それでは今回も最後までお読みいただけると幸いです
アルフレット
小太刀を地面に刺し、手が小太刀の真上にくるように出す
「一護さんも私の手の下に手を重ねて」
「あ、あぁ」
小太刀に力を伝えていく
すると光りだし、地面に円陣が描かれる
声が聞こえてきた
止水のものだ
いつもと違うのは心に直接聞こえてくるのではなく耳から聞こえてくることだ
一護さんも聞こえているのか声の主を探してキョロキョロしていた
私はすぐに止水の居場所がわかり、そちらを見ると少し見上げる位置にいた
一護さんも私の視線をたどるとそこにいる止水を見て驚きながら言った
「何だよ⁉こいつ⁉」
「後で説明する
止水、始めて」
「うむ…それではこれより血盟の儀を執り行う
この儀式を終えた者同士が血盟者となる
二人ともよいか?」
いつもとは違うって緊張しているような止水が面白かったがここで笑えばあとが怖いと思い堪える
そんな私の様子が伝わってしまったのか止水に睨まれる
その様子を無視して頷くと一護さんも頷いた
「うむ
それではふたりともこの小太刀に霊力をこめよ」
止水のその言葉を合図に小太刀に霊力を込めて行く
すると地面に描かれた円陣に新たに模様が加わる
「よし
では、天、盟約を述べよ」
「盟約…私の力を悪用されたとき封印し阻止すること」
一護さんの顔が驚きに染まるのがわかった
そんな反応するだろうとは思っていたけど
「黒崎一護、盟約は『院殿天の力が悪用されたとき封印しそれを阻止すること』だ
一度結べば血盟解消さぬ限り破ることは許されない
結ぶか」
「い、いや結ぶわけねぇだろ何だよ⁉封印って⁉」
「そのままの意味
とりあえず了承して」
「了承出来るわけないだろ‼」
予想通りの展開になった
助けを求めて止水を見るが、自分で何とかしろと目を反らされた
「一護さん、深く考える必要はない
そうならないようにすればいいだけ
念のための約束」
「でもよ…‼」
「一護さんが応じてくれないと先に進まない」
一護さんはなかなか首を縦に振ってくれない
小さくため息をつき、私は首を横に振る
「ならもういい
止水、中止」
「いいのか」
「一護さんがイヤなら仕方ない」
止水は私の考えが分かったのかあっさりとのってくれる
そして一護さんは私の思った通りの反応をしてくれる
「わかったよ‼」
「と黒崎一護は言っているが、天、どうする?」
「了承してくれるならいい」
作戦が成功し、心の中でガッツポーズする
顔には出さないように気をつけながら
止水には私の心の中が分かったようで少し笑っていた
それをにらみつけると止水は咳払いをして言った
「では、血盟の儀を再開する
黒崎一護、もう一度訊く
盟約は『院殿天の力が悪用されたとき封印し阻止すること』だ
一度結べば血盟解消せぬ限り破ることは許されないがよいか」
「あぁ」
一護さんはようやく渋々ではあるが頷いてくれた
一護さんが了承すると小太刀がそれに反応するかのように一度強く光り、それがおさまると円陣に新たな模様が追加されていた
「これにて盟約は結ばれた
では次に移ろう」
「まだあるのかよ…」
おそらくまだこんなことが続くから一護さんは面倒に感じているのだろう
一護さんがもっといい加減な人だったらもっと早く終わるだろうに
かと言ってこのまま止まっていては先に進めないから止水に進めるよう促す
「まだある
先に進まないと終わらないから止水進めて」
「あぁそれでは黒崎一護、契りを述べよ」
「契りって何だよ?」
「契りは一護さんが私に求める約束事のこと考えといてって言った
なければいい」
「このためにかよ…そうだな…決めたぜ」
一護さんはしばらく考えて言った
「では、黒崎一護、契りを述べよ」
「天、もう二度と消えようとするな」
「っ‼︎」
痛いところを突かれた
もし、これを言われなければまだ消えるという選択肢があるから万が一のとき消えることができたのにとまだ逃げを考えている自分がいた
「天、黒崎一護の契りは『二度と消えようとしない』だ
わかっているかとは思うが破ることは許されないぞ結ぶか?」
「…結ぶ」
ここで私が了承しないとまた先には進めない
血盟を結ぼうと思っていたときからこうなる予感はしていたけど
「わかったでは天、契りは何かあるか?」
「天もあるのかよ⁉」
一護さんはなかなか終わらないからか少しめんどくさそうに見える
私が一護さんに願うのは封印ともう一つ…
「じゃあ…死なないで…」
「っ‼︎」
つぶやくような小さな声だったけど一護さんにはしっかり聞こえていたようで目を見開いていた
「黒崎一護、天の契りは『死なないこと』だ
これには強制力はない破っても…まぁ許される…か?」
「許さない」
一応、私からの契りは破っても何もないがそんなこと許すわけもなく即答した
「だそうだが、結ぶか?」
「当たり前だろ」
この契りに関しては一護さんは間を空けずにすぐに返事をしてくれた
私を安心させてくれるような笑みで
「これで両者の契りは交わされた」
止水がそう言うとまた小太刀が光り、新たに模様が追加された
「これで血盟の儀は終わりだ
よって二人は血盟者となった
天、小太刀を抜き、黒崎一護へ」
止水の言う通りに小太刀を抜くと地面に描かれた円陣が小太刀に吸い込まれるように消えていき、小太刀の柄の部分に刻み込まれた
それを確認し、一護さんの手を上向きにしてその上に置く
「おめでとう、天
黒崎一護、天のことを頼んだぞ」
「あぁ…」
「止水、ありがとう
お疲れ様」
止水は私に血盟者ができたことに本当に安堵したらしい
完全に終わったのがわかったのか浦原さんたちが近づいてきた
「お疲れ様っス」
「なかなか時間がかかったのう」
「一護さんのせい」
さらっと時間がかかったのを一護さんのせいにする
止水が急に頭を叩いてきた
「何が『一護さんのせい』だ
お前がもっとしっかりと前もって話しておけばこんなことに時間もかからなかっただろう…よ‼」
「痛い…やめて止水」
止水は私の言ったことを流す様子もなく頭を拳ではさんでぐりぐりしてきた
いつもならば何らかの反応をするのにそれがないことを不思議に思い一護さんの方を見ると小太刀をジッと見つめていた
「黒崎くん、どうしたの?」
「いや。なんでもねぇよ」
「おそらくようやく天の血盟者になれて感慨にふけっているのであろう」
「うるせぇよ…てか、お前誰だよ⁉」
織姫さんが声をかけても心ここに在らずって感じの答えだったのに止水が声をかけると恥ずかしそうに答えていた
そこでようやく止水のことを思い出したのか突っ込んでいた
「この人は止水」
「それだけか?仕方ない…改めて私の名は止水
そして天の斬魄刀だよろしく頼む」
簡単に止水について紹介すると浦原さんと夜一さんは納得したように頷いていたが、他の四人はポカンとしていた
その様子を見て止水は苦笑する
「大丈夫か?思考が追いついて来ていないようだが…」
「大丈夫っスよ
そのうち追いつきますんで」
止水は一護さんたちに声をかけるが、関係のない浦原さんが答えていた
止水は浦原さんと夜一さんをマジマジと眺めて言った
「あなたたちが勇と皐月の血盟者か?」
「ええ、そうっスよ」
「なるほど…さすがだ」
止水が何に納得したのかわからないがうんうんと頷いていた
そこでようやく思考が追いついたのか一護さんが口を開いた
「天、お前って死神…じゃないよな?」
「違う」
「じゃあどうして斬魄刀なんかを持っているんだい?」
どうやら一護さんたちは死神ではないにもかかわらず私が斬魄刀を持っていることを不思議に思っているらしい
浦原さんと夜一さんはわかっているのか何も言わず、いつもと変わらなかった
説明する気もないようだ
私が口を開こうとすると先に止水が口を開いた
「それは私が説明しよう」
今回もお読みいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです
それでは、この辺で失礼します
次回の投稿は一週間後の18日を予定しております。
アルフレット