Sideショウ
「ん、ここは・・・」
変態と非常階段でフィルの裸を死守するために戦っていてイッセーの言葉に頭に血がのぼり思わず禁手化しようとしたが、出来なかった。何故かと考えようとしたが、その前にアザゼル先生と京都の妖怪たちと協力体勢を取りに来たレヴィアタンさまから京都の御大将である九尾が誘拐されたと聞いたとき、アザゼル先生や俺たちは間違いなく
「やっと、起きたわね」
「ルルナか、ちょうどよかった。お前に訊きたいことがあるんだ」
起き上がるといつのまにか俺の神器にいるルルナが俺の目の前にいた。
「わかっているわ。どうして、禁手化が出来なくなったか。でしょ?」
言うまでもなかったか......。
「もちろん、教えるために私があなたをここに呼んだのよ。とても大切なことだから」
「大切なこと?」
「ええ、まず、何故あなたが禁手が出来たか思い出して」
ルルナにそう言われ俺は頭を働かせる。確か、俺が禁手出来たのはコカビエルのときだけどアレは本当の禁手ではなかった。ヴァーリが、イッセーの両親を殺すと言ったときに本当の禁手になったよな。思考を働かせている俺にルルナは言ってくる。
「あなたの禁手は負の感情を糧に出来た禁手。怒り、悲しみ、憎しみが大きければ大きいほど力は強くなる。でも、今のあなたにその想いはないの」
「どういうことだ?」
「つまり、あなたの心に負の感情がなくなっているの。私の力はあなたのどちらかの想いが強くなればその力を得るの」
つまり、
なるほど、と、俺は納得する。すると、ルルナが言う。
「ショウ、これだけは覚えておいて。人の心には正と負がある。今のあなたはそのどちらでもない。いい、水はどの色にも変化するけど、元に戻るには時間がかかるの。もし、あなたがもう一度アーシアさんの時にようになってもすぐに元に戻る保証はないわよ」
ルルナが真剣な目で俺に言ってくるにたいして俺は頷いて返事するのが、精一杯だった。アーシアさんが死んだと思い俺は力を暴走させて皆を殺そうとした。あの時は凛のおかげで助かったが、ルルナの言うとおり次も助かる保証はない。
「いい、ロキとの戦いであなたは自分のなかの過去から立ち直ることが出来た。そして、今、どうなるかはあなた次第、気をつけなさい」
「・・・・わかった、気をつけるよ」
それだけを言うと俺の意識は闇へと墜ちる。
「・・・・・んっ?朝か」
ルルナと話が終えるとすでに朝になっていた。俺は時間を確かめるため携帯を見ると
「まだ、五時か。早いな。ん?」
俺は、体に何か違和感を感じてタオルケットをめくると
「ん、朝ですか・・・・?」
まだ眠いのか、目を擦りながらフィルが目を覚ました。
いや、これは驚くことじゃない。フィルが俺の家に住みようになってよく朱乃と一緒に寝ているしな。まぁ、たまにゼノヴィアや小猫ちゃんがくるけど、一緒に寝ること事態は驚かない。今は修学旅行とはいえ、アザゼル先生が俺とフィルを一緒に部屋にしたからここにいてもおかしくはない。でも
「何で、裸で、しかもゼノヴィアまでいるんだよ!?」
二人ともだぞ!二人とも裸だぞ!?いつもはちゃんと寝間着を着てるのに何で今だけ裸で寝てんだよ!?つーか、ゼノヴィア!お前はアーシアさんたちと同じ部屋だろ!?いや、その前に二人とも服を着ろ!
「ん、朝か。おはよう、ショウ、フィルナ」
フィルに続きゼノヴィアまで目を覚ました。そして、俺は二人に
「テイッ!」
少し強めに二人の頭を叩いた俺は悪くないと思う。叩かれた二人は頭をさすりながら涙目で俺に言う。
「痛いです、ショウ。いきなり何をするのですか?そういうプレイが好きなのですか?」
「そうなのか?ショウ」
「違うわ!なんでそうなる!?お前らな、なんでいつも家では寝間着を着ているのに今は何も着てないんだよ!?それにゼノヴィア!お前はどうしてここにいる!?」
「ショウの温もりが欲しくなったんだ。それで、フィルナに頼んで入れさせてもらった。何故、裸だというと」
「裸だったら、ショウが襲ってくれると思ったからです。家では朱乃さまがいますが、ここにはいません!ですので、ショウ!今かでも遅くありません!さぁ、ショウ!私たちを襲ってください!」
フィルもゼノヴィアも両腕は広げて言ってくる。裸で両腕を広げてきているため前が、丸見えだった。
ゼノヴィアもそうだけど、フィルもゼノヴィアと同じくらいあっていい形をしているな。美乳ってやつだな。って、違うだろ!何、マジマジと見てんだよ!俺は!
俺は視線を二人に逸らしてタオルケットを二人にかけて、俺は素早く部屋を出た。二人は何か言っていたが、気のせいだろう。
「ふぅ~、いつも、朱乃が俺の傍にいてくれたからあの二人はいつも以上に積極的なんだな。嬉しいけど、朝からは止めてくれよ・・・」
ぼやきながら俺は朝食の時間になるまで俺はホテルの屋上で時間を潰そうと思い屋上へ行くと
「おっ、ショウ。お前も来たのか」
「ショウさん。おはようございます!」
「おはよう、ショウくん」
すでにイッセー、アーシア、木場がいた。イッセーに訊いてみるとどうやらサイラオーグさんとのゲームまでに少しでも勝てる確実を上げたいらしい。
「なるほど、それじゃあ俺もまざろうかな。木場、相手してくれ」
「うん、いいよ」
そうして、俺たちは朝食の時間になるまでトレーニングを続けた。
Sideout
Sideイッセー
「じゃあ、野郎ども!行くわよ!」
「「「「おおーっ!」」」」
桐生がメガネをキラリと光らせて、バス停を指し、俺たち男子は雄叫びをあげた。二日目は京都駅前のバス停から清水寺行きのバスに乗ることから始まる。そして、バスが来ると俺たちは乗り込んだが、松田と元浜はずっと、ショウに向けて嫉妬の眼差しを向けていた。いや、実はをいうと俺も向けている。
「あの、フィルにゼノヴィア。動きづらいんだけど・・・」
「「朝、逃げた罰です(だ)」」
そう言いながら、フィルナもゼノヴィアもショウの腕から離れなかった。ちくしょう!見せつけやがって!松田や元浜もきっと俺と同じことを思っているに違いない!約一名、桐生だけは面白そうにショウを見ていた。
そして、目的地に到着して俺たちは周囲を軽く探索し、坂を上って清水寺を目指す。
「ここ三年坂って言って、転ぶと三年以内に死ぬらしいわよ?」
「はぅぅぅぅっ!それは怖いです!」
アーシアがマジで怖がり、俺の腕につかまった。
「フィル、ゼノヴィア。そんなに強く抱きしめなくてもただの言い伝えだから、大丈夫だよ」
「・・・日本には恐ろしい術式を坂に仕込んでいるのですね。ゼノヴィアさま」
「ああ、まったくだ。これは、転ばないようにしっかりとつかまっておかないとな」
そう言って二人はショウの腕を強くつかまる。そして、松田と元浜は俺とショウに恨めしそうな視線を送る。ふふふ、適度な嫉妬が心地よいぜ。
門、仁王門を潜り、寺へつくと、協会トリオは興奮気味で失礼なことを言い合ってた。俺はテレビで見ていた清水の舞台!下を眺めると・・・うん、高いけど、いまの俺なら落ちても平気な具合かな?
「イッセー、あんまり下を見ると落ちるぞ」
ショウが、俺に注意するので俺は見るのを止めた。そして、俺たちは桐生に促され、恋愛のくじを引く。引いたのは俺とアーシアとショウとフィルナだ。相性はどれどれ。
「大吉だって。将来安泰。俺たち、お似合いだってよ、アーシア」
「はい!うれしいです!・・・うれしいです、本当に・・・」
くじを大切そうに抱いて、涙ぐんでいた!おおっ、ここまで喜んでくれるとは、俺も恥ずかしくなっちゃうぜ!さて、ショウたちはどうかな?
俺はそう思ってショウたちのほうを見ると思わず固まってしまった。何故なら人前だというのにフィルナがショウにキスをしていたからだ。アーシアたち教会トリオも目を見開いて固まり、松田と元浜は口がこれでもかというぐらい大きく開けて固まっていた。あ、元浜のメガネにはヒビが入っていた。そして、唯一桐生だけはマジマジとショウたちを見ていた。
「ぷはっ!フィル!相性がよくて嬉しい気持ちは俺も同じだけど!場所を考えてくれ!」
「嫌です、この気持ちをすぐにでもショウに伝えないと収まりきれませんでしたので」
どうやら、俺とアーシアと同じように大吉だったらしく、フィルナはそれが嬉しく、思わずキスをしたらしい。いや、でも人前ではするなよ。アーシアなんか、顔が真っ赤になってるぞ。
「ちくしょう!こんな人前でよくも見せつけやがって!」
「ショウ!そんなに俺たちにイチャつくところを見せ付けたいのか!?」
正気に戻った松田と元浜はショウに詰め寄っていく。ショウも慌てて言い訳をしているが、あの二人には通じなかった。ショウ.....俺は助けねえぞ。こんなところでイチャつくお前が悪い。
「さーて、次は銀閣寺。パパッと行かないと時間なんてすぐに過ぎてしまうわよ」
時計を見ながら桐生が、先導すると、ショウはすぐにそれに続く。そして、俺たちは銀閣寺行きのバスに乗り、俺たちは清水寺をあとにした。
Sideout
Sideショウ
「銀じゃない!?」
清水寺でいきなりフィルにキスをされ、松田と元浜に詰め寄られたが、桐生のおかげでなんとか助かった。そして、銀閣寺を見たゼノヴィアが、開口一番にそう叫んだ。どうやら、金閣寺は金で銀閣寺は銀で出来ていると思い込んでいたらしい。
「大丈夫だ、ゼノヴィア。金閣寺はちゃんと金だから」
俺は落ち込んでいるゼノヴィアを励ましながら銀閣寺の周りを回る。そして、次に金閣寺につくと
「金だっ!今度こそ金だぞ!」
金閣寺を見て大はしゃぎしているゼノヴィア。よかった。俺は元気を取り戻したゼノヴィアに安堵してイッセーたちと写真を取って朱乃に送信する。そして、見て回った後、お土産を買って、休憩所、お茶屋で一休みすることになった。
「どうぞ」
和服の女性から抹茶と和菓子をもらい俺は味わいながら抹茶を飲む。
「・・・苦いです」
隣でフィルは抹茶を飲んでいたがどうやらお気に召さなかったようだ。でも、少しずつだが、しっかりと飲んでいた。
「フィル、和菓子を口に入れて飲むと少しは苦味が薄まるよ」
俺が、そう言うとフィルはすぐに実行した。すると、先程より抹茶を飲むペースが速くなった。どうやら少しは苦味はなくなったらしい。そう思っていると突然、松田や元浜、桐生が眠りこけていた。
俺やフィル、ゼノヴィアは先程の女性店員を見ると、頭に獣耳が生えていた。フィルは魔方陣を、ゼノヴィアは木場に作ってもらった、聖なる短剣をかまえ、俺とイッセーは神器を発動しようとすると
「待ってください」
聞き覚えのある声に俺たちは振り返るとそこにはロスヴァイセさんがいた。
「ロスヴァイセさん!どうしてここに?」
イッセーの問いにロスヴァイセさんは息を吐きながら言う。
「ええ、あなたたちを迎えに行くようにアザゼル先生に言われました」
「・・・・えっと、お疲れ様です」
どうやら、アザゼル先生のパシリとして俺たちを呼びに来たらしい。
「停戦です。というか、誤解が解けました。九尾のご息女があなたたちに謝りたいと言うのです」
ロスヴァイセさんの言葉に疑問を感じる俺たちに獣耳の女性が前に出て深く頭を下げてくる。
「私は九尾の君に仕える狐の妖でございます。先日は申し訳ございませんでした。我らが姫君もあなた方に謝罪したいと申されておりますので、どうか私たちについてきてくださいませ」
続けて
「我らの妖怪が住む。裏の都です。魔王さまと堕天使の総督殿も先にそちらへいらっしゃっております」
どうやら、修学旅行に来てでも俺たちは変わらないらしい。また、戦いか......。
Sideout