神喰らう無色の反逆者   作:COLD

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待ち人来たる

 

「奥の本棚は…」

 

手紙に記された場所。図書室の1番奥の本棚を調べるライ。

 

なんらかの仕掛けがあるのか本を動かしたりしていると突然カチッと音がした。

 

その瞬間、本棚から駆動音が聞こえ本棚からエレベーターが現れた。

 

「エレベーター。もしかしてさっきの音で電気が通ったのか。」

 

エレベーターの扉が開く。そうなればライはその先に進むしかない。

 

「まるで招かれてるようだな…」

 

エレベーターに乗り込み扉を閉める。そしてエレベーターは地下へと降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれが政庁というやつか。」

 

「そうね。あれがトウキョウの主要施設よ。見たところ劣化してるけどまだ建物としては修繕すれば使えそうね。」

 

ライがエレベーターに乗り込んだ頃リンドウとサクヤはトウキョウの政治的中心施設である政庁をやや遠く離れた場所から見ていた。

 

「近づきたいとこだがあんなに固められたら近づくに近づけないな。」

 

「そうね。まさかこんなところにKMF 型アラガミが沢山いるなんて…」

 

リンドウとサクヤが遠くから政庁を見ていた理由。

 

それは街にはいなかったKMF アラガミが政庁を守るように配置されていたからだ。

 

さらにこのアラガミ達はチームを作っているのか3〜5体で1チームを作り行動をしていた。

 

「この街にアラガミがいないのは奴等が狩っているからか。しかもチームを組んでるとはまるでゴットイーター(俺達)みたいだな。」

 

 

「アラガミにそのような知恵があるとは思えないけどある意味生存能力といえばいいのかしら。協力すれば生きる可能性が上がると学んだのかしらね。」

 

「厄介だな。一体でも倒すの大変なのに俺達のように連携されたらかなりやりにくい。」

 

「戦力も足りないし今は無理ね。でもいつかは取り戻す。今はそれでいいんじゃない?」

 

 

「だな。さて、こっち側の偵察はこんぐらいでいいだろ。そろそろアイツと合流するとしようかね。」

 

「さっき通信で聞いたけどリーダーは学校にいるって言ってたから行ってみる?」

 

「学校か。俺みたいな無学者には縁がないところなんだがな。」

 

「何を言ってるんだか。とにかく行くわよ。」

 

「了解。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターが止まる。どうやら目的地に着いたようだ。

 

エレベーターの扉が開く。そこに広がっていたのは…

 

「モニターがいっぱいだな。ここは隠しカメラとかの監視室だったのか?」

 

沢山のモニターがある部屋だった。全て電源が切れているからかモニターは真っ黒だったがここがかつては監視室として使われていたのは間違いなさそうだ。

 

そしてもう一つ。

 

「人…か?」

 

モニター室の奥。そこには機械に繋がれた椅子に座っている人らしき何かがいた。

 

モニター室に足を踏み入れる。その時だった。

 

『来訪者を確認しました。《ジェレミア》を起動します。」

 

突然の電子の声が聞こえた次の瞬間目の前の人らしき何かが動き出した。

 

「おはようございました。」

 

変な挨拶を言った声は男の声だった。そして俯いた顔を上がる。

 

片目はオレンジの仮面のようなもので覆われていた。奇特な仮面で目がある部分は緑の光を帯びていた。

 

「ああ…あなたは…」

 

焦点があっていなかった男の目がライを捉える。男は一度目を見開きそして…

 

 

「泣いてる?」

 

突然涙を流したのだった。

 

「お待ちしておりましたライ殿。“彼の方”の命を受け数十年。貴方が此処へ訪れることをお待ち致しておりました。」

 

「…ああ、これで彼の方の命を果たせる。彼の方の言うことは本当でした。ライ殿。貴方がこの場を訪れることを。」

 

「何を言って…いや、何故僕の名を知っている?貴方は何者だ?」

 

「私めをお忘れに?そうか。彼の方の想定どおり、ライ殿。貴方は“記憶を失っている”のですね。」

 

「安心なされ。私はジェレミア•ゴットバルト。彼の方よりライ殿。貴方に“全てを返す”ことを命じられた者です。」

 

「ジェレミア…っ!!」

 

男の名を聞いたライは片目は押さえて苦しみ出す。今のライ自身は覚えてないがライの心が身体がそして精神が目の前にいるこの男を知っていると疼いていた。

 

「……本来ならば貴方は目覚めるべきではなかった。ですが世界は貴方が目覚めなければならないほどの危機に瀕しているのでしょう。」

 

「ならば貴方は生きなければならない。目覚めた以上、この世界で生きなければならない。」

 

「それが彼の方が貴方に掛けた願いであり呪い(ギアス)なのですから…」

 

「ライ殿。私の目を見てください。これより貴方に全てをお返しします。」

 

「貴方はさっきから何を言って…」

 

「時がないのです。少々荒っぽいですがご容赦を。」

 

ジェレミアは椅子から立ち上がりライに掴みかかる。その力は痩せこけて衰えたにしては力強かった。

 

「何を…!!?」

 

ライが何か言い返そうする前にジェレミアの目を覆う機械が光を放つ。

 

次の瞬間、ライは声にならない叫びをあげて気を失った。

 

「……次に目覚めれば貴方は“すべて”を取り戻しているでしょう。」

 

「私の役目は果たされました。…私に掛けられた呪い(ギアス)もこれで解けます。」

 

「ですが…」

 

ジェレミアは自身の懐から取り出した“メモリー”をライの衣服のポケットに入れる。そして椅子に座った。

 

「それは今となっては意味を成さないものです。ですがそれは“彼等の結晶”であり、“生きた証”なのです。」

 

「どうやら時間のようです。……ライ殿。勝手で申し訳ないが後のことは任せました。」

 

「ーーーシュ様…これより…そちらに…」

 

言葉は此処で途切れる。ジェレミアの命も途切れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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