Sideイッセー
俺はロキと戦いながらショウの様子を気にしているとショウと朱乃さんは立ち直った。
皆のおかげでショウは立ち直れたみたいだな。良かった.....。でも!後で一発殴らせろ!リア充!
俺は戦場で朱乃さんとキスしているショウに激しく嫉妬している。
もっと周り見ろよ!?戦場のド真ん中だぞ!?アーシアなんて顔真っ赤にしてるぞ!どんだけ二人のだけの世界に入ってんだよ!?
俺は心のなかでツッコンでいるとバラキエルさんと部長が嬉しそうだけど不機嫌そうなオーラを発してショウたちを見ていた。
「戦場で芽生える恋とはこのこと言うのだな」
ロキは戦いながら二人を見てうんうんとおもしろそうに頷いていたが、その後どこか憐れむような目でショウと朱乃さんを見て言った。
「しかし、運命とは残酷だな。これから起こる悲劇を彼らは知るのだから」
悲劇が起こる!?どういうことだ!?
俺がそんなことを考えているとロキは俺を見た。
「高速で動き回る白龍皇よりも、赤龍帝のほうが捉えやすいのは確かだ!倍増した力を譲渡されても面倒極まりない!そちらからぶっ殺しだッ!」
ロキの手がこちらを向く。
「無視はいただけないな」
ヴァーリが瞬時に動きロキの背後を捕えた.....と思ったとき。
バグンッ!
ヴァーリが横から現れたフェンリルの大きな口に食われた。
「ぐはっ!」
吐血するヴァーリ!あれは子のフェンリルじゃない!親のほうだ!
振り向けば子のフェンリルの口に鎖をくわえていた!
「ふははははははっ!まずは白龍皇を噛み砕いたぞ!」
哄笑するロキ!
「ヴァーリッ!この駄犬がッ!」
俺はヴァーリを救出するためフェンリルの鼻面にストレートを打ち込もうとするが
ザシュッ!
前足を薙いでくる!
「ぬぅ!そらつらはやらせんっ!」
タンニーンのおっさんが火炎の球で支援してくれる!
オオオオオオオオオオオオンッ!
例の透き通る美声の咆哮ッ!そしてフェンリルの姿が一瞬で消えた!
ザシュンッ!
「ぐおおおおおおっ!」
何かが裂かれる音!そしておっさんが悲鳴をあげた!おっさんは血を吐き出しフェニックスの涙を使い傷を治した。
「ついでだ。こいつらの相手もしてもらおうか」
ロキの足元の影が広がり、そこから巨大な蛇!
「ミドガルズオルムも量産していたのかッ!」
そう!ミドガルズオルムそっくりで、タンニーンのおっさんぐらいのサイズのドラゴンが五匹!
ゴオオオオオゥ!
量産型どもが一斉に炎を吐いてきやがった!
「その程度でッ!」
ゴバァァァァァンッ!
量産型ミドガルズオルムの炎はタンニーンのおっさんの火炎で吹き飛ばされていく。
ショウはまだ治療中だが、バラキエルさんとの協力で皆も子フェンリルより優勢だ!
一方でタンニーンのおっさんが大出力の火炎を量産型のミドガルズオルムに吐きだしていて、さらにロスヴァイセさんの北欧の魔術を展開して、タンニーンのおっさんを援護をしている!
もう一匹の子フェンリルはヴァーリチームも相手にしているように見えた。
美猴が如意棒を振り回し子フェンリルを何度も殴打して、黒歌が何かの術で子フェンリルの足元をぬかるみに変え、聖王剣のアーサーが目、爪、最後に牙を削り取った。にしても残酷な攻撃したがるぜ、あの剣士!
「・・・兵藤一誠」
ヴァーリの声!フェンリルにくわえられたままのヴァーリが俺に話しかけてきた。
「・・・ロキと、その他はキミと美猴たちに任せる」
俺はヴァーリの言葉の真意がわからなかったが.....。
「この親フェンリルは俺が確実に殺そう」
それを耳にしてロキが笑う。
「ふはははははっ!どうやってだ!すでに瀕死ではないか!強がりは白龍皇の名を貶めてしまうのではないか?」
「天龍を、このヴァーリ・ルシファーを舐めるな」
ヴァーリの鎧の各宝玉が七色に輝き出していた。
「我、目覚めるは」
「覇の理に全てを奪われし、二天龍なり」
「無限に妬み、夢幻を想う」
「我、白き龍の覇道を極め」
「「「「「「「「汝を無垢の極限へと誘おうッ!」」」」」」」」
『Juggernaut Drive!!!!!!』
この採掘場跡地全域をまぶゆく照らす、大出力の光がフェンリルの口から溢れ、そして狼自身をも呑み込んでいく。
「黒歌!俺とフェンリルを予定のポイントに転送しろッ!」
光輝くヴァーリは黒歌にそう叫ぶ。そしてフェンリルを縛る鎖と一緒に巨大な光と化したヴァーリとフェンリルを魔力の帯らしきものが幾重にも包みだした。しだいにヴァーリとフェンリルが風景にとけ込み、この場から消えていく!
「ヴァーリ!」
叫んでみたものの返事などあるはずもなく.....。
『
あいつは魔力を命の代わりに消費することで短時間『
「朱乃!」
部長の悲鳴だ!視線を向けると、いままさに子フェンリルに噛まれようとしている朱乃さんの姿が!
「させるかっ!」
ショウは朱乃さんを突き飛ばし、今度はショウがまた噛まれそうになっている!
まずい!これ以上ショウに傷を負わせると死ぬ!
俺はロキを一瞥して、背中の魔力噴出口の火を最大加速で噴かした!
『JET!』
「隙ありだな!」
背後からロキが魔術を撃ちだそうとしてくるが、空から大きな火の球と魔術の光がロキに向かっていく!
「そうはさせん!」
「その通りです!」
タンニーンのおっさんとロスヴァイセさんが援護してくれた!
ヤバいッ!子フェンリルの牙がショウに襲いかかる瞬間だった。
ザシュッ!
肉に牙が突き刺さる鈍い音!子フェンリルの牙に身を貫かれたのは....バラキエルさんだった!
「ごふっ!」
血が、大量に口からこぼれ出る。傷口から大量の血が流れ出ていた。
「バラキエルさん!イッセー!」
ショウはすぐに起き上がり手に最大まで魔力を込め
「「オラッ!」」
ドゴンッ!
俺とショウは子フェンリルを横から打撃でぶん殴った!その拍子にバラキエルさんを解放して、後退していく。
「「アーシア!」」
俺とショウは近くのアーシアを呼ぶ。アーシアがその場で淡い緑色の光が発生させ、バラキエルさんへオーラを飛ばしてきた!ショウはバラキエルさんのところに行く。
「バラキエルさん!意識はあるか!?どうしてこんな無茶を!?」
「・・・・・貴様が死んだら朱乃が悲しむ」
それを聞き、ショウは何も言えなくなった。それを聞いた朱乃さんはなんとも言えない表情となっていた。
「・・・・私は・・・私はっ!」
そして酷く狼狽する朱乃さん。
「・・・・しっかりしろ、朱乃。まだ、戦いは終わっていないのだぞ」
「朱乃!落ち着け!」
ショウとバラキエルさんがそう言う。
俺はそっと朱乃さんの乳にパイリンガルを静かに発動させた。これで、朱乃さんのおっぱいは俺にだけ秘密の話をしてくれる。
なあ、朱乃さんのおっぱい。教えてくれ。朱乃さんは本当にバラキエルさんを恨んでいるのか?
『・・・・・』
朱乃さんの乳が答えてくれない。まさか、不発?それとも、胸の内を語れないほどショック状態なのか?
すると、おっぱいは静かに話しだす。
『私は姫島朱乃のおっぱいではありません。私はおっぱいの精霊です』
...............................え?
「・・・・・・・・誰だ、おまえは!?」
俺が驚愕の声を出すと、朱乃さん、ショウ、バラキエルさんが突然の声に酷く体をビクつかせていた!
『落ち着いてください。私はこの娘のおっぱいを介してあなたに話しかけているのです』
朱乃さんの乳はさらにおかしなことを告げてくる!
「いや、誰だよ、おまえ!」
『私はすべてのおっぱいを司りし、神。乳神さまに仕える精霊です。あなたの頑ななまでのおっぱいへの渇望が私を呼びだしたのです』
バカな!俺のパイリンガルは違うチャンネルを受信したというのか!?
「お、おっさん!」
ここは元龍王に訊いたほうがいいと思った!
「なんだ!また何か起きたのか!また乳なのか!?」
「乳神さまって、どこの神話体系の神さまだ!?」
俺の問いにかけにおっさんだけじゃなく敵味方全員が間の抜けた顔で戦闘を中断させて、こちらに視線を送っていた。
一泊空けて、おっさんが部長に叫んだ!
「・・・・・・ッ!リアス嬢ぉぉぉぉッ!あいつの頭に回復をかけてやってくれぇぇっ!致命傷だぁぁっ!」
違う!違うよ、おっさん!俺正常!正常だって!
「イッセー!しっかりして!幻聴よ!ああ、なんてこと!フェンリルの毒牙が赤龍帝の精神にまで!」
部長も俺の脳に損傷を受けたと勘違いしている!
ぱぁっ
俺の頭にアーシアの回復の光が届く。
「違うんです!確かに朱乃さんのおっぱいが自分は乳の精霊だって!」
今度はバラキエルさんが震えた声で俺に言う。
「貴様・・・・!うちの娘がそんなわけのわからないものだと言うのか・・・・!おのれ、おっぱいドラゴン・・・・!」
体にバチバチと雷光が走ってるぅぅぅぅぅぅっ!
ぐい!
俺は突然ショウに胸ぐらをつかまれ、俺はショウ見ると笑ってるけど、目がいままでにないくらい冷酷な目で俺を見ている。
「・・・・イッセー。親友のよしみだ。遺言ぐらいは聞いてあげるよ。5秒ほど。い~ち・・・」
ショウは槍を俺の首に突きつけてカウント取り始めたぁぁぁぁっ!
『い、いや、皆聞いてくれ。確かに乳の精霊とやらの声が聞こえる。俺の知らない世界の力を感じる。残念な結果だが、こいつは異世界の神の使いを呼び寄せたらしい』
ドライグが皆に聞こえる声で俺の弁明をしてくれた。ドライグのおかげかショウも首元から槍を離してくれた。
「バカな!」
「そんな!」
「ドライグまでダメージを!」
『うおおおおんっ!どうせおっぱいドラゴンの声なんて誰も信じちゃくれないんだ!俺は何も悪くないぞ!相棒が、相棒がぁぁぁ!』
泣き叫ぶドライグ!ゴメンね。
「おい、スイッチ姫!ポチッと押されてこい!あいつにいま必要なのはあんたのおっぱいだろ!」
美猴が部長にそういう。
「・・・・そ、そうなのかしら?」
文句を言うと思っていた部長が説得されかけているぅぅぅ!?
『よく聞きなさい。乳龍帝よ』
朱乃さんの乳は再び俺に話しかけてくる!
『この巫女と少年の本音を聞くことで乳神さまの力をここに降臨させるのです』
なんだが、わからないが、それはすごいことなのか?
『おっぱいを求める者に乳神さまは慈悲深いご加護を与えます。きっと役に立つことでしょう』
.....わからん。まったく意味不明だ!で、でも、朱乃さんの本音...ちょっと待てよ。少年っていったよな?それは、ショウなのか?ああ、もう、精霊さん!朱乃さんとショウのその想いを俺とバラキエルさん、そしてショウににだけ通じるようにしてくれないか?
『いいでしょう。では、この娘の思いから聞きなさい』
目を閉じる俺の脳裏に何か風景が映しだされていったのだった。
聞こえるのは小さな女の子の唄う声だ。
『あんたがたどこさ。ひごさ、ひごどこさ』
小さな家の庭で、まりつきをしている小さな女の子がいた。
『朱乃、どこ?』
朱乃さんそっくりの女性が、小さな子、朱乃さんを呼んでいた。
『母さま!』
お母さんに呼ばれて、勢いよく抱きついた。
『母さま。父さまは今日のいちごろ帰ってくるの?』
『あら、朱乃。父さまとどこに行くの?』
お母さんの問いに小さな朱乃は満面な笑みで答える。
『早く帰ってきたら、一緒にバスに乗って町へ買い物に行くの!』
〈寂しかった〉
いまのは.....朱乃さんの声だ。
場面は移り、バラキエルさんと小さな朱乃さんがお風呂に入っていた。
『父さまの羽、嫌いじゃないよ。黒いけど、つやつやで朱乃の髪の毛と一緒だもの!』
『そうか、ありがとう。朱乃』
〈いつも父さまがいてくれたら、良かったのに〉
家の縁側でお母さんに髪をすいてもらっている小さな朱乃さん。
『ねえ、母さま。父さまは朱乃のこと好きかな?』
『ええ、もちろん』
お母さんは微笑みながら髪をやさしくとかしていた。
〈たまにしか父さまに会えなかったから〉
そして、場面は急展開した。
ボロボロの室内。部屋のなかはすべてが荒らされていた。
『その子を渡してもらおう。忌々しい邪悪な黒き天使の子なのだ』
術者らしき者たちが複数で小さな朱乃さんと朱乃さんのお母さんを囲んでいた。
『この子は渡しません!この子は大切な私の娘です!そして、あの人の大切で大事な娘!絶対に!絶対に渡しません!』
朱乃さんを庇うようにしてお母さんは叫ぶ。
『・・・・貴様も黒き天使に心を穢されてしまったようだ。致し方あるまい』
術者が刀を抜き放ち。斬りかかった。
『母さまぁぁぁぁぁっ!』
次に映されたのは.....血まみれのバラキエルさんだった。
術者をすべて殺害し、その身は鮮血に濡れていた。
『母さま!いやぁぁぁっ!母さまぁぁぁっ!』
朱乃さんは....息絶えたお母さんの体を揺らし、嗚咽を漏らしていた。
『・・・・朱璃・・・』
バラキエルさんは震える手で妻に触れようとするが。
『触らないでっ!』
小さな朱乃さんは怒りを父親にぶつけた。
『どうして!どうして、母さまのところにいてくれなかったの!?ずっとずっと父さまを待っていたのに!今日だって、早く帰ってくるって言ったのに!ううん!今日はお休みだって言っていたのに!父さまがいたら、母さまは死ななかったのに!』
『・・・・・』
『あの人たちが言ってた!父さまが黒い天使だから、悪いんだって!黒い天使は悪い人なんだって!私にも黒い翼があるから悪い子だって!父さまと私に黒い翼がなかったら、母さまは死ななかったのに!嫌い!嫌い!こんな黒い翼大嫌い!あなたも嫌い!皆嫌い!大嫌いっ!』
〈父さまが悪くないことぐらいわかってた。けど、そう思わなければ、私の精神は保たなかった・・・・。私は・・・・弱いから・・・・。ただ、三人で暮らしたくて・・・〉
意識のなかで朱乃さんのお母さんの声が聞こえてくる。
『朱乃』
それはとてもとてもやさしい声だった。
『何があっても、父さまを信じてあげて。父さまはこれまで他者をたくさん傷つけてきたかもしれない。でもね』
幻かもしれない。それでも俺の目にはハッキリ見えたんだ。
朱乃さんのお母さんが朱乃さんとバラキエルさんをやさしく包み込むのが。
『あの人が私と朱乃を愛してくれているのは本当なのだから。だから、朱乃もあの人を愛してあげてね』
意識が戻ったとき、俺の横で朱乃さんはとめどなく涙を流していた。
「母さま・・・・ッ!私は・・・・ッ!父さまともっと会いたかった!父さまにもっと頭をなでてもらいたかった!父さまともっと遊びたかった!父さまと・・・父さまと母さまと・・・三人でもっと暮らしたかった・・・・ッ!」
それが、朱乃さんの内に秘めていた本当の想い。
横たわるバラキエルさんは朱乃さんの告白を聞いて、一言だけつぶやいた。
「朱璃のことを・・・おまえのことを・・・一日たりとも、忘れたことなどないよ」
「・・・・父さま」
そして次に俺の脳裏に風景が映しだされた。
『ハハ、遅いよ。凛、フィル』
『速いよ~、ショウ。待ってー!』
『二人とも待ってください~』
青い目の少年をショウと呼ぶ、茶髪の黒い目の女の子。その後ろを必死に追いかけているオレンジ色の髪で金銀の目をしている女の子。
三人は公園で仲良く遊んでいた。
これは、ショウの小さい頃の記憶。
『あてっ!』
ショウは何かにつまずいて転び足にケガをした。二人の女の子が心配そうに駆け寄り、茶髪の女の子、凛ちゃんがショウの怪我に手をかざした瞬間、ショウの怪我が凛のほうにできていた。
次に映しだされた場面は一人の女性が倒れ、一人の女の子は隅で怯えている部屋だった。そこには大人の男が小さな女の子を殴ろうとしているがその女の子を庇うように立っているショウがいた。
『やめてよ!凛のお父さん!どうして凛を殴ろうとするの!?』
ショウは凛の父親になぜ凛を殴ろうとするか訴えているが凛の父親はショウを蹴り飛ばした。
『ショウ!』
凛はショウのところに行こうとしたが凛の父親に髪を掴まれた。
『この前、公園で見てしまったんだ!凛が彰の傷を自分の傷にしたのを!普通の人間にそんなことはできん!あれは化け物の力だ!だからこれは正義の為だ!』
凛の父親が凛を壁に投げつけた。
『凛!』
ショウは痛みに耐えながら凛のところに行く。
『凛!凛!大丈夫!?』
『いたい・・・いたいよ・・・ショウ・・・』
凛は涙を流しながら痛みを訴えていた。凛の父親は二人に近づく。
『彰、どきなさい。化け物はいないほうがいい。この世からいなくなったほうがいいんだ。どきなさい』
凛の父親はショウにどくように言うがショウは凛を抱きしめ言った。
『いやだ!凛は化け物なんかじゃない!なんでそんなことを言うんだよ!?』
『・・・・人がせっかく優しく言ってるのにお前も化け物の味方なんだな!』
凛の父親はテーブルに置かれていたハサミでショウの背中を斬り裂いた。
また、別の場面が映しだされた。そこは廃工場のようだった。
そこにはヤクザらしき人物が数人と凛の父親、そして縛られている中学生ぐらいの凛の姿がいた。
『にしても簡単な仕事だな。ガキの女を攫うなんて』
『ああ、しかもその依頼人が父親とはかわいそうにな』
ヤクザたちはそんなことを言っていた。すると凛の父親がこう言った。
『私はこんな化け物の父親ではありませんよ。まあ、後は好きにしてください』
『はいはい。依頼どおり、後は俺たちの好きにさせてもらいますよ』
『へへ、じゃあ、まずはちょっと味見させてもらうか』
一人のヤクザがにやけた顔で凛を触ろうとした瞬間。
『触るなぁぁぁあああああっ!』
ショウが怒りにまかせて突進したがすぐにヤクザと凛の父親を倒した。
『凛!大丈夫か!?どこか怪我はないか!?なにもされてないか!?』
ロープを切り心配そうにしているショウに凛は抱きついた。
『恐かった・・・・怖かったよ・・・ショウ』
『もう大丈夫だよ。俺が凛を守るから。それより逃げないと・・・』
泣いて恐がっている凛をショウは優しく抱きしめ言い、凛の手を取って逃げようとした瞬間。
バンッ!
逃げようとしていたショウと凛に向かい撃ったのは凛の父親だった。そしてショウが撃たれたと思ったら倒れたのは凛のほうだった。
....神器の力でショウの代わりに撃たれたことにしたのか。
『化け物がっ!トドメをさしてやる!』
凛の父親はもう一度撃とうとしたが、ショウが瞬時に近づき銃を蹴り落し父親を蹴り飛ばして気絶させた。そして急いで凛のところに戻った。
『凛!凛!目を開けろ!開けてくれ!』
ショウは必死に凛を呼ぶと凛は目を開けた。
『凛!良かった・・・。待ってろ!今救急車を」
ショウが携帯を取り出し救急車を呼ぼうとしたが凛がそれを止めた。
『もう無理だよ・・・もう助からないのは自分でわかってるから・・・』
『やめてくれ!そんなこと言わないでくれ!』
ショウは涙を流し始めた。凛の血はどんどん溢れ出てくる。
『ショウ・・・・ごめんなさい。私のせいで・・・あなたにたくさんの傷を負わせた』
謝罪する凛だがショウは首を横に振った。
『こんな傷なんか気にするな!凛を守れれば痛くもかゆくもない!だから、これから死ぬようなことばっか言わないでくれ!俺は・・・・俺は、凛に生きてほしい。凛が生きて幸せになってほしいんだ・・・』
ショウは涙を流しながら凛に言う。凛の目から涙が流れこう言った。
『ありがとう、ショウ・・・・。私は・・・あなたのことが好きになれて良かった』
突然の凛からの告白にショウも応える。
『俺も・・・凛のことが好きだ。小さいときからずっと・・・好きだった』
凛は嬉しそうに微笑み『ありがとう』と言うと。
『最後に・・・キスして・・・ショウの温もりを感じさせて』
ショウは頷き、涙を流しながら顔を近づけキスをした。そしてキスが終わり凛は笑顔で言った。
『ありがとう。私は・・・・あなたが好きになれて幸せだった』
凛は笑顔のまま静かに逝った。ショウは涙を流しながらも凛をそっと寝かせた。
『ようやく、くたばったか。この化け物は』
するとショウの後ろに凛の父親がいた。凛が死んだことに喜びを感じていた。
『これで、世の中は平和になるな。いや~よかったよかった』
自分の娘を殺したのに少しも罪悪感を感じていなかった。
『どうしてだよ』
『ん?』
ショウはゆっくり立ち上がり凛の父親に言う。
『どうして自分の娘が死んでるそんなこと言えるんだよ!?』
ショウは怒り、そう言うが、凛の父親は平然と答えた。
『そいつは俺の娘じゃない!化け物だ!死んで当たり前なんだ!だから俺が世の中の為に殺したんだよ。これは正義の行いだ!』
『・・・・許さない』
ショウは小さくつぶやき怒りを爆発させた。
『絶対に許さない!!』
するとショウの右手から光を発しそこに先の尖った棒....ショウの神器が現れた。ショウは氷の槍を作ると凛の父親は化け物を見るかのような目でショウを見た。
『お・・・お前も、化け物だったのか!?なら、お前も」
ザシュ!
銃を向けてきた凛の父親の手をショウは斬りおとした。
『ぎゃああああああっ!手が!手が!』
自分の手が斬りおとされ声を上げ叫ぶ凛の父親。だけど、ショウの怒りはそれだけじゃ収まらなかった。肩、足、腹、を次々刺していく。
『痛てぇ・・・痛てぇ。もうやめて・・・くれ。これ以上は・・・死んじまう』
命乞いをする凛の父親だが、ショウは凛の父親を蹴り飛ばした。
『痛い?ふざけるなよ。てめぇが今まで凛にしてきた痛みはこんなもんじゃねぇぞ!凛を化け物と呼び、傷つけ自分は正義だとかほざき、凛を苦しめた!凛の苦しみはこんなもんじゃねぇぞ!凛はな、毎日傷つき、
泣いてたんだぞ!それでも自分の父親に認められるようにずっと耐えてたんだ!いつかまたあの時の優しい父親に戻ってくれるって信じて、ずっと耐えてたんだ!それをてめぇは!』
ショウは槍を振り上げ、凛の父親目掛けて振り下ろそうとしたが寸止めした。そして凛の父親は気絶する。
『俺はあんたを殺したい。でも、そんなあんたでも凛の父親だ。だから、生きて償え』
するとまた、別の場面が映し出される。そこは初めに見た公園だった。
ショウは公園のベンチに座り星を見ていた。
『凛・・・・お前は星が好きだったよな。天気の良い日はよく星を見てたな』
公園で一人、ショウがそう言う。
『凛。お前はあの時幸せって言ってたよな。俺のことが好きになって幸せだって・・・・』
星を眺めながらショウは呟くように言うとショウは自分を殴った。
『こんな痛みじゃ償えないよな。あいつは凛を殺そうとしたけど、殺して、幸せを奪ったのは俺だもんな。なあ、凛、俺はどうやったらお前に償えられる?』
虚ろ目で星を見ているショウ。その時、朱乃さんと同じ現象が起きた。
『ショウ』
ショウを呼ぶ凛。凛はショウに言い続ける。
『ショウ。あなたは何も償わなくていいの。あなたの優しさは充分伝わった。だから立ち止まらないで』
凛はショウを優しく抱きしめる。
『私はあなたの中で生きている。だから、これからは、自分のため、仲間のために戦って。もう守られてばかりの私じゃない。これからは一緒に戦う』
意識が戻ったとき、ショウの左手にブレスレットが現れ白銀色に輝き出した。
Sideout
Sideショウ
俺は凛を殺した。凛の幸せを奪った。だから、償わなければいけない。そう思い込んで、あの時から生きてきた。
でも.......凛の声が聞こえた。
『私はあなたの中で生きている。だから、これからは、自分のため、仲間のために戦って、もう守られてばかりの私じゃない。これからは一緒に戦う』
そう聞こえたとき、俺の中で今まで俺を縛りつけていた何かが壊れた音がした。その時、俺の左手にブレスレットが現れ白銀色に輝き出した。
『一緒に皆を守ろう』
ブレスレットから凛の声が聞こえた。幻聴かもしれない。でも、俺の目から涙が止まらなかった。
「凛・・・ありがとう」
そう言った瞬間俺の体からありえないほどの魔力が生まれ始めた。
「これは・・・そうか。そういうことか」
俺は納得したかのように立ち上がり子供のフェンリルと向かい合い左手を前に出し発動させた。
「
ドオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!
俺の体から魔力が一気に膨れ上がった。それを見て皆驚くが俺は禁手になり
「
「なにっ!?」
それを見て驚愕するロキ。俺はロキを見て言う。
「ロキ!お前に見せてやる!仲間の力が想いの力がどれだけの力を与えてくれるかを!」
俺は子供のフェンリルを貫いた槍を手元に呼び戻して
Sⅰdeout