水態の神器使い   作:ユキシア

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私の幸せ

Sideイッセー

 

再びショウと一緒に行動ができるようになり、俺ん家に移動しているときヴァーリチームが現れた。全員戦闘態勢になるが、ヴァーリが俺たちと一緒にロキと倒すと言ってきた。そしてその翌日、兵藤家の地下一階の大広間に皆集まっていた。

 

俺の家に俺たちグレモリー眷属+イリナ、アザゼル先生、バラキエルさん、シトリー眷属、ヴァーリチームそして、ショウとその隣にいるフィルナという美少女という異様な面々だった。

 

「まず、ショウ。おまえに訊きたい。二人でロキに勝てる勝率はどれぐらいだ?」

 

ホワイトボートの前に立った先生がショウに訊いた。それは、俺も知りたい。いくらショウが強くても神相手に勝てるとは思えないし、フィルナって子もどれぐらいの強いのかわからないしな。

 

ショウが答えようと口を開こうとしたがフィルナがショウの前に立ち。

 

「だいたいの確率でいいのでしたら、3~4割ぐらいです。堕天使の総督さま」

 

フィルナがショウの代わりに答えた。3~4割!半分以下じゃねぇか!?

 

「たった二人にしては思っていたより高確率だな。何か秘策でもあるのか?」

 

先生がそう言うとまた、フィルナが答えた。

 

「申し訳ありませんがそれはお答えできません」

 

フィルナは頭を軽く下げ丁重に断った。先生もそれ以上は聞かなかった。

 

「じゃあ次に。ヴァーリ、俺たちと協力する理由は?」

 

ヴァーリは不敵に笑むと口を開く。

 

「ロキとフェンリルと戦ってみたいだけだ。美猴たちも了承済みだ。この理由では不服か?」

 

それを聞いて先生は怪訝そうに眉根を寄せる。

 

「まあ、不服だな。だが、戦力としては欲しいのは確かだ。いまは英雄派のテロの影響で各勢力ともこちらに戦力を割けない状況だ。英雄派の行動とおまえの行動が繋がっているって見方もあるが・・・おまえの性格上、英雄派と行動を共にするわけないか」

 

「ああ、彼らとは基本的にお互い干渉しないことになっている。俺はそちらと組まなくてもロキとフェンリルと戦うつもりだ。組まない場合は、そちらを巻き込んででも戦闘に介入する」

 

「今の発言を無視するわけにはいきませんね。悪神ロキとフェンリルは私とショウで倒します。あなたはせめて後方待機をしてください」

 

フィルナは目線を鋭くしヴァーリを睨むがヴァーリは口の端を吊り上げ笑う。

 

「悪いがそれはできない。俺は早くロキとフェンリルと戦いたいんだ。待機なんて待ってられない」

 

「・・・・じゃあ、今、動けないようにしてあげますよ」

 

フィルナは魔方陣を展開した。おいおい!俺ん家で暴れないでくれよ!?ヴァーリも嬉しそうに笑って神器を発動するなよ!

 

一触即発の二人をショウが間に入った。

 

「フィル、ダメだ。今ここで戦っても意味がない。白龍皇も神器を解け」

 

ショウの言うとおりフィルナは魔方陣を解除し、ヴァーリも神器を解いた。

 

「白龍皇。お前が戦いたいのはわかった。だからこうしよう。とりあえず俺たちが戦い、時間が来たり俺たちの気配がなくなったら、あとはおまえの好きにしろ。それでも納得できないのら」

 

ショウは神器を素早く禁手し、槍をヴァーリにむける。

 

「俺が相手になる。ロキとまともに戦いたいなら今言った条件を飲め」

 

そう言って睨み合うショウとヴァーリ。皆その二人をどうすればいいか困惑している。どうしたんだ、ショウ.....。どうしてそんなに、ロキと戦うことに拘っているんだ?

 

睨み合っているなか、ヴァーリが睨みを止めた。

 

「今ここで、駿河 彰とも戦ってみたいが、今はロキと戦いたい。わかった。その条件を飲もう」

 

それを聞きショウは神器を解き扉に向かって歩き出した。

 

「おい、ショウ。どこへ行くんだ?ロキの対策はこれから話し合うんだぞ」

 

「・・・・・フィル、頼む」

 

「わかりました。総督さま。私が残りますのでショウのことは気にしないでください」

 

先生がショウを呼び止めるがショウはフィルナに頼んでこの場から去ろうとした。

 

「・・・・・ショウ」

 

扉の近くで朱乃さんがショウを呼び、ショウの近くに行こうとするが

 

「来るなっ!」

 

ショウが突然大声で朱乃さんが行くのを拒んだ。ショウは自分が言ったことに気づき

 

「・・・・ごめん・・・」

 

それだけを言い残し大広間から出ていった。

 

「ショウ・・・どうして・・・」

 

朱乃さんはショックを受け目から涙を流した。部長はそれを見て。

 

「イッセー、朱乃を部屋まで連れてってあげて」

 

「・・・・わかりました」

 

部長の言うとうり、俺は朱乃さんを連れて大広間を出た。俺は泣いている朱乃さんを慰める言葉も出てこなかった。

 

俺は朱乃さんを連れて今、朱乃さんが使っている部屋に向かって階段を上がっていると

 

「駿河 彰。少しいいか?」

 

バラキエルさんの声が聞こえ、そちらに足を運び見てみるとショウとバラキエルさんがいた。俺と朱乃さんは二人の様子を窺う。

 

「なんでしょうか?バラキエルさん」

 

ショウはいつものようにバラキエルさんに訊くと

 

「アザゼルからキミのことは聞いた。朱乃を・・・娘を殺そうとしたは本当か?」

 

それを聞いたショウは

 

「・・・・はい。俺はこの手で仲間を・・・朱乃を殺そうとしました」

 

正直に答えた。俺はその時の記憶がないが、皆からショウは力が暴走し、皆を殺そうとしたらしい。

 

「そうか・・・。すまなかった。辛いことを思い出させて」

 

バラキエルさんはそれだけをいいショウから去ろうとするが

 

「何も言わないのですか?俺はあなたの娘さんを殺そうとしたのですよ。俺は皆やあなたになら殺される覚悟は出来てます。どうして何も言わないのですか?」

 

「キミと私は似ている。一つ問うがキミは朱乃から私のことは聞いているか?」

 

「・・・・はい」

 

バラキエルさんの過去は俺も朱乃さんから聞いた。父親が堕天使のせいで朱乃さんのお母さんは殺されたって。

 

「私も自分が堕天使という存在のせいで朱璃を・・・・妻を殺され、朱乃にも怖い目に合わせてしまった。そんな私がキミを責めることはできない」

 

自分のせいで幼馴染を守れず死なしてしまったショウ。

 

自分が堕天使のせいで奥さんを殺されたバラキエルさん。

 

確かに二人の境遇は似ている。だから、バラキエルさんは何も言わないのか。

 

「バラキエルさん。朱乃は・・・あなたの娘は本当はあなたを憎んでなんかいません。朱乃はそうしないと自分が保てなかったんだと思います。俺はもう朱乃の傍にいることはできません。勝手なことかもしれませんが、どうか娘さんと話をしてください」

 

「・・・・すまない」

 

バラキエルさんはそれだけを言い消えた。

 

朱乃さんは今の話を聞き息を殺しながら更に涙を流していた。

 

ショウ.....お前は今でも朱乃さんのことを......。

 

俺は今ならショウと話せると思い行こうとするが、

 

「ショウ。悪神ロキの対策の話は今日の分は終わりました」

 

俺より先にショウのところに現れたのはフィルナだった。

 

「ああ、わかった。悪いな。まかせて」

 

ショウがそう言うがフィルナは首を横に振った。

 

「いいえ、それより私はこれからリアス・グレモリーさまと少し話があるみたいなので先に戻っててください」

 

「わかった。戻ったら聞かせてくれ」

 

そう言いフィルナの転移用魔法でショウはどこかにジャンプした。そしてフィルナはこっちを見て

 

「出て来てください。兵藤一誠さま、姫島朱乃さま。話したいことがあります」

 

俺たちは呼ばれそしてフィルナの前に姿を現した。

 

「なんだよ。話したい事って」

 

俺が訊くとフィルナは言ってきた。

 

「ショウのことについてあなた方はどこまで知っていますか?」

 

「・・・・ショウの過去は前に仲間から聞いた。そういうあんたはショウのなんなんだ?」

 

「・・・・・そうですね。まずは私のことを教えましょう。その代わり後であなた方にも答えていただきます。よろしいでしょうか?」

 

俺は頷いて答えた。

 

「わかりました。ではもう一度自己紹介からさせていただきます。私の名前はフィルナ・セフィード。魔法使いです。そしてショウと凛の小さい頃からの親友です」

 

頭を下げ自己紹介してくる。やっぱり魔法使いなのか。それからフィルナの口からショウとの出会いから別れまで教えてくれた。

 

「では次に、あな方のことについて教えて下さい。あ、お名前は知っていますのでいいです。私が訊きたいのはショウのことだけですので」

 

ショウのこと?するとフィルナは朱乃さんの方を見た。

 

「姫島朱乃さま、何辛そうな表情をしているのですか?今一番辛いのはショウなのですよ?そのことをわかっていますか?」

 

朱乃さんはフィルナの言葉に返す言葉もなく俯いた。フィルナはかまわず朱乃さんに言った。

 

「ショウからあなたのことは聞きました。ショウと付き合っているのですよね?」

 

フィルナの問いに朱乃さんは小さく頷いて答えるが、フィルナはあきれたかのように嘆息した。

 

「だったら何故あなたがそっちにいて、ショウの隣にいないのですか?本当に好きなら彼の隣で支えるべきではないんですか?」

 

「・・・・・・」

 

朱乃さんは答えられなかった。フィルナはそんな朱乃さんを見て目が鋭くなった。

 

「いいかげんショウに甘えようとするのはやめてください。今のショウはあなた方と話だけでも辛く感じるほど傷ついているんですよ。それを理解していますか?」

 

フィルナの言うとうりショウは俺たちと会ってから話そうともしなかった。それは、自分自身を守る為であり、フィルナもショウを守る為にショウの代わりに答えたのか。

 

「姫島朱乃さま。あなたの過去について調べさせてもらいました。父親であるバラキエルさまが堕天使のせいで自分の母親を殺され、自分の心が保たないからその怒りを父親にぶつけた。子供頃とはいえ、怒りを父親にぶつけ、今でもそれを憎んでいる。ずいぶんと自分勝手な人ですね」

 

「おい!そんな言い方しなくてもいいだろう!?朱乃さんだって辛いんだ!そっちだって朱乃さんのこと何も知らない癖に好き勝手言うんじゃねぇよ!」

 

俺は我慢できず思わず叫んでしまったが、フィルナの視線がこちらを向く。

 

「なら、あなたなら知っているのですか?姫島朱乃さまの過去を」

 

「そ・・・それは」

 

答えられなかった。確かに俺も朱乃さんの過去を知らない。フィルナは答えられない俺を無視して、また、朱乃さんのほうに視線を戻した。

 

「ハッキリ言います。ショウはあなた以上に苦しんでいますが、それを誰かにぶつけたりはしていません。それがショウとあなたと心の強さの差です」

 

そう言い放つと朱乃さんはまた俯いた。

 

「それから兵藤一誠さま」

 

フィルナは今度はこちらに視線を向ける。

 

「あなたもショウと同じ神器が暴走したと聞いています。なのに何故仲間と一緒にいられるのですか?また、力が暴走するかもしれない、今度は仲間を殺すかもしれないのに何故一緒にいられるのですか?」

 

確かに俺はアーシアが死んだと思って『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』になった。フィルナの言うとうり今度は仲間を殺すかもしれない。フィリナは答えられない俺を無視し話を続けた。

 

「リアス・グレモリーさまとその眷属の皆さまを見て優しい人たちというのはよくわかりました。ショウが皆さまを殺そうとしたとしても許していつもどうり接してくれるでしょう。でも、それじゃあダメなんです。ショウは凛を失い、仲間を自分の手で殺そうとしたショウにとって一番許せないのは自分自身なんです」

 

フィルナは真剣な表情で俺と朱乃さんに言った。

 

「ショウの親友である兵藤一誠さま。恋人である姫島朱乃さま。あなた方にショウを救うことができますか?守っていた人を自分のせいで死なしてしまい、今度は恋人を自分の手で殺そうとしてしまったショウを救えますか?ショウの心を癒せますか?」

 

「・・・・・わからねぇ、わからねぇよ!ショウがどんな想いをしているのか俺にはわかんねぇよ!でも、ショウが困っているなら助けたい!この気持ちは本当だ!」

 

俺は本心をフィルナに言った。俺だってショウの親友だ!俺もショウを助けたい!

 

「でしたら一つ言っておきます。今回、悪神ロキを倒す倒さない関係なく私とショウは二度とあなた方とは会いません。これが今回ショウが悪神ロキと戦う理由です」

 

俺と朱乃さんは目を見開き驚いたがフィルナは俺たちに構わずに続けて言う。

 

「倒したならショウは影となってあなた方を守ります。倒せれなかったら・・・・言わなくてもわかりますね。でも、ショウは私が守ります。あなた方が最悪のパターンを考えなくていいです。それでは、これで失礼します」

 

「ちょっと待ってくれ!」

 

フィルナは転移用魔方陣を展開しようとするが俺が止めた。

 

「・・・・・二つ聞かせてくれ」

 

「何でしょう?」

 

「どうしてロキを倒す必要があるんだ?」

 

「それは失った自信を取り戻す為です。今のショウは全てを失ったと思い込んでいるんです。それをなんとかするために悪神ロキを倒すことで自信を取り戻そうとしています」

 

「・・・・・二つ目、どうしてあんたもロキと戦うんだ?死ぬかもしれないのに・・・」

 

俺の問いにフィルナはハッキリと答えた。

 

「私はショウを心から信じています。ショウが戦うなら例え神さまでも一緒に戦います。私は彼を・・・ショウを救うことができませんが、支えることはできます。もうショウを一人にはさせません。それが私の覚悟であり、償いでもありますから」

 

そう言ってフィルナは転移用魔方陣でジャンプした。

 

俺はショウの事をあんなにも信じ抜いているフィルナを凄いと感じながら朱乃さんを部屋まで送った。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideフィルナ

 

私はお二人と話を終え、ショウのいる廃ビルへと戻った。

 

「おかえり、フィル」

 

私の帰りを待っていてくれたのはショウだった。

 

「イッセーたちと話が出来た?」

 

「やっぱり気づいていましたか・・・。はい、二人に悪神ロキとの戦いの後どうするかまで話してしまいました。ごめんなさい」

 

「いいよ。いずれ知ることになるんだから、それに前もって知った方が痛みを感じずに済むだろうし」

 

やっぱり、ショウは優しい。自分が一番辛いのに他の人のことを心配するのだから。

 

「・・・・・フィル、本当にいいのか?無理して俺に付き合う必要ないんだぞ。それに俺はお前まで守れなかったら」

 

私はショウの言葉を遮りショウを優しく抱きしめた。

 

「私は死にませんよ。そしてショウも死なせません。私は大好きなあなたとずっと一緒にいます。もうあなたを一人にはさせません」

 

私はあなたを支えます。大好きなあなたの傍にいることが私の幸せなのですから。

 

Sideout

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