水態の神器使い   作:ユキシア

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三大勢力の会談始まる

イッセーを氷漬けした次の日俺とイッセーは朱乃先輩に呼ばれてある神社に到着した。

 

「いらっしゃい、ショウくん、イッセーくん」

 

神社の石段の下で巫女装束の朱乃先輩が俺たちを迎えに来てくれていた。

 

「どうも、朱乃先輩。どうしたんです?急に俺とイッセーを呼んで。というか部長さんと会談の打ち合わせがあるんじゃ」

 

石段を上がりながら朱乃先輩は言う。

 

「そちらはグレイフィアさまがフォローしてくださるでしょうし、ある程度進行していれば私が抜けても大丈夫ですわ。それより私はこの上でお待ちにしておられる方をお迎えしなければならなかったものですから」

 

誰か来ているのか?いったい誰だ?というか悪魔が神社に入って大丈夫なのか?

 

「ここは大丈夫ですわ。裏で特別な約定が執り行われていて、悪魔でも入ることができます」

 

朱乃先輩はまるで俺の考えを読んでいるかのように教えてくれた。そして無事神社の本殿に着いた。

 

「彼らが赤龍帝と蒼槍の氷魔術師ですか?」

 

第三者の声に気づき、そちらに振り向くとそこには豪華なローブに身を包み頭部に金色の輪っかが漂っている青年がいた。

 

輪っかがあるということは.....この人は....

 

「初めまして赤龍帝、兵藤一誠くん、蒼槍の氷魔術師、駿河 彰くん。私はミカエル。天使の長をしております。」

 

そして天使長の背中から十二枚の翼が出現した。

 

 

 

 

 

 

「お茶ですわ」

 

「ありがとうございます」

 

天使長と会ってお互いに挨拶をすると天使長はイッセーに渡したいものあるということで俺と別れ今俺は朱乃先輩が入れてくれた茶を飲んでいる。

 

「天使長さまがイッセーに渡したいものってなんだったんですか?」

 

朱乃先輩に訊いてみたら各陣営の術式を施してある悪魔でも使える龍殺しの聖剣アスカロンを悪魔側のイッセーが貰うらしい。

 

悪魔も天使も和平を望んでいるんだな。多分堕天使もそうだろうな.....少なくとも総督はそんな感じがしたしな。

 

俺は茶を飲み終わりずっと訊きたかったことを訊くことにした。

 

「朱乃先輩、一つ訊いてもいいですか?」

 

「ええ、もちろんですわ」

 

「コカビエルの言っていたバラキエルの力を宿す者って・・・もしかして堕天使の幹部の・・・」

 

俺の問いに朱乃先輩は表情を曇らせる。

 

「・・・そうよ。もともと私は堕天使の幹部バラキエルと人間との間で生まれた者です」

 

やっぱり、そうなんだ。

 

「母は、この国のとある神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていた堕天使の幹部であるバラキエルを助け、そのときの縁で私を身に宿したと聞きます」

 

そう言うと朱乃先輩は背中から翼を広げる。いつもの悪魔の翼ではなく悪魔と堕天使の翼、両翼違った翼だった。

 

「汚れた翼・・・。悪魔と翼と堕天使の翼、私はその両方を持っています」

 

朱乃先輩は堕天使の翼の羽を憎々しげに手に持っていた。

 

「この羽が嫌で、私はリアスと出会い、悪魔となったの。でも、生まれたのは堕天使と悪魔の羽、両方を持ったおぞましい生き物。ふふふ、汚れた血を身に宿す私にはお似合いかもしれません」

 

自嘲する朱乃先輩。

 

「・・・それを知ってショウくんはどう感じます。堕天使は嫌いよね?あなたの親友であるイッセーくんを殺そうとし、この町を破壊しようとした堕天使にいい思いを持つはずが・・・」

 

俺は朱乃先輩が最後まで言う前に朱乃先輩を抱きしめた。

 

「汚れたとかおぞましい生き物なんて言わないでください。朱乃先輩はどこも汚れていないし、おぞましい生き物でもありません」

 

「・・・だって、私は堕天使の血を引いているのよ?汚れていないわけがない」

 

「そんなもん関係ありません。朱乃先輩は朱乃先輩でしょう。俺の知っている朱乃先輩はいつも笑顔で優しくて少しエロくてSなのが俺の知っている朱乃先輩です。そして俺を助け支えてくれたのも朱乃先輩です。そんなあなたがそんなこと言わないでください」

 

俺は朱乃先輩を抱きしめながら言った。

 

「今度は俺の番です。朱乃先輩が俺を助けてくれたように今度は俺が朱乃先輩を助けます。朱乃先輩が自分の事を汚れたと言うなら俺はそれを否定します。何度でも、何十回でも否定します。もし、朱乃先輩の事を悪く言う奴がいれば俺がそいつを叩き潰します。俺が何度でもあなたを救います。だからそんなこと言わないでください」

 

俺がそう言うと朱乃先輩の目から涙が溢れていて俺を強く抱きしめてきた。

 

「・・・・殺し文句、言われちゃいましたわね。・・・・そんなこと言われたら・・・・本当の本当に本気になっちゃうじゃないの・・・」

 

そう俺の耳元で言うと朱乃先輩は俺を押し倒してきた。

 

「・・・・本当に、こんな私を助けてくれるの?」

 

「何度でも助けます。だから泣かないでください。俺はいつもの笑っている朱乃先輩が好きなんですからずっと笑顔でいてください」

 

俺は笑ってそう言うと朱乃先輩更に強く抱きしめてきて、しばらく無言が続き....

 

「・・・・・・」

 

「朱乃先輩?どう、んっ!?」

 

突然朱乃先輩が唇を重ねてきて舌を絡ませる。

 

「ん・・・ちゅ・・・はむ・・・・・ちゅ・・・朱乃って呼んで・・・ん」

 

「あ、朱乃・・・んっ・・・んんっ!」

 

ああ、なんだろう....脈が速く感じる.....それにすごく心地いい....

 

俺は両腕を朱乃の後ろに回しもっと味わえるかのように強く抱きしめた。

 

「・・・ん・・・んんっ!・・・ん」

 

朱乃はそれに応じるかのように更に激しくキスをしてくる。俺も同じように更に激しくキスを続けた。

 

もっと、もっとほしい....もっと感じたい....もっと味わいたい...

 

そして俺は片方の手で朱乃を抱きしめてもう片方の手を朱乃の巫女装束の中に手を入れようとした瞬間俺は突然凛のことを思いだして咄嗟に朱乃先輩の肩を掴み離れた。

 

「・・・・すみません」

 

俺は朱乃先輩に謝った。そしてすぐ自己嫌悪した。

 

俺はどこまで女々しいんだ。こんな時にまで凛のことを思い出すなんて....

 

「・・・・・凛って子を思い出したのですか?」

 

朱乃先輩の問いに俺は首を縦に振る。

 

なんて情けねぇんだ.....せっかく朱乃先輩が前を向いてくれたというのに俺はまだ....こんなんじゃ朱乃先輩のこと言えねぇじゃねぇか.....

 

俺は激しく自己嫌悪していると朱乃先輩はそんな俺にキスしてきた。さっきとは違う軽いキスを....俺は顔を上げると朱乃先輩は微笑みながら言ってきた。

 

「あなたが凛って子を思い出すのは悪くありませんわ。それだけ彼女のことを想っているのでしょう?だからそんなに自分を責めないでください。私は待っていますから、ずっと、ずっと待っていますから」

 

俺は朱乃先p・・・朱乃の優しさに涙が出てきた。そして俺はもう一度朱乃を抱きしめ

 

「朱乃・・・好きだ・・・・今はまだ凛のことが忘れられないけど・・・いつかきっと・・・」

 

いつかきっとお前を愛してみせる。

 

そして俺と朱乃は唇を重ねてキスをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今日三大勢力の会談の日がやってきた。

 

「さて、行くわよ」

 

部室に集まるオカルト研究部。部長さんの言葉に皆頷いた。

 

『ぶ、部長!み、皆さぁぁぁぁぁぁぁん!』

 

「ギャスパー、今日の会談は大事なものだから、時間停止の神器を使いこなしていないあなたは参加できないのよ」

 

そう、ギャスパーはまだ神器をコントロールできていない。まあ短時間でできるとは思ってはいなかったけど今日は大事な会談。邪魔したら大変なことになる。

 

「ギャスパー、今日は大事な会談なんだ。我慢してくれ」

 

「ギャスパー、おとなしくしていろよ?」

 

「は、はい、ショウ先輩、イッセー先輩・・・」

 

「部室にイッセーが置いたゲーム機や俺の漫画でも読んでお菓子でも食べながら待っていてくれ」

 

「は、はいぃぃぃ!」

 

うん、いい返事だ。そして俺たちは部室を出た。

 

コンコンと部長さんはノックする。

 

「失礼します」

 

部長さんが扉を開くとそこには各勢力のトップがいた。

 

悪魔側、サーゼクスさん、レヴィアタンさま。そして給仕係としてグレイフィアさんがいる。

 

天使側、天使長のミカエルさま、真っ白い翼の天使の女性

 

堕天使側、総督のアザゼルと白龍皇のヴァーリ

 

「私の妹と、その眷属だ」

 

サーゼクスさんが他の陣営のお偉いさんに部長さんと俺たちを紹介した。

 

「そこに座りなさい」

 

サーゼクスさんの指示を受け俺たちは壁側の席に座る。

 

「全員そろったところで、会談の前提条件をひとつ。ここにいる者たちは、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している」

 

そして三大勢力の会談が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

会談は順調に進んでいる。

 

「というように我々天使は」

 

あーーーー眠い。そして暇だ。

 

俺は正直どの勢力も戦争がしたくないならさっさと和平しろ。と思っている。空気を読んで言わないが、俺達ここに必要なのか?とも考えている。今のところお偉いさんしか話してないからと思っているとサーゼクスさんが部長さんに先日の事件についての報告をするように言われ部長さん事件の概要を話した。

 

「以上が、私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

そして報告が終わった。お疲れ様です、部長さん。

 

「さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

そして全員の視線が総督に集中する。総督は不敵な笑みを浮かべて話始めた。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督の俺に黙って、単独で起こしたものだ。奴の処理は『白龍皇(はくりゅうこう)』がおこなった。その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層(コキュートス)』で永久凍結の刑だ。もう出てこられねぇよ。その辺りの説明はこの間転送した資料にすべて書いてあっただろう?それが全部だ」

 

天使長は嘆息しながら言う。

 

「説明としては最低の部類ですがあなた個人が我々と大きな事を起こしたくないという話は知っています。それに関しては本当なのでしょう?」

 

「ああ、俺は戦争に興味なんてない。コカビエルも俺のことをこきおろしていたと、そちらの報告でもあったじゃないか」

 

.....やっぱり総督は戦争に興味がないんだな....これならなんとか和平が結べそうだな。

 

「アザゼル、ひとつ訊きたいのだが、どうしてここ数十年神器の所有者をかき集めている?最初は人間たちを集めて戦力増加を図っているかと思っていた。天界か我々に戦争をけしかけるのではないかとも予想していたのだが・・・・」

 

「そう、いつまで経ってもあなたは戦争をしかけてこなかった。『白い龍(バニシング・ドラゴン)』を手に入れたと聞いたときには、強い警戒心を抱いたものです」

 

総督はそれを聞き苦笑する。

 

「神器研究のためさ。なんなら、一部研究資料もおまえたちに送ろうか?って研究していたとしても、それで戦争なんざしかけねぇよ。戦に今更興味なんてないからな。俺はいまの世界に十分満足している。部下に『人間界の政治にまで手を出すな』と強く言い渡しているぐらいだぜ?宗教にも介入するつもりはねぇし、悪魔の業界にも影響及ぼせるつもりもねぇ。たく、俺の信用は三すくみのなかでも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「その通りね☆」

 

天使長と魔王さまは意見が一致した。信用ないな....総督は....

 

「チッ。神や先代ルシファーよりもマシかと思ったが、おまえらもおまえらで面倒くさい奴らだ。こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか。あー、わかったよ。なら、和平を結ぼうぜ。もともとそのつもりもあったんだろう?天使も悪魔もよ?」

 

よし、堕天使も悪魔も天使も和平を望んでいることがわかった。これならもう和平は結ばれたも同然。

 

「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。このままこれ以上三すくみの関係を続けていても、いまの世界の害となる。天使の長である私が言うのも何ですが戦争の大本である神と魔王は消滅したのですから」

 

天使長の言葉を聞き総督は噴出して笑う。

 

「ハっ!あの堅物のミカエルさまが言うようになったね。あれほど神、神、神さまだったのにな」

 

「・・・・失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間たちを導くのが、我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事なことだと私たちセラフのメンバーの意見も一致しています」

 

「おいおい、いまの発言『堕ちる』ぜ?と思ったが『システム』はおまえが受け継いだんだったな。いい世界になったものだ。俺らが『堕ちた』頃とはまるで違う」

 

サーゼクスさんも同意見を出す。

 

「我らも同じだ。魔王がいなくても種を続存するため、悪魔の先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない。次の戦争をすれば、悪魔は滅ぶ」

 

「そう。次の戦争をすれば、三すくみは今度こそ共倒れだ。そして、人間界にも影響を大きく及ぼし、世界は終わる。俺らは戦争をもう起こせない」

 

さっきまでふざけた調子だった総督も一転して真剣な面持ちとなる。

 

「おい、蒼槍。お前はどう思っているんだ?」

 

総督がいきなり俺に問いかけてきた。

 

「何がです?堕天使の総督さま」

 

「神がいなくてもいいのかって訊いてんだ」

 

ああ、そんなことか...

 

「正直俺は神がいないほうがすっきりしましたけど、その方が下手な希望も持たなくて済みますし」

 

そう言うと天使長は少し頬引きつっていた。まあ神様の部下だし引きつるか。でも遠慮はしませんよ。

 

「それに神がいなくても今世界は回っていますしね。いてもいなくてもたいして変わらないでしょう」

 

「ブハハハッ!天使長の前でそこまで言うなんてな!やっぱおもしろいなお前は」

 

俺の言葉に総督は笑い、天使長はなんとも言えなさそうな顔をしていた。

 

「俺からも一ついいですか?今ここにいる三大勢力のトップに訊きたいことがあります」

 

「なんだ?」

 

「ルルナという水神を知っていますか?」

 

知りたかった。本当にルルナの存在がなくなっていることを....

 

「いや、俺は知らねぇ。サーゼクスお前は?」

 

「いや、私も聞いたこともない」

 

「私も同じです」

 

やっぱりそうか....

 

「その水神がどうかしたのかい?」

 

サーゼクスさんが訊いてくるが俺は「・・・いいえ」と返し自分の席に戻った。

 

「さて、そろそろ俺たち以外に、世界に影響を及ぼしそうな奴らへ意見を訊こうか。無敵のドラゴンさまにな。まずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」

 

「俺は強い奴と戦えればいい」

 

戦闘狂かこいつは.....

 

「じゃあ、赤龍帝、おまえはどうだ?」

 

イッセーは俺の想像どおり部長さんとエロいことをするために和平を選んだ。単純脳だからな....

 

「一応訊くか、お前は蒼槍?」

 

総督は俺にまで振ってきた。ていうかこの総督何かあることに俺に訊いてくるな。

 

「俺は仲間を守り、大切な人を守り、神器で人生を狂わされた人達を救う。それが俺の立てた誓いです。この世界をどうにかしようとは思ってませんよ」

 

そう答えると総督は「・・・・そうか」と小さく言っていた。

 

その瞬間世界は停まった。

 

 

 

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