水態の神器使い   作:ユキシア

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死守する!

Sideショウ

 

俺とフィルはイッセーたちと合流して稲荷山に挑戦することになった。そして、歩き始めて数十分。

 

「・・・・ぜーはー・・・・ま、待ってくれ・・・。ど、どうしておまえたちはそんなに動けるんだ・・・・?」

 

元浜がすでに息を上げていた。まあ、仕方ないよな。運動神経のいい松田は大丈夫だが、俺たちは悪魔だから普通の人より身体能力高いし、鍛えてもいるからな。すると、元浜が俺を睨んできた。

 

「特に、ショウ!貴様はさっきからフィルナちゃんといちゃついているから余計に怒りに体力を使ってしまったではないか!」

 

知るか!と言いたいが、普段からモテない松田や元浜がそう言いたいのもわかる。松田も何気に俺を睨んでいるしな。

 

「ほら、ショウ!あそこに休憩場所がありますよ。あそこで休みましょう」

 

フィルは俺と腕を組みながら階段を登って行く。ホテルから出てからフィルはずっと俺の腕を組んで歩いている。まあ、俺も嬉しいからいいんだけど。松田と元浜からの嫉妬の視線が少し怖くなってきたんだよな。

 

そして、俺たちは休憩場所で休んでいるとアーシアたちは伏見稲荷の風景に感動していた。

 

「わりぃ、俺、ちょいとお先にてっぺんまで行ってみるわ」

 

「あ、イッセー!俺も行くわ!フィルはアーシアたちとゆっくり来てくれ」

 

俺はフィルにそう言うとフィルは頷いて返事をし、俺とイッセーは山のてっぺんを目指す。

 

「到着!」

 

俺とイッセーがたどり着いたところには古ぼけたお社があった。俺とイッセーはとりあえず社に手を合わせて下山することにした。

 

『どうか無事、修学旅行が終わりますように。あと、フィルや朱乃、皆が笑顔でいられますように』

 

と、願っていると

 

「・・・京の者ではないな?」

 

突然の声に周囲を見渡すと人間じゃない気配に複数に囲まれていた。俺とイッセーが身構えるなか、現れたのは巫女装束の着た狐の妖怪の女の子だった。

 

「・・・女の子?」

 

イッセーがそう口に出す。すると、狐の女の子は俺たちを激しく睨み、吐き捨てるように叫ぶ。

 

「余所者め!よくも・・・ッ!かかれっ!」

 

女の子の掛け声と共に林から現れたのは鴉天狗と神主の格好をして狐のお面を被った奴らが出てきた。ちょっと待って!何で京都の妖怪が俺たちを襲ってくるんだ!?

 

驚く俺たちに女の子は容赦なく指を俺たちに向ける。

 

「母上を返してもらうぞ!」

 

どう意味だ!?とりあえず、リリ!出て来て、この事をフィルに知らせてくれ!

 

俺はフィルから預かったリリをフィルに向かわせ、神器を発動して鴉天狗たちの攻撃を防ぐ。

 

「は、母上?何を言ってるんだ!俺たちはおまえの母ちゃんなんて知らないぞ!」

 

イッセーがそう叫ぶが

 

「ウソをつくな!私の目は誤魔化しきれんのじゃ!」

 

誤魔化していませんよ!とりあえずは......。

 

「氷結!」

 

俺は氷結の槍をかまえると鴉天狗たちの動きを凍らせた。突然、体が動けなくなった鴉天狗たちは驚いているが、俺は狐の女の子に話しかける。

 

「俺たちは今日、京都に来たばかりなんだよ。だから、俺たちはキミのお母さんのことは本当に知らないんだ」

 

「ウソをつくな!魔の者の癖によくも母上を攫ったな!」

 

まったく話を聞いてくれませんでした。どうしようか?このままだと余計に悪化しそうだし、だといって倒したら余計にマズイしな。

 

そんなことを考えていると

 

「どうした、ショウ、イッセー」

 

「何々?妖怪さんよね?」

 

ゼノヴィアとイリナが来た、そして、少し遅れてフィルとアーシアが来てくれた。どうやら、リリの報告を知ってゼノヴィアとイリナは先に来てくれたんだ痛い!

 

俺は左手を見ると狐の女の子が俺の左手に噛みついていた。

 

「ちょっ!痛いって放してくれ!」

 

左手を左右に振って放そうとするが、さすが獣、牙が鋭いのかなかなか放してはくれませんでした。すると、俺の集中力が切れたせいで鴉天狗たちは再び動き出した。それを見た女の子は俺から離れて鴉天狗たちに叫ぶ。

 

「今じゃ!神聖な場所を穢した魔の存在にかかれ!」

 

女の子の号令に再び俺たちに攻撃する鴉天狗たち。

 

「アーシア!部長から例のものを受け取っているな?」

 

「はい!」

 

イッセーの問いにアーシアはスカートからグレモリーの紋章入りにカードを取り出した。俺とイッセーにプロモーションの承認する代理カード。良し!さっそく俺もプロモーションだ!

 

「プロモーション『僧侶(ビショップ)』!」

 

俺は僧侶(ビショップ)に昇格する。イッセーは騎士(ナイト)のようだ。俺はフィルの隣に行き言う。

 

「フィル、ここは京都だから、追い返す程度にしてくれ」

 

「わかりました」

 

フィルは俺の言葉に応じてくれた。そして、同じことをゼノヴィアたちにも言うと二人も応じてくれた。

 

ゼノヴィアとイリナは相手の得物を破壊しながら圧倒し、イッセーはアーシアを守りながら敵を倒していく。フィルは突風をふかして鴉天狗たちを飛ばしていく。俺もゼノヴィアたちと同じように相手の得物を凍らせて爆発させていく。

 

「・・・撤退じゃ。いまの戦力ではこらつらに勝てぬ。おのれ、邪悪な存在め。必ず母上を返してもらうぞ!」

 

それだけを言い、一迅の風のように去っていくとフィルが俺の左手を掴む。

 

「ショウ、怪我をしているではありませんか。大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だよ、これぐらい。心配してくれてありがとな」

 

心配してくれるフィルの頭を撫でるとフィルは嬉しそうにする。それを見たゼノヴィアが

 

「むっ、ショウ。私にも頭を撫でてくれ。フィルナばかりずるいぞ」

 

「はいはい」

 

俺はフィルとゼノヴィアが満足するまで頭を撫で続けた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideイッセー

 

『ごちそうさまでした!』

 

俺たちはホテルの夕食を終えていた。豪華な京料理ばかりでした。襲撃を受けたあと、俺たちは松田たちと合流して、警戒しながらも伏見稲荷での観光を終えた。帰ってきたら、アザゼル先生とロスヴァイセさんに事を報告。二人とも困惑していた。部長にも報告しようと迷ったんだけど、先生に「まだ何か起こったかわからない。余計な心配をあいつに与えるな」と言われて、踏み止まった。

 

俺は食事を終え、ロビーのテーブルで明日の確認をスケベ二人とショウと女子たちと話し合ったあと、松田と元浜の部屋で少し遊んだ。そのあと、部屋に戻り、敷かれた布団の上でくつろぐこと数十分。

 

頃合いだろう。

 

俺はその場で立ち上がり、部屋の扉を静かに開ける。左右確認。誰もいない。よしよし。俺はそろりと部屋を抜け出すと、非常階段の扉を開けた。

 

.......この時間帯、大浴場でお風呂タイムだ!覗くしかない!いつも俺をバカにしているクラスの女子ども!くくくくく!この俺がその全裸を舐めるように見てしんぜよう!

 

自然とこばれる笑み。湧き上がる性衝動に駆けられながら俺は階段を下りて行くと、非常階段の踊り場に人影がひとつ。

 

「・・・・やっぱり来たか」

 

ため息を吐くショウが待ち構えていた。ふ・・・・・。俺は皮肉に笑みをこぼした。やはり、悟られていたか。さすが、俺の親友。

 

「イッセー、お前の行動パターンなんて手に取るようにわかる。男として覗きたい気持ちはわかるつもりだ。だがな、今は大浴場にフィルがいるんだ。てめえにフィルの裸を見せるわけにはいかねえ」

 

神器を発動し、氷の槍をかまえるショウ。俺は階段をゆっくり下りながら淡々と話す。

 

「ショウ・・・・。いくら親友でもこれだけは譲れない。俺は女湯を覗きに行く」

 

お互い攻撃範囲直前で足を止め、しばしにらみ合う。そして

 

「とおっ!」

 

俺とショウとの非常階段での戦いの火蓋を切って落とした。俺は籠手を出現させてミニバージョンのドラゴンショットを複数放つが、ショウは氷の槍を水の剣に変えて水の球で相殺する。今度はショウが水の剣で攻撃してくるが、俺はそれを躱して、殴ろうとするが、ショウはそれを避ける。

 

「何で、性的がらみだとそんなに動きがよくなんだよ!」

 

「クラスの女子の裸を見られるなら、俺は今日ここでお前と差し違えてもいい!」

 

「相変わらずのエロ根性だな!つーか、お前はいつも部長さんとアーシアさんの裸を見たり触ったりしてるじゃねえか!?」

 

「それはそれ!これはこれ!」

 

「ふざけんな!何が何でもフィルの裸は俺が死守する!それに例え俺を抜くことが出来てもこの後はロスヴァイセさんやシトリー眷属が待ち受けている!もうお前に覗ける死角などない!」

 

なんと!すでに防御に陣形は整っているのか!さすがは俺の親友だ!俺が風呂を覗く前提ですでに対策を打っているとは!

 

「フィルの裸を守るために俺は戦う!例えそれが親友でもだ!」

 

さらに攻撃を激しくするショウ。いや、マジで危ねえぞ!これは!さっきからショウの目がマジだ!マジで俺を倒す気で攻撃しやがる!

 

「少しぐらい見てもいいじゃねえか!いつもあんな美少女をショウが独占してんだから!」

 

「よくねえ!フィルと朱乃の裸を見ていいのは俺だけだ!見ようとする奴は叩き斬る!」

 

いやいやいや、ショウ!お前さっきから俺を殺す気ですか!?どんだけ見せたくないんだよ!だが、

 

「そう言われたら余計に見たくなるもんだ!何が何でも押し通す!」

 

「出来るもんならやってみやがれ!禁手化(バランス・ブレイク)ッ!」

 

それ本気すぎるだろう!禁手化してでも死守したいのか!?俺が籠手をかまえてショウの禁手化に警戒するが、いつものショウの血の色の槍が出てこなかった。怪訝に思った俺はハッタリで言ったのか?と思ったが、ショウの表情を見る限り違った。

 

禁手化(バランス・ブレイク)が発動しない・・・・」

 

ショウがつぶらくようにそう言うと俺も驚いた。すると、後ろからアザゼル先生の声がした。

 

「ああ、おまえら、俺とおまえらに呼び出しがかかった。近くの料亭に来ているそうだ」

 

呼びだし?何事だ?近くの料亭に来ている?

 

「誰ですか?」

 

俺がそう訊くと先生は口元を笑ました。

 

「魔王少女さまだよ」

 

Sideout

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