水態の神器使い   作:ユキシア

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閉じ込められた

Sideイリナ

 

私の名前は紫藤イリナ!駒王学園に通う女子高生です!

 

元はプロテスタント所属のエージェントだったのだけれど、いろいろな経緯があっていまは人間から転生して天使となっています!

 

それにしても、私視点なんて初めてね。基本的は駿河くんなのだけど今は私!緊張はするけど私はミカエルさまのA!頑張って行くわ!・・・・・っていったい誰に言っているのかしら?私は・・・。

 

「お~い、イリナさーん。いい加減しっかりしてはいただけませんか?現実逃避したい気持ちはわかるけど」

 

「そ、そうね・・・」

 

私の隣にいる駿河くんがそう注意してきて私は今の現実をはっきりと認識した。今、私と駿河くんは上も下も前も後ろも横さえも岩で塞がれ閉じ込められてしまっているの!

 

「まったく、まさかこんなことになるとはな」

 

駿河君の言葉に私は頷いて応える。

 

そう、あれははぐれ悪魔討伐の依頼リアスさんに届いたときだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「S級はぐれ悪魔討伐ですか?」

 

私はオカルト研究部、部室でアーシアさんとゼノヴィアと話していると急にリアスさんにS級はぐれ悪魔討伐の依頼が届いた。

 

「そう。出来れば貴女も来てはくれないかしら?イッセーたちだけでも大丈夫とは思うけど万が一のことも考え戦力は多いほうがいいからね。ダメかしら?」

 

「わかりました!微力ながらもお手伝いします!」

 

私はすぐさま了承した。

 

私はミカエルさまのAなんだもん!困った人は助けなくちゃ!それに最近ゼノヴィアから自称、自称って呼んでくるんだもん!ここで頑張って私は本物の天使ってこと証明しなくちゃ!

 

私は意気込みを上げてイッセーくんたちと一緒にS級はぐれ悪魔がいる森の中へと足を踏み入れた。今回のはぐれ悪魔は獣人と人間のハーフ。おまけに神器まで持っているらしいの!それも京都のときにいた英雄ヘラクレスと同じ巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)!聞いた話だとまだ禁手には至っていないようだけど至りかけている可能性が高いそうなの!だからリアスさんたちも早急に何とかしようとしているみたい。

 

「ふふ、イリナ。自称とはいえ仮にも天使なのだからそこまで緊張しなくてもいいだろう」

 

「自称じゃないもん!本物の天使だもん!」

 

私は天使の翼を出して異を唱えるけど聞いていないようにはぐらかすんだもん!ゼノヴィアは!特に最近なんか酷い!イッセーくんがリアスさんに告白が成功した日からゼノヴィアも駿河くんと付き合うことになったときから。余裕というやつね!自分が一歩リードしたから余裕ぶっているのね!それにして、駿河くん、もう立派にハーレムを作っているわね。イッセーくんのこと何も言えないわ。朱乃さんにフィルナさん、ゼノヴィアに多分、小猫ちゃんやロスヴァイセさん、レイヴェルちゃんも駿河くんの好きでしょうね。本当にモテモテね!駿河くん!

 

そんなこんなしているうちにはぐれ悪魔がいる洞窟内へと到着していた。私たちはリアスさんを先頭に、洞窟奥深くへと足を踏み入れていると

 

「グレモリー家か・・・・」

 

洞窟の奥から現れたのは五メートルはある虎のような巨人!その姿を見た皆はすぐに戦闘態勢へと入った!もちろん私も!

 

「ええ。はぐれ悪魔ジル・ディーン。貴方を捕えに来たわ。大人しく投降する気はないかしら?」

 

リアスさんがいつもと変わらず凛々しくそう問いかけるけどジルというはぐれ悪魔は首を横に振った。

 

「断る。やっとあのクソ主から解放されたんだ。はいそうですかと戻ってたまるか」

 

「・・・・そう。ならグレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

「やってみやがれ!」

 

はぐれ悪魔ジルは洞窟内の壁を使って凄い速さで迫ってくる!だけど

 

「ハァアア!」

 

木場くんはその速さに追いつきジルに攻撃を仕掛ける。だけどジルはそれを紙一重で躱した!

 

「スキあり!」

 

「ぐっ!?」

 

駿河くんがジルの動きを先読みしジルの足を攻撃して動きを封じた!すると、ここでイッセーくんが拳に魔力の塊を集め

 

「喰らえ!ドラゴンショット!」

 

魔力の塊を放出してジルに攻撃する。直撃したジルの体はあちこちに煙が出ていた!

 

よし!今なら!ミカエルさま!私に力を貸してください!

 

私は一度お祈りをすると天使の翼を羽ばたかせ光の槍を出して突撃しようとしたら

 

「く・・・そ・・・ここで・・・捕まるぐらい・・・・なら」

 

ドゴンッ!

 

「えっ!?」

 

満身創痍になっているジルは地面に向かっておもっきり拳ぶつけたと思ったらその威力に洞窟内が崩れ始めてきたわ!

 

ゴンッ!

 

――ッ!?

 

私の頭に岩が落ちて来て私はそこで意識が朦朧とし始めた。

 

ダメ・・・ここで・・・気を失ったら・・・・。

 

「イリナ!」

 

私の意識はここで途絶えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・んっ」

 

「お、目が覚めたか」

 

私が意識を取り戻すと目の前には駿河くんがいた。

 

えっと・・・確か私は・・・・。

 

何があったのかと思い出すと私は辺りを見渡すと岩だらけ!私と駿河くんは洞窟内に閉じ込められてしまったの!ああ、ミカエルさま!不甲斐無い私に天罰を・・・・・!

 

「おーい、イリナ。とりあえずは落ち着け。心配しなくてもすぐにイッセーたちが助けにきてくれる」

 

駿河くんが落ち着いたかのようにその場に腰を下ろす。

 

そっか。あの時、私を呼んでくれたのは駿河くんだったのね。

 

「えっと、駿河くんが助けてくれたの?」

 

「ん?ああ、悪いな。イッセーじゃなくて」

 

「ううん!ありがとう!」

 

苦笑しながら謝ってくる駿河くんに私は全力で首を横に振った。

 

助けてくれたのにそんな贅沢言えないわ!・・・・でもちょっと思っちゃった・・・・。

 

「イリナ」

 

駿河くんに名前を呼ばれて振り向くと私の目の前に駿河くんの顔が!

 

ちょっ!ま、待って!ち、近い!近い!キス!?キスするの!?ダメ!駿河くんには朱乃さんたちがいるじゃない!そ、それに私は天使で、私にはイッセーくんが・・・・。

 

「ほい、終わり」

 

「え?」

 

目を開けると目の前にいた駿河くんは離れていて手には包帯を持っていた。

 

「一応、応急処置はしたけどあとでアーシアさんに治してもらっとけよ」

 

私はいつもと違う違和感がする頭に触ると包帯が巻かれていた。

 

さっき頭に当たったとき怪我していたのね。それを駿河くんが手当てしてくれたんだ・・・・。うう、私、なんて勘違いしたのかしら。

 

真っ赤になっている顔を隠しながら私は駿河くんを見て思った。

 

そういえば駿河くんと二人きりになるなんて初めてよね?

 

基本的に駿河くんの周りには朱乃さんやフィルナさん、ゼノヴィアがいるし私自身もそういうことは特に気にしていなかったからなんだか不思議な気分だわ。

 

整った顔立ち、太くも細くもなく鍛えている体にイッセーくんのようなワイルドさや木場くんのような爽やかさもある。青い綺麗な目は確かおじいさんがイギリス人らしく四分の一がイギリス人。成績だっていい上に運動神経もある。なによりすごく優しい。ゼノヴィアたちが好きになるのもわかる気がするわ。

 

「どうした?俺の顔になんか着いているのか?」

 

私の視線に気づいたのか駿河くんがそう言ってくる。うん、ずっと見ているなんて失礼よね。

 

「ううん。こうして駿河くんと二人になるなんて初めてだなーって思っていたの」

 

「ああ、そうだな。言われてみればそうだな」

 

「ねー、駿河くん。一つ訊いていい?」

 

「どうした?」

 

「どうしてゼノヴィアとも付き合うことにしたの?正直私、駿河くんって一人の女性以外そういう関係作らない人だと思っていたんだけど」

 

イッセーくんと違って駿河くんは一途な人だと思っていたけど今になったら朱乃さんやフィルナさん、ゼノヴィアまでそういう関係になっている。

 

「あー、確かにイリナの言うとおり最初はフィルナともゼノヴィアとも付き合う気はなかった。俺はイッセーと違ってそういうのは無理だと思っていたし、ちゃんと幸せに出来るかどうかもわからなかった」

 

「なら、どうしてなの?」

 

そう訊き返したら駿河くんは頬を掻きながら言ってきた。

 

「本気だったからだよ。フィルナはこんな俺なんかを力一杯支えて本気で愛してくれている。ゼノヴィアは不器用にでもストレートに俺の事好きだと言ってくれた。そんな二人の本気を断ることなんて出来なかった。だからこそ、俺も本気で幸せに出来るようにしていきたいと思っているんだ」

 

やっぱり、駿河くんは優しいのね。その上真っ直ぐだわ。そこは少しイッセーくんと似ているような気がする。

 

「駿河くんって本当に優しいのね。私みたいに天使に転生したらよかったのに」

 

こんなに優しい性格を持っている人なんてそうはいないわ!もし、私と同じ道に行っていたらきっと誰もが憧れる凄い人になっていたに違いないわ!

 

そう思っていると突然の殺気に私は身を拒ませた。でもすぐに殺気は収まると私は駿河くんのほうを見ると駿河くんは表情を俯かせていた。

 

「・・・・悪い、イリナ。こういうのは天使になったイリナに言っちゃ悪いけど俺は教会も神父も天使も神も嫌いだ。いや、嫌いだった、だな。それでも俺はどんなことがあってもイリナと同じ道は歩むことはないだろう」

 

え?どういうこと?

 

私は駿河くんの言葉に驚いた。

 

「俺の過去はもう知っているだろう?」

 

駿河くんの過去・・・・大切な人を、凛さんを守れなかったことよね・・・。

 

「昔俺は凛を助けるために警察に行ったんだ。だけど、ガキの俺の言う事なんか聞いてもくれなかった。それでもなんとかしようと俺は教会に行った。その時、神父がこう言ったんだ。『神を信じなさい。そうすれば必ず神は助けてくれる』。ガキだった俺は縋るかのように祈った。何日も、何十日、何か月、何年もだけど神は凛を助けてはくれなかった。当然だよな、神はもう死んでいるんだから」

 

自嘲気味に話を続ける駿河くんに私はおそるおそる訊いてみた。

 

「・・・駿河くんは私のこと嫌い?」

 

教会に所属していて天使になった私のこと駿河くんは嫌いなのかと思って訊いてみたけど駿河くんは首を横に振って否定してくれた。

 

「いや、イリナのことは嫌いじゃないよ。むしろ、友人として好きなくらいだ。それにさっきも言ったろ?嫌いだったって。過去に事をいつまでも引き摺らない。だけど、凛のことは一生忘れない。あいつの分まで生きて凛が生きられなかった分まで幸せになろうと思ってる」

 

険しく力強いその目を見た私は強い覚悟を感じた。

 

「・・・・強いんだね。駿河くんは」

 

思わずそう口に出てしまったけど、駿河くんは苦笑しながら首を横に振った。

 

「そんなことねえよ。俺は弱い。朱乃たちに支えて貰わないと何も出来ない臆病者。だから俺は強くなりたいんだ。イッセーのようにな」

 

「イッセーくんのように?」

 

確かにイッセーくんは強いと思う。でも、駿河くんだって負けないくらい・・・いえ、もしかしたらイッセーくんより強いはずなのにどうして駿河くんはイッセーくんのようになりたいのかしら?・・・・・・もしかして!?

 

「・・・・駿河くんもイッセーくんのようにおっぱいが大好きになりたいの?」

 

リアスさんのお胸でイッセーくんは強くなったって言ってもいいわ。ということは駿河くんも朱乃さんたちのお胸でパワーアップしたいの!?ダメよ!イッセーくんのキャラを取っちゃダメだわ!

 

「ハハハ、イリナ。あまりふざけた冗談を言うとその天使の翼引きちぎるぞ?」

 

「ヒィ!ごめんなさい!引きちぎらないで!」

 

笑っているけど目はまったく笑っていないから冗談には聞こえないわよ!?天使の翼を大切なものなのよ!絶対に引きちぎちゃダメなんだからね!

 

必死に謝ると駿河くんは一息吐きながら教えてくれた。

 

「イッセーは絶対に折れない不屈の心を持っている。どんな時でもどんな状況でも諦めず自分の道を真っ直ぐ突き進む事の出来る不屈の心をイッセーは持っている」

 

「不屈の心・・・・・」

 

「ああ、俺とイッセーとで強さの差があるとしたらそこだな。ていうより、イリナ。さっきから俺ばかり答えてるんだから今度は俺の質問にも答えてもらうぞ」

 

「え!な、なに!?」

 

「天使もとい自称天使イリナに問います」

 

「自称じゃないもん!本物の天使だもん!」

 

駿河くんまで酷いわ!私は本当に本物の天使なのに!ゼノヴィアのがうつったのね!

 

「イリナ。俺の家に住まないか?」

 

「え?」

 

突然のことに私の頭は真っ白になったわ。どういうこと?ハッ!もしかしてこれはプロポーズ!?俺のものになって俺と一緒に暮らそうという遠回しのプロポーズなの!?駿河くん、ゼノヴィアに続いて私までハーレムに入れる気なのね!ダメよ!それに私にはイッセーくんがいるんだもん!

 

「お前が俺の家に来てくれたら光熱費がうきそうだ。ほら、天使の輪って光ってるから」

 

「電球代わり!?」

 

あまりの扱いに私は涙を流した!

 

酷い!酷いわ!あんまりだわ!天使の光力を光熱費に使おうなんて!言語道断だわ!というか、考え方が主婦みたいだわ!

 

「まあ、イリナをからかうのは一旦置いといて」

 

「永遠に置いといてちょうだい!」

 

ほんと、やめてほしいわ!

 

「どうして、あの時はぐれ悪魔に突っ込んでいたんだ?あのままでも俺か木場で十分動きを封じることが出来たのに」

 

「う!そ、それは・・・」

 

私は正直に自称ではなく本物の天使だということを証明するためにあんな行動をしたということを駿河くんに話した。

 

「あー、そんなに気にしていたのか。悪い」

 

「ううん、もういいよ。それに私のせいで駿河くんにまで迷惑かけちゃったんだから自称って言われても仕方ないわ」

 

私があの時突っ込まなければこんなことにはならなかったのに。ミカエルさまのA失格ね。

 

「それは違うぞ、イリナ。俺だって皆に迷惑をかけてるし、誰だってそれを咎めたりはしない。俺たちは仲間なんだから」

 

「・・・・・うん。そうよね」

 

私は駿河くんの言葉を聞いて喝を入れる為に自分の頬を叩く。

 

痛い・・・・でも目は覚めたわ!

 

「駿河くん、私決めたわ!いつか必ずゼノヴィアから自称天使って言われないようにする!」

 

私の目標を聞いた駿河くんは微笑みながら

 

「ああ、頑張れよ」

 

応援してくれた。

 

 

 

 

 

一瞬、その微笑みにドキッ!としたことは私だけの秘密にしておこうと思う・・・・。

 

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