水態の神器使い   作:ユキシア

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喧嘩を終えて

Sideショウ

 

「と、いうわけです。本当に申し訳ございませんでした」

 

俺は今、土下座しています。え、誰にだって?そりゃ決まってんだろ。

 

「まったく、どうして一言ぐらい相談してくれないのですか?リアスとイッセーくんのためとはいえ私だって力をお貸しますのに」

 

ため息を吐く朱乃。だがその表情から出てくるプレッシャーは微塵も緩んではいない!いや、確かに言わなかった俺が悪いよ!つい感情的になってイッセーと戦って大怪我したことは悪いとは思ってるよ!でも、仕方ないじゃねえか!部長さんを慰めてすぐに動いたから相談する暇もなかったんだもん!

 

言い訳をするかのように嘆く俺だが実際のとこ怒られても仕方ない。あの後フィルに怪我を治してもらいゼノヴィアたちにはサイラオーグさんに向けて特訓とかその場で突いた嘘で一応何とかなったがさすがに朱乃たちには無理だった。例えイッセーと部長さんのためとはいえ朱乃は俺が無茶して怪我をしたことに心配してくれている。そんな朱乃に謝る以外出来ることはないからな。

 

「まぁ、御説教はこれぐらいにして。どうでしたか?イッセーくんは」

 

「ああ、それはもう大丈夫。あとはイッセーと部長さん次第」

 

イッセーはサイラオーグさんとのゲームのあと告白するみたいだし、あとは本当に二人に任せるしかない。・・・・・・・て、朱乃さん?どうして急に抱き着いてくるんですか?

 

正面にいたはずの朱乃がいつの間にか俺の背後から抱きついてきた。

 

「うふふ。リアスに少し嫉妬してしまいますわね。私のショウに慰めてもらえるなんて」

 

あぁ、そっか。一晩付きっ切りで慰めていたからな。朱乃たちも俺の部屋に入ってこなかったのは察してくれてたんだ。

 

「ねえ、ショウ。もし、私が泣いたら貴方の胸で泣いてもいいかしら?」

 

「もちろんだ。いや、それ以前に泣かせたりはしない」

 

それは絶対に決めた。俺は何度も朱乃やフィルを泣かしている。これ以上二人の涙は見たくない。

 

そう思っていると突然部屋の中心に魔方陣が出現した。それは俺達がよく見るグレモリーの魔方陣。

 

と、いう事は・・・・・・。

 

魔方陣から現れたのは紅髪の女性、俺や朱乃の主。リアス・グレモリーだった。

 

「ふふ、それじゃあ私は外で待っていますわね」

 

朱乃は颯爽と部屋から出て行った。

 

え、ちょっと待て朱乃!何その空気を読みましたよみたいな感じ!何を察したの!?

 

「・・・・・ショウ。ちょっといいかしら?」

 

「え、あ、はい。どうぞ」

 

俺は椅子に座り直し部長さんをベットに座らせる。すると部長さんが

 

「ショウ。ありがとう」

 

突然、礼を言ってきた。

 

「え?何がです?」

 

「あの時、どうかしていたわ。イッセーが私の気持ちに気づいてくれないことに悲しくて、辛くてそれを取り除こうと自暴自棄になっていたわ」

 

「仕方がない、とは言えませんけど少なくとも俺はあの時貴女の目を見たとき絶対にしてはいけないと思ったからしませんでした」

 

確かにそれで辛い想いが取り去ることができるかもしれない。でも、俺はしたくない。辛さや悲しみを忘れるためにしても何も嬉しくない。

 

「むしろ、俺は謝らないといけません。あのような状況だったとはいえ部長さんとキスしてしまったのですから」

 

「・・・それは気にしなくてもいいわ。私も気にしてないから・・・・・ねえ、ショウ」

 

「はい?」

 

「貴方は私のことが好き?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?なんですと?

 

一瞬頭が真っ白になったがその後冗談かな?と思って部長さんの顔を見たら頬を赤く染めまじまじと俺を見ていた。

 

ガチだ・・・・ガチの質問だ。というかどういうことだ?もしかして部長さんイッセーより俺の方が好きに・・・・・・いやいや考えすぎだ!なら、どういうことだ?

 

「もしかしたら私は貴方の事が好き・・・・なのかもしれない」

 

衝撃の事実!!いや待て!なのかもしれない、だ!落ち着け俺!クールになれ!俺!

 

「始めはイッセーと貴方は出来の悪い弟と優秀な弟のように見ていたわ。でも、ライザーとの一件でイッセーは私のために左腕を支払ってまで私を助けてくれた。その時私はイッセーのことを一人の男性として好きになったわ」

 

こういうこと言っちゃ悪いけど吊り橋効果って奴なんだよな。まぁ、イッセーの場合本心で言っているんだろうけど。

 

「でも、貴方は私の為にお兄さまに本気で怒ってくれた。お母さまから聞いた時は本当に驚いたわ」

 

「いや、俺もあの時は無神経すぎました。サーゼクスさんも何も考えていない訳ないのに自分の感情のままに叫んで偉そうに言える立場じゃないんですけどね」

 

「でも、私は嬉しかったわ。それから貴方は朱乃たちの抱えているものを全部軽くしてくれた。貴方の優しさに私は惹かれたかもしれない」

 

髪と同じくらい頬を赤くしながら部長さんは上目づかいしながら訊いてきた。

 

「貴方は私が好き?」

 

俺は部長さんの言葉に正直に答える。

 

「部長さん。俺は貴方のことが好きです。でも、それは限りなくloveに近いlikeであってそれ以上にもそれ以下にもなりません。部長さんがイッセーに問いかけたように言うのなら俺にとって部長さんは好きな女性であって、俺の尊敬する主です」

 

「・・・・・好きではあるけど恋愛感情はない。ということ?」

 

「だって、俺には朱乃とフィルがいます。俺は二人の事を愛している。部長さんは俺の事好きみたいですけどそこに愛はありますか?」

 

「・・・・・・・・・」

 

ないでしょうね。だってそこにはもうイッセーがいるんだから。

 

「もうすでに部長さんの心の奥にはイッセーがいます。そこに俺が入る隙間はありません。だからこそ、部長さんはあの時たくさん泣いた。それはここの奥が痛かったからでしょう?」

 

俺は人差し指を部長さんの胸、正確には心臓に指す。

 

「それだけ部長さんにとってイッセーは大きい存在なのではないですか?」

 

部長さんは自身の胸に手を置き薄らと涙を浮かばせる。

 

「・・・・・そうね。その通りね。ありがとう、ショウ。なんだか楽になれたわ」

 

「力になれたのならよかったです」

 

ふぅ、よかった。これでもう部長さんに迷いはねえだろ。にしてもある意味おしいことしたと言えばしたな。部長さんみたいな美女のある意味告白みたいなものを振ったのだから。でも、これでいい。

 

「まあ、また泣きたくなったら言ってください。その時はイッセーは氷漬けにしてやりますので」

 

「ふふ、ありがとう。ねえ、ショウ。一つ聞きたいのだけど」

 

「何ですか?」

 

「貴方、私の二回目って欲しい?」

 

「・・・・・・・スミマセン。モウイチドイッテクダサイ」

 

「いや、あのね。処女はイッセーにあげるけどやっぱり貴方の事が好きという気持ちは変わっていないみたいなの。だから貴方さえよければ私の二回目をあげてもいいかなーって思ったりみなかったり・・・・えっと、あーーーー!もう!私の二回目欲しいのか欲しくないのかだけ答えなさい!」

 

えーと、つまり、イッセーは愛しているから処女をイッセーに捧げて。俺が好きだから二回目を俺に捧げるということか?・・・・・・・・・・・・・・・・・えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッ!!!ちょっと待て!これはどういう状況!?つまり俺は部長さんの愛人になれということか!?いや、待て!おかしくないか!?いや、嬉しいぞ!男として凄く嬉しいぞ!これ以上にないくらい嬉しいかもしれない!だって、朱乃と負けないぐらいスタイルを持ちイッセーの乳眼によると柔らかさは朱乃が勝って張りは部長さんが勝っているって言っていたな。いや待て!何真剣に考えてんだ!俺は!俺には朱乃とフィルがいるじゃねえか!しかし、断れば男としてどうなんだ!?それにもしここで断れば部長さんに魅力がないと言っているもんじゃねえか!どうする!?

 

①断る

 

②二回目を貰う

 

③何とかこの場をやり過ごす

 

④朱乃やフィルに助けを念じる

 

クソ!何だよ!?この選択肢!理想は③だがそれは悪魔でこの場凌ぎのもの。後で言われたらどうすることもできねえ!①だと男としてこれはどうなんだ!?②だと朱乃やフィルが怖い!どんな反応するかわからん!なら、④か!一か八か。頼む!来てくれ!俺をここから助けてくれ!朱乃!フィル!

 

「で、どうなの?ショウ」

 

詰め寄ってくる部長さん。だが俺は祈る続ける!頼む朱乃!フィル!来てくれ!

 

しかし、無情にも誰も来なかった。どうするどうするどうするどうするどうする!?考えろ!考えるんだ!きっとこの窮地から脱出できる方法があるはずだ!

 

俺は脳みそをフル回転させるとある結論にたどり着いた。

 

「とりあえず保留ということで」

 

「保留?」

 

「はい、だってもしかしたらイッセーが部長さんの二回目も欲しいって言ってくるかもしれないじゃないですか?そうしたらイッセーのこと愛している部長さんがそれを断って俺に抱かれますか?しないでしょう?ならこの話自体を保留ということにして。それまで部長さんが俺の事好きでいたのならこの話はその時にしましょう」

 

早口でそう言う俺。まあ結局のところ後回しにしているだけだけど。イッセーのことだからしばらくは部長さんを抱くという事はしないだろう。

 

「それに部長さんはつい感情的になるところが多々ありますから。今の部長さんのその気持ちがしばらくしてもあるのなら俺は部長さんを抱きます」

 

「・・・・・確かに貴方の言うとおりつい感情的になってしまうわね。わかったわ。それじゃ保留にしましょう」

 

ふー、何とかなったな。あれ?でもなんだろう?このガッカリ感。

 

その後は部長さんは魔方陣で帰って行った。最後に『イッセーもそうだけど貴方も結構鈍感だから気を付けなさい』は余計だったけど。

 

「一言余計だよ。俺はイッセーほど鈍くない」

 

「いえいえ、ショウもイッセーさまに負けないぐらい鈍感ですよ」

 

「・・・・・・・・いったいいつからそこにいるのですか?フィルナさん」

 

いつの間にか俺のベットで寛いでいるフィルがいた。

 

「そうですね。ショウがリアスさまを抱きますと言っていた辺りからでしょうか?」

 

ニコリと笑ってはいるがフィルから重圧を感じてしまう!

 

クソ!よりによって一番聞かれたくないところ聞いていやがった!

 

「いや、フィル。勘違いするなよ?俺は本当に部長さんを抱くつもりはなくてだな・・・」

 

「しかし、満更でもなさそうに見えたのは私の気のせいでしょうか?」

 

ええ、そうですよ!合っていますよ!満更でもないですよ!俺だって男なんだ!仕方ないじゃねえか!部長さんみたいな美女にそう言われたら男なら喜んじまうぞ!

 

心の中で嘆いているとフィルは不服そうに頬を膨らませていた。

 

「まったく、私なら初めても二回目でも喜んでショウに捧げる準備は出来ていますのに。どうして、ショウはこんなに堅物になのでしょうか?小さい頃はとても素直でいい子でしたのに」

 

「俺だって成長してんだ!それとな、俺だって年頃の男の子だ!したいと言われたらしたい!でも俺は今の生活に満足してんだ!これ以上望んだらバチが当たる!」

 

「・・・・ショウ、貴方は悪魔なのですからもっと欲望に正直になっていいと思いますよ?それと悪魔がバチが当たるとか言いますか?」

 

悪かったな!どうせ俺は小心者だよ!イッセーのこと何も言えねえよ!

 

正論を言われた俺は自分の中で軽く荒れているとフィルが急に抱き着いてきた。朱乃のときは違い真正面から。

 

「私はショウが大好きですよ。もちろん、これ以上ないくらい愛しています。この気持ちは朱乃さまにも、ゼノヴィアさま、小猫さま、ロスヴァイセさま、レイヴェルさまにだって負けません」

 

「・・・・・・・・・」

 

相変わらずフィルは真正面から俺にそう言ってきてくれる。照れるが凄く嬉しい。そして、そんなフィルに俺は救われた。俺が一人になったときでもそうだ。フィルは必ず俺の傍にいてくれる。俺の味方でいてくれる。

 

「あらあら、フィルナちゃんばかりずるいですわ。ショウ、私も貴方の事愛していますわ」

 

背後から抱きついてくる朱乃に俺は驚きを隠せなかった。

 

朱乃!何時の間に俺の背後に!?というか何だよ!?お前ら瞬間移動でも出来るのか!?よくも音も気配もなく俺に抱き着いて来れるな!?

 

そんなツッコミをしているとドアを勢いよく開けてくる奴がいた。・・・・・・ゼノヴィアだ。

 

「む、朱乃副部長にフィルナもショウの取り合いか?なら私も参戦しなければ!」

 

突撃するかのように俺に抱きついてくるゼノヴィア!

 

ゼノヴィア!お前まで抱きついてくるな!首!首締まってる!

 

俺はゼノヴィアの腕を叩くとそれに気付いたかのかゼノヴィアは抱きつく力を緩めてくれた。

 

あー苦しかった。しかしどうする?正面からフィル、背後からは朱乃、右側からはゼノヴィア。ある意味イッセーの望むハーレム状態だがこれは結構大変だぞ!嬉しいけどキツイ!ここは残った左側から一時脱出して・・・・。

 

そんな作戦を考えていた俺だがそれは虚しく終わりを告げた。何故ならすでに小猫ちゃんが抱き着いて来ていたからだ!

 

「ど・・・どうして子猫ちゃんまで?」

 

というか何時の間に?もう驚きもしねえよ。

 

「・・・・先輩の部屋を通ったら朱乃さんに抱きつかれている先輩が見えましたので」

 

貴女も参戦しに来たと!というか痛い!痛いよ!小猫ちゃん!戦車(ルーク)の力使ってない!?

 

「むう、皆さんショウから離れてください。今日は私が優先的にショウに甘える日じゃないですか」

 

「うふふ、いいじゃないですか。ショウは私のでもあるのですから」

 

「いつも二人がショウに甘えているんだ。今ぐらい別にいいだろう」

 

「・・・・・・ショウ先輩は皆のもの」

 

俺は物ですか!?何だよ!?俺は日替わり弁当みたいになってんのか!?

 

それから女性陣は言い争うになり俺は無事に脱出することが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲーム前日、俺達はギリギリまで学園祭の準備に取り掛かっていた。とは言ってもあとはほんの微調整ぐらいしか残ってはいないが。

 

「いよいよ、明日はゲームか」

 

「そうですね。頑張ってくださいね、ショウ。私、応援しますから」

 

俺の隣で俺を応援してくれるフィル。

 

ああ、頑張らねえと。相手はサイラオーグさん。桁外れのパワーの持ち主。恐らく俺じゃ一撃でやられてしまう。上手く作戦を考えねえと。

 

俺は明日のレーティングゲームについて色々考えていると

 

「駿河くん!フィルナさん!ちょっと待って!」

 

突然、声をかけられ俺とフィルは足を止め、声をかけてきた女性を見ると俺たちと同じクラスメイトの人だった。確か名前は・・・・。

 

「沙耶さん。いかがなさいました?」

 

ああ、そうだ、優雅沙耶さんだ。

 

「はぁーはぁー。じ、実は二人にお願いがあるの」

 

息を整えながら優雅さん。俺とフィルは顔を見合わせ首を傾げる。

 

お願い?しかも俺とフィルに?

 

「実は二人に学園祭の劇に出て欲しいの!」

 

「「・・・・・はい?」」

 

それから優雅さんの説明によるとどうやら代役の人が事故で最低でも一週間は入院しなければならないらしくその代わりに目を付けたのが俺とフィルらしい。

 

「お願い!他の人にも頼んでみたけど皆忙しいって断られて。もう頼める人がいないの!」

 

「・・・・ちなみにどんな劇をするの?」

 

「これ!」

 

優雅さんが持っている台本を見るとそこにはロミオとジュリエットと書かれていた。

 

「やります!いえ、ぜひショウとさせてください」

 

何かフィルがメッチャ喰いついた!まぁ、でも他に頼める人がいないなら仕方ないか。それに学園祭も俺やフィルはメインじゃないから大丈夫だし別にいいか。

 

「わかった。俺達で良ければ引き受けるよ。でも、あんまり期待しないでくれよ」

 

「ありがとう!本当にたすかったわ!」

 

お礼を言って去っていた優雅さん。さてと、帰ったら台詞を覚えてその後イッセーたちと特訓だな。

 

Sideout

 

 

 




次回いよいよサイラオーグとのレーティンゲーム!

リアルが忙しいからいつ書けるかわからないが頑張っていきたいと思いますので!

応援よろしくお願いします!!
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