神喰らう無色の反逆者   作:COLD

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暗殺の憶測

「もう少ししたら復帰できると思います。」

 

「そうか。」

 

「とはいえ、他の神機使いの方達が受け入れてくれるでしょうか?」

 

「どうだろう。」

 

アリサの見舞いに来たライ。アリサによるともうじき復帰できるそうだが、今までの自身の言動や行動、そしてリンドウ喪失の主犯としての責任。それがアリサを苦しめていた。

 

「貴方にもご迷惑を掛けたと思います。すみませんでした。」

 

「僕のことは気にしなくていい。それに諦めたわけじゃないから。」

 

「え?」

 

「リンドウさんのこと。きっと誰も諦めてないと思う。」

 

アリサを慰めるために言ったわけじゃない。ライはリンドウが生きていると思っていた。

 

当然確固とした根拠はない。だがリンドウが閉じ込められたあの廃協会のステンドグラスは割れていた。神機を使えば脱出できたかもしれない。当然アラガミと一緒に閉じ込められたのだからそのアラガミと戦闘した後となるが。

 

「さて、そろそろ時間だ。」

 

「あの…また来てくれますか?」

 

任務の時間になったのかライが立ち上がる。そんなライにアリサは弱々しい声色で問う。

 

「うん。また来るよ。」

 

そう言って医務室を出るライ。

 

「また来てくれますか?…か。」

 

何気にアリサから言われた言葉をライは呟く。

 

その時…

 

“また、会いに来てくださいね”

 

ふと脳裏にアリサとは違う声色の声が聴こえた。

 

そして自然に脳裏の声にライは答えていた。

 

「ああ、会いに行くよ“ナナリー”」

 

そこでライは我にかえる。

 

「ナナリー?誰だ?」

 

首を傾げるライ。先日オオグルマから受け取ったリフレインを見て口にした“カレン”そして今の“ナナリー”やはり今のライにはその単語が意味することは分からずにいた。

 

因みにライはリフレインを使わずに今は自身の部屋に置いている。ライ本人が自身の記憶に興味を示していないという理由もあるがリフレインを与えたのが要警戒の人物だということ、そしてそのリフレインを得たことで思い出した『カレン』という単語。その単語がリフレインに対し、強く拒絶してる感じがしたのでとりあえずその直感に従って使わずにいた。

 

「まぁいいか。」

 

軽く頭を振って気を取直したかのようにエレベーターへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、戻ってきたわね。」

 

今日も無事に任務を終えて、アナグラに戻ってきたライ。

 

そこにサクヤが待ち構えた。

 

「少し話があるの。付き合ってくれる?」

 

「はい。」

 

恐らくアリサ関連だろうと思い抵抗なくサクヤについて行く。

 

 

 

 

 

「アリサに話を聞いてみたわ。」

 

「…そうですか。」

 

「別に貴方から聞いた話を信用しなかったわけじゃないわ。でもやっぱり本人の口からあの時の真実を聞きたかったの?」

 

「いえ、それがいいでしょう。僕の言うことはあくまで僕の見識ですから。」

 

「ありがとう。それで分かったことなんだけど貴方はアリサの主治医を知っているかしら?」

 

「オオグルマ先生ですか?はい。何度か会ってるしつい最近も会いましたね。」

 

「その先生は今行方不明になってるみたいなの。ロシア支部に戻る際にアラガミに襲われたとか。」

 

「それはいつ頃ですか?少なくとも先日僕は会ってますよ。僕の記憶喪失に役立つ薬品も受けとりましたし。それに主治医は自分の担当の患者を置いて別の支部に行きますか?必要な物資がロシアにあるなら向こうから送ってもらった方がいいでしょうし。」

 

「そう言われればそうね。それは不可解ね。」

 

「いや…少し待ってください。」

 

そう言ってライは思考を深くする。そして自身のごく最近の記憶を追想して行く。

 

「アリサ…主治医…メンタルケア…過去………洗脳」

 

「え?」

 

「もしかしたらアリサは洗脳されてリンドウさんを暗殺する道具として使われたのかもしれません。」

 

「どういうこと?」

 

『アリサの過去を見た時にアリサにアラガミについて教える映像がありました。その映像の最後はアリサを殺したアラガミがリンドウさんにかわっていました。」

 

「そしてアリサの主治医として一緒に極東に来たのもメンタルケアと称した洗脳を繰り返し続けるため。姿を消したのはそれが難しくなったとか何か都合が悪いことが起きたか、…もしくは目的を達成したから逃げ出したかでしょう。あくまで憶測ですが。」

 

「そんな…そんなことが…」

 

「憔悴したアリサは洗脳するのにうってつけだったのかもしれません。両親を目の前で殺されたなら精神状態がおかしくなっても不思議じゃないですから。」

 

淡々と答えるライ。同時にライ自身自分の思考の速さと展開に驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ない。」

 

部屋に戻ってきたライは部屋内に“あるもの”がなくなっていた。

 

「逃げる前に回収したか何者かに回収されたか…」

 

「どうでもいいか。『リフレイン』なんて…」

 

ライの部屋から無くなっていたもの…

 

それは薬物『リフレイン』だった。

 

しかしこの『リフレイン』が後々大きな事件を巻き起こす。

 




そろそろアリサを復帰させないとなぁ。

とりあえずアラガミ化したライをリザレクションの第2のノヴァと戦わせたいからアラガミ化修得はバースト後、リザレクション前になるかと。

取得とは言ってるけど完全に制御下に置くと本当に人間やめるから感情の振れ幅にした方がいいだろうか。

アラガミ化の対価は寿命かな?

もしくは記憶。

またはアラガミ化のあとはしばらくの意識不明と身体全身への激痛とか。

記憶が対価なら記憶を戻さない方がいいとも思えてきた。

それにこのまま行くと今作のライはなんか死にそう。

リザレクション以降、2やレイジバーストまで描くのなら考えないとなぁ。


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