水態の神器使い   作:ユキシア

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もうお前にリアスは守れない

Sideリアス

 

「え、イッセーもショウも朝から来ていないの?」

 

放課後、私は部室に行くとイッセーとショウがいないことに気づきアーシアたちに訊いてみると

 

「はい、イッセーさんは朝学園に向かっているのは見たのですが」

 

「ショウも朝早くからどこかに行っていたのは見たな。リアス部長、何かあったのか?あの時のショウの顔は怖いくらい険しい表情をしていたぞ」

 

ゼノヴィアの言葉に私は言葉が詰まった。

 

もしかして、ショウ・・・・イッセーと。だとしたら私のせいで・・・・・。

 

私はいてもたってもいられなくなり急いで部室から飛びだした。

 

「まったく、ショウも心配かけさせないでくださいよ」

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

Sideイッセー

 

「うおおおおおおおおおっ!ドラゴンショットォォォォオオオオオオッ!」

 

俺は籠手に溜めた力を一気に解放しショウ目掛けてドラゴンショットを放つがショウは槍をドラゴンショットに向ける

 

「ブリザードキャノン!」

 

冷気の波動を放ち俺のドラゴンショットを凍らせ無効化させた!

 

「ショウ!テメエはやっていい事と悪い事が区別出来ねえのかよ!?何で、何で部長を・・・・・ッ!?」

 

よくも・・・よくも部長の・・・・・ッ!?許さねえ!

 

「それはこっちの台詞だ。今の言葉そっくりそのまま返してやる!本気で来い!イッセー!テメエにはもうリアスは守れねえ!」

 

冷たく鋭い目で俺を睨むつけるショウ。俺は怒りのままに叫ぶ!

 

「死んでも恨むなよ!龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)ッ!」

 

『Change Fang Blast!!』

 

俺は内の駒を変更させて、赤龍帝の力を爆発させ背中にバックパック、肩にキャノンを形成。

 

「ショウ!プロモーションが行える分、俺の方が有利だ!」

 

ブゥゥゥゥン・・・・・。

 

静かに鳴動させながら砲口にオーラをチャージする。すると、ショウの体に巻かれている鎖が俺の腕に巻きついてきた!

 

罪の鎖(クライム・チェイン)

 

シュゥゥゥゥゥ・・・・。

 

「なっ!?」

 

砲口にチャージしていたオーラが消えただけじゃなく通常バージョンの鎧に戻った。いや、戻された!

 

罪の鎖(クライム・チェイン)は一定時間相手の能力を一つ凍結させる。これでしばらくはトリアイナの僧侶(ビショップ)は使えない。それと、プロモーションが出来なかろうが使い手次第でそれは大きく変わるんだよ」

 

クソ!新しい禁手の力か!僧侶は使えない・・・なら、接近戦で倒す!

 

俺は再び内の駒を変化させる!

 

龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブーストナイト)ォォォォォッッ!」

 

『Change Star Sonic!!』

 

鎧の各所がパージされ、俺は神速の動きでショウに突っ込む。

 

このまま体当たりしてやる!

 

ショウの禁手は今まで見た限り能力と攻撃力に回している分、防御力は低いはず。ならこの動きで体当たりすれば相当なダメージのはずだ!

 

だが、体当たりする寸前でショウは身を逸らしてあっさりと躱された。完全に見切っているのか!?

 

「何でこんなにも簡単に避けられるんだとでも考えているみたいだな」

 

俺の考えを見透かすように言ってくるショウ。クソ。その通りだよ!

 

「教えてやるよ。息を吐いてみな」

 

俺は疑問に思いながらハァ~と息を吐くと白い息が見えた。え、息が見える?

 

「鎧を着ていたせいで気づかなかったろう?今ここら辺の温度は氷点下にまで下がってんだ」

 

嘘だろ。天候まで操ったってのかよ。そんなのまるで煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)みたいじゃねえか・・・・。

 

「だが、いくら凄い鎧を着ていようが温度は鎧の隙間からでも侵入出来る。体温が低いところでは筋肉の柔軟性が落ち、関節の可動域も狭くなる。俺がお前の動きを見切っているんじゃない。お前が遅くなってんだよ」

 

なるほど・・・・。俺の動きが遅くなっていただけなのか。クソ、意識したら体の動きがおかしくなってきた。

 

「今この辺りの気温は-40℃。早く俺を倒さないと温度はドンドン下がっていき、いずれお前の全身を凍らせる」

 

ゾク・・・・・。

 

ショウの言葉に全身が身震いし始めた。確かに体は少しずつではあるが動きづらくなっていく。

 

「トリアイナの僧侶(ビショップ)騎士(ナイト)を封じた。もうプロモーションが出来る方が有利とは言えねえな」

 

ギリ・・・。

 

歯を噛みしめながら俺は通常バージョンの鎧に戻す。トリアイナで使えるのはあと戦車(ルーク)だけ。あれは攻守ともに圧倒的上がるが速さを失う。なら、この状態でなんとかするしかねえ。

 

「こないならこっちから行くぞ!」

 

「くっ!」

 

襲い掛かってくるショウの槍を俺を身を捻らせ何とか躱したが俺の動きが遅くなっているせいかショウの動きが早く見える!

 

「どうした!?俺を殴りたくねえのかよ!?お前の大好きな部長の処女をいただいた俺を殴りたくはねえのかよ!?」

 

「うるせぇぇぇぇええええええええええええッッ!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

怒りのあまり俺は溜めた力を拳に集めショウを殴ろうとするが氷点下のせいかあっさりと躱された。ショウはその隙をつき槍で俺の足を払い地面へ倒された。

 

「・・・・・ライザーからリアスを取り戻そうとしたときお前言ったよな。部長が泣いていた。お前を殴る理由はそれだけで充分だ、と」

 

ライザーとのレーティングゲーム・・・・。

 

俺がライザーにボロ負けしたとき部長は泣いていた。そして、昨日も泣いていた。

 

「それなのにお前はリアスを泣かせた。好きな人を、愛している人をお前は泣かせた!昨日、リアスが俺の家に来たとき目元は赤く腫れていた。声も涙声だった。わかるか?あの時、部室から飛びだしてからリアスはずっと泣いていたんだぞ!」

 

そんなにも・・・・俺のせいで・・・。

 

驚く俺にショウは槍を地面に突き刺した。

 

「立て、イッセー。今の俺は心底腹が立っているんだ。お前の全てを叩き潰して目を覚まさせてやる。トリアイナの戦車(ルーク)を使って全力で俺を殴り飛ばしてみろ」

 

俺は立ち上がり拳の届く距離まで行く。

 

・・・・・後悔すんなよ。全力でぶっ飛ばす!

 

龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)ゥゥゥッッ!」

 

『Change Solid Impact!!!』

 

俺の鎧が分厚くなり腕の太さも何倍にも膨れ上がった。

 

巨大な拳を振り上げ、一気にぶち抜く!肘の撃鉄を打ち鳴らし、その勢いでインパクトの威力を上げる!

 

ドンッッ!!

 

俺は渾身の一撃でショウを殴った!拳の照準も完璧打ち損じてもいない。まさに俺の最高の一撃。だけど・・・・・。

 

「うそ・・・だろ?」

 

俺の最高の一撃をショウは片手で受け止めやがった・・・・。

 

「・・・・この程度がお前の全力かよ。軽すぎる」

 

ショウがそうつぶやいた。

 

いや、まだだ!ここからもう一度撃鉄を撃って

 

ガンッ!

 

もう一度撃鉄を撃ってインパクトを底上げしようとする前にショウの拳が俺の鎧を破壊した。

 

そんな!攻守に特化した鎧だぞ!それなのに何で拳で壊せれるんだ・・・・。

 

「リアスは何故泣いた!?」

 

ガギャンッ!

 

再びショウの拳が俺の鎧を破壊していく。

 

「リアスは何故傷ついた!?」

 

ガシャァァァァンッ!

 

鎧が壊され素の状態になった俺にショウは拳に魔力を込めていた。

 

「お前のその拳は何の為に!?誰の為に握ってきた!?」

 

ゴンッ!!

 

ショウの拳が俺の顔面に直撃し、俺はふっ飛ばされた。

 

・・・・俺の拳は・・・何のため・・・誰のため・・・・・。

 

『イッセー』

 

俺の脳内で俺を呼んでくれる紅髪に女性、リアス・グレモリー。俺の憧れであり、俺の守りたい人・・・そして、俺にとって大切な女性・・・・・。でも、俺は・・・・・その人を泣かした・・・。

 

「わかったか、イッセー。何の想いも込められていないそんな拳じゃ俺は倒せない。そして、守ることも出来ない」

 

その言葉に俺はタンニーンのおっさんと匙のことを思い出した。

 

『「こもった一撃」は体の芯に届く』

 

『今日!俺は!おまえを超えていくッッ!』

 

タンニーンのおっさんの言うとおり、匙の一撃は俺の心にまで重く響いた。そして、ショウの一撃も匙の時と同じように心にまで響いた。

 

匙は先生になるため、そして、ソーナ会長のために何度も立ち上がった。

 

「ライザーを倒すときお前はリアスの涙を流さないために、そして、リアスのために戦った。それなのに、なんでお前はリアスを泣かせた!?ライザーと立ち向かったときの気迫はどこに行ったんだよ!?」

 

俺は・・・俺は・・・・・。

 

「・・・・・もうお前にリアスは守れない」

 

鋭く突き放たれたショウの言葉が俺の心に深く突き刺さった。

 

「俺がお前の代わりリアスを守る。お前はずっとそうしていろ」

 

踵を返して離れていくショウ。

 

・・・・これでいいのか?俺はここで立ち止まっちまうのか?

 

俺は部長を守りたい・・・・大好きな部長の名を呼びたい・・・でも

 

―――腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!

 

レイナーレの言葉がフラッシュバックする。初めての彼女・・・・でも、あいつは俺を殺した・・・!冷たい目で俺を見た時芝居だってわかった・・・・。アーシアだって殺した・・・!でも、それでも・・・・・初めて出来た彼女だったんだ・・・・。

 

――――怖い。嫌われるのが怖い・・・・・・・・・!もう、あんな思いはしたくない!でも、守りたい!俺は部長を守りたいんだ!部長が好きだ!リアス・グレモリーが大好きだ!命に代えても俺は・・・俺は・・・・・・ッ!

 

「まも・・・るん・・・だ」

 

俺は氷始めていた身体に鞭を打ってゆっくりと立ち上がる。ショウもそれに気付いたのかこっちに振り返ってきた。

 

「好きな女を泣かし、傷つけたお前に守る資格はあるのか?」

 

「ああ・・・・俺は部長を泣かしたし、傷つけた・・・・・。嫌われるのが怖く、壁を作っていた・・・・でも、俺は好きな女を自分の手で守りたいんだ・・・・ッ!」

 

俺にだって譲れないものはある・・・・・ッ!部長は・・・・リアス・グレモリーは俺が守る!それだけは誰だろうが譲れない!

 

「例え、ショウでもこれだけは譲れない!怖くても・・・嫌われようとも俺は・・・俺は・・・・ッ!」

 

残ったオーラを全て拳に集め俺はショウに向かって叫んだ!

 

「俺は・・・俺はリアス・グレモリーが大好きなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!」

 

自分の気持ちを!自分の想いをぶちまけながら俺はショウ目掛けて拳を放った!

 

「・・・・・ちゃんと言えるじゃねえか。イッセー」

 

ドゴンッ!

 

俺の拳はショウに直撃し、ショウをふっ飛ばした。だが、ショウは殴られる瞬間、笑っていた。

 

まさか、ショウ・・・・お前、俺のため・・・・・に・・・・。

 

俺はその場に倒れ意識を失ってしまった。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideショウ

 

ちゃんと言えたじゃねえか、イッセー。部長さんのこと名前で・・・・。嘘をついたかいがあったな。ま、その代償が両腕と顔面の負傷だけど。

 

俺は昨日の夜のことを思い出す。昨日の夜、部長さんが俺の部屋で来て俺は部長さんを抱きしめた。

 

『リアス。自棄になちゃダメだ。お前の大事なものは大事な人にちゃんと捧げないと』

 

『でも、イッセーは・・・イッセーは・・・・』

 

『イッセーは今、壁にぶつかっているんだ。だから、もう少しだけ待ってやってくれ。俺が何とかしてみせる。でも、今はリアス。お前だ』

 

俺はリアスを強く抱きしめる。

 

『抱くことは出来ないけど。落ち着くまでこうしてやるから好きなだけ泣け。それまでずっと傍にいてやるから』

 

『・・・うっ・・・・うぅ・・・イッセー・・・・』

 

大変だったんだぞ。部長さんを慰めるのは。まあ、結果的これでイッセーの壁が崩れたのならいいか。

 

「・・・・・・・んっ」

 

「やっと、目を覚ましましたか。ショウ」

 

「・・・・・・フィル?」

 

俺が目を覚ますと俺の目の前にはフィルがいた。何でここに?

 

「召喚魔に貴方を探してもらいました。今は動かないでください。治療中ですので。お二人とも」

 

グジュル・・・グジュルと気持ち悪い音が聞こえ俺は目線を下にすると変な蟲が俺の体を這いずりまわしていた。

 

医蟲(ドクターインセクト)。この蟲は外傷を吸い上げ傷を治すことが出来るんです・・・・見た目は気持ち悪いですけどとっても役に立ちますよ」

 

うん、それには激しく同意。背筋がゾッとしたぞ。

 

「ショウも不器用ですよね。もう少しいい方法はなかったのですか?死んでいたのかもしれなかったんですよ」

 

「・・・・これしか思いつかなかったんだよ」

 

両腕はイッセーの拳を受け止めたほうは骨はボロボロ、筋肉組織はズタズタ。いくらイッセーの筋肉組織を鈍らせて本調子に半分も出せなかったとしてもよく腕が吹っ飛ばなかったもんだ。イッセーを殴ったほうも手の骨がイカレている。魔力を込めていたとしても無茶したな。でも、スッキリはした。

 

・・・・あとはイッセー次第。俺はそれを見守るしかねえな。頑張れよ、イッセー。

 

「・・・・・んぁ、俺は・・・・ってなんだこれ!?気色ワリィ!」

 

どうやらイッセーも目を覚ましたようだ。そして医蟲(ドクターインセクト)を見た最初の言葉はやっぱり同じだな。

 

「よう、イッセー。目が覚めたか?」

 

「あ、ショウ、それにフィルナまで。俺は・・・・・」

 

「気が付いたのならいい。自分の気持ちに正直になったか?」

 

「あ、ああ、ありがとな。ショウ。俺の為に・・・でも」

 

「部長さんを抱いたのは嘘だ。お前を本気にさせるためにそう言っただけで本当は抱きしめただけだ」

 

「そ、そうなのか!よかった~」

 

安心するかのように地面へ寝転んだイッセーは次に真剣な表情で俺に宣言してきた。

 

「ショウ。俺決めた!サイラオーグさんのゲームに勝って部長に、リアス・グレモリーに告白する!」

 

「・・・・そうか」

 

それが聞けただけで俺は満足だよ。イッセー。

 

お互いに満足そうに寝ているとフィルが現実を言ってきた。

 

「ところでお二人とも。リアスさまたちのこのことはどう説明なさるのですか?」

 

フィルが辺りを指すと採石場はクレーターが出来たり、凍っていたりしていた。

 

「それと、リアスさまたちは今だお二人を探しておられます。私は何も言いませんのでお二人だけで何とかしてくださいね」

 

その言葉に俺とイッセーの顔はドンドン青くなっていく。

 

ヤバいな・・・・。怒ってるな、朱乃も。ハハハハハ、死んだな。

 

Sideout

 

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