Fate/zero【つらぬきの騎士が召喚されました】   作:4256巻き

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デモンズの小説増えないなぁ・・・・と
感想ありがとうございます、と思ったので更新


2話 彼は望んだ

雁夜は呆然としてこの信じがたい一連を目にした

 

霧だけが出て失敗したと思った召喚は

その霧を纏い現れたサーヴァントを前に成功と知る

 

そしてサーヴァントは恐ろしく長い剣で臓硯を突き刺し

手と刀身が光ったと思えば臓硯は光りに削り消された

 

一瞬、良い夢を見ているのだろうかとも思うが

体を蝕み続ける蟲の痛みから夢ではないと自覚する

 

「臓硯は・・・・死んだのか?」

 

【まだ生きている】

 

「あれで生きてるのか・・・・」

 

臓硯の生存を残念に思いつつも雁夜は考えていた

 

油断していたとは言え、あの臓硯を軽々と刺し貫き

容易く葬ったみせたこのサーヴァントになら

自分が願う復讐か救済を本当に叶えてしまうかもしれないと

 

雁夜は現在このサーヴァントの契約主であり

三度限りの絶対的な命令権、令呪を持っている

 

そして余命が少ないであろう自分に

今できるかもしれない事を考えてしまう

 

もし臓硯を完全に殺し切る事ができれば

もし憎たらしいあいつをすぐ殺す事ができれば

 

もし・・・・もし・・・・

 

もしあの子を安全な場所へ連れ出す事ができれば――

 

「・・・・・・・・バーサーカー!」

 

【・・・・】

 

つらぬきの騎士は持っていた剣をどこかへと収め

臓硯の居た場所に向けていた視線を雁夜に向ける

 

対面して話しを聞く為に

 

「もし、この地下の地面が埋め尽くされるくらいの

蟲の大群が襲って来てもどうにかできるか?」

 

【できる】

 

それが当然と言わんばかりに迷いなく可能と答える

 

「こんな余命も少ない死にかけの俺を・・・・

ここから生き延びさせる事できるか」

 

【できる】

 

「あの妖怪ジジイが来てもどうにかできるか」

 

【できる】

 

「小さい女の子を助ける事はできるか」

 

【できる】

 

つらぬきの騎士が雁夜の問いに答える度に

ざわりざわりと蟲の蠢き立てる音が増えていく

 

「なら俺が、俺が救済を望んだら・・・・

俺を救う為にあのクソジジイをぶっ倒してくれるな!!」

 

【望むがままに】

 

つらぬきの騎士が雁夜の言葉に答えると

蟲蔵全体から蟲の大群が溢れ出てくる

 

「気をつけろ!そいつらは小さい隙間でも入ってくる上

牛の骨を簡単に噛み砕く奴や毒持ちもいる!」

 

雁夜から注意を掛けられたつらぬきの騎士は――

 

 

 

―――なにも持たずに蟲の大群へ歩を進めた

 

「なっ、なんで剣を出さないんだバーサーカー!!

そんな事をしたら蟲共を払う事もできなく!」

 

しかし雁夜の注意とは裏腹に蟲は襲い掛かるどころか

つらぬきの騎士が歩を進める度、逃げるように下がり続ける

 

そしてつらぬきの騎士を中心に薄く霧が集まると

それを嫌ってか蟲蔵から次々と蟲の大群は姿を隠して行き

見渡す限り、蟲と言えるものはなくなっていた

 

「蟲共が、逃げた・・・・!?

命令されれば猛獣にだって噛み付くあいつらが・・・・」

 

ガシッ

 

「うお」

 

つらぬきの騎士は消耗して動けない雁夜を小脇に抱え

どこかへと歩きながら話す

 

【アリは草を喰らわず、イモムシは肉を喰らわない】

 

「え?・・・・まぁ、そうだな」

 

【だからこそ喰えぬモノとなれば噛み付きもしない】

 

雁夜を抱え、話しながら蟲蔵の出口であろう階段を昇る

 

「・・・・つまりあの蟲共が喰い付けないのは

そうなるスキルかなにかを持っているって事か?」

 

【それで合っている】

 

「だから蟲を退かせられたのか」

 

階段を昇り終えたつらぬき騎士は扉を開け

ジメジメとした蟲蔵とは別の正常な部屋に到着した

 

 

【雁夜】

 

「なんだ、バーサーカー」

 

【これから一人の子供を救う】

 

「それはっ・・・・分かるのか、桜ちゃんの事が?」

 

【助けたいと望む子供の姿が伝わった

だからこそ、間違いなく叶える為確認する】

 

つらぬきの騎士は問う

 

【その子供を救いたいか】

 

雁夜は望みを答える

 

「ああ・・・・救いたい、なにがなんでも救いたいッ!!」




雁夜おじさんは
【時臣絶対ぶっ殺すマン】から
【桜ちゃん絶対助け隊】になった!

そして【ブヨ虫だけを殺す騎士】が仲間に加わった!

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