水態の神器使い   作:ユキシア

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堕天使の総督と魔王

「やぁ、赤龍帝、駿河 彰」

 

コカビエル事件から数日後、駒王学園の制服を身に着けていた緑メッシュが部室にいた。

 

「なっ・・・・なんで、おまえがここに!?」

 

イッセーは動揺してると緑メッシュの背中から黒い翼が生えた。

 

「緑メッシュ、お前悪魔になったのか?」

 

俺の問いに緑メッシュはふんと鼻息をつきながら言う。

 

「神がいないと知ったんでね、破れかぶで悪魔に転生した。リアス・グレモリーから『騎士』(ナイト)の駒をいただいた。デュランダルがすごいだけで私はそこまですごくなかったようだから、ひとつの消費で済んだみたいだぞ。で、この学園にも編入させてもらった。今日から高校二年生の同級生でオカルト研究部に所属だそうだ。よろしくね、イッセーくん」

 

「・・・真顔でかわいい声を出すな」

 

「イリナの真似をしたのだが、うまくいかないものだな」

 

「つーか、転生かよ!部長、貴重な駒をいいんですか?」

 

「まあ、デュランダル使いが眷属にいるのは頼もしいわ。これで祐斗とともに剣士の二翼が誕生したわね」

 

どうやら部長さんは細かい点はこだわらないらしい。

 

「ところで、イリナは?」

 

イッセーは緑メッシュに問いかけた。

 

「イリナなら、私のエクスカリバーを合わせて五本とバルポーの遺体を持って本部に帰った。統合したエクスカリバーを破壊してしまったせいか、芯となっている『かけら』の状態で回収した。まあ、奪還の任務には成功したわけだよ。芯があれば錬金術で鍛え再び聖剣にできる」

 

「ていうか、緑メッシュお前教会を裏切っていいのかよ。」

 

「いちおうあれは返しておかないとマズい。デュランダルと違い、使い手は他を見繕えるからね。私にはデュランダルがあれば事足りる。あちらへ神の不在を知ったことに関して述べたら、なにも言わなくなったよ。私は神の不在を知ったことで異分子になったわけだ。協会は異分子を、異端を酷く嫌う。アーシア・アルジェントと同じさ。軽蔑するか?駿河 彰。あれだけ神、神と豪語していた私を・・・」

 

自嘲しながら訊いてくるが、俺は首を横に振った。

 

「俺はムカついたにはお前が命を大切にしないことと、何も知らないのにアーシアさんのことを知ったように言ったことだ。別に軽蔑はしていない。そんなことより俺より先に言わなければならない人がいるだろう?ゼノヴィア」

 

「・・・・そうだな、アーシア・アルジェントに謝ろう。主がいないのならば、救いも愛もなかったわけだからね。すまなかった、アーシア・アルジェント。キミの気が済むのなら、殴ってくれてもかまわない」

 

ゼノヴィアは頭を下げてアーシアさんに謝る。

 

「・・・・そんな、私はそのようなことするつもりはありません。ゼノヴィアさん。私はいまの生活に満足しています。悪魔ですけど、大切なヒトに大切な方々に出会えたのですから。私はこの出会いと、いまの環境だけで本当に幸せなんです」

 

聖母のような微笑みでゼノヴィアを許した。

 

「そうそう、コカビエルの件で近いうちに天使側の代表、悪魔側の代表、アザゼルが会談を開くらしいわ。コカビエルのことを謝罪するかもしれないなんて言われてるけどあのアザゼルが謝るかしら。その会談には私たちも呼ばれているの。事件に関わってしまったから、そこで今回の報告しなくてはいけないの。あと、ショウ、あなたは必ず出席しないといけないわ」

 

「・・・・なんで俺だけ強制参加なんですか?」

 

「コカビエルを倒したのはあなたじゃない。それにもし出なかったら不審に思われるわよ。お願いね」

 

「・・・・わかりましたよ。」

 

俺はとりあえず返事だけしておいた。は~、めんどくさいな~でも仕方ないか...

 

ポン!と部長さんは手を鳴らす。

 

「さ、全員が再びそろったのだから、部活動も再開よ!」

 

『はい!』

 

全員が元気よく返事をし、その日、久しぶりに俺たちは部室で談笑した。

 

 

 

 

 

 

次の日の深夜俺とイッセーは自転車を漕いで依頼者のもとへ急いでいた。俺は別に魔方陣で行けるけどその依頼者は『二人一緒に来てほしい』と言われているのでイッセーと一緒に自転車を漕いでいる

最近俺とイッセーは毎日同じ人に呼ばれている。

 

「よー、悪魔くん達。今日も悪いな」

 

その依頼者は黒髪の悪そうな風貌をした人で木場とは正反対のイケメンだった

 

「悪魔くん達、今日はゲームでもやらないか?昼間にレースゲーム買ったんだ。相手がいなくて寂しくてな」

 

毎日こんなたいした願いでもないのに俺たちを呼びらしていく。まあ願いの割には報酬は宝石や金塊などを代価としてもらえるから文句は言えないけど

 

そして、ゲームをセットして始めた。二人プレイみたいなので最初はイッセーに譲った。

 

「よし、ゲームもセットできた。日本って国は時間潰しのアイテムが多くていいな。悪くないところだ。ほら、コントローラー」

 

「あ、どうも。俺、この手のゲームに強いですよ?」

 

そう、イッセーは各地のゲーセンで最速伝説を出しているからな....暇人が...

 

「へぇ、そりゃ、楽しみだ。こっちは初心者だから軽く頼む」

 

『GO!』

 

と、ゲームが始まり開始から数レース辺りから様子が変わってきた。

 

「一通り覚えたぜ。そろそろ追い抜くか」

 

と依頼者がほざいたと思ったらイッセーの車を軽々抜き

 

『WIN!』

 

あっさりゴールされ、イッセーは気合を入れ直してた。

 

「おー、気合入りまくりだねぇ。じゃあ、次はもう一人の悪魔くんとするか、なー悪魔くんいや、赤龍帝と蒼槍の氷魔術師」

 

....今、なんて言った?この人.....

 

「・・・・あんた、誰だ?」

 

イッセーは恐る恐る訊いた。男は口の端を少しだけ吊り上げ、画面を見たまま漏らす

 

「アザゼル。堕天使どもの頭をやっている。よろしくな、赤龍帝の兵藤一誠、蒼槍の氷魔術師」

 

『WIN!』

 

男の背中から十二枚の漆黒の翼を展開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冗談じゃないわ」

 

我らの主リアス・グレモリーさまは眉を吊り上げ、怒りを露わにしている。

 

「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて・・・・!」

 

部長さんは怒りで全身を震わせていた....怖いな。

 

「しかも私のかわいいイッセーやショウまで手を出そうなんて、万死に値するわ!アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ。きっと、私のイッセーのブーステット・ギアとショウの三態の水零を持っているから接触してきたのね。それにショウは禁手にも至ってるしより興味を持っていたのね・・・・。大丈夫よ、イッセー、ショウ。私が二人を絶対に守ってあげるわ」

 

イッセーはまるで躾けられた犬のようにおとなしく部長さんの膝の上で頭を撫でられている。俺も頭を撫でられているが恥ずかしくて逃げようとしたら魔力を込めて頭を締め付けてきた。

 

「・・・やっぱ、俺の神器をアザゼルは狙っているのかな。堕天使の総督なんだろう?」

 

「確かにアザゼルは神器に造詣が深いと聞くね。そして、有能な神器所有者を集めていると聞く。でも大丈夫だよ」

 

木場は俺たちを落とすような目線で続ける

 

「僕が二人を守るからね」

 

木場.....少し気持ち悪いぞ。イッセーに視線を向けたらどうやら同じことを思っているらしい

 

「木場、俺はイッセーと違って神滅具じゃないから平気だよ。それに俺も禁手になってる。だからイッセーの方を助けてやってくれ」

 

「ショウ!?てめぇ!俺を売りやがったな!」

 

当たり前だ!俺はノーマルだ!お前はハーレムを目指してるんだから男の一人ぐらい受けいれろ!

俺は心の中でイッセーに叫んだが木場は首を横に振り

 

「いや、たぶんショウ君のほうが危ないよ。君の禁手は強力だ。だから僕は君の方を優先的に守りたいと思ってる。それにお互い禁手になれたんだ。きっとどんな危機でも乗り越えれるよ」

 

やめろ!なんで俺なんだ!勘弁してください......

 

「しかし、どうしたものかしら・・・・。あちらの動きがわからない以上、こちらも動きづらいわ。相手は堕天使の総督。下手に接することもできないわね」

 

「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

 

全員声のした方向へ視線を移すとそこには紅髪の男性がにこやかにほほ笑んでいた。

 

「お、お、お、お兄さま」

 

部長さんは立ち上がり驚愕の声を出していた。

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

手をあげて、俺たちにかしこまらなくていいと促してくださる。俺は魔王さまに近づき挨拶をした

 

「会場では挨拶ができなくて申し訳ありません。私はリアス・グレモリーさまの『兵士』(ポーン)をしております。駿河 彰と申します。」

 

俺はまず、会場で挨拶ができなかったことを謝罪し、挨拶をした。それを見たゼノヴィアも挨拶をした。それから魔王さまも挨拶をしてくださった。

 

「お兄さま、ど、どうして、ここへ?」

 

部長さんがそう訊くと魔王さまは部長さんの授業参観に来たらしい。それとこの学校で三すくみの会談を行うと聞き驚いた

 

「っ!ここで?本当に?」

 

部長さんも目を見開き、再度訊いている

 

「ああ。この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるおまえと、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。これは偶然で片付けれない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。そのうねりを加速度的に増しているのが兵藤一誠くん、赤龍帝だとは思うのだが」

 

「・・・・イッセーって疫病神?」

 

「おおぉぉぉぉぉいっ!!俺が思ったことを口に出すんじゃねぇぇぇぇぇぇっっ!!」

 

俺の言葉にイッセーは叫ぶようにツッコミを入れ、少し笑っていると

 

「駿河 彰君。君に訊きたいことがあるのだがいいかな?」

 

「はい。それぐらい構いません」

 

なんだろう?魔王さまが俺に訊きたい事とは....

 

「ありがとう。それじゃあ遠慮なく・・・・君の禁手『救いを誓う神殺しの槍』について訊きたい。答えられる範囲で構わないから教えてくれないか?」

 

まさか、魔王さまに訊かれるとはな....でも

 

「すみませんが、今は何も教えられません」

 

「ショウ!?」

 

部長さんは俺の答えに驚きの声を上げたが、

 

「わかった。今は何も訊かないでおこう」

 

魔王さまは何かを察したのかすぐにあきらめてくださり、宿泊施設の代わりにイッセーは自分の家に泊まりますかと提案したらそれを快諾した。

 

なんか....軽いな、魔王さまって....

 

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