インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
翌日、キラは保健室で安静にしているラウラの元へ向かっていた。
「(彼女の本心を聞きださない限りは、どうしようもないからね………でも、ドイツも勿体無い事をしたね)」
キラはドイツがラウラを手放した事を内心で非難していた。
「さて、彼女と話をしてどう言う結果になろうと彼女に光を取り戻して戻さないとだね」
キラはそう言って保健室の扉を静かに開ける。すると、ベッドの上で外を眺めているラウラを見付けた。
「(やっぱり彼女はドイツのした事にショックを受けてるんだろうね………仕方が無い事だね)失礼します」
「………貴様は⁉」
キラの言葉にラウラは驚きながらキラを見る。
「体の方はどうかな?」
「………貴様には関係の無い事だ……何しに来た」
キラの心配する声を無視して、キラが来た事に尋ねる。
「………君の事を織斑先生から頼まれてね」
「………」
キラの言葉にラウラは何も言い返さなかった。
「君はこれからどうするつもりなの?」
「………私はもうドイツの代表候補生でもなければドイツ軍特殊部隊の隊長でもなくなったんだ。それに、ドイツには家族と言うものが居ない………私はこれからどうすれば良いのか判らないんだ………」
「………」
ラウラの言葉にキラは何も言えなくなる。だが、千冬からラウラの事を託された以上は、やるべき事はしておく必要があると思っていたのである。
「君には一つの選択肢が残っている筈だよ?」
「IS学園の秘匿部隊の事か? だが、なぜ貴様がそれを知っているのだ?」
「僕はね、その秘匿部隊の隊長をしているからだよ」
「なっ⁉」
キラのカミングアウトにラウラは驚愕の表情をする。それもその筈である。キラは隊長と言うよりも使われるような人間にしか見えないからである。
「貴様が隊長で大丈夫なのか?」
「まぁ、君も元はと言えドイツ軍の特殊部隊の隊長をしていたんだから、判るよね………でも見かけだけで判断するのは早いかもね」
キラはそう言うといつもとは違い、軍人としての気迫を出した。
ラウラはキラから発せられる気迫に驚いていた。
「貴様はそれだけの力を隠しているのだ………羨ましいな」
「やっと君の気持ちが聴けた気がするよ」
「なに?」
「君はVTシステムに呑み込まれるとき、気付かない内に助けを求めていたんだよ?」
キラの言葉にラウラは思い当たる節がある事に気付く。
「確かに私は呑み込まれるとき、織斑教官に助けを求めたが………だが、それを知って貴様はどうするつもりだ‼」
「どうもしないよ」
「は?」
「僕は君の力が欲しいだけなんだ。秘匿部隊は僕を合わせてISを扱えるのは極少数だけなんだ。だから、軍属だった君がいればもっと強化できると思うんだ」
キラはそう言うと手を差し出した。
「だから、君を秘匿部隊に迎え入れたいんだ。拒否権はあるから安心してね?」
キラの言葉にラウラはどうするべきなのか迷っていた。すると、また保健室の扉が開かれ一人の少女が入って来た。
「パパいた‼」
「パパ⁉」
「明日菜ちゃん、どうしてここに来たの? 部屋で待ってるはずじゃ」
「ママに教えてもらったの‼」
明日菜はキラの足に抱き着き、楯無がキラが保健室にいる事を教えた事をキラに伝えた。
「そうなんだね………明日菜ちゃん。保健室の外で待っていてくれるかな?」
「うん……解った」
明日菜はしょんぼりとしながら保健室の外へ出ようとした。だが、キラは明日菜の表情を見て待ったを掛けた。
「明日菜ちゃん。後で一緒に遊ぼうね?」
「⁉ うん‼」
キラの言葉を聞き明日菜は表情を一変させて嬉しそうに保健室の外へと出るのであった。
「貴様、子持ちだったのか」
「これには理由があるんだけどね………それで、君の答えはどうなのかな?」
「………昨日、織斑教官から尋ねられたんだ。貴様には護るべき物はあるのかって………そこで貴様に問いたい。貴様は護りたい者はいるのか?」
「あるよ。さっき見たように明日菜ちゃんを護る。父親としてね。それに僕はもう人の死を見たくないんだ。だから、僕が護れる最低限の人を守るつもりだよ」
ラウラの質問にキラは即答で答えた。
「そうか………私にはまだそれが見つからないんだ。どうすれば見つかるのか教えてくれないか‼」
「そうだね………僕自身、明日菜ちゃんを護りたいと思ったのも偶然だし、誰かを護りたいと言う気持ちは偶然、出来た事だからね。だから、君にもそれが見つかる時期があると思うよ」
キラの言葉にラウラは一つの決心をした。
「………秘匿部隊の事だが…………受けようと思う」
「そう。なら歓迎するよ。ラウラ・ボーデヴィッヒさん」
ラウラの決心にキラは微笑みながら頷いた。
「今度からラウラと呼んでほしい」
「判った。ラウラちゃん」
「ちゃん付けで呼ぶな‼」
キラは笑いながら保健室を出るのであった。
キラは明日菜と遊んだあと、楯無を伴って千冬の元へ足を運んだ。
「織斑先生、キラです」
『入ってくれ』
「失礼します」
キラは入室の許可を貰い、千冬の部屋へと入る。
「さて、いきなりの訪問とはなんだ? しかも嫁を連れて」
「よ、嫁⁉」
「/////」
千冬の言葉にキラと楯無は顔を赤くする。
「はっはっは、そう赤くする必要も無いだろう? 貴様らには既に子供もいるんだからな」
千冬は一頻り笑うと、真剣な表情に変わる。キラ達も千冬の表情が真剣に変わったのを見て気持ちを切り替えた。
「さて、本題は何だ?」
「ボーデヴィッヒさんの事です」
「………どうだった?」
「入隊する事になりました」
キラの言葉を聞き千冬は胸を撫で下ろした。
「そうか……ではこれから頼むぞ?」
「ハッ‼」
千冬の言葉にキラは敬礼をして返事をした。
「ところで、関係はどうなったんだ?」
「織斑先生‼」
千冬はキラ達を弄り倒すのであった。
IS学園秘匿部隊に配属になったラウラは、キラ達による訓練を受ける事になるのだが……
そして暗躍する組織に動きがあった。
次回、第五十二話
招かざる者
暁の水平線に勝利を刻め‼
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作品の今後について
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