞により人は傷を癒すことが可能だ。治癒魔法なら別だがクリスは自身の細胞分裂を早めることによりここまでの回復力を得ている、だが、それは同時に己の寿命を削ることにもなっていた。クリスはこの現象をジュエルシードのせいだと思い、確かに命を削られているとは思っていなかった。
「それをおとなしくこちらに渡せ。お前には過ぎた力だ」
「ふん!そう言ってまた私から奪うのね、でも残念。これは渡さないは。これがあればきっとレオンを助けられる」
「死んだ人間は生き返らない。さっきもそういっただろ」
「そうね。彼女が生き帰ったのは単純にあなたが魔法で眠らせていたから。なんでそんなことしたかはわからないけど、それがわかったからあなたが蘇生魔法を持っているわけじゃないってこともわかったわ、だからね、もう死んで」
「ちっ!百花繚乱!」
悠斗は地面に攻撃し砂塵を起こす、そしてその場から転移した。今の自分では確実に相打、もしくは自分が死ぬかもしれない。ならばこそ確実に勝つ方法をとらなければいけない
「逃げたわね…」
クリスはそのまま城の中に入る玉座に座る
「言い訳はしない、ね」
それはかつて悠斗が言った一言。友を殺し、そしてクリスすらも殺そうとした悠斗の言葉
「あなたは私が殺す、だからかかってきなさい」
不敵に笑むクリスは玉座に座っているせいもあるのか王の貫録を放っていた
完全な原作ブレイクのオリキャラ登場です。
事態はそろそろ終盤となってまいりました。
個人的に戦闘場面を書くのが苦手なので簡略化されてるのは
目をつむっていただけるとありがたく思います。
では、またお会いしましょう