インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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とうとう、百話突破か………


第百話

千冬はキラとアスラン、一夏を連れて学園長室へと来ていた。

 

「さて、アメリカとの話に付いてだが……ヤマト、報告を」

 

「ハッ‼ アメリカを中心にイギリス、フランス、ドイツ、ロシアの五か国が連盟をしており、亡国機業を裏でけん制していたようです」

 

「……やはりか………それで、亡国機業は中国と関わりを持っていたのだな?」

 

「いえ、役人の一部が亡国機業と繋がっていると言う情報でしかつかめていない様なのです」

 

「なに? では、なにか。中国自体は亡国機業と関わっていないと言う事か?」」

 

「そう言う事になります」

 

キラの報告に千冬は顎に手を添えた。

 

「そうか………鳳鈴音に中国から通信があった」

 

「その内容は?」

 

「“これより、国際IS学園を攻撃する。鳳鈴音国家代表候補生は速やかに湾岸部へ集合。後に回収の潜水艦に乗艦後、本国に帰還せよ”と言う内容だ。私も確認をしている。これを読んで、お前達はどう考える?」

 

「………憶測となりますが、よろしいですか?」

 

アスランの言葉に千冬は頷く。

 

「では、自分の考えですが、中国のIS開発局が亡国機業と繋がっている可能性が高いと考えられます」

 

「その根拠は?」

 

「まず始めに、代表候補生である鳳鈴音に対しての避難勧告。これが出せるのは、IS開発局しかないです。必然的に、中国のIS開発局が一番、怪しいと思われます」

 

「………判った。アメリカに通達しておく」

 

千冬はそう言うと、今度は一夏に目をやった。

 

「それで、一夏。お前が話したい事は何だ?」

 

「……千冬姉。俺はこのままキラ達の部隊に入隊しようと思ってる」

 

「生半可の想いでは、やり抜く事は出来ないぞ?」

 

「解ってる。俺も生半可の気持ちでキラ達の部隊に入隊しようと思ってないから………」

 

「…………」

 

一夏の瞳には決意が籠っていた。千冬はそれを見て、一夏はもう自分の手で護られるだけの存在では無くなったのだと感じたのであった。

 

「解った。許可しよう。ヤマト、ザラ。一夏を頼むぞ」

 

「「ハッ‼」」

 

千冬の言葉にキラ達は敬礼で答えるのであった。

 

「それと、もう一つ。私から報告をしなくてはいけない事がある」

 

千冬はそう言うと、ある場所へと連絡をした。

 

「織斑です。そちらへ向かっても大丈夫ですか? 判りました。ヤマト、ザラ、一夏。付いて来い」

 

千冬はそう言うとある場所へとキラ達を連れて行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラ達が案内されたのは、IS学園内にある病院であった。

 

「まさか、前に助けた少女が覚ましたのですか?」

 

「ああ………だが、最悪な事が起きた」

 

「どう言う事ですか?」

 

キラの言葉に千冬は何も答えず、ある病室の前で立ち止まった。だが、病室と言っても、ドアがどこにも見当たらなかった。その病室の中には、キラとアスランが助け出した少女が熊のぬいぐるみを抱きしめていた。だが、そのぬいぐるみは至る所から中身が飛び出していたのである。

 

「織斑先生、どう言う事なのか説明して下さい。どうして僕達が助け出した少女をここで監禁しているのですか? 答えによっては………」

 

キラは殺気を込めて千冬を睨みつける。

 

「……ヤマト達が助け出し、この病院に入院した時は寝ていた。だが、起きたと思った瞬間、近くにいた看護婦をいきなり襲ったのだ。そして、仕方が無く監禁と言う処置を取ったのだ………」

 

「「「…………」」」

 

キラ達は何も答えられ無かった。だが、キラとアスランは一つの事を思い出していた。

 

「もしかして、少女の中から薬品か何か検出されませんでしたか?」

 

「ッ⁉ 知っているのか‼」

 

「……確証はありませんが、もしかしたらと言う意味です」

 

「………検出された薬品だが、どの世界にも存在しない薬品だ」

 

「γ-グリフェプタンと言う薬品だと思います」

 

「それは、どう言う薬品なのだ?」

 

「………薬品ではありません。人工的に調合された覚せい剤です」

 

「なっ⁉」

 

キラの言葉に千冬は言葉を失う。

 

「彼女に会う事は可能ですか?」

 

「……保証はしないぞ?」

 

「構いません」

 

キラの言葉に千冬は溜息を一つ零すと、近くにいた医師に話を付けると、入り口に招かれた。

 

「ここからは、我々もどういう結果になるか判りません。お気を付けて」

 

医師に言葉にキラは一つ頷くと、そのまま少女が監禁されている病室へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰………」

 

少女は中に入って来た青年に怯えた表情を浮かべる。

 

「僕は君を助けた、キラ・ヤマトだよ」

 

「キラ………ヤマト………私のオリジナル」

 

「えっ? まさか‼」

 

キラの驚きに少女は一つ頷く。

 

「私の名前は、アリス。アリス・ヒビキ………初めまして、私のオリジナル‼」

 

アリスはそう言うとキラに飛び掛かった。だが、キラは冷静にアリスの攻撃を躱したり捌いたりとして、攻撃を受けない様にしていた。

そして、アリスはまだ幼き少女と言う事もあり、体力はそこまで持つ事は無く、途中でへばり座り込んでしまう。

 

「………大丈夫?」

 

「来るな‼」

 

キラはアリスに近づこうとした。だが、アリスは拒絶する。目には涙を浮かばせて。

 

「オリジナルである貴方に私の気持ちが解る⁉ 薬品で私の気持ちを踏み躙り、パパやママを殺して‼ 私は誰にも助けられなかった‼ あの時まで‼」

 

「………どうしてここの病院の先生を襲ったの? 彼らは君を助けようとしていたのに………」

 

「白衣を着た人を信じるつもりは無い‼ 私は白衣を着た者は全部敵だ‼」

 

アリスはそう言うと肩を上下させる。

 

「もう判ったでしょ………私は誰にも助けられないのよ‼ 自分で判るわ‼ もう短いの。クローンである私にはテロメアが短いのよ‼ もう数年したら、私は死ぬわ」

 

「………君には夢があるかい?」

 

「夢? フン、夢なんて無いわ。言ったでしょ? 私にはテロメアが短いのよ。夢を持ったところで叶う筈が無いじゃない‼」

 

アリスはそう言うと、溜息を一つ零した。そして、キラに自分の夢を静かに語った。

 

「……夢を持てるのであれば、家族が欲しい。パパがいてママがいて………妹か姉がいて………楽しく過ごしたいの‼ こんな夢がかなう筈が無いじゃない‼」

 

アリスの夢にキラは一つの事を思いついたのである。

 

「なら、僕の家族にならないかい?」

 

「は?」

 

アリスは驚きキラを見つめたのであった。




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