Sideショウ
「教えて下さい。何故あなたが存在を消されているはずのルルナのことを知っているんですか?」
神を超えている力を持ち他の神たちから恐れられ存在を消され神器に封印されたはずルルナをオーディンさまは知っていた。それを訊いてみるとオーディンさまは
「確かにルルナは存在を消されておるが、それはルルナの力を恐れいた一部の神族のみじゃ。一応他の神族もルルナの存在の口出しは禁止されているが本人なら平気じゃろう。のうルルナ?」
『お久しぶりです。オーディン』
神器が勝手に発動しそこからルルナの声が発せられた。
「ルルナ、お前このままでも話せたんだな」
『今まで話すことがなかったからね。これからはちょくちょく話すわ』
そういえばイッセーもよくドライグと話してたな。この状態でも話せれたんだな。
ルルナは深刻そうな声でオーディンさまに言った。
『オーディン、お願い。彼に私のことは話さないであげて。いつか全部私が話すから』
一瞬、なんでだよ!?と言いそうになったがルルナはルルナで考えがあるんだろうと思い思いとどまった
オーディンさまはひげを撫でながら
「よいのか?お主の宿主は知りたがっとるみたいじゃが」
『いいの、まだ話す時期じゃないから。ショウもお願い』
「・・・・・わかった。ルルナから話してくれるまで待ってるよ。でも、これだけは訊かせてくれ」
俺はオーディンさまに視線を向け
「どうしてルルナを神器に封印したかわかりますか?」
オーディンさまに訊いたとしても無駄かもしれないがどうしても訊きたかった。そのせいでルルナはたくさんの悲しい想いを見てきたのだから。
「それは儂にもわからん。死んだ神にでも聞かんとな」
「そうですか。ありがとうございました」
やっぱり意味はなかった。俺はオーディンさまに礼を言い俺は部長さんのところへ戻ることにした。
......結局何もわからなかったな。
Sideout
Sideリアス
ショウがオーディンさまと話が終えこちらに戻ってきた。
「ショウ、いったい何を話してたの?」
と訊いてみるがショウは「なんでもありませんよ」といつもの笑みで言ってきたが私はその言葉にどこか寂しさを感じた。ショウ私たちに心配かけさせないようにする優しさはわかる。でも、あなたは私の眷属で仲間なのよ。どうしてなにも話してくれないの?
「それより早く皆のところへ行きましょう。皆にゲーム参加できなかったことを謝らなければいけませんしどこにいるかわかりますか?」
ショウは皆のところに行こうと場所を訊いてくるが私はショウの腕を掴んだ。
「あ、あの、部長さん?」
ショウは突然自分の腕を掴まれたことに驚いているが私は気にせず
「・・・・・イッセー、さきに皆のところへ戻っててちょうだい。私はちょっとショウに訊きたいことがあるから」
「・・・・は、はい」
「ショウ、ちょっと来て」
私はショウを連れて人目の少ない所に着くと
「ショウ、あなたに訊きたいことがあるの」
「何ですか?突然こんなところまで連れてきてまで話って」
私は写真をショウに渡し見せ
「ショウ、これはどういうこと?」
ショウに渡した写真は前にアザゼルから見せてもらったショウの傷だらけの写真。
「ああ、なんか体が痛くないと思ったらアーシアさんが治してくれたんですか?あとこれ撮ったの総督ですか?悪趣味だな。いや、総督だから仕方ないのか?」
写真を見てもショウはいつもの調子だったが、私はそれに苛立ちを感じた。
「ショウ!答えて頂戴!どうして教えてくれなかったの!?」
思わず声を上げて言ってしまったがショウは変わらず言ってきた。
「あんまり心配かけたくなかったんですよ。それにこれは殆ど古傷だったんで別に問題はありませんでしたから」
「・・・・ショウ、あなたの過去にいったい何があったの?」
私がそう訊くとショウは一瞬悲しげな表情をした。
「守っていた人を守れなかっただけですよ」
ショウはそれだけを言い去ろうとした。
「ショウ!待ちなさい!どういう意味か説明しなさい!」
「部長さん、あなたはいい人だ」
去ろうとしていたショウを止めようとしたがショウは突然立ち止まりそう言ってきて
「あなたは優しくていい人だ。泣いている人がいればあなたは優しく抱きしめ慰めてくれる。それに救われた人もいるだろう。俺はそんなあなたの眷属になれて良かったと思ってる。でも」
ショウはこちらに振り返り真剣な表情で言った。
「あなたは傷ついたことがない。それはいいことだが傷ついた人の本当の気持ちはわからない。傷ついた人の気持ちは傷ついた人しかわからない。覚えておいてください」
そう言ってショウは立ち去った。
傷ついた人の気持ちは傷ついた人しかわからない......。ショウ、私じゃあなたの気持ちは理解できないということなの?
Sideout
Sideショウ
俺は今人間界に戻る列車に乗っている。あれから部長さんとは話していない。イッセーは部長さんの側について励ましている。
すみません、部長さん......。
俺は心の中で部長さんに謝っていると小猫ちゃんは俺の膝の上に座り
「にゃん」
と満面の笑みで俺の膝の上をくつろいでいた。俺はそんな小猫ちゃんの頭を撫でながら人間側の地下ホームに着くと
「アーシア・アルジェント・・・・。やっと会えた」
「あ、あの・・・」
「おいおいおい!アーシアに何の用だ!」
困惑しているアーシアさんと優男の間にイッセーが入っていった。ていうかあいつ前にパーティにいた.....確かディオドラ・アスタロトか。アスタロトは胸の傷をアーシアさんに見せるとアーシアさんは目を見開いていた。
「その傷は、もしかして・・・・」
「そう、あのときは顔を見せられなかったけれど、僕はあのときの悪魔だ」
アーシアさんはその一言で言葉を失った。どうやらアーシアさんが前に偶然助けた悪魔がアスタロトだったらしくアスタロトはアーシアさんの手にキスをし
「アーシア、僕はキミを迎えにきた。会合のとき、あいさつできなくてゴメン。でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。僕の妻になって欲しい。僕はキミを愛しているんだ」
突然の求婚。これからいったいどうなるんだろうな.......。
新学期が始まり始業式が終えるとイッセーは深刻そうな顔で相談してきた。
「ハァ、アーシアさんとアスタロトが結婚する夢を見た?お前どんだけ心配してんだよ」
俺はあきれながらイッセーの相談をしているとイッセーは
「だってよぉぉ、皆イケメンでお金持ちなら安心とか言ってたんだもん。お兄さんは認めない!って言ってもアーシアは遠くに行っちまうし・・・」
「おまえはアーシアさんの兄じゃないだろう。まあ、気持ちはわからんでもないけど・・・」
確かにアーシアさんと一緒に暮らしているイッセーにとっては妹に思えるだろうな。まあ、でも
「心配すんな。アーシアさんは嫁に行ったりしねぇよ。いつもどおりにしてやれ」
アーシアさんはイッセーが好きなんだから、気にすることなんかねぇのにな。
そして先生が教室に入ってきて
「えー、このような時期に珍しいかもしれんが、このクラスに新たな仲間が増えます。じゃあ、入ってきて」
先生の声に促され入室してきたのは
「紫藤イリナです。皆さん、どうぞよろしくお願いします!」
エクスカリバー強奪事件のときの栗毛だった。
そして休み時間栗毛を連れて人気のない場所に移動し
「おひさ~、イッセーくん、それにゼノヴィアも!」
ガバッとゼノヴィアに抱きつく栗毛。
「ゼノヴィア!元気そうで良かった!立場上複雑だけど、素直にうれしいわ!」
「ああ、久しぶりだね。イリナ。元気そうで何よりだよ。イリナが胸に下げた十字架がチクチクと地味にダメージを私に与えてくるのは天罰だろうか・・・・」
ゼノヴィアがどうして栗毛がここに来たのかは放課後部室で話すことになった。
「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」
放課後の部室。皆栗毛を迎え入れた。そして何故か小猫ちゃんは俺の膝の上にいる。
「はい!皆さん!初めましての方もいらっしゃれば、再びお会いした方のほうが多いですね。紫藤イリナと申します!教会いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」
パチパチと皆が拍手を送っているなか総督が
「おまえさん、『聖書に記されし神』の死は知っているんだろう?」
「せ、先生ぇぇぇぇっ!いきなり、それはいかんでしょう!」
突っ込むイッセーだが総督は嘆息するだけだった。
「アホか。ここに来たということは、そういうのを込みで任務を受けてきたはずだ。いいか、この周辺の土地は三大勢力の協力圏内のなかでも最大級に重要視されている場所のひとつだ。ここに関係者が来るということは、ある程度の知識を持って足を踏み入れていることになる」
総督の言葉に栗毛が頷く。
「もちろんです。堕天使の総督さま。安心して、イッセーくん、私は主の消滅をすでに認識しているの」
「ふ~ん、意外だな。あれだけ神がどうとかと言っていた奴が顔色変えずにここにくるとはな」
「・・・・先輩」
少し嫌味っぽく言ったのを小猫ちゃんに注意されたが栗毛は両目から大量の涙を流れテーブルに突っ伏し叫んだ。
「ショックに決まっているじゃなぁぁぁい!心の支え!世界の中心!あらゆるものの父が死んでいたのよぉぉぉぉっ!?すべてを信じていままで歩いてきた私なものだから、それはそれは大ショックでミカエルさまから真実を知らされたとき、あまりの衝撃で七日七晩寝込んでしまったわぁぁぁっ!あああああああ、主よ!」
言いすぎたか?まあ、いっか。アーシアさんとゼノヴィアがフォローしているみたいだし、小猫ちゃんでも愛でておこう。
俺は小猫ちゃん愛でていてそのあとの話はほとんど聞いていなかったが、部活が終わった後の朱乃が恐かった、ていうか、痛かった。
それから数日の放課後
これから総督の解説と一緒に若手悪魔のレーティングゲームのビデオを見る。総督が巨大モニターの前で立って言う。
「おまえら以外にも若手たちはゲームをした。大王バアル家と魔王アスモデウスのグラシャラボラス家、大公アガレス家と魔王ベルゼブブのアスタロト家、それぞれがおまえらの対決後に試合をした。それを記録した映像だ。ライバルの試合だから、よーく見ておくようにな」
『はい』
総督の言葉に皆は真剣に頷く。
「まずはサイラオーグ、バアル家とグラシャラボラス家の試合よ」
サイラオーグさんとあのクソヤンキーの試合か、ヤンキー負けるだろう。俺にも負けたんだから。
サイラオーグさんとヤンキーの試合を見て感じたのは圧倒的なまでの力だった。
お互いの眷属の戦いも凄かったが一番は『
「・・・・狂児と呼ばれ、忌み嫌われたグラシャラボラスの新しい次期当主候補がまるで相手になっていない。ここまでのものか、サイラオーグ・バアル」
木場はあまりの光景に目を細めていた。サイラオーグさんはスピードもある正直俺は目では何が起こったのかよくわからなかった。俺は神器の力で動きは封じれるがその前に攻撃されたら致命傷だな。
それから総督が用意してくれた立体映像のグラフを見ると部長さんはウィザードが一番伸びていてテクニックとサポートが平均よりも上でサイラオーグさんはサポートとウィザードは低いがパワーが極端に伸びていた。そしてよく見ると端に
「あの総督、なんで俺のがあるんですか?」
何故か俺のまであった。
「ああ、お前はどんなタイプか教えていなかったからな。ついでだ」
ああ、そういえばゲームの最後のミーティング俺寝てたもんな。ついででもありがたい。
えぇと俺は『
ということは俺はウィザードとテクニックタイプということか。
「やっぱり天才なんスかね、サイラオーグさんも」
自分のタイプを分析しているとイッセーがそう言ったが総督は首を横に振った。
「いや、サイラオーグはバアル家始まって以来の才能が無かった純潔の悪魔だ。バアル家に伝わる特色のひとつ、滅びの力を得られなかった。滅びの力を強く手に入れたのは従兄弟のグレモリー兄妹だったのさ」
サイラオーグさんは他の悪魔と違う凄まじいまでの修業をつんで若手最強になったのか。そうとうな努力をしたんだな。そしてそれ以上に辛い思いをしたんだろうな。
映像が終わりしんと静まりかえる室内で総督は言う。
「先に言っておくがおまえら、ディオドラと戦ったら、その次はサイラオーグだぞ」
「マジっスか!」
イッセーはびっくりしながら聞くが、総督は頷く。どうやらヤンキーはサイラオーグさんとの戦いで心が折れたらしい。相手の精神までも断つ気迫ということか。
「まずは目先の試合ね。今度戦うアスタロトの映像も研究のためにこのあと見るわよ。対戦相手の大公家の次期当主シーグヴァイラ・アガレスを倒したって話だもの」
「大公が負けた」
イッセーは驚きの声を上げるが俺も内心驚いている。あいつそんなに強いのか.....。
その記録映像を見ようとすると部室の片隅で転移用魔方陣が展開され現れたのは。
「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。アーシアに会いにきました」
アスタロトだった。
部室のテーブルに部長さんとアスタロト、総督が座っていた。俺たち眷属は片隅で状況を見守っていた。
「リアスさん。単刀直入に言います。『
トレード?聞き覚えのない言葉に小猫ちゃんに教えてもらうとどうやら眷属を交換できるレーティングゲームのシステムらしい。
「いやん!僕のことですか!?」
そんなことを言うギャスパーをイッセーははたき
「なわけないだろう」
とつっこんだ。ギャスパーもたくましくなったな。いつもなら絶叫はあげているのに。
「僕が望むリアスさんの眷属は『
おいおい、求婚した相手にそれはひどくないか。それを自分の下僕にするなんて。
「こちらが用意するのは」
カタログらしきものを出そうとしたとき部長さんが間髪入れず言う。
「だと思ったわ。けれど、ごめんなさい。その下僕カタログみたいなものを見る前に言っておいたほうがいいと思ったから先に言うわ。私はトレードをする気はないの。それはあなたの『
うんうん、部長さんは良いことを言う。俺、感動しましたよ。部長さんの下僕愛に。
「それは能力?それとも彼女自身が魅力だから?」
しかし、アスタロトは淡々と訊いてくる。
「両方よ。私は、彼女を妹のように思っているわ」
「部長さんっ!」
アーシアさんは感動のあまり瞳を潤ませている。
「一緒に生活している仲だもの。情が深くなって、手放したくないって理由はダメなのかしら?私は十分だと思うのだけど。それに求婚した女性をトレードで手に入れようというのもどうなのかしらね。そういう風に私を介してアーシアを手に入れようとするのは解せないわ、ディオドラ。あなた、求婚の意味を理解しているのかしら?」
部長さんも笑顔だがキレているのはよくわかる。アスタロトはそれでも笑みを浮かべたまま。
「わかりました。今日はこれで帰ります。けれど、僕は諦めません」
アスタロトは立ち上がりアーシアさんのところへ
「アーシア。僕はキミを愛しているよ。だいじょうぶ、運命は僕たちを裏切らない。この世のすべてが僕たちの間を否定しても僕は乗り越えてみせるよ」
そう言ってアーシアさんの手の甲にキスをしようとするがイッセーがアスタロトの肩を掴んで制止させた。アスタロトは爽やか笑みを浮かべながら言う。
「放してくれないかな?薄汚いドラゴンくんに触れられるのはちょっとね」
俺はそのときアスタロトの本性を見たとき感じた。こいつは凛のときのヤクザと同じ、いや、それ以上の欲望の満ちた目をしていた。俺は思わず神器を発動しようとするが
パチッ
アーシアさんがアスタロトの頬にビンタした。アーシアさんはイッセーに抱き着き叫んだ。
「そんなこと言わないでください!」
アスタロトはそれでも笑みを崩さなかった。
「なるほど。わかったよ。では、こうしようかな。次のゲーム、僕は赤龍帝の兵藤一誠を倒そう。そうしたら、アーシアは僕の愛に答えて欲し」
「おまえに負けるわけねぇだろッ」
「赤龍帝、兵藤一誠。次のゲームで僕はキミを倒すよ」
「ディオドラ・アスタロト、おまえが薄汚いって言ったドラゴンの力、存分に見せてやるさっ!」
睨み合うイッセーとアスタロト。そのとき総督の携帯が鳴り総督は俺たちに告げる。
「リアス、ディオドラ、ちょうどいい。次のゲームの日取りが決まったぞ。五日後だ」
それを聞きアスタロトが帰ろうとしたとき俺はそいつだけに聞こえるように言った。
「てめぇの正体はわかった。ゲームでは覚悟しておけ」
アスタロトは何も言わずに転移用魔方陣で帰って行った。
Sideout