ツバキの導きもあり遂にエイジスに潜入した第1部隊。
「ここが…エイジス…」
「ようこそ。この世の終わりと始まりを告げる聖域へ。」
第1部隊の誰かの呟きを搔き消すようにまるでライ達第1部隊を迎い入れる声が響く。
声の先にはまるで逆さまに祈りを捧げる女性の巨像とその隣に金髪の男が第1部隊を見下ろすように高みにいた。
「支部長!!」
「ほう。君たちも合流してたとは。コウタ君はアーク計画に賛同した筈だが?」
「っ……」
「コウタは自分の意思でこちらにいます。彼の導きがなければ僕たちはここに辿り着けなかった。」
そう答えるのはアリサでもサクヤでもコウタでもなくライだった。
「残念だよ。君なら私の思想を理解してくれると思ったのだがね。」
「僕はアーク計画を否定はしてないですよ。ただ単に時期尚早なのじゃないかと伝えた筈ですが?」
「そんなことはどうでもいい。シオを解放しろ!!」
今まで黙っていたソーマが突然叫ぶ。
そのシオはまるで磔にされてるように虚像に張り付いた状態で気を失っていた。
「ソーマ。どうやらこのアラガミとかなり親密になっていたようだな。だがそれは愚かだぞ息子よ。」
「黙れ!!俺はお前を一度として父親と思ったことはない!!」
ソーマとヨハネスの親子とも言えない会話。
この光景にライは何故か“既視感”を覚えた。
「だがいいだろう。特異点が手に入った以上、外側(抜け殻)など必要ない。」
そう言うとシオは宙から落ちる。
ソーマが走ってキャッチしようとするが一歩及ばずシオは頭から地面に叩きつけられた。
「さて、いつまで隠れているつもりだ。ペイラー!!」
ソーマに興味を失ったのかヨハネスは突如としてそう叫ぶ。
「ここにいるよヨハン。」
同時に第1部隊の後ろから男の声。
そこにはサカキの姿があった。
「ペイラー。今回は私の…いや私“達”の勝ちだ。」
「ああ。そのようだ。」
「博士。どう言うことですか!?」
「すまない。私は君たちを利用してしまった。」
そこでサカキは語りたい出す。
サカキは特異点(シオ)を人に近づけて終末捕食を寸前で食い止めようとしていた。
シオに善悪の判別を覚えさせ終末捕食の発動の瞬間を遅延させようとしたといえば正しいか。
そのため第1部隊とシオと交流させてきたのだ。
しかし人類は不完全な存在で愚かな生き物でもある。その発動の遅延もいずれ破られていたことだろう。
「ペイラー。君は昔から理想主義者だった。君の思想は問題の先送りにしかならない。」
「エイジス計画だってそうだ。いずれアラガミによりエイジスは壊される。それはいつかわからないが終わりのカウントダウンは存在する。」
「だがアーク計画は違う!!多くの人類は終末捕食で死に瀕するだろうが救われた1000の人類はアラガミの恐怖にいると怯えることなく、新世界で新たな文明を築き再び世界の君主としてたつだろう!!」
まるで謳いあげるように演説するようにアーク計画の正当性を語るヨハネス。
「君は悲観主義者だよ。しかし終末捕食は理論に過ぎない。その理論も間違っているかもしれない。君はマーナガルム計画の時と同様、訳のわからないものをわからないまま発動しようとしている。」
「それでも少数の人類は救われる。」
「……もう無駄のようだね。」
そう呟くとサカキは踵を返す。
「人が神になるか、神が人になるか、興味深い問いだったけど今回は負けを認めるよ。」
「あとは君たちに託すとしよう。人類最後の守護者、神を喰らう者達よ。」
「君たちにもアーク計画発動を阻止させるわけにはいかない。邪魔をするなら容赦無く駆除する。この“アルダノーヴァ”で!!」
突然現れたアラガミに乗り込んだヨハネス。
「これはノヴァの成長の副産物で生まれた存在だがノヴァの偏食因子も取り入れたアラガミだ。」
「ちょうどいい。」
長々と話すヨハネスを遮るように呟くライ。
「支部長。貴方がアラガミに乗り込んでくれて感謝する。」
「なに?」
「アラガミなら手加減することなく倒せる。僕たちはゴットイーター、神に仇なす反逆者だ。…故に。」
神機を構え不敵に笑みを見せライは言い放った。
「僕たちは貴方(神)に抗い続ける。」
無印はあと2、3話かと。あとリアルの方が忙しくなったので投稿が遅くなるかも…