不思議な体験をしたライは翌日もアリサの下を訪れた。
この日はオオグルマの姿もなく、眠っているアリサとそれを見守るライの2人だけだった。
静寂が流れる。片方が眠っているのだから当然だが…
「昨日の感覚は一体…」
不意に自分の手を見るライ。
昨日、ライがアリサにしたことは手に触れた程度のことだった。
その瞬間、脳裏に映像がフラッシュバックし、その直後、眠っていたアリサが目を覚ました。
アリサが目を覚ましたことにまるで狼狽し慌てて医務室を出たオオグルマの行動も気になっていたライは彼にそのことを問うと…
「目を覚ましたことを他の医務局員に連絡した。」
という返事が返ってきた。
また検査でもするのだろう。その返事にそういう意味合いと捉え昨日のライは医務室を後にした。
「………」
自身の手を見つめるライ。
しばらくして昨日のように自身の手を眠っているアリサの手を重ね合わせ、優しく、まるで壊れ物を扱うように…アリサの手を握った。
直後…
昨日経験した不思議な感覚がライの体に流れる。
しかし昨日見た映像よりも鮮明に…かつ、1つの動画のような映像が脳裏に流れた。
「もういいかい?」
「まぁだだよ。」
「もういいかい?」
「まあだだよ。」
聴こえてきたのは男女の声と少女の声。
かくれんぼでもしているのか男の声と少女の声が反響する。
「もういいかい?」
「もういいよ。」
少女の隠れ処が決まり、かくれんぼがスタートする。
ライの視点は少女のものなのか少女の隠れ処であろうクローゼットから外の様子を伺っていた。
数分もしないうちにかくれんぼの鬼役である2人の大人の男女が姿を現した。
少女が隠れているクローゼットの前に2人が近づいた時だった。
“それは“突然、訪れた。
聴こえたのは獣の咆哮。
直後、その獣が鬼役の大人に襲いかかった。
「パパ…ママ…やめて…食べないで…」
少女の涙ぐむ悲鳴の懇願はその獣…アラガミに聞き入られることはなく…少女の目の前で彼女の両親を食い殺した。
そして捕食が終わったのかそのアラガミが移動を始める。
一度、クローゼットの中を覗き見たが少女に気づくことなく、アラガミは離れていく。
そのアラガミの顔は”トランプのKのカードに描かれる王“の顔をしていた。
次の光景はゴットイーター適性試験だった。
「戦え!!打ち勝て!!!」
「そうすれば君は無力で何もできない少女から1人の戦士へと生まれ変われる。君自身の野望を君自身で叶えられる!!」
放送から男の声が聞こえる。
まるで鼓舞するかのように強要するかのように…
再び視点は変わり少女は病院で入院していた。
「これが君たちの敵、アラガミだよ。」
「アラ…ガミ…」
近くに男の声が聞こえ、少女にアラガミについて教えていた。
「そうだよ。君のパパとママを殺したアラガミだよ。」
「パパ…ママ…」
男の声に続くようにまるでうわ言のように少女も呟く。
「でも君はもう戦える力を持っているだろう?」
「力…」
「そうだよ。君の強い強い力で君のパパとママを殺したアラガミを倒すんだ。なに簡単なことだよ。この”アラガミ”に向かって引き金を引くだけでいいんだ。このアラガミが君のパパとママを食べちゃったのだから。」
“このアラガミ”と言うことで少女に映像に映ったアラガミを少女に強く印象付ける。
しかしおかしなことに…
少女に印象付けたアラガミは“アラガミ”ではなかった。
何故か…
アラガミを映していたモニターに“あの男”が映し出した。
少女が自身の両親を殺した存在と刻み込んだのはあの王の顔のアラガミではなく…
“リンドウ”だった。
映像はここで途切れ、視界は医務室に戻る。
するとアリサが目を覚ました。
「今のは…」
「落ち着いて。大丈夫だから。」
アリサが混乱しないように優しく冷静に落ち着くよう言うライ。
少し話すとどうやらアリサの方にもあの映像の光景が流れ込んでいたらしい。
そこからアリサの独白が始まり、自己嫌悪になるアリサを抑え、ライはアリサの独白を聞いていた。
「私はこれからどうすれば……」
「今は先のことより自分の体調を良くすることを考えて。」
弱々しくそう言うアリサを優しく抱きしめるライ。そ の光景は兄甘える妹のような光景だった。
その後、アリサが再び眠るまで、ライはアリサの手を握っていた。
「……そう。アリサにそんなことが…」
「確証はありません。ですがアリサ本人の確認は取れましたからアリサの過去は事実でしょうね。」
医務室を後にしたライが向かった先は現在休養中のサクヤの下だった。
「いえ、信じるわ。私としても少し気になることがあったから。今の話を聞いて少し合点が言ったわ。」
「何か調べものをしてたようですが…」
「少しね。それにしても相手の気持ちが流れてくる…ね。新型特有の不思議な力なのかしら?」
「ただの遠近切り替え可能の神機使いじゃなかったんですね。」
「貴方もその程度の認識だったのね。とりあえずアリサは貴方に任せていいかしら?アリサも貴方には心を開いてるみたいだし。」
「そのつもりです。一応リーダー命令でもありますから。」
「リーダーってリンドウの?それって押し付けられたんじゃない?」
「今となってはそうなりますね。」
その後は談笑するライとサクヤ。
「ごめんなさい。君にはいろいろと負担をかけたわね。私ももう少ししたら復職するわ。」
「お願いしますね。」
サクヤと別れた後、エレベーターに乗ると中には先客がいた。
「やぁ君か。」
「オオグルマ先生。」
エレベーター内にいたのはオオグルマだった。
「そうだ。君に渡したいものがある。」
そう言って、オオグルマはライに1つの“注射器”を渡した。
「それは…」
「君の記憶を取り戻すことができるかもしれない薬物『リフレイン』というものだ。君が記憶を失っていることを聞いてね。アリサのことを見てくれている御礼ではないが私も君の役に立ちたくてね。薬物療法は身体に毒だがこれは中毒性は低い。試しに使ってみるといい。」
言うだけ言ってオオグルマはエレベーターから降りていった。取り残されたらライは渡された注射器を見る。
「リフレイン」
聞き覚えのある薬物だった。同時にライの脳裏に『紅』が思い浮かんだ。
『『紅』………カレン………」
紅が思い浮かんだ瞬間同時に『カレン』と言う単語が思い浮かんだライ。
しかし今のライにはその単語の意味もなんなのかも分からなかった。
ふとした疑問ですが偏食因子の突然変異とかありですかね?
例えばバーストでリンドウの神機を使った時にリンドウの神機の偏食因子(ハンニバルのオラクル細胞)を取り込んだ際に自身の偏食因子とリンドウの偏食因子が捕食しあった結果新たな偏食因子になるとか。
そうすればアラガミ化も有りかなと思いました。
そうするなら1番いいのはリザレクションですかね?
第2のノヴァに傷を負わされたとか噛まれたとかの際にノヴァの偏食因子がライの体内に入り込んで身体が拒絶反応を起こしてアラガミ化が進みライが暴走状態になって仲間を襲うも最後の最後で抑えるとか。
それか新たな偏食因子による擬似血の力の発動とか?ぶっちゃけこの擬似血の力をギアスのようにするとか。(偏食因子に意思があるならライの理性がギアスを使うのもありか?)
偏食因子の拒絶反応はイメージとしてハガレンの賢者の石を人間に取り入れた時のような感じなのだろうか?
ぶっちゃけアラガミ化すれば二刀流もありじゃね?