インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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やっと、やっと書き上げる事が出来ました。新たに書き直しを行いました。そして、いつもよりも増して、文字数を出せた事に驚きました。

これまで大変長らくお待たせしてしまい、誠に申し訳ありません。地道に執筆していきますので、よろしくお願いします‼


第百八話

遊園地で発生した無差別テロは、キラの活躍により未然に防ぐ事が出来たのだが、キラ達には敵の狙いが判らなかった。アリスを狙うのであれば、無差別などではなく、アリスを直接狙わなかったのか………

キラが鹵獲したスローターダガーは、IS学園の地下施設へと搬入され、束がスローターダガーの内部機構を調べていた。

 

「…………」

 

「どうだ、束。何か判った事はあったか?」

 

束は真剣にスローターダガーの内部機構を調べてしると、IS学園の理事長である織斑千冬が入室してくる。

 

「……システム面に関しては、人工AIを搭載しているお陰か、単純な命令であれば問題なく遂行する事は可能だったけど………」

 

「ヤマト達の介入によって?」

 

「うん」

 

スローターダガーに搭載されている人工AIは、単純な命令しか受け付ける事が出来ず、また、介入などによる臨機応変な対応は出来ない様なものであった。

その為、アリスだけを殺害するという命令が、キラ達の介入によって無差別テロを引き起こしてしまったのである。

 

「因みに、相手もスローターダガー内部のデータに、他の武装のデータも入っていたんだけど………」

 

束はそう言うと、モニターに内部にあったデータを映し出すと、千冬は訝しげな表情で束に尋ねた。

 

「この武装に問題でもあったのか?」

 

「問題も何も、ヤバい武装があったよ……これだよ」

 

「なッ⁉」

 

束が表示した一つの武装に、千冬も驚きの余り、声も出なかった。

 

「………流石に私一人の独断で決める事は出来ないな………ヤマト達を連れて来るから、束は継続して調べていてくれ」

 

「ラジャー」

 

千冬は束にそう言うと、キラ達を呼びに行くために部屋を出て行く。

一人残された束は、静かに千冬に見せた武装をジッと見つめていた。

 

「まさか、ISの武装サイズにまで落とし込んだ、この武装があるなんてね………人間は愚かすぎるよ……」

 

束が一転を見つめていた先には、黄色を背景に黒の配色をした核のマークであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無と明日奈、アリスは更識家が所有するリムジンでIS学園へと戻っており、先に帰っていたキラと合流し、部屋でのんびりと過ごしていた。

 

「今日の遊園地は大変だったね」

 

「ほんとにそうよ。折角の家族での思い出つくりの為に来ていたのに、最悪な一日になってしまったわ」

 

キラの言葉に楯無は強い憤りを感じていた。

 

「でも、パパのお陰で一瞬で終わっちゃったね」

 

「パパは強いのよ」

 

「うん‼」

 

「…………」

 

楯無と明日奈の会話にキラは苦笑いをするが、アリスが静かに下を見ていた。

 

「アリスちゃん? ……ッ⁉」

 

楯無も気づいた様子でアリスの顔を見ると、両目に涙を浮かべ拳を力一杯握って泣かないようにしていた。

 

「アリスちゃん、貴女の所為ではないのよ?」

 

「でも‼ このまま、お母さんやお父さんと明日奈と一緒にいたら………これからも迷惑を掛けちゃう……そんなの、嫌………でも、離れたくない」

 

アリスは折角得た暖かな家庭の温もりを捨てたいと思いつつも、捨てたくないと反発し、如何したら良いのか分からず感情に圧し潰されそうになっていた。

すると、楯無が静かにアリスを抱き寄せた。

 

「お母さん?」

 

「貴女は誰が何と言おうとも、私とキラ君の大事な娘の一人よ。そんなこと言わないで」

 

キラもアリスの正面に立って、アリスの目をじっと見つめる。

 

「そうだよ。君は一人の人間だ。誰でもない、アリス・ヤマトなんだよ」

 

「ほんとに………一緒にいても………いいの?」

 

「「うん‼」」

 

二人の言葉にとうとう、アリスは涙を堪える事が出来ず、決壊して泣き始める。

 

「私もお姉ちゃんと一緒がいい‼」

 

明日奈もそう言うとアリスに抱き着いた。そして、キラも三人を抱える様に抱きしめたのである。

 

アリスと明日奈はまだ涙の跡を残しながらも、静かな寝息を立てていた。二人はこれからもずっと一緒だと言わんばかりに、抱き合いながら。

そんな二人を、キラと楯無は微笑みながら見ていた。

 

「それはそうと、あの機体については?」

 

「今、篠ノ之博士が調べてくれています」

 

キラの答えに楯無は「そう」と呟くと、考え始めた。

 

「何かありましたか?」

 

そんな楯無の姿にキラは尋ねる。

 

「アリスちゃんが狙われた理由についてね」

 

「もしかしたらの話になりますが、アリスちゃんは元々、僕の遺伝子で作られたクローン人間です。しかし、現在までに完全なクローンは存在していません」

 

「その通りね。でも、殺すと言う選択肢はおかしくないかしら?」

 

「どう言う事ですか?」

 

キラは楯無の言葉の意図が理解する事が出来なかった。

 

「アリスちゃんの生まれは確かに特殊。クローン技術なんて確立した物では無いから。だからこそ、アリスちゃんを殺すのではなく、誘拐、もしくは拉致して調べるはずよ?」

 

楯無の言葉にキラは頷く。

 

「だからこそ、敵の狙いが何なのか、理解し難いわね」

 

「はい」

 

楯無の言葉にキラが頷くと、ベッドでアリスが起き上がっていた。

 

「あら、アリスちゃん。起きたの?」

 

「はい………お母さんとお父さんに大事な話があります」

 

「「…………」」

 

アリスの真剣な面持ちな表情に、キラと楯無は頷いて聞くことにした。

 

「今回のテロ事件は、私を狙ったものですね?」

 

「ええ、その通りよ」

 

「楯無さん⁉」

 

アリスの言葉に頷いて答えた楯無に、キラは驚く。まだ、幼い彼女に真実を告げてしまうのは酷なのでは無いのかと。

だが、アリスは嘆くと言うよりも納得したようで二人を見ていた。

 

「やっぱりですか………お父さん、お母さん。私はお父さん、キラ・ヤマトの遺伝子を基に作られたクローンです」

 

アリスの言葉にキラ達は頷く。

 

「その様子では、知っていたのですね?」

 

「うん。アリスちゃんを調べる内に、僕と遺伝子が似ている、いや、似すぎていると思ったから、君が僕のクローンじゃないかって考えていたんだ」

 

「では、話が早いですね。私の寿命は持って二か月から半年しか無いと思います」

 

「それは何故、そう言い切れるのかな?」

 

「私を作った博士が言っていました。私は失敗作の中でもまだ優秀な方だと。だけど、失敗作は失敗作。寿命が短すぎると。こう言っていました」

 

「「………」」

 

アリスの言葉にキラと楯無は驚く他なかった。まさか、アリス自身が、自分の寿命を理解している事に。

 

「だからこそ、私はここからいなくなった方がいいと思います」

 

アリスはそう言うと、まだ夢の中にいる明日奈を見て微笑みながら言う。

 

「明日奈の為にも私はここにいn「それは違うわよ‼」ッ⁉」

 

アリスの言葉を楯無が強い口調で遮る。

 

「そうだね。楯無さんの言う通り。いなくなった方が良いなんて言わないでほしいな」

 

「でも……でも‼」

 

アリスはキラの言葉に目に涙を浮かべる。

 

「その涙は紛い物の涙? それとも、まだ僕たちと一緒にいたいという気持ちの表れから?」

 

「え………?」

 

キラに言われてアリスは自分が涙を流している事に気付いた。

 

「命は何にだって一つだよ。だから、その命は君だ、アリスちゃん。僕じゃない。もう、君は一人のアリスとして生を受けているんだから、命尽きるまで僕たちが一緒にいるよ」

 

「そうね」

 

「……明日奈もアリスお姉ちゃんといつまでも、一緒だよ……ムニャムニャ」

 

「えっ」

 

自分を我が子として迎えてくれたキラと楯無。そして、自身を姉として慕ってくれる明日奈の言葉を受け、アリスはもう限界だった。

大粒の涙を流しながらアリスはキラと楯無を見る。

 

「私は……ここにいても良いんですか?」

 

「ええ」

 

「うん」

 

アリスの質問にキラと楯無は頷いて答えた。

 

「お父さん、お母さん‼」

 

アリスはその場で顔を手で覆って泣き始めた。キラと楯無はアリスの傍に寄り抱きしめた。すると、寝ているはずの明日奈の手がアリスの背中に置かれた。

 

こうして、一人の少女は安らぎを受けるのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、どしどし送って下さい‼ 作者のやる気に繋がります。

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