変になってないといいのですが…
それでは今回も最後までお読みいただけると幸いです
アルフレット
音が聞こえる…
目を開けるとそこにはがれきがあった
間一髪直撃は免れることができたが、衝撃によって飛ばされて意識を失っていたみたい
がれきをどかそうと体を動かしてみると激痛が走った
それでもゆっくりと体を起こしがれきをそっと押す
すると少しずれて外の様子が見えた
そこには界人さんと戦う一護さんの姿があった
状況は一目見てわかるぐらい劣勢だった
午前中の特訓のせいもあるんだろうが明らかに一護さんが追い詰められていた
界人さんは術を使っていた
一護さんにはまだ何も教えていない
話していない
破るのは絶望的だろう
(あぁ…また私のせいだ
私がここにいなければ…)
そう思っても界人さんと一護さんの戦いが終わるわけではない
どれだけ心の中でやめてと叫んでも終わらない
一護さんがどんどん傷ついていく
このままだと死んでしまうんじゃないかと思ってしまうぐらい
石田さんも茶渡さんも傷ついていく
伊織さんと戦っているようだった
少し視線をずらすとそっちでは夜一さんと薫さんが戦っているようだった
もうやめてほしかった
私なんか放っておいて欲しかった
薫さん、伊織さん、界人さんは兄のような存在だった
村で疎まれていた私に普通に接してくれる数少ない人たち
一護さん、石田さん、茶渡さんはまだ知り合ってそんなに経っていないけど私のために特訓をして強くなってくれて私を護ろうとしてくれる人たち
浦原さんと夜一さんは父さんと母さんの血盟者で今本当のことを話せて、こっちに来てから一番私のことを気にかけてくれる人たち
そんな大切な人たちが私のせいで傷つけあっている
やめてほしかった
一緒に肩を並べて笑いあっていた欲しい
そう願っても私にはどうすることも
いや、何もしようとしないだけだ
私はただ見ていることしかできなかった
「もう…やめて…戦わないで…
傷つけあわないで…私の大切な人たち…」
そっと今私が一番願うことを呟いてみる
何も変わらない
涙が溢れて視界が滲む
そしてまた意識が深い闇に落ちて行った
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼らが去り、ボクたちは立ち尽くしていました
そして、黒崎サンたちを回収して寝かせ
「今回もまぁ…助かったのう」
「そうっスね…
まずは黒崎サンたちの治療と天サンを探さなければなりませんね
井上サン、鉄裁サン
黒崎サンたちのこと頼んでもいいっスか
アタシたちで天サンを探してきます」
「分かりました…‼」
そしてボクたちは井上サンと鉄裁サンに黒崎サンのことを任せて天サンを探すために浦原商店を後にしました
跡形もなくなったところにいたはずなのに今はこうして何もなかったように家が建っている
何か幻惑系の術でもかけられたのでしょうか
「それにしてもさっきのはなんじゃったんだろうな」
「そうっスね…
正直、ボクにもわかりませんが天サンならわかるでしょう」
夜一サンも不思議に感じているようですね
しかし、先ほど黒崎サンたちが倒れていたのは戦っていた時に飛ばされた場所ですから完全に別の場所ということではないのでしょう
「天サンはどこにいるんスかね」
「全くわからん…天を見つける前に薫じゃったか?
戦闘になってしまったからのう」
夜一サンから吹っ掛けたように見えたというのは黙っておきましょう
まだ死ぬわけにいきませんからね
「天を探すのがこんなに大変だとはな
一護じゃったら楽なのにのう」
「たしかにそうっスね
霊圧を頼りに探すことができませんから」
今の天サンは霊圧を完全に遮断する義骸に入っているので見つけるのは霊圧を頼りに探すのは至難の業
足と目だけが頼りっすね
「二手に分かれますか」
「そうじゃの
儂はこっちに行く」
「わかりました
では、三十分後にまたここに集合しましょう」
そして、ボクたちはそれぞれ天サンを見つけるために二手に分かれましたが見つからずに三十分たち集合場所に集まることになりました
「そっちはどうじゃ?」
「ダメっスね
夜一サンはどうでしたか?」
夜一サンは首を横に振り座り込んでしまいました
ここまで見つからないとなると考えられるのは
一つ目、実は薫サンたちに連れて行かれた
二つ目、自分の意志で見つからないように隠れている
三つ目、見つかりにくいところで動けない
どれも天サンの場合まずい気がしますね
「どうしますか?」
「あと探していないのはどこじゃ?」
「薫サンたちがどこまで破壊していたか正確にはわかりませんからはっきりとはわかりませんが、だいたい探したんじゃないっスかね」
あてもなく二人で空を蹴って天サンの姿を探しますが、見つかりません
「ん?いたぞ‼」
夜一サンが木々が生い茂った中の天サンを見つけましたが、ぐったりとしていてとてもではありませんが無事には見えませんでした
珍しく夜一サンが取り乱しながら天サンのもとへ行くのをボクは少し後ろから追いかけました
「天‼大丈夫か⁉」
「大きな傷はないみたいっスね」
とりあえず、大けががないことに胸をなでおろしましたが、生気のない顔を見れば完全には安心できませんね
その顔をよく見れば目から下に向かってのびる一筋の線が見えましたが、今はそれよりも天サンを起こすのが先っスね
「天‼天‼しっかりせい‼天‼」
「ん…」
夜一サンの必死の呼びかけにようやく反応がありホッとしました
「天‼探したんじゃぞ‼」
「とにかく無事でよかったっス」
少し開けた天サンの目をのぞき込むと焦点が合っていない目とかすれた小さい声で
「浦原さん…?夜一さん…?」
「ええ、そうですよ」
「大丈夫か?」
夜一さんの問いに天サンは小さく頷きますが、きっと大丈夫なんかではないでしょう
身体的にも精神的にも
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
声が聞こえる
「……‼…ら‼……かりせい‼天‼」
夜一さんの声だ
私を呼んでる?
ゆっくりと目を開く
「ん…」
ぼやける視界に浦原さんと夜一さんの顔が映る
「浦原さん…?夜一さん…?」
「ええ、そうですよ」
「大丈夫か?」
声がかすれる
話すのもつらくなり小さく頷く
安心させるために頷いたのに浦原さんも夜一さんも顔をゆがませた気がした
「無理しなくてもいいんスよ」
「そうじゃ…大丈夫なわけがなかろう」
心配そうな声で、優しく怒られる
意識が再び遠のく
「もう少し寝ていて構いませんよ」
「そうじゃ…もう少し休め」
そう言って夜一さんは私の頭をなでてくれた
頑張って保っていた意識を手放し、もう一度深い闇に落ちていく
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天サンがもう一度意識を失うと夜一サンが天サンを抱えて、帰ることにしました
静かになるべく天サンに負担をかけないようにと
「天サン、きっとボクたちが戦っているのを見てたんスね」
「そうじゃの…
こいつにとって大切な者同士が自分のせいで戦っているようにしか見えんかったじゃろうな」
それを見てきっとやめてくれと祈ったのでしょうね
夜一サンも声に出しませんがきっと涙の意味がわかっているのでしょう
「天は皐月に似て人が傷つくことを嫌う優しい子じゃ
きっとこれからもっとつらい思いをするんじゃろうな」
「そうっスね…このままでは天サンは壊れてしまうかもしれませんね
そうなる前に黒崎サンたちが天サンを支えられるようになってくれるといいんですが」
これからの一番の問題は天サンが黒崎サンたちに頼るようになるか
そのために今までいろいろ仕組んではきましたが成果は今のところあまりありませんね
もう手助けできることもありませんからここから先は天サンと黒崎サンたち次第っスね
そう思いながら静かに急いで家へと戻りました
今回もお読みいただきありがとうございます
今回の浦原視点は少し雑だったでしょうか…
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の16日を予定しております。
アルフレット