『古くより武田家の守り神であられる八幡様。ここに思いもよらぬ謀反が起こり、我が夫勝頼殿は運を天に任せて出陣なさいました。しかし、それは不利の戦いなのです。このために家臣の心は離れ始め、恩を重ねてきた輩たちもそむく有様です。勝頼殿が、どんなに悔しい思いをなさっている事か。私もまた涙にくれるばかりです。どうか神様、この国に攻め入る者どもを追い払い、勝頼殿をお守りくださいませ。お願い申し上げます。 天正十年二月九日 源勝頼うち』
これは武田勝頼夫人である相模が夫の戦勝を願い、甲斐の武田八幡宮に奉納した祈願状(願文)である。原文はほとんど平仮名で書かれている。相模の必死の願いである。勝頼の妻の相模は、武将夫人の中で水沢隆広の妻さえと比肩するほどに夫想いの女性だった。
しかし戦いは利あらず、武田家最後の時を迎えた。勝頼は相模に実家の小田原に帰るように言った。戦国のならいで相模は実家に帰る事ができたのだが彼女は首を振った。北条家とはすでに交戦状態。だが相模は勝頼から離れようとはしなかった。兄の北条氏政と袂を別ち、夫と共に死ぬ事を決めたのであった。一人の女にここまで想われる勝頼がどうして凡庸な男であろうか。だが運命はあまりにも残酷だった。
「ハァハァ…」
相模は勝頼の息子である信勝に背負われていた。この時、相模は不運にも高熱を出していたのである。しかも天候は雪、激しい悪寒にも相模は襲われていた。
「う、うう…」
「母上!」
もはや意識も薄れ始めた。勝頼は苦悶する妻を見ていられず、刀を抜いた。
「相模…今ラクにしてやるぞ」
「殿…」
「相模殿、松もすぐにまいります」
松は相模の手を握り言った。
その時、一体の騎馬武者が駆けてきた。突こうとしていた勝頼の刀が止まった。
「追いつかれたか…! ならば斬り死にするまで!」
「待たれよ」
騎馬武者は下馬し、武田勝頼に頭を垂れた。
「それがし、水沢隆広家臣、前田慶次郎利益と申す」
「そなたが…! 確か長篠の戦いで当家の氷室信成を討った…」
「いかにも、今は役目で勝頼殿一行を追尾する水沢隊に籍を置いております」
「そうか…。剛勇でなるそなたじゃ。一騎だけでも我らを駆逐できよう。この勝頼を討ち手柄とするがいい」
「勘違いなさるな」
慶次は松風に繋げてあった袋から蓑を取り出し、武田信勝の前に立った。
「な、なんだよ!」
「夫人を下ろされよ」
「ふざけるな!」
「信勝、言うとおりにせよ」
「父上!」
「良いのだ」
「かたじけない」
信勝から相模を渡された慶次は、雪に濡れた蓑を取り、乾いている蓑と笠を頭にかぶせた。そして焼けた小石を布でくるんだ即席の行火(あんか)を腹と背中と両足につけた。
「あたたかい…」
「しばらくは持つでしょう。あとは…」
慶次は散薬を相模のクチにいれて竹筒にいれてあった清水を飲ませた。
「もっと飲まれよ。熱を出した時には水分をいっぱい取らねばなりませぬぞ」
「はい…」
「ありがとうございます前田殿。私を新府に送り届けて下されたうえ、かような計らいを…」
深々と前田慶次に頭を垂れる松。
「これが人の道でござる。礼には及びませぬ」
「前田慶次…礼を申す」
「我が主の命でござれば」
「そうか…」
慶次は相模を再び信勝に背負わせた。背負うに楽なように、信勝と相模を結んで繋げた。
「勝頼殿、我が主の言葉を伝えます」
「ふむ」
「『我が水沢隊はけして勝頼殿の最期を妨害いたしませぬ。させもいたしませぬ。心置きなくご最期を』」
「あい分かったと伝えてくれ」
「これはそれがし個人の気持ちですが、勝頼殿、何か言い残す事があれば…」
「では…そなたがもし真田昌幸に会う事があったら伝えてほしい」
「なんなりと」
「『すまなかった』と」
「承知しました」
真田昌幸は主君の武田勝頼と共に織田軍と最後まで戦うつもりでいた。自分の城に来るように必死に勝頼を説得した昌幸であったが、勝頼は裏切りの待つ小山田信茂の居城へと行ってしまったのだ。昌幸の忠誠をないがしろにしてしまったと勝頼は悔やんだ。だから最後に詫びの言葉を慶次に託したのである。
小山田か真田か、これが最後の勝頼再起の分岐点ではなかっただろうか。真田昌幸の居城の岩櫃城は要害であり、かつ防戦の指揮を執るのは真田昌幸。上野にある岩櫃城まで軍を進めば、当然織田軍の軍列は伸びる。信長も信忠も途中で総大将を辞して引き上げるしかない。織田の軍団長に武田討伐をそのまま下命しても、真田昌幸の篭る岩櫃城を落とせるかどうか疑問である。しかし勝頼は最後の好機も逃し、今は滅亡の時を待つ身である。
「ではそれがしはこれで。隊に戻り、勝頼殿を再び追い、そして我らは勝頼殿一行の死出の場所と時をお守りいたす」
「すまぬ」
前田慶次は去っていった。
「父上…」
「皮肉なものよな。味方に裏切られ続けたワシに…最後でチカラになってくれたのが敵将とは…」
「父上、母上がスウスウと眠っています」
「そうか、前田…いや水沢殿のくれた薬と行火が効いたな。美しい寝顔だ」
「さあ父上、まいりましょう。死出の場所に」
「うむ」
「そうか…。昌幸殿と勝頼様の間にどんなやりとりがあったかは知らないが…必ず伝えなければならないな」
「はっ」
慶次は勝頼の言葉を隆広に伝えた。そして
「隆広様」
「え?」
「勝頼殿とお別れをしてきなされ。勝頼殿は隆広様に武田の技能と智慧をくれた恩人。このまま何の言葉も交わさねば一生後悔いたしますぞ」
「……」
「お会いしたいのでございましょう?」
慶次は将の立場ゆえ隆広がクチに出来ない事を代わって述べた。
「…うん」
「バカな事を言うな慶次! 敗走しているとはいえ敵陣だぞ」
「ヤボを言うな助右衛門。オレも一緒に行くから」
「まったく」
「助右衛門すまん、本音を言えばオレは勝頼様に会いたい」
「分かりました。しかし手ぶらではなんですから…」
助右衛門は愛馬に結んであった瓢箪をとった。
「これを」
「酒か! 気が利くな助右衛門!」
「こら慶次、お前にやるんじゃないぞ。勝頼殿と信勝殿にだ! お前じゃ一気に飲み干しかねないからな、お前は飲むなよ!」
「へいへい、ならば参りますか!」
「ああ!」
勝頼一行は目指していた台地に到着した。
「ではここで滅ぶとするか…」
「母上はまだ眠ったままです」
「苦痛を味わわないよう、今のままで刺すとしよう」
「はい」
「殿!」
兵が勝頼のもとに駆けてきた。
「なんだ?」
「先ほどの敵将がまた来ました。今度は二人で」
「なに?」
二つの騎馬が雪を踏みながら勝頼親子に歩み寄った。
「そなた…」
「お懐かしゅうございます。勝頼様」
「竜之介か…!」
「はい」
隆広は愛馬から降り、頭を垂れた。
「聞いているぞ、その方が父の姿に化けて謙信に突撃をしたというのは。また鳥居峠での戦ぶり、見事であった」
「はい」
「大きくなったな。そしてよりいっそう、いい面構えになりよった。前田慶次ほどの男が臣下になるのも頷ける」
「お褒めにあずかり、嬉しゅうございます」
「しかし、よりによって敵同士となるとはな。しかも…オレはもう滅ぶ」
「勝頼様…」
「後の人は何と言うだろう。偉大な信玄の後を継ぎながら、すべてを滅ぼしたバカ息子と言うであろうな。だがこれも天命だろう…」
『勝頼様に落ち度はない』と隆広は勝頼を弁護したかった。だがそれは勝頼を余計に惨めにするだけである。ただ黙ったまま助右衛門から渡された瓢箪を見せた。
「酒か、これはありがたい」
盃もない。瓢箪のクチの栓を外して勝頼は飲む。まったく無防備に飲む。もはや毒酒も恐れないし、また隆広と慶次の持ってきた酒にそんな不粋なものが入っているわけがない。
「美味い、信勝もいただくといい」
「はい父上」
信勝は十六歳、これが初めての酒であった。冷え切った体に熱いものが走る。
「これが酒か…初めて飲みますが美味いものですね」
信勝は隆広に瓢箪を返し、そして飲み、慶次もまたグイと飲んだ。
「水沢殿、美味い酒であった。また先刻は妻への暖かい計らい感謝する」
「勝頼様」
「味方に裏切られたワシが…最後に敵将に恵まれた」
「竜之介殿、色々ありがとう。信忠様とはこの世で結ばれませなんだが、もし生まれ変われたのなら今度こそ妻にしていただきとうござります。そうお伝え願えませんか」
「松姫様…」
「私にもお酒をいただけますか」
「はい…」
松は一口だけ酒を飲んだ。
「美味しい…」
「松姫様、今ならまだ…」
首を振りながら松は瓢箪を返した。
「八年前…。オレが松姫様と信忠様の橋渡しができればと何度思ったか! 今、松姫様さえ受け入れられるなら、それが叶うのです! 信忠様の妻となれるのです! 男ゆえ女の気持ちは分からない…。分からないから申しますが、女子なら武田の家名でなく愛を選ばれよ! その方が幸せなのに…何故そちらを選ばず死を選ばれる!」
「…それは私が武田信玄の娘だからです」
「松姫様…」
「ありがとう…。もし信忠様を知る前に竜之介殿と会っていたなら…私は八年前に貴方の妻になる事を望んだでしょう」
吹雪が止み、空は晴れてきた。雲間から日差しの光が照らされ、台地の岩場の上で休んでいた相模の顔を照らした。
「う、ううん…」
「母上、起きてしまわれましたか」
信勝が歩み寄った。姉弟ほどの年齢差の親子であるが、信勝は三歳年上の義母を大切にしていた。
「若様…」
「熱は?」
「だいぶ楽になりました。さきほどの薬が効いたようです」
相模は信勝に支えられながら、夫の勝頼の元に歩いた。
「…殿、どうやらここが私たちの最期の地なのですね」
「…いや、やはり相模そなたは小田原へ帰るがいい」
「…え!」
「竜之介、妻を小田原へ送ってくれないだろうか」
「奥方を…?」
「いやです!」
「相模…」
「もはや私は小田原には帰らぬと、そう申したではないですか。殿と最期までいとうございます!」
隆広は相模の横顔に妻のさえが重なった。きっと自分が勝頼と同じ運命を辿ったとしても…さえは最期まで自分の側にいてくれる。そう感じた。
「すまぬ相模…。そなたのような素晴しい妻と添い遂げられた事、勝頼一生の誇りだ」
勝頼は相模を抱きしめた。残りし勝頼の部下たち、相模の侍女たちはその姿を見て涙を落とす。
「水沢殿…でしたね」
「はい」
「もし…兄に会う事があったら伝えて下さいませんか」
「北条氏政殿にですか?」
「はい、『相模は幸せだった』と」
「承知しました。必ず伝えましょう」
「ありがとうございます」
ニコリと微笑む相模。隆広もニコリと笑い瓢箪を差し出した。
「いかがですか?」
「まあ、いただきます」
相模は酒をグイと飲む。顔がほんのり桜色になる。風邪ではない紅潮だった。彼女自身が祈った武田八幡の神が武田の滅亡を止められないのなら、せめてと思い相模の高熱を治したのかもしれない。もう数刻後に死ぬ運命が待つ相模。さながら菩薩のような笑顔を隆広に向けた。
「美味しゅうございました」
丁寧に瓢箪を返す相模。隆広もまた丁寧に受け取った。そして
「水沢殿」
と、武田信勝。隆広より年少だが面魂は隆広にも劣らない。
「何でござろう」
「これを真田昌幸の子の源次郎(真田幸村)に渡してくれないだろうか。源次郎はそれがしと主従を越えた友なのです」
信勝は脇差を隆広に差し出した。
「承知仕った。必ずお渡しします」
「無銘の脇差なれど…源次郎の腰にあれば良き輝きを放つだろうと…」
「確かにお伝えいたします。源次郎殿は、それがしにとっても友でござりますから」
「かたじけない」
「それと、ある方から信勝殿に伝言がございます」
「何でござろう」
「『竹丸、一足先に待っている』と」
「…立派でございましたか。オジジは…」
「はい、武田武士として…それは見事なご最期にございました。あの覇気、それがし信玄公を見た思いでございました」
「ありがとう…!」
気丈に父母を励まし続けた武田信勝の目に初めて涙が浮かんだ。
「隆広様、そろそろ」
「うん」
「竜之介、待て」
勝頼が呼び止めた。
「陵辱されかけていた百合を助け、全裸にされていた百合に陣羽織を着せて与えたと聞いた。オレの陣羽織では縁起が悪いかもしれぬが…」
勝頼は陣羽織を脱ぎ、隆広に差し出した。勝頼の陣羽織は隆広が今まで愛用していた陣羽織と同じく赤一色で、毛織物の上質な陣羽織である。背中には不動明王の姿が刺繍されており武将の意気を感じさせる。隆広はそれを両手で受け取り、すぐに着た。
「縁起が悪いなどとんでもございません。竜之介の一生の宝にします!」
「うん、中々似合うぞ」
今までさえとの婚礼の日に勝家から与えられた陣羽織を着ていた隆広であるが、この日より武田勝頼から譲られた陣羽織を愛用する事になる。
そして隆広は勝頼、信勝、相模、松に言った。
「勝頼様、信勝殿、松姫様、相模殿…」
「…」
「さらばでございます」
「さらばだ、竜之介」
隆広と慶次は踵を返して愛馬に乗り、勝頼一行の元を去った。そしてその直後…。
「父上、さらばにございます!」
信勝は腹を切った。長兵衛の望んだとおり堂々と切った。他の従者や侍女たちも次々と自決して行った。勝頼は相模を抱き寄せ、そして…
「至らぬ夫であったが…今までよく尽くしてくれた。ワシには過ぎた妻であった」
「相模こそ…。今度また生まれ来るときも…殿の妻に生まれとうございます」
「相模…!」
「殿…! 愛しております…!」
ザスッ!
愛妻の左胸に刀を突き刺した。そのまま相模は雪の上に鮮血を散らし、そして死んでいった。頬には涙に濡れた跡があったが、相模の顔は優しい笑みを浮かべていたと云う。
辞世『黒髪の 乱れたる世ぞ はてしなき 思ひに消ゆる 露の玉の緒』享年十九歳だった。
松も自決用の小刀を抜いた。
「信忠様…。お先に参ります…!」
ドスッ
松はそのまま雪上に倒れた。二十歳だった。
愛妻を貫いた刀でそのまま腹を切る勝頼。彼の胸に去来するものは何だったろう。無念だったろう。長篠合戦の大敗、そして次々と自分を見限り裏切っていく親族衆や譜代の家臣たち。最後まで一緒にいてくれたのは息子と妻。また皮肉にも最後に勝頼へ武将の礼を示したのは敵将であった。腹を切り、薄れていく意識の中、気丈に振る舞い堪えていた無念の涙がこぼれた。
「無念…!」
武田勝頼、享年三十七歳であった。
隆広と慶次は水沢隊と合流し、改めて勝頼自刃の地へと入った。死屍累々、勝頼に最後まで付き従った老若男女数十人の亡骸がそこにあった。奥村助右衛門が言った。
「…隆広様、気は進まぬでしょうが勝頼殿と信勝殿の首は大殿と若殿に見ていただく必要がございます。首を切り落としましょう」
「…ああ、首実検のあと、改めて丁重に弔わせていただこう。その他の亡骸はここに弔おう」
「相模殿の亡骸は小田原に帰しますか?」
「いや…。それは相模殿も望むまい。勝頼殿の隣に埋めてやろうじゃないか…」
「御意」
隆広、慶次、助右衛門は武田勝頼と武田信勝の亡骸を見つけ手を合わせ、そして勝頼と信勝の首を隆広自ら切り落とした。丁重に白布で包み、台座に置いた。その直後だった。
「隆広様!」
「どうした白」
「松姫様は…生きています!」
「なんだと?」
急ぎ、松の元へ行く隆広。すると持っていた小刀には血がついていない。刀をついた形跡もない。松は気を失っていただけなのである。左胸に耳を当てると確かに心臓の鼓動が聞こえた。
「どういう事でしょう…」
隆広は勝頼の首を見た。
「おそらく勝頼様は…自決しようとする松姫様に当て身を食らわせて気を失わせたのだ…。生きよと…!」
松の持っていた小刀を取り上げた隆広。
「武田勝頼様からの遺命である。松姫様は水沢家が庇護する」
「「ハハッ」」
「しかし大殿に知られれば武田の姫である松姫様の命が危うい。慶次」
「はっ」
「武蔵恩方(東京都八王子市)には武田の旧臣の村がある。信玄公から勝頼様への世代交代の混乱で下野したと聞くが、武田家の姫に対しての忠節は消えてはおるまい。その方、庇護を要請し、恩方まで送り届けよ」
隆広は恩方の武田旧臣の中心人物とも云える三井弥一郎宛に書状をその場で書いた。三井弥一郎は、隆広が恵林寺にいた時に長庵から教えを受けたいと何度か訊ねてきた武田家臣であり、その養子の竜之介と槍術の相手をして親しくしていた。その後にしばらくして部下の公金使い込みの責任を取って下野し、恩方に住んでいる。それを隆広は知っていたのである。
「弥一郎殿なら、必ず責任もって庇護してくれるはずだ」
その書状と、そして松の当面の生活費と世話を頼む三井弥一郎への礼金も慶次に持たせた。
「承知いたしました。よし、オレの手勢は松姫様の乗る輿を大急ぎで作れ。恩方まで参るぞ」
「「ハハッ」」
「頼む」
「お任せを」
「あとの者は、除雪したうえ、武田の亡骸を埋葬する作業に入れ。丁重に扱うのだぞ」
「「はっ」」
後日談になるが、このあとすぐに前田慶次は恩方の三井弥一郎まで早馬を飛ばした。そして弥一郎は隆広の申し出を快諾し、甲斐と武蔵の国境まで松姫を出迎えに出てきたと言われている。旧武田遺臣を伴い、三井弥一郎は松姫を丁重に出迎え、隆広宛に“すべて任されよ”と返書も送っている。松姫は生き残ったのである。
また、隆広、慶次、勝頼、信勝、松、相模が飲んだ酒を入れていた瓢箪は現在にも奥村家に残り、国宝に指定されている。後世の人々は敵味方を越えて、最後の酒を酌み交わした四人の男と二人の女の姿を感慨深く思い浮かべるのだった。
相模姫(紗代姫)は、天地燃ゆの作中の中で、一番死なせたくないヒロインでした。この方は隆広とほぼ同年ですので、側室になる展開を書けたらと考えたことあります。実現不可でしたけど。