義輝伝~幕府再興物語~ 《完結》   作:山中 一

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第十八話

 幕府に訴えを取り下げられた伊丹親興と三宅国村は、木沢長政と共に、一軍を率いて塩川政年が篭る一庫城に向かった。

 京から摂津まで、軍を進めるとなるとさすがに一日がかりになる。

 実際に戦端を開くのは、陣を敷いた後になるので二、三日後となるだろう。

 だが、その間にも一庫城は攻撃を受けている。

 相手は、近年武名を上げている三好長慶を筆頭にした管領軍である。如何に堅牢な一庫城であっても、一月以上の攻囲されているのだから、もう長くはもたないだろうというのが三名の共通見解だった。

 その夜、天幕の中で向かい合った三名は酒を酌み交わしつつ、今後の話を詰めていた。

「もう少し、行軍を早められませんかな」

 親興が酒器に注いだ酒を呷りながら言った。

「ふむ。確かに、今は一刻も早く塩川殿をお救いせねばならぬ時。早朝にでも進まねばなりませんな」

 国村も同意する。

 救うべき相手が、討たれていたとなるとなんのために軍を編成したのか分からない。

 塩川家は姻戚関係にあるのだから、彼らにとっては重要な同盟相手である。摂津のようないくつかの豪族がひしめき合い、突出した力の持ち主がいない国の中では、家の絆を高めることで、互いに監視し牽制しあう関係になることが大切だった。それが、大規模な軍事行動への抑止力になるからだ。今回のような事態に対処するための結びつきにもなるため、今後を考えれば、決して塩川家を見捨てるわけにはいかない。

「何よりも三好殿、ああこちらは長慶殿のほうではあるが、同じ攝津衆としても彼女が塩川殿を討つのは好ましくない」

「これ以上武名を高められると、ちと厄介ですな」

 長慶は現在でも単体ならば彼らを圧倒する軍事力を持つ。

 三好家の跡取りである彼女は、本国である阿波にも一族がいる。十河一存などがその代表だが、阿波の戦力を数えれば、とても伊丹家や三宅家だけで対処できる軍事力ではない。

 前述のとおり、摂津では突出した武将というのはいない。だが、長慶も彼女だけならば、まだなんとかなるのだ。しかし、一族の力というものを持ち出してきた時、その力関係は大きく変わってしまう。

 彼らの抱く危機感は、長慶が勢力伸張をすれば間違いなく真っ先に自分たちに刃が向けられるからこそである。

 事実、長慶は、この年の七月に摂津国の上田某を政長と共謀して自殺に追い込み、城を奪っている。

「ハハハ、まあ、そう不安がることもなかろう。塩川殿をお助けすればよいのじゃ」

 長政は、そう言って隣の国村の酒器に酒を注いだ。

「木沢殿。しかし……」

「何、我等はすでに摂津に入っておる。この動きは、当然千熊丸の耳にも入っていよう。今頃、連中は大慌てで退陣の準備をしておるはずじゃ」

 千熊丸というのは長慶の幼名である。

 木沢長政は、幼い頃の長慶と面識がある。彼女の父を殺めたのは晴元と三好政長の策謀で蜂起した一向一揆であるが、それに長政も噛んでいたのである。その後、一旦は敵対したものの、長慶が晴元に帰参するに当たって仲介役を務めたりもした。

 そうした仲なので、未だに長政は長慶を幼名で呼んでいたのだ。

「あの三好殿が退陣されるとは何故に?」

 親興は不思議そうな顔をする。兵力は互角。ならば、正面から戦おうとは考えないのだろうかと。

「いやいや、確かに互角ではあるが、よく考えて見なされ。このまま我等が進軍すれば、千熊丸は我等を背にすることとなるじゃろう。反転すれば、一庫城を背負う羽目になる。ようするに挟まれるのじゃ。それはあまりに不利」

「おお、なるほど。それで、退陣の準備をしていると」

「千熊丸の帰城を妨げぬよう、今晩は陣を摂津の入口に敷いたのじゃ。陣払いをするとしたら、夜が定石じゃからの」

「戦わずして勝つ。さすがは日本一の名将ですな」

 国村がおだてるように言って、長政の酒盃に並々と酒を注ぐ。

「ハハハ、そう言うな。何れにせよ、斥候を出して確認せんことにはなんとも言えん」

 長政は上機嫌に酒を飲み、夜を明かしたのであった。

 

 

 

 ■

 

 

 

 管領軍は、木沢長政現るの報を聞き、即座に撤退を決めた。

 如何に兵力に優れていようとも、ここは敵地。さらに城兵と木沢勢の挟み撃ちに会えば、一溜まりもなくやられるだろう。

 参加した諸将は帰路に敵と出会う不安を抱えながら、それぞれの領地に帰っていく。

 長政の軍は、摂津国の入口に止まっているらしい。

 どうやら、後巻きにすることで、自分たちが自ら兵を退くことが狙いであり、刃を交えるつもりはなかったようだ。

 だが、兵を退かねば、真っ直ぐ後背を突いてきただろうから、いずれにしても長慶は兵を退かなければならなかったのだが。

 越水城に帰還した長慶は、即座に軍備を整える。

 篭城できるように兵糧を蓄える。幸い、手付かずの兵糧がまだ大量に残っているので、それを使えば問題はないが、木沢軍が越水城を襲ってくる可能性は高く篭城のために追加の兵糧は準備しなければならない。

「戦ばかりだ」

 長慶は憂いの表情で外を見る。

 今は、頼れる弟もいない。それぞれの領地を纏めるのに忙しいのである。

「長慶様。斥候が戻ってまいりました」

 報告に来たのは、側近の一人である松長久秀だ。

「そうか、それで首尾は?」

「はい。斥候に出た兵によりますと、木沢様は伊丹様と三宅様とは別行動を始められたとか。おそらく、我々が陣払いをしたので、あちらも兵を退いたものと思われます」

「ふむ。なるほど、ではこちらに向かってくる兵はいないのか?」

「いいえ。どうやら伊丹様がこちらに向かってきているようですわ」

「伊丹殿か。わたしたちが軍備を解いた隙を突こうというわけだな」

 木沢長政が兵を退いたのであれば、敵の戦力は半分以下である。伊丹家、三宅家。この二つを合わせても長慶単独で動かせる兵数と互角といった兵数でしかない。

 そのため、攻め寄せてくるという伊丹軍は大した相手ではない。

「久秀。敵兵の数は?」

「千ほどです」

「こちらは千五百は出せたな」

 管領軍として連れ出していた兵が、そのまま手元に残っている。城を守るために置いていた兵を合わせれば二千を越える。

 単純計算で相手の二倍である。

 向こうはこちらが戦が終わったものと思って油断していると考えているのかもしれないが、その程度ではこの戦国を生きてはいけない。

「打って出るぞ。ただし、敵には篭城に見せかける」

「御意」

 久秀はたおやかな笑みを浮かべて頭を下げた。

 

 

 その後、敵を城に引き付けた長慶は、城兵と伏せ兵による挟み撃ちで伊丹勢を完膚なきまでに打ち負かし、撃退し、そのまま進軍。伊丹親興の与党である西富松城を陥れるという大戦果を得た。

 

 

 

 ■ 

 

 

 

 殿下がお呼びです、と使いの小姓から伝言を受けたのは、木沢長政が軍を率いて一庫城の支援に向かってから十日ほど経ったある日であった。

 主に政務を行う主殿で、将軍たる父上が待つという。

 はて、何かあったのだろうか。父上が政務の場に俺を呼び寄せるとは珍しい。

 主殿に入ると、父上が上座に座って待っていた。

「父上。義藤、ただいま参上いたしました」

「うむ。ようきた義藤。さっそくだが、荷物を纏めよ」

 荷物を纏めよ?

「ええと、父上。それはまさか私を出奔させると?」

 冷や汗が背筋を滑り落ちた。

 何か重大なミスを犯しただろうか。

 それとも、顔も会わせたことのない妹を後継者にすることにしたとか?

 追放するにしても、坊主とか、正直嫌なので、寺入りは勘弁してもらいたい。もう最悪、どこかの姫武将のところに婿入りでいいから放り投げるのだけは勘弁。

 などと益もないことを考えていたら、父上は呆れたような視線を向けてくる。

「何を阿呆なことを申しておるか。慈照寺に行くのだ、慈照寺に」

「は、慈照寺、ですか」

 慈照寺といえば、銀閣だ。俺は修学旅行の時にしか行ったことがないし、その時は修理中で見ることができなかったあの銀閣だ。

 建立したのは東山文化と応仁の乱で有名な第八代将軍足利義政。俺たちが苦労しているのは大体この人の所為。ただし、文化人としては相当だったようで、織田信長が尊敬する人の一人なんだとか。この世界ではどうか知らないが。

 だが、そんなところに何故、この時期に行かねばならないのか。

「それは何故でしょうか?」

「木沢が動きおった」

 遊興というわけではないらしい。

「京は守るに難き地。戦には向かぬ」

 晴元との対立から幾度も京と近江を行き来した父上は、京で戦う不利を嫌というほど知っていた。

 地形の問題もあるが、公家や天皇家がある以上、戦場にするリスクが大きい。敵もそうだが、将軍家は天皇家の顔色を窺う立場にある。ただでさえ、乱世の中で将軍家の威光が低下しているというのに、天皇家に見限られては幕府は終わりだ。その辺りの交渉は、従兄弟の近衛晴嗣が頑張ってくれているから安心しているのだが。

「管領殿は?」

「近く、岩倉へ逃れるようだ」

「なるほど。管領様は木沢殿を敵と決めたわけですか」

「うむ」

 父上は頷いた。

 木沢長政も幕府や管領と敵対するつもりはなかったのに、憐れなことだ。自分の力と細川政権内での地位から不用意に行動した結果でもある。

 晴元の敵を利する行動をしたのは、本人はどうあれ、世の人は晴元への反逆と受け取ったし、晴元自身も激怒した。

「木沢殿の言い分は、三好政長殿を排除するためのもので幕府への反逆でも管領殿への反逆でもないとのことだったかと思いますが」

「その言い分が通るほど、わしや晴元(アヤツ)は甘くないということだ」

 木沢長政の行動は幕府内でも問題になっていた。父上も晴元ほどではないが嫌っていたし、それは長政があまりに力を持ちすぎたことと、その力を振り回しすぎたことが原因である。

 少し、長政の情報を纏めてみよう。

 まず、木沢長政は畠山家の家臣であり、幕府からすれば陪臣である。本来、幕政を左右するほどの力はないはずだが、細川晴元に近づき、与力したことで頭角を現した。

 今、彼は主である畠山在氏を傀儡として畠山総州家を牛耳り、河内北半国守護代として権勢を振るっている。 

 飯盛山城の城主で、河内国と大和国の境にある交通の要衝である信貴山城と二上山城の他、笠置城を山城国内に築くなどしている。

 また、その軍事力を駆使して大和国に侵入し、事実上の大和国守護として活動し、かつての働きから山城国南半国守護代の肩書きまで持っており、洛西の峰ヶ堂城に半済米を供出させるなどしている。

 特に父上の勘に障ったのは、笠置城を勝手に築城したことだろう。

 ようするにやりすぎた。

「木沢はわしの警護を願い出て来おった。無論、そのようなものを受けるつもりはない」

「なるほど。将軍家直属になろうとしたわけですか」

 もう少し、長政の勢力が小さければ取りこめたかもしれないが、畿内最強の軍事力を持つだけに畠山家と同じく将軍家が傀儡にされる可能性が大きい。

「早急に出立の準備をいたします」

「うむ」

 こうして、俺は慈照寺に退くことになった。

「ああ、それと父上。一つお願いが」

「なんだ」

「幕府に出仕している黒田殿。あれを私に就けていただきたいのですがよろしいでしょうか?」

 孝高は、俺の直属というわけではない。今は、幕府の仕事を任されていて、空いた時間に顔を合わせる程度である。

「黒田? おお、小寺の代わりに来た娘か。構わぬ、好きにせい」

「はっ。ありがとう存じます」

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 そして、俺は慈照寺銀閣に退いた。

 初銀閣である。

 今、慈照寺六世の住持である陽山瑞暉が出迎えてくれた。

 彼、実は俺の親戚である。

 近衛家の出身で、若くして住持に抜擢される秀才なのである。

「兄様。お久しゅうございます」

「久しいな。陽山坊主。壮健そうで嬉しいぞ」

 俺よりも頭一つほど背の低い丸顔の青年が、陽山瑞暉だ。法衣を着て、見事なつるつる頭に太陽光を反射させている。それが、後光に見える不思議。

「そちらが、兄様の小姓の方々ですかな」

「ああ、そうだ」

 小姓。秘書のような扱いだ。今、俺に従っているのは明智光秀と仁木義政、そして黒田孝高の三名である。

 陽山坊主は、三人に対してもにこやかに挨拶をする。

「将軍殿下はすでに参られております。兄上が遅くなられたのは、またどうしてでしょう?」

「父上と違って、俺は割りと自由の身。遅れたとしても問題はないだろう」

「そりゃまあ、そうですが」

 実際、別行動を取ったほうが、襲撃をされた際のリスクが下がるからである。将軍と次期将軍が纏めて始末されるのはまずいのである。

「では、寺内をご紹介させていただきつつ、各々方のお部屋へご案内しましょう」

 陽山坊主に案内されて、俺たちは慈照寺の中を巡った。

 足利義政が八年がかりで建設した慈照寺は、その細部に渡って文化人としての義政の思想が反映されている。

 あの有名な銀閣他東求堂や庭園を散策し、益体のない話に華を咲かせる。

「して、兄様」

「なんだ?」

 ある程度話が済み、逗留する部屋に通されてから陽山坊主が声を潜めて言う。

「あの方々の中のどなたがお好みで?」

「……お前は坊主だろう?」

「次代の将軍となられる方の伴侶候補には興味が尽きませぬ。寺の今後を左右する問題でもありますので」

「生臭が」

「兄様もいつまでもお一人では将軍家の先が不安です」

「世継ぎはお前が考えることじゃない」

「然り、その通り。出すぎた真似をしました。ですが、世の者たちも噂しております。兄様に見初められるのはどのような姫かと」

 それは仕方ないことだ。なんといっても、将軍家の次代の話なのだから。俺も、それなりに注目を集める立場にいることは自覚している。

「今は戦の準備をするために来ているのだ」

「木沢様でございますね」

「耳が早いな」

「坊主ですので」

 寺には身分を問わず様々な者が出入りする。そのため、商人と並んで情報の伝わりは早い。まして、同じ京で起こったことである。

「公家の方々も不安を口にしておいでです。万里小路様などは、左京大夫様が大乱の源をどのように扱うのかと。やはり、敵として処断されるようですが」

「仕方ないだろう。彼は、あまりにも突出しすぎたのだ。もはや、天下の害にしかならんよ」

「私も木沢様とは一度、お会いしたことがございます。決して、悪人という方ではなかったのですが」

「それも仕方ないことだ。善悪は時勢で移ろうもの。悪人ではないから悪を為さぬわけではないし、善人だから善行を積むわけでもない。まして、乱世では、善人であろうとしても生きるために手を汚す者も少なくない」

 だが、木沢長政は善悪を自ら考え貫き通すだけの財と力を持っていた。選択肢は他の者たちよりも多くあったのだから、その上でこうした流れになってしまったのは、運のなさというよりも彼自身の野心によるところであろう。

 ならば、木沢長政は悪だったということだ。

「戦わずして勝つというには、敵は強大に過ぎる。少なくない血が流れることだろう」

「私たち仏道に励む者も武器を取るご時勢です。せめて私くらいは無念の死を遂げた者の冥福を祈るとしましょう」

 おそらくは、俺も兵を率いることになるだろう。

 実際、俺はこの流れに乗って如何に将軍家に利する結果を出すかを考えている。長政の死と大乱を望んでいるという点で、俺も悪の片棒を担いでいる。

 

 

 

 ■

 

 

 

 この時代、日が暮れるとすることがなくなる。

 もともと、本を読むか、剣を振るか、食べるかくらいしかないのが戦国時代である。日が暮れれば辺りは暗くなり、ろうそくの灯りと月光だけが頼りとなる。

 だから、よほどのことがなければさっさと寝て早くに起きるものだが、相手がいる時は話は別である。

「そりゃ、悪手だね」

 孝高と碁を打つ。負け続けは気に入らんのである。

 といいながらも、俺の敗戦記録が上塗りされていくだけであるが、さすがに黒田孝高。頭の回転が速い。

 二戦目の半ばで、孝高は口を開いた。

「そういえば、若様。なんであたしが若様就きになったの?」

 孝高にとっては、突然の命令だっただろう。疑問に思うのも尤もである。

「ああ、そりゃ俺が父上に黒田殿が欲しいと進言したからな」

「ぶふっ」

 孝高は吹き出し、手を間違えた。

「あ、い、い、今のなし!」

「なし? そりゃ、ダメだ」

 この機を逃さずに攻めるべき。俺は問答無用で孝高の白を囲む。

「ひ、卑怯よ」

「戦に卑怯もクソもあるか。というか卑怯じゃないし、俺は事実しか言ってない」

「じ、事実」

 孝高は口篭って、それでも次の手を打つ。

 さすがに、一度の失策程度はすぐに挽回できるのだろう。着実に、失った分を取り返しつつある。

「いや、でも、命が下るの早すぎるというか。普通、そんな簡単には……」

「ん? でも、君の事は好きにしていいと言われたから」

「へ、あ、ひやああああっ!?」

 素っ頓狂な声を上げ、ザザ、と器用に座りながら、

「あたしに何する気よ!」

 などということを言い出した。

「な、なんのことだ?」

「す、好きにしていいとか。そ、それに、若様は小さいのが好みかもって、女中たちも言ってたし、やっぱり、そういうつもりなのね!?」

「なんだとうっ!? どこの誰だ、そんな根も葉もないこと言い出したのは!?」

 ガタガタ震えている様は迷子の仔犬のようでもあったが、それを愛でている場合ではない。とてつもなく厄介な話が様々な場所に蔓延しているらしい。

「待て待て、大きな誤解があるようだ。一旦落ち着いて話をしようじゃないか」

 そんな風に壁際まで下がられると、とても悪いことをしている気分になる。

 極力相手をなだめるように俺が落ち着いて話をしなければならない。

「義藤様。何事ですか? 何か、物音がしましたが?」

 騒ぎを聞きつけた光秀が、障子戸の向こうから声をかけてきた。

「光秀、助けて! 乱暴される! 春本みたいに!」

「おいバカ止めろ!」

 バン、と勢いよく障子戸が開かれた。

「義藤様! どういうことですか!」

 新撰組もかくやという勢いで、光秀が踏み込んでくる。

「だから誤解だと言っているだろう!」

 その後、誤解は何とか解けた。

 が、俺の知らぬところで『足利義藤は幼女好き』という話が真しやかに囁かれるようになったのであった。


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