インフィニット・ストラトス~蒼の天使と紅の騎士 作:武御雷参型
今回はね……やり過ぎたかも。
臨海学校当日。キラとアスランはバスに乗り込む事は無かった。と言うのも、二人は自家用車を所有している為、その車で旅館まで向かう事になっているのである。
因みにだが、一夏争奪戦が繰り広げられてと明記しておく。
「キラ君、海楽しみね‼」
「え、ええ」
「私、臨海学校二回目なのにね…彼氏と一緒に行く海は格別って聞いたけど、ほんとね」
「そうですね……」
キラはヴェルデファイアーの運転をしながら、助手席に座っている女性を見る。
「どうして付いて来てるんですか? 楯無さん」
「ん? 今更かしら?」
「明日菜も一緒だよ‼」
助手席には更識楯無が座っており、後部座席には義理娘である明日菜も乗り込んでいた。
「まぁ、楯無さんがいると言う事は明日菜ちゃんがいる事は知っていたけど……生徒会の仕事は良いんですか?」
「大丈夫よ。私には信頼できる右腕が居るから」
「いや、織斑先生をどうやって説得するんですか?」
「決まってるじゃない。買収よ」
「どうやってですか………」
楯無の言葉にキラはゲンナリしながら呟く。
「明日菜ちゃんを使ってね」
「ん?」
楯無は明日菜の頭を撫でながら千冬をどうやって買収するか、考えていた。
「まぁ、無事に乗り切れることを願っています」
「ところで、簪ちゃんは?」
「簪さんはアスランの車に乗り込んでいますよ。これは織斑先生からの指示ですね」
「まっそうよね。ザラ君を狙っている子もいる事だしね」
「ええ、どうしてあんなに女難になってるんですかね」
キラもアスランの女難に苦笑いをするだけであった。
「僕は狙われてないんですけど……どうしてですか?」
「あら? キラ君。知らないの? キラ君の事を狙う子はいないわよ」
「え?」
キラは楯無の言葉にショックを受ける。自分がモテないのかと思うと、少し悲しくなるのだが、楯無の言葉で自分が勘違いしていると判った。
「何か勘違いしているようだけど、君の事を狙う子が居ないのは私が既に新聞科に伝えてるからよ」
「因みにどのような内容で?」
「決まっているじゃない。私には大事なフィアンセと娘がいるってね」
「チョォォォォォォォォォォット⁉」
「パパ、パパ‼ 前! 前‼」
楯無の言葉にキラはハンドルミスを犯しそうになるが、明日菜の言葉にキラはハンドルミスを犯さずに済むのであった。
そして漸く臨海学校で泊まる事となっている旅館へと到着するのだが、キラはヘトヘトになりながら運転席から出て来ると、助手席から楯無と後部座席側から一人の少女が降りて来る。
それを見た1年生達は詮索しようとしたが、千冬の言葉でそれが出来なかった。
「全員、注目‼ 本日から三日間、お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさない様に注意しろ‼」
『はい‼』
千冬の鶴の一声で生徒達は返事をするのだが、千冬はキラの傍らに立っている楯無を見ると、そちらへ近づいて行く。
「オイ、更識。なんでお前がここにいるんだ」
「私はキラ君のお嫁さんですから……それにこの子が海を見たいと言ったので……」
「海ぐらいIS学園の周りにあるだろうが」
「いえ、この子は浜辺がある海に行きたいと言っていました。それに家族と一緒に遊ぶ機会も無いですし臨海学校があると言う事もあって、今回、着いてきました」
楯無の言葉に千冬は明日菜の方を向くと優しい声で尋ねた。
「楯無…お母さんが言っていた事は本当か?」
「うん。明日菜、海に余り行った事が無いの。だから、パパから海に行くと聞いてママを説得して、一緒について来ました」
明日菜は千冬の怖い所を見た事も無いと言う事もあり、無邪気に言う。
「はぁ~、ヤマト。父親なら娘と嫁の事ぐらいどうにかしろ」
「はい……すみません」
「更識、今回だけだぞ?」
「判りました。ありがとうございます」
千冬はそう言うと一枚の紙を懐から取り出すと、キラに手渡す。
「これがヤマト、ザラの部屋だ。織斑の場合は私と一緒の部屋になっているが、ヤマト、ザラはお互いに嫁が居るからな。問題が無いだろうと言う私の独断で決めた」
キラは顔を赤くさせるが、紙を見た瞬間、千冬は既に楯無を明日菜が来ることを予期していたかのような部屋割りになっていた。
「織斑先生?」
「さてな。私は知らんぞ」
キラの目に千冬は顔を逸らしながら遠くを見る。
「キラ君。行くわよ」
「ちょっと、楯無さん⁉」
キラは楯無に手を引かれて部屋へと向かって行く。明日菜も二人の後をチョコチョコとついて行くのであった。
「ザラ、お前達も行ってこい」
「はい………」
アスランは諦めたかのように簪を連れて部屋へと向かうのであった。
一部始終を見ていた1年生達はがっかりしたかのように、膝をつく者もいれば、真っ白になる者達が居たのであった。
浜辺には多くのIS学園の生徒達が、海と戯れているのだが、一部の所はそうでは無かった。
そこには、一夏を囲む箒、鈴であった。
「一夏? 私と箒。どっちと遊ぶの?」
「どっちなのだ‼ 一夏‼」
「いや、どっちと言われてもな………一緒に遊ぶと言う選択肢h「「無い‼」」ですよね~」
一夏はどうすればよいのか迷うが、キラ達が来るとそちらへ方向転換させた。
「キラ‼ 助けてくれ‼」
「………一夏。君が悪いんだよと言いたい所だけど。篠ノ之さん、鳳さん。ここは一時休戦してみてはどうですか?」
「いやよ‼」
「断る‼」
キラの提案に二人はきっぱりと断った。だが、それが間違いであった。
「そう。なら、仕方が無いね。二人とも。選択肢を上げよう」
「選択肢?」
「どう言うつもりだ?」
「一つ。一夏と一緒に二人で遊ぶ事。もう一つ、僕と模擬戦「鈴/箒‼ 一緒に一夏と遊ぶわよ/ぶぞ‼」決まったね」
キラの選択肢と言う脅しに屈した箒と鈴であった。
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