水態の神器使い   作:ユキシア

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新たな力

Sideイッセー

 

一瞬、何が起きたのかわからなかった・・・・。フィルナが英雄派のヘラクレスに圧勝し俺とショウとフィルナで曹操たちと戦おうとしたとき突然、フィルナがショウを突き飛ばしたと思ったら地面から出現した一本の聖剣がフィルナの体を貫いていた。

 

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

 

ショウは叫びフィルナに駆け寄り抱きかかえる。

 

「アーシア!」

 

俺は急いでアーシアを呼びアーシアは回復を始める。

 

「フィル!おい、しっかりしろ!しっかりしてくれ!」

 

叫ぶようにフィルナを呼び続けるショウ・・・・・。その両目からは涙が溢れていた。

 

「頼む・・・・・・・お願いだから・・・・死なないでくれ・・・・俺は・・・俺は、もう・・・」

 

・・・・・・・弱い。俺はなんて弱いんだ・・・・・。もし、フィルナがショウを庇わなければあの時ショウは死んでいた。俺は何も出来なかった・・・・。

 

・・・・・・・・・。――――――悔しい。

 

俺は鎧のなかで震え、悔し涙を流し続けていた。・・・なんで俺は弱い?肝心なときにいつもこれだ。どうしても一歩力が足りない。・・・・努力しても努力しても、どうして手の届かない奴が多いんだよ・・・・。

 

『泣いてしまうの?』

 

―――っ。俺の内に語りかける誰か。この声は―――。

 

・・・エルシャさん?

 

『ええ、そうよ。どうして泣いているの?』

 

・・・俺、悔しくて・・・・。どうしてこんなに自分が弱いのか・・・・。肝心な時にまったく役に立てないんです・・・・。

 

『そう、それは悔しいでしょうね。けれど、忘れたの?以前、堕天使の総督が言っていたことを――――。あなたは可能性の塊だと―――』

 

・・・・・可能性の塊。

 

『そうよ、それがあなた。現赤龍帝であり、おっぱいドラゴン。私とベルザートが見た可能性!さあ、今こそ解き放ちましょう!あなたの可能性を!』

 

カァァァアアアアッ。

 

俺の懐から光が漏れる。取り出してみると、宝玉が赤く光り輝いていた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideショウ

 

「フィル!フィル!お願いだから目を開けてくれ!」

 

「ショウさん!それ以上はフィルナさんの体に障ります!落ち着いてください!」

 

フィルの体を揺さぶる俺にロスヴァイセさんが止めてくれた。俺は両目から溢れる涙を流しながら地面を殴った。

 

クソッ!俺は・・・・俺はまた守れないのかよ・・・・。大切な人を・・・。これじゃあの時と同じじゃねえか。凛のときとまったく同じじゃねえかよ・・・・・ッ!俺は・・・・弱い。

 

「・・・・大丈夫です・・・」

 

突然の声に俺は顔を上げるとアーシアに治療されながらも笑顔で俺に話しかけてきたフィル。

 

「フィル!」

 

「大丈夫ですよ・・・ショウ。私は死にません」

 

「わかった!わかったら喋らないでくれ!」

 

「いえ、もう治りました」

 

深々とフィルの体を貫いていた傷が無くなっていた。いくらアーシアさんの回復があったとしても早すぎる・・・。

 

「ショウ、前に言いましたよね?私は死にません、と。あれは正確には私はもう死ぬことは出来ないのです」

 

死ぬことが出来ない?・・・・どういうことだ?疑問が尽きないフィルの言葉に俺は混乱しているとロスヴァイセさんが険しい表情でフィルに問いかけた。

 

「・・・・・フィルナさん。まさか、貴女は・・・・」

 

「・・・・はい。私は魔導の深淵へと足を踏み入れました」

 

「それがどういうことかわかったいるのですか!?貴女はもう・・・・ッ!」

 

険しい表情でフィルに怒鳴るロスヴァイセさん。魔導の深淵?どういうことだ?

 

「貴女はもう人としての生きる時間を失っているんですよ!」

 

・・・・・・・え?

 

何がどうなっているのかわからなかった。フィルが人じゃないのか?でも・・・・。どう見ても人間じゃないか。フィルから感じる気配も全て人と全く同じだった。なのに何故、人じゃないんだ?

 

「・・・・ロスヴァイセさん、どういうことでしょうか?」

 

呆然としている俺の代わりにアーシアがロスヴァイセさんに問いかけるとロスヴァイセさんは答えてくれた。

 

「私たち魔法使いや魔導師、魔術師たちには共通の暗黙のルールがあります。知識・技術・奥義。研究の果てに得た魔道の極致に足を踏み入れてはならないのです。ですので、大抵の魔術師たちは研究の存在を歴史に残すのは僅か。残りは焚書処分にしています」

 

「何故です?」

 

「知れば死に匹敵するほどの情報量。読み挑む者に対して苛烈な負担を強いられるからです。呪いと言う人もいます。魔術師たちはこのことを魔導の深淵と呼び、それを読み解いた者は一つの魔道書と同じ、つまり、フィルナさんは死ぬことも老いることも許されない存在になってしまったんです」

 

・・・・ちょっと待ってくれ。ということはフィルは・・・・。

 

どんなに辛いことがあろうが苦しいことがあっても決して死ぬことができない。永遠にそれを背負い生き続けなければいけないのか・・・。

 

「・・・貴女はそうなる前にそれを知ることは出来たはずです!いったい何故、魔導の深淵に足を踏みこんだのですか!?」

 

いつも冷静沈着なロスヴァイセさんが感情のままに怒鳴り散らす。それだけのことをフィルは何故したんだ?ロスヴァイセさんの言うとおり知る事は出来たはず。何故、フィルはそれを知った上でそこに足を踏み入れたんだ?

 

「ショウの為です」

 

・・・・・俺の為?

 

フィルの答えに俺やロスヴァイセさんは目を見開くがフィルは続ける。

 

「私は今でも凛とショウを助けられなかったことを後悔しています。あの時、魔術が使えていれば、勇気があればどちらも助けることが出来ていたかもしれません。ですが、結果的に凛は死に。ショウは心に深い傷を負ってしまった。私は・・・私は何も出来なかった自分が情けなかった・・・ッ!ですので私は今度こそ守りたい・・・ッ!支えてあげたい!何も出来ない自分はもう嫌なんです!」

 

フィルの顔を見た時フィルの目からは悔し涙が流れてた。

 

・・・・・ずっと、ずっと後悔していたんだな。俺以上に・・・・悔しく、ずっとそれを背負っていたんだな。

 

「大好きなショウを支える為、守る為に私は魔導の深淵に足を踏み入れました。そのことに関しては後悔はありません。だって・・・・」

 

フィルは俺の手を握りしめ笑顔を浮かべていたがその手は細かに震えていた。

 

「ショウはそんなこと気にしたりはしないと、私は信じていますから」

 

笑顔と裏腹に震えている手。拒絶されるかもしれない。嫌いになるかもしれないと心のどこかで思っているんだな。そうだよな、自分が人間じゃない、呪われているかもしれないと知れば怖がると思うだろうな。でもな、フィル・・・・。

 

俺はフィルを抱きしめ涙声で言った。

 

「この頑固者・・・・。拒絶されるかもしれないと思うぐらいならそんな危ないことすんなよ。でも、無事でよかった・・・」

 

「・・・・ごめんなさい・・・それと、ありがとうございます、ショウ」

 

俺の胸のなかで泣くフィル。たく、お前が人をやめたところで俺がお前を嫌いになるわけねえだろうが。

 

俺の胸になかでフィルが泣いていると突然、俺は青い空間にいた。ということは・・・・・。

 

「ルルナか」

 

「ええ、いい場面で悪いと思ったけどどうしても聞いておきたいことがあったから呼ばせてもらったわ」

 

「聞きたい事?」

 

「まずはアレを見て」

 

ルルナが指す方向には・・・・・・・・・部長さんがいて部長さんのおっぱいが光っていた。

 

なにあれ?何で部長さんが京都にいるの?それ以前にどうして部長さんのおっぱいが・・・・・イッセーか。またイッセーが何かしたのか。あのおっぱい魔神・・・。

 

「現赤龍帝は新たな力を手に入れようとしている。そして、貴方は今、不死者となったフィルナを受け入れフィルナの心を救った。これから貴方はどうしたい?そのために私の力は必要?」

 

「俺は・・・・変わらない。でもルルナ。お前の力はいらない」

 

そんな俺の答えにルルナは悲しげな表情を浮かべる。

 

「・・・そう、やっぱりこんな悲劇を呼ぶような私はいらないわよね」

 

「ルルナ、それは違う。悲劇を呼んでいたのはお前じゃない。強すぎるこの力のせいなんだ。強すぎる力は悲しみしか生まない、その悲しみを怒りが忘れさせてしまう。だから、ルルナ」

 

俺はルルナに近づく。

 

「お前は悪くない。そして、仲間を守る為に今から俺がすることを信じてくれ」

 

「いったい何をするの?」

 

「今からルルナ、お前自身を変えさせる。悲劇も何もかも終わらせる。もしかしたら聖書に記されし神はお前を助けるため神器に封じたのかもな」

 

「・・・・どういうこと?話がよく見えないのだけど・・・」

 

「神器は想いに応える。ルルナは悲劇を知った。それは俺も同じ、だけど、悲劇を味わったとしても前を見て歩み続ける奴もいると聖書に記されし神は教えたかったんじゃねえかな?それで、ルルナにも前向きに前を見て欲しいと思って欲しい。そう考えルルナを神器に封じたと思う」

 

「・・・・そんなの綺麗ごとよ。そのせいで多くの人が悲劇を知り死んだ。それが私のせいだという事実は変わらないわ」

 

「それはお前のせいじゃない。強すぎる力のせいだ。だから神器の機能を利用してお前を変える。そして、俺自身の力にする」

 

「私の力が貴方自身の力に?」

 

コクリと頷き俺はルルナの肩を掴む。

 

「ああ、でも俺一人じゃ恐らく無理だ。だから俺を信じてくれ」

 

真っ直ぐ言い放つが正直可能性が低い。今から俺がすることは下手をすれば死を招く。だが、ルルナが心の底から俺を信じてくれるのなら道は見えてくる。

 

「・・・・信じるわ。それで私は何をすればいいの?」

 

「そのまま俺を信じてくれ」

 

ロキ戦のとき俺はルルナの力を借り一時的に神に近い力を得た。だが、もし、ルルナ自身が神器の一部と考えれば・・・・。

 

俺はルルナと唇を重ねキスをすると俺たちの体が青く光り輝き始める。そして俺は現実世界へと意識が戻り呪文を唱える。

 

『Desire!』         「我は悲劇と絶望を知った異端の水神」

 

『Diabolos!』

 

『Determination!』  「怒りに身を任せ忘却していた我が罪の意識」

 

『Dragon!』

 

『Disaster!』       「仲間の為、仲間と共にその罪を背負い仲間を守護する」

 

『Desecration!』

 

『Discharge!』      「我は一人ではない。多くの者に支えられし水神は」

 

『DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD!!!!』

 

俺が呪文を唱えると同時イッセーの宝玉から鳴り響く音声。

 

氷、水、気体。その中で俺が最も得意とする力・・・・。

 

「仲間と最愛の者達の為新たな力に導かれた」

 

呪文が唱え終わると俺の体から極太の青いオーラに包まれ始めそのオーラは空間に穴を開けた。

 

「空間を・・・いや、天に穴を開けた!?」

 

ゲオルクが声を上げるは俺は・・・いや、俺たちは止まらない!

 

「モードチェンジッ!『龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)』ッ!」

 

禁手化(バランス・ブレイク)ッ!」

 

俺とイッセー互いに叫ぶとイッセーの肩から背中にかけて赤いオーラが集まり大口径のキャノンが両肩に装着されていた。

 

氷獄の天神装(インフェルノ・ディエヴス)ッ!」

 

そして、青いオーラが俺に包み終わると俺は全身に青と白で施された衣装を着ていて体中には青い鎖に縛られているが神々しいオーラに俺は包まれ、俺の右手には大振りの突撃槍を持っていた。

 

俺もルルナも悲劇を知ったが犯した罪はある。罪を償い、仲間を守る俺だけの力・・・・・。ルルナの神格と罪を纏いしこの力見せてやる!

 

ブゥゥゥゥン・・・・。

 

俺の隣でキャノン砲にパワーを集めるイッセーはこちらに視線を向ける。

 

「何だよ、ショウ!そのカッコいい格好は!?」

 

「それはこっちの台詞だ!だけど、今はそんなこと言っている場合じゃねえだろ?」

 

「ああ、まずは・・・・」

 

「「ぶっ飛ばす!!」」

 

イッセーはキャノン砲に力を集め俺は突撃槍を曹操たちに向ける。

 

「大気よ・・・水に・・・水を・・・氷に・・・氷を龍に!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

イッセーがキャノン砲にエネルギーが溜まったときには俺の槍には巨大な氷の龍が巻き付いていた。

 

「吹っ飛べェェェェェェェェェェェッドラゴンブラスターァァァアアアアアアアアッッ!」

 

「天をも凍らす地獄の氷龍!ヘルドラゴン・ヴィアベル!」

 

イッセーの極大の一撃と俺の氷の龍が曹操たち目掛けて放射する。だが、曹操たちは危険と感じたのかそれを避ける。

 

ドォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!

 

空間全域を震わせるほどの大爆発を起こし放たれた先は風景が消え、その場所は氷の世界にへとなっていた。

 

「・・・疑似空間の町が歪む、か。ここはかなり強固に創らせているんだけどね。・・・なんて威力だよ」

 

「曹操ォォォォォォオッッ!」

 

イッセーは曹操の名を呼びキャノン砲が霧散していく。

 

「モードチェンジ!『龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)』ッ!」

 

イッセーはドラゴンの翼を羽ばたかせ曹操に向かう。背中もブーストも噴かせどんどん速くなっていった。

 

「―――装甲パージッ!」

 

叫ぶとイッセーの鎧が細くなり圧倒的な速さを見せつける。

 

俺も、いや、曹操たちがイッセーに集中している今がチャンスだ。

 

俺は囚われている九重の母親、八坂さんに槍を向けると九重の母親の足下にある魔方陣を凍らせる。

 

「砕けろ」

 

凍らせた魔方陣を砕き九重の母親のところに行く。姿は人間には戻らないが息はしている。

 

「匙、大丈夫か?」

 

「・・・あ、ああ、なんとかな」

 

尻尾の縛られていた匙も何とか無事だったことに息を漏らす。よかった・・・・。後は曹操たちを追い返すだけだ。

 

「おっぱいドラゴンなめんな、このクソ野郎ォォォォォォォッッ!」

 

イッセーは拳を曹操に目掛けてぶっ放し、曹操はイッセーの拳の勢いを殺せず空中までふっ飛ばしていた。だが

 

「・・・はぁはぁ・・・」

 

その場で膝をつくイッセーの顔はあきらかに疲労している。スタミナを一気に消費したのか。なら、後は俺が何とかするしかねえな。

 

そう思い曹操たちと戦おうと戦意を向けようとした時、先程俺が空けた空間の穴から体が細い数十メートルのドラゴンが現れた。

 

西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)玉龍(ウーロン)かッ」

 

曹操がそう叫ぶ、玉龍(ウーロン)って五大龍王の!

 

俺は視線をドラゴンに向けるがドラゴンの背には小さな人影が見えた。と思ったら飛び降り地上へと降り立った。

 

「大きな『妖』の気流、それに『覇』と『神』の気流。それらによって、この都に漂う妖美な気質がうねっておったわ」

 

小さな人影は幼稚園ぐらいの背の煙管を吹かし、根を持っているおじいさん。

 

「おー、久しい限りじゃい。聖槍の。あのクソ坊主がデカくなったじゃねーの」

 

「これはこれは。闘戦勝仏殿。まさか、あなたがここに来られるとは。各地で我々の邪魔をしてくれているそうですな」

 

闘戦勝仏・・・・・じゃあこの人が初代孫悟空なのか!?

 

俺が仰天しているとジークフリートが曹操に告げる。

 

「曹操。ここまでにしよう。初代孫悟空は『禍の団(カオス・ブリゲート)』のテロを何度も防いでいる有名人だ。これ以上の下手な攻撃はせっかくの人材に傷がつくよ」

 

「退却時か。見誤ると深手になるな」

 

英雄派たちは素早く一か所に集まり、ゲオルクが足下に巨大な魔方陣を展開し始める。逃げる気かよ!?

 

「ここまでにしておくよ。初代、グレモリー眷属、赤龍帝に氷血神、再び見えよう」

 

「――――お咎めなしで帰れると思うのか?こいつは京都での土産だッ!」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 

籠手のキャノンから魔力の一撃を放つイッセーの攻撃にジークフリートたちが曹操たちの盾になろうとするがジークフリートたちに当たる直前軌道が変わり曹操に直撃した。

 

「・・・・目が・・・。赤龍帝ぇぇぇっっ!」

 

槍をかまえる曹操は呪文を唱え始めた。

 

「―――槍よッ!神を射抜く真なる聖槍よッ!我が内に眠る覇王の理想を吸い上げ、祝福と滅びの―――」

 

曹操の呪文に俺は全身から嫌気を感じた。悪魔が聖なる力を感じる不気味な気配じゃなくまた別な―――。

 

「曹操っ!唱えてはダメだ!『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』の禁手――――いや、『覇輝(トゥルース・イデア)』を見せるのはまだ早いッ!」

 

ジークフリートの声に曹操は深く息を吐き落ち着く。魔方陣が消える間際曹操が俺とイッセーに言った。

 

「――――兵藤一誠、駿河彰、もっと強くなれ。ヴァーリよりも。そうしたら、この槍の真なる力を見せてあげるよ」

 

それだけを言い残し、英雄派は去っていった。ふう・・・・終わっ・・・・た・・・・。

 

俺は緊張が解けたのか意識を失いその場で気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に俺が目を覚ましたのはすでに戦いの後始末が終えているところだった。

 

「おう、目を覚ましたか」

 

「・・・・初代孫悟空さん」

 

俺の前には初代孫悟空が立っていた。

 

「想う気持ちは時には鋭い刃となって簡単に心を斬り裂く。じゃが、おまえさんはそれを乗り越え大切なもんを守った」

 

棍で俺の隣で俺に身を預け寝息をたて寝ているフィルとゼノヴィア。

 

「乗り越えてなんかいません。俺は皆がいなければとっくに死んでいました。皆が支えてくれたからこそ俺はこうしていられるんです」

 

「赤の坊同様おまえさんも精進せぃ。じゃが、決して力には溺れてはならん」

 

「はい。助言ありがとうございます」

 

それだけ言い初代孫悟空は玉龍(ウーロン)と共に行ってしまった。俺は寝ている二人に気づかれないように拳に力を入れる。

 

もっと・・・・もっと力に溺れないくらい強くなる・・・・・ッ!心も体も・・・・ッ!

 

俺は新たな決意を胸にしまい込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから京都への大激戦は終わり俺たちは帰還。だが、俺たちはイッセーの家に呼ばれ兵藤家の一室に正座させられていた。

 

「なんで知らせてくれなかったの?―――――と言いたいところだけど、こちらもグレモリー領で事件が起こっていたものね。でも、ソーナは知っていたのよ?」

 

「は、はい・・・」

 

半眼で問い詰めてくる部長さん。京都での騒ぎの説明が終わり朱乃や小猫ちゃんたちもご立服だった。

 

「まったくですわ。ショウ、後でお仕置きですわね」

 

「止めて!アレだけは本当に止めて!いや、こっちも連絡しようかは迷っていたんだ!だからアレだけはご勘弁を!」

 

アレだけはもう二度と嫌なんだよ!お願いだからやめて!

 

「うふふ、ダーメですわ。アレはもう確定事項です」

 

「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」

 

Sな笑みまで浮かべないでくれ!朱乃!今の俺にはスゲー怖い!

 

「・・・・・朱乃先輩」

 

「どうしました?小猫ちゃん」

 

朱乃に声をかける小猫ちゃん!よし、言ってくれ、小猫ちゃん!今度どこかの食べ放題へ連れてってあげるから!朱乃を説得してくれ!あぁ、今の小猫ちゃんから後光が見える・・・・・。実際に見えたら大変だけど・・・・。

 

「・・・・・私もしてもいいでしょうか?」

 

「ええ、もちろんかまいませんわ」

 

小猫ちゃん!キミまでもか!?俺はそんな苛めが好きな子に育ては覚えはありません!育ててもないけど・・・・。ああ、誰か俺を助けて・・・・・・。

 

無情にも誰も俺を助けてくれる人はいなかった・・・・。酷いよ皆。俺たち仲間じゃなかったのか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか?ショウ」

 

「・・・・・・・・・そう見えるか?」

 

何とかアレが終わり無事生きている俺はフィルを連れて夜中歩いていた。

 

「・・・・ほんと、誰も助けてくれなかった。フィルも」

 

「ごめんなさい。私もアレだけは・・・・どうしても」

 

ああ、わかる。その気持ちはわかる。だけど助けてくれてもいいじゃないか。

 

涙を流す俺にフィルは何度も慰めようと謝る。まあ過ぎたことはもういいか。

 

「ところでいったいどこに向かっているんですか?こんな真夜中に。それも朱乃さまたちにも話さず」

 

「・・・・誰にも言えないからだよ」

 

と、言っても朱乃は気づいているだろうな。

 

俺たちはしばらく歩き続け誰もいない場所に行き転移用魔方陣であるところに到着する。

 

「・・・・ここは」

 

「ああ、俺とフィル、凛でよく遊んだ公園だ」

 

出会い、そして俺たちの運命が始まった場所。もう二度と来ることはなかったんだけどな・・・・・。

 

「覚えているか?フィル」

 

「・・・はい。私がお二人に助けられ仲良くなった場所・・・思い出の公園です」

 

懐かしいのか、それとも思い出したのかフィルの声は涙声になっていた。

 

いい思いでも、悪い思い出もここから始まった。だからここですると決めた。

 

「フィル、まだちゃんと返事をしていなかったよな」

 

フィルと向き合い俺はそう言うとフィルはコクリと頷く。

 

「フィル。俺は朱乃のことが好きだ。愛している。これからもずっとその気持ちは変わらない」

 

俺は真正面から自分の気持ちをフィルに伝える。

 

「だけど、フィル。俺はお前も朱乃と同じくらい好きだ」

 

「・・・・・・・え?」

 

一瞬、呆然とするフィルに俺は続けて言う。

 

「いつも正直に俺のこと好きだと言ってくれたり、俺が辛い時は慰め、支えてくれる。どんな時でもフィルは俺の為に尽くしてくれた」

 

ロキの時がそうだ。俺が皆から離れ、一人でいるところをフィルは慰めてくれた。たった一人で俺を支えてくれた。

 

「フィル。もう一度言う。俺はフィルも好きだ。朱乃と同じくらい幸せに出来るように頑張る。だから、ずっと俺の傍にいてくれないか?」

 

言い終わるときにはフィルはポロポロと大量の涙を流し小さく頷いた。

 

「・・・はい、ずっと・・・ずっと貴方の傍で貴方を支えます・・・・・私も貴方のことが・・・・・ショウの事が大好きですから・・・・」

 

俺はフィルを抱きしめ涙を拭い頬を触れ顔を近づけキスをする。

 

 

 

 




京都編完結!
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