インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士   作:武御雷参型

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先週に仕事の影響により、更新が出来ませんでしたので英雄達と同時更新をさせて頂きます。
来週からはいつも通りの更新となりますので、お間違いの無いよう、お気を付けください。


第百十話

キラが自身の見解を話し出す。

 

「女権もしくはロゴスの狙いは、一夏の白式のコアや僕たちの機体のコアが欲しい。そして、このIS学園と言う土地が欲しいのではないかと考えられます」

 

「それは、どういう意味だ? 白式のコア、お前たちの機体のコアについては判る。だが、このIS学園の土地が欲しいと言うのは、意味が解らないのだが?」

 

世界各国に配られているISコアは467個である。そして、キラ達のストライク・フリーダム・フェニックスとインフィニット・ジャスティス・セイバーのコアはこの分類に含まれておらず、また、ラウ達の機体も同じである。それに加え、一夏の白式は、本来であれば女性でしか扱う事の出来ないISが男も載れると言う観点も含めると、女権は特に白式のコアを奪取し、本来の姿形に戻したいという狙いがあると言うのは判るのだが、IS学園の土地が欲しいと言う意味までは理解し難いものであった。

 

「確かに言われてみればその通りなのですが、このIS学園には広い土地に試験も行える施設。そして、修復や改造なども出来る施設が存在します。それを踏まえると、特にロゴスはこの土地を狙っているのでしょう。それに、ロゴスは女権に加え、亡国機業とも手を組んでいる。それを踏まえると、基地司令という観点もみれば、このIS学園を手に入れたいと考えているのではないかと思います」

 

「だが、核を使うと言う事はこのIS学園さえも使えなくなってしまうのではないのか?」

 

アスランの説明に、千冬は核ミサイルを使うデメリットを言うが、アスランは顔を横に振る。

 

「確かにその通りです。ですが、奴らは手に入らないのであれ、破壊してしまおうという魂胆があるのではないかと」

 

「なに⁉」

 

アスランの言葉に、千冬は信じられないといった表情をする。

 

「飽くまでも俺個人の見解にすぎません。ですが、そうならないとまで断言はできません」

 

「…………」

 

アスランの言葉に千冬は黙ってしまう。黙る友人を心配そうに見つめる束。アスランとキラは、罪悪感を覚えてしまう。

 

「因みにだが、核ミサイルが発射されたのを破壊する事は可能か?」

 

「可能と言えば、可能です。ですが、奴らが手動で爆発させると言う手が無ければ。の話ですが」

 

アスランの言葉に千冬は引っ掛かりを覚える。

 

「どう意味だ?」

 

「もし、奴らがこのIS学園の超高度で核爆発を起こしたとします。すると、電磁パルスが発生し、対策がされていない電子機器は尽く、破壊され使い物になりません。ましてや、IS学園があるのは日本国内です。奴らが使う核ミサイルの種類によっては被害がどのようになるかまでは判りかねますが、威力が高いものであれば、日本だけには留まらず、韓国、中国、ロシアなどの国々も被害を受けてしまう恐れがあります」

 

アスランの言葉に絶句する千冬。現在、世界各国では電子パルス攻撃に対して軍施設や軍用機等、対策が施されているが、一般人が使うものに関しては対策などされていないものである。

もしも仮に、電磁パルス攻撃を受けた際には、自動車を始め携帯や鉄道など、あらゆる交通手段、通信手段が寸断され、日本はパニックに陥ってしまう可能性が高い。ましてや、通信手段が寸断されると言う事は、世界の情報は愚か、日本国内の情報さえも手に入らないのである。

 

「そのような事態も踏まえ、対策を取らなくてはいけません」

 

「…………」

 

キラの言葉に千冬は黙ってしまう。

 

「因みにですが、ここIS学園では対策は………」

 

「そんな攻撃を想定して建築はされていない。まだ、核シェルターはあるが、電磁パルス攻撃となると……IS学園内部での混乱は避けられないな………」

 

千冬は頭が痛くなることだらけであった。

 

「奴らの攻撃がいつ開始されるか判りません。ですので、早々に対策を練らなければ、後の祭りです」

 

「そう…だな……職員会議などせず、私の独断でIS学園の強化を行う」

 

「ちーちゃん。そのお手伝い、私もやらせてもらうよ」

 

千冬はIS学園の防衛力を強化する事を決めると、束が手伝うと言い千冬は頷いて答える。

 

「頼むぞ、束」

 

「合点承一郎‼」

 

こうして、IS学園の防衛力が強化されることが後に好機を生むことを、この時は誰も知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある国が所有する島には、国際IS委員会が間借りしている極秘ドックが存在していた。そのドックには一隻の航空戦艦が係留されていた。

 

「……艦長」

 

艦橋に一人の男性が入って来ると、艦長席に座る女性に報告をする。

 

「委員会より命令が下りました。明朝に出航し、国際IS学園に対し、無条件降伏の勧告。それが飲まれないのであれば、攻撃を許可する。との事です」

 

「委員会は何をビビっているのか……了解した。各班に通達。明朝出港する。各自、準備に取り掛かれとな」

 

「ハッ。しかし、まさかIS学園に我々に関わりのある艦があるとは、驚きですな」

 

「ああ。だが、油断は出来んぞ」

 

「判っています」

 

「正直な所、私自身委員会に対していい印象を抱いていない」

 

「それは、私も同じ思いです」

 

艦橋には他のクルーもいるにも拘わらず、お互いに委員会に対しての疑念感を露わにしていた。だが、それを誰も咎める事も諫める事をしなかった。それは、この艦にいる全員が同じ思いだからである。

元々、国際IS委員会は、全世界のISを管理する事を前提に設立された組織なのだが、前委員長である男性が汚職の冤罪を掛けられたことにより、現委員長は女性権利団体に関わりがある派閥から推薦された女性であった。だが、この女性は女性権利団体に大いに関りがある為、委員会の職員の殆どが女性となってしまい、男性職員は何かあった際の肉盾の為に、防衛隊に配属されてしまったのである。

その為、この航空戦艦に配属されているクルーは元々が委員会の職員が大半であり、艦長である女性は今の委員会に対して、意見を申し立てただけで、この航空戦艦の艦長になったのである。

 

「では?」

 

「ああ。命令には従う。だが、それだけだ」

 

二人の会話を聞いているクルーは、何の話をしているのかが判らず仕舞いであった。

 

「艦長、副長。全ての物資の積み込みを完了しました」

 

すると、一人の士官が二人に出港準備が整ったことを報告しに来る。

 

「機体は?」

 

「全て問題なく」

 

艦長である女性の質問に、士官は頷いて返事をする。

女性は艦長席に備えられている受話器を手に取り、口を開く。

 

「明朝に出航する。これは、委員会の威信を掛けた出航である。皆、気を引き締める様に」

 

威厳のある声で話した後、受話器を置くと苦笑いをする。

 

「どの道、私たちの命運は判り切ったことだな」

 

「………心中を察します」

 

副長はそんな艦長に同意をする。

 

「明日は早いぞ。今の内に寝ておけよ、トダカ」

 

「はい、ナタル艦長」

 

嘗て、アークエンジェル級二番艦ドミニオンの艦長を務めたナタル・バジルールと、オーブ海軍大型航空母艦タケミカズチ艦長を務めたトダカがタッグを組んで、この大和型航空戦艦三番艦信濃に乗艦していたのであった。

果たして、彼女たちの命運はどうなってしまうのかは、神のみ知る事であった。




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