神喰らう無色の反逆者   作:COLD

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君の名は…

アラガミの少女をアナグラに保護してからというものの大きな事件も起きることもなく、変わることのないゴットイーターとしての日常を過ごしていた。

 

もちろん、ゴットイーターの居城であり人類最後の拠り所であるアナグラにアラガミを連れ込んだこと事態は大問題であることには変わりないがそこはライ達第1部隊も細心の注意を払っているため、今も変わりない日常を過ごせている。

 

そんなある日、本当に些細な問題が発生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「名前…ですか?」

 

少し困った口調でアリサが聞く。

 

「ああ。いつまでも『この子』扱いじゃ可哀想でね。しかし私はそういうのは疎いというか苦手だなんだ。だから君たちで素敵な名前を付けて欲しいのだが何かないかな?」

 

「ないかなー」

 

いつもの日常に起きた瑣末な問題。

 

それはアラガミの少女の名付け問題だった。

 

確かに名前があれば何かと便利だ。しかし保護してからというものの名前を付けず過ごしていたが過ごすに連れ名前の重要性に気づいてのことだった。

 

「名前ね〜。フッ…俺、ネーミングセンスには自信があるんだ。」

 

多少カッコつけながらそういうのはコウタ。

 

「ものすごく不安なんですが…」

 

「うーん。そうだな。…よし!『ノラミ』でどうだ!?」

 

ジト目で言うアリサを無視し、少し考える仕草をすると堂々と決めた名前を発表するコウタ。

 

しかし反応は薄く、場に冷ややかな空気が流れた。

 

「どん引きです…」

 

「なんだよ!?じゃあ次はアリサが決めてみろよ!!」

 

「な!?なんで私が!?」

 

場に漂う空気を言葉にしたアリサにコウタが噛み付く。

 

「ははーん。自分のネーミングセンスがバレるのが嫌なんだろ?」

 

「ち…違いますよ!!そうですね。えーと…」

 

図星を突かれ少し動揺するアリサ。しかしそんなアリサに救いの神が現れた。

 

「シオ!!」

 

「へ?」

 

「そ…そうです!!シオちゃんです!私も同じ名前を考えてたんですよねー」

 

「嘘つけ!!つってもシオよりは俺が決めたノラミの方がよくね?」

 

「シオ」

 

アリサに救いの手を差し伸べたのがまさかのアラガミの少女だった。

 

「それは貴女の名前?」

 

「そうだよー」

 

今まで黙ってたサクヤが優しく問いかけると自分をシオと呼んだアラガミの少女は肯定した。

 

「どうやらここにいる我々以外の者が既に名付け親になってたみたいだね。」

 

「ここの面子以外って…」

 

現在この場びいるのはコウタ、サクヤ、アリサとサカキ、そしてアラガミの少女『シオ』。

 

ライはサカキの指示(パシリとも言う)によりシオの食料調達(アラガミ討伐)に出ていて、ソーマはヨハネスの指示で単独任務に出ていた。

 

「な…なぁ?やっぱシオよりノラミじゃね?」

 

「ヤダ」

 

「なんでだよチクショー!!」

 

諦めきれないコウタが再度改名を要求したが一刀両断され悔しがったがそれは無視された。

 

かくしてアラガミの少女に『シオ』と名付けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シオ?」

 

討伐任務を終えてアナグラに戻ってきたライに問い詰めるのはアリサ。因みにソーマの方にはコウタが問い詰めている。

 

「シオってなに?」

 

「え?リーダーが名付け親じゃないんですか?」

 

「名付け親?」

 

話が噛み合っていないと思ったアリサはライにシオについて説明する。するとライは納得したのか…

 

「あーそう言うことか。」

 

「どういうことですか?」

 

「実は…」

 

ライの話によると…

 

ライが会いにいくたびに抱きついてくるアラガミの少女(シオ)

 

その時に仄かに海風の匂いがしたというライ。

 

同時にその場にいたソーマが一言。

 

『海の匂いは塩風じゃねーか?」

 

『多分その時に覚えたんだと思う。」

 

「ええと…それってつまり…」

 

「間接的に言えば僕とソーマが名付け親になるのかな?でも「シオ」と決めたのはあの子自身だからシオという言葉をすごく気に入ったんだと思う。じゃないと名前にしないと思うし。」

 

「…そうですか。」

 

ライから顛末を聞いたアリサは少し不満気だった。

 

しかしアリサはなんでこんな気持ちになったのか自分自身分からなかった。

 

まぁ側から見れば丸分かりなのだが単純にシオに嫉妬したのだ。

 

いつもライに抱きつくというシオにアリサが羨望しただけである。

 

しかしそんな気持ちを抱いてると本人は気づかず、そしてそこまで慕われているとも男の方も気づいてない。

 

「まぁとりあえずあの子はシオと呼べばいいんだね。…できればお兄ちゃんと呼ぶのをやめてほしいんだけどね。」

 

「いいじゃないですか。リーダーだって満更でもないでしょ?」

 

「…ノーコメントで。でも…」

 

困ったように笑いながらそう答えるライ。だが、ここから後の言葉には哀愁が漂っていた。

 

「守るべきモノを自分自身で壊してしまった“私”があんなに慕われるのは…嬉しい反面、罪悪感に苛まれるよ。」

 

 

 

 




前回は人物紹介を書きましたが30話書いて人物紹介を描いてないことに気づき急遽書かせていただきました。

あとギアスだとルルーシュがスザクより身長が高いことに驚きました。武道やってたスザクの方がずっと高いと思ってた。

さて、もうちょいシオと関わりがあってピター戦があって、ようやくアーク計画か。ようやく半分に到達か?

これだと40〜50話までが無印かな?まぁ早くてですけどね。

とりあえず今後もコツコツと頑張って投稿していきます。


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