IS もう一人の適格者 作:四月朔日徹
プロローグ
高校時代というのはおそらく楽しい時間なのだろうと思っていた。
アニメや漫画などでも高校生が主体の作品が多くキャラクターたちは学生生活を送る。その中で彼らは助け合い、時にはぶつかり合ったりと学生生活ならではの日常を繰り広げている。
中学卒業後の高校準備期間はそんなことが自分の周りでも起きるんじゃないかと少しは期待していた。だけど入学初日、俺の高校生活はどん底にも等しい気がする。いや、どん底なのだろう。
何せ、俺以外のクラスメイトが全員女子だからだ。
ここでハーレム作品なら男一人しかいない状況では注目の的になっているはず。だって俺は世の中では女性以外は動かすことができない飛行パワードスーツ『インフィニット・ストラトス』をなぜか動かせてしまった男なのだから。女性にしか動かせないものを男が動かせてしまうなんてもう注目の的でしかないはずだ。
実は俺よりも先にインフィニット・ストラトス——通称ISを動かせてしまった男がいる。一月ごろにニュースで話題になった織斑(おりむら)一夏(いちか)が俺よりも先に動かしたのだが、なぜか名前だけが公開され顔写真はTVニュース、新聞、雑誌では一切公開されていない。今の時代SNSで個人情報が拡散されてもおかしくない時代なのにそれすらない。
世間では政府が織斑一夏を保護しているとか個人情報を掲載した個人や団体には二度と行動ができないように罰が下されるとか色々言われているが、つい最近になってIS学園で保護されるとニュースになった。
それは誰もが納得する話だった。
IS学園とはISの操縦者・技術者を育成する教育機関で全世界のIS操縦者が集まっている場所だ。世界中の十五歳から十八歳の女子が集まっていることから世の中の男性からは『女の園』と呼ばれている。
で、俺もこの女性しかいないIS学園に入学することになった。高校が決まっていたのにそれを蹴ってまでもだ。
その学園の入学初日。注目の的になるのかと思いきやクラスメイトからはその気配は一切ない。むしろ邪魔者のような眼差しを浴びているし、興味がないのか見向きもしない人もいる。
唯一の知り合いである更識(さらしき)簪(かんざし)にさっき声をかけても無視をしており、俺の心はかなり傷ついている。
(姉貴……なんで俺をこの学園に入れたんだよ……)
高校生活初日を絶望な気持ちで迎えた俺は姉貴——更識楯無(たてなし)を呪いながら腕を組んで枕にして寝る。
そもそもの原因は昨日、昨日のあの時が全ての原因なんだ……。