「おい!!」
「ソーマか。私はこの通り、出張の準備をしているのだが?」
「そんなことはどうでもいい!!テメェに聞きたいことがある。」
アナグラに戻ったソーマは真っ先に向かったのは父、ヨハネスのもとだった。
「どうでもいいとは酷いな。だが一応息子のお前も無碍にはできん。なにを聞きたいんだ?」
「テメェが“アイツ”の身体を弄り記憶まで奪ったのか!?息子だけじゃ飽き足らず関係ねぇ人間も巻き込みやがったのか!?」
「………」
荷造りの手が止まるヨハネス。そしてここで初めてソーマの顔を見た。
「そうか。本人から聞いたか。」
「どうなんだ!?」
「案ずるな。彼に関しては私は関与していない。ペイラーもね。彼が見つかった時は私もペイラーも驚いたものだ。フェンリル以外で人体改造を施せる輩がいたとはとね。」
「何故フェンリルが関与していないといえる?」
「当然だ。ゴットイーターのようにオラクル細胞の投与などはされずにあくまでも筋繊維の破壊と再生や脳を弄ることによる記憶領域の拡大がメインだった。どんなに改造を施してもアラガミに対抗できない人間を造ってもフェンリルには意味がない。まぁそんな彼がゴットイーターとなって活躍しているがね。」
『しかしお前がそこまで怒りを見せるとは。彼に親密感でも感じたか?」
「違う!!」
ソーマは拒絶するように言うと踵を返す。
『ソーマ。お前は“アラガミを滅ぼす為に産まれた存在”だ。それを忘れるな。」
出て行くソーマの背中にまるで命令するかのように言うヨハネス。しかしソーマは無視して出て行った。
『ありがとう。君が拾ってくれたんだね?」
「ええ。緊急任務で入って返すのが遅くなりました。」
ソーマがヨハネスに会ってるその頃、ライはサカキに例のディスクを返しにきていた。
「いいよ。若かりし頃の黒歴史だからね。…確認だけど中身は観てないよね?」
「さて、どうでしょう?」
「そうくるか。じゃあきますはマーナガルム計画については知っているかい?」
「少しですが。」
『エレガントに欠ける計画でね。この計画で大切な友人を何人も失ってしまった。だがこの計画のおかげで今のゴットイーターが存在するから因果を感じるよ。」
「単刀直入に聞きますが僕に何をさせようと言うんで。ディスクも僕が拾うのも全て博士のシナリオ通りでしょ?」
「イヤーナンノコトカナ」
はぐらかすサカキに溜息するライ。
「とはいえ君に頼みたいことがあるのも事実だ。とあるアラガミの討伐なんだけど少し手を加えて君に受注されるようにしてある。」
『アラガミの討伐は構いませんがあまり周りの人を巻き込まないようお願いします。」
一応忠告するライだが心の内では無理だろうと確信していた。
その後もサカキの頼みでアラガミ討伐やら素材の回収を行う日々を過ごすライ。
そして今回の任務もサカキの手による任務が行われた。
「シユウ3体。討伐完了。」
「お疲れ。」
「お疲れ様です。」
「じゃあとっととコアを回収しましょうか。」
上からサクヤ、アリサ、コウタ。今回は第1部隊の面子で任務を行った。
「じゃあリーダー。お願いします。」
「わかった。」
ライがシユウのコアを回収しようと神機を捕食形態にした時だった。
「ちょっと待った!!」
不意に聞こえた叫び。振り向くと…
「え!?」
「サカキ博士?」
「ソーマもどうしてここに?」
振り向くとそこにはサカキとソーマの姿があった。
「ちょっとね。捕食は後でワケを話すから少し待ってほしい。」
サカキの指示で身を隠す第1部隊。
「そろそろ時間のはずだけど…あ、来た!!!」
サカキがそう言う先にはシユウの死体の前に立つ“白い影”
その影がシユウに手を掛けると同時に第1部隊が白い影に向かう。
同時にライは自身の内側が“ざわつく”感覚に陥った。
神機を白い影に向ける。
その音を聞き白い影がライ達の方を振り向く。
白い影の正体は白い“少女”だった。
ボロボロの布切れを纏った少女。
背後にある夜の月のおかげが神秘的に見える。
「オナカスイタ」
「ヒィ!!」
少女は拙い人語で喋ると悲鳴をあげるコウタ。
『オナカスイタ…カ?」
そう言いつつライ達第1部隊とサカキを見渡す少女。
そしてライに目がいった時…
まるで見知った誰かにあったかのようにそして何故か目を輝かせて…
ライに抱きついた。
「オニイチャン!!」
……場を混乱させる言葉を残して…
できるなら明日明後日にもう1話投稿します。