水態の神器使い   作:ユキシア

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明けましておめでとうございます。今年の初の投稿!リアルが忙しいですが頑張っていきます!


魔法具

Sideショウ

 

八坂さんと温泉に入っていることにフィルたちと一悶着あったが何故か「ショウだから仕方ない」ということで落ち着いた。いや、何で俺だから仕方ないんだろう?と疑問に思ったが追及は恐ろしくて出来なかった。

 

「自分の胸に手を当てて考えて、いえ、無駄でしょうからやっぱりやめてください」

 

ため息を吐きながらさり気なく俺の心を読んでくるフィル。いや、だから何でお前は人の心を読めるの?

 

「私は魔法使いですよ?読心術類の魔法ぐらい使えます」

 

「・・・・プライバシーにも関わるからこれからその魔法使わないでくれ」

 

何だよ、読心術の魔法って、というか何でそんな魔法習得してるんだよ。

 

「愛しい人の身も心も知りたいからです」

 

「・・・・・お願いだから心を読まないで」

 

俺の事を好きでいてくれるのは嬉しいけど心を覗くようなことはやめてくれ。

 

「仕方ないですね。特別に一日数回程度にしてあげましょう」

 

「・・・って!一日何回俺の心を読んでんだよ!?」

 

嘆息しながら譲渡するかのように言うフィルに俺はツッコンだがフィルが指を立てて、静かにするように促してきた。

 

「お静かに。まだ御二人は眠っておりますから」

 

その言葉に俺は視線を下にすると黒歌とレイヴェルまでもが布団の中に寝ていた。それだけならまだいいのだが・・・・。

 

八坂さんが裏京都の宿を進められ泊まっている。しかし、問題はそこじゃない。日本、しかも京都、日本文化を重んじているここでの寝間着は―――――浴衣だ。それは別にいいんだ、ただ、目のやり場が困る。

 

フィルは恐らく俺が起きる前に整えていたであろうから大丈夫だが黒歌やレイヴェルはもう半裸状態だ。二人の胸にある立派なものがもう解放状態だ。

 

イッセーなら大興奮するぞ、これ。というか二人とも俺を信頼してくれているのは嬉しいけど俺も男だから少しはそういうことに警戒してくれ。

 

「襲う、という考えはないんですね。あ、私はいつでもいいですよ」

 

「うん、本当に頼むから止めてくれ。あと、少しは慎みを持ってくれ」

 

常に心を読んでいるんですか?貴女は。

 

「まーまー、そんなことよりまだ御二人が寝ている間に始めましょう」

 

そう言って浴衣をはだけさせ、上半身裸になったフィル。はだけた瞬間、揺れた綺麗な胸をフィルは隠すことなく俺に見せてきた。

 

「さぁ、ショウ。触ってください。貴方にとって大切な修行ですよ」

 

ええ、わかってますよ。これからの戦いの為にも必要だし、たくっ、アザゼル先生も変なことを思いつきやがる。

 

俺は愚痴りながらフィルの胸に手を伸ばす。

 

「ショウ殿。起きておるか?朝食の準備が」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

突然、部屋に入ってきた八坂さんに俺の思考はフリーズしたがすぐに状況を確認。

 

今現在、俺は三人(内二人は寝ている)の美少女に囲まれている。→寝ている二人は半裸→フィルは上半身裸で俺の目の前に→俺はフィルの胸を触ろうとしている→結果、お楽しみ中のハーレム野郎と思われても仕方ない。

 

「ち、違うんです!これは」

 

「そういうことにしておこう」

 

「早い!展開が早い!」

 

せめて言い訳ぐらいさせてくれ!

 

「八坂さま、今現在お楽しみ中ですので朝食は少し遅めにお願い致します」

 

「おい、コラ!フィル!余計なこと言うな!」

 

何余計にカオスにしてるんだよ!?被害喰らうのは何故か俺だけなんだぞ!わかっていますか!?

 

「うむ、そう伝えておく。一時間程時間を空けよう。ショウ殿、ゆっくりと楽しむが良い」

 

そう言いながら親指を立て部屋から出ていく八坂さん。

 

「頼みますから待って下さいよーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

朝から俺は大声を出す羽目になり、その声で黒歌たちも起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・朝からもう疲れた」

 

無事誤解が解け、というか八坂さんはわかってやっていた。たくっ、からかわないでくれよ。

 

「にゃはは。ショウは面白いからからかいたくものにゃ」

 

ご機嫌そうに俺の腕を組んで言ってくる黒歌。

 

「勘弁してくれ」

 

俺はため息を吐き、気持ちを切り替えた。

 

「で、この辺りにも妖怪や悪魔の気配はないのか?」

 

「ない」

 

俺は今、黒歌と金閣寺周辺を調査中。黒歌やフィルは僅かな魔力や妖力の残滓がわかればそれをたどって敵の居所がわかる。なら、二人一組になって行動したほうがいいというレイヴェルの案に賛成し、俺と黒歌、フィルとレイヴェルで別れて調べることにした。

 

「今だけショウを独占にゃ」

 

いや、黒歌さん。腕を組んでくるのはいいんですか・・・・貴女の立派なものが俺の腕に当たっていえ、挟んでますよ。

 

「挟んでるにゃ」

 

「確信犯かい!というかお前まで心を読むな!」

 

俺にプライバシーはないんですか!?

 

「もちろんない」

 

「ないのかよ!?勘弁してくれよ!本当に!」

 

俺のツッコミに黒歌はケラケラと笑うばかり。ああ、イリナ。お前が自称天使って呼ばれてツッコまなければならないという気持ちがわかったよ。次からもうお前の事自称とは呼ばないよ。

 

空を見上げ黄昏ながらそう考えていると急に黒歌が俺の腕を引っ張ってきた。

 

「ショウ、お腹すいたにゃ。そこで一休憩しない?」

 

お茶屋を指す黒歌に俺はため息を吐きながら了承し、少し休憩を取ろうとした瞬間。遠くの方から爆発音が聞こえた。何事だと思うとフィルから通信魔法での連絡がきた。

 

「フィル!どうした!?何かあったのか!?」

 

『ショウ―――た―――――です!――――――――童子が―――――八坂――――――レ―――――――』

 

「おい、何を言ってるんだ!?よく聞こえない!?」

 

『妨―――――。レイヴェル―――――――――われて』

 

「レイヴェル?レイヴェルがどうかしたのか!?」

 

俺がそう問いかけるが通信が切れた。

 

「黒歌!急いでフィルたちのところへ行くぞ!よくはわからんが何かあったのは間違いない!」

 

「わかった!魔方陣を展開するわ!」

 

黒歌が転移用魔方陣を展開し、フィルたちがいるところへジャンプしようと俺は魔方陣の中へ入るがジャンプ出来なかった。

 

「黒歌!?」

 

「わからないにゃ!?何者かに転移を封じられているとしか思えないわ!」

 

「そう、私が作った魔法具(アーティファクト)の力よ。転移、通信類の魔法を妨害、無効化するのよ」

 

「「ッ!?」」

 

突然の第三者の声に俺と黒歌は声のする方に振り向くとそこには中年男性ぐらいの細身の男がいた。

 

「初めまして。今回酒呑童子と同盟を結んでいる、そうね、博士とでも呼んでちょうだい」

 

・・・・・お姉口調の男ということはこの人オカマか?

 

「オカマにゃ」

 

黒歌は普通に口に出した。いや、言いたくなる気持ちはよく分かる。俺もオカマは初めて見たからな。

 

一瞬、俺の頭にミルたんが横切ったがなかったことにしよう。あれは漢の娘だ。

 

「まぁ、突然オカマ呼ばわりなんて失礼ねッ!まあいいわ。私に興味がそっちの子だし」

 

オカ、博士が俺の方に視線を向けてくると俺の背中に阿寒が走り、無意識に尻に力を入れた。

 

「ショウをお前みたいなオカマにやらせないにゃ!」

 

俺の前へ出てきた黒歌は魔力の塊を博士に放つが博士は慌てる様子もなく指を鳴らすと地面から魔方陣が現れると地面から出て来たものが博士の盾になった。俺は盾になったそれを見ると同時、驚愕した。それは黒歌も同じ。だって、それは・・・・・人間の死体だったからだ。

 

「私は魔法使いでもあり、研究者でもあるの。さぁ、出て来なさい!私の可愛い人形たち!」

 

博士の言葉と同時、地面から大量の死体が出て来た。

 

俺でも知ってる、いや、普通にゲームや魔法に興味ある人なら誰でも知ってる。

 

死霊魔術(ネクロマンシー)

 

死体を操る外法の魔法。簡単に言えばゾンビとして死体を動かす魔法。

 

「この子たちは普通の死体と思わないことね。私が手を施した人形たちはか・な・り強いわよ。いくら旧魔王派や英雄派と戦ってきた貴方達でもこの人数には勝てないわ。貴方達も私の人形にしてあげる!」

 

数十をも超える死体たちが次々俺と黒歌に襲いかかってくるんか、俺は神器を発動させる。

 

フィルたちも気になる。此処は速く終わらせフィルたちのところに行かないと。

 

「黒歌!出来るだけ」

 

「わかってる。死んだ人間で遊ぶ趣味はないわ」

 

魔力と妖術を出し、死体たちを倒していく黒歌に俺も禁手(バランスブレイカー)になり、死体たちを凍らせていく。

 

「ごめんな。どうかもう一度安らかに眠っていてくれ」

 

謝罪しながら凍らせた死体たちを破壊し俺は博士―――外道を睨むが外道は怯むことなくただ見ていた。

 

「まさか、強化させた人形たちがこうもあっさりやられちゃうなんて。ショックだわ」

 

「黙れ。外道。お前みたいな奴は俺は心底嫌いだ。冥界の牢獄へと送ってやる。氷漬けにしてな」

 

「あらあら、怖いわね。でも、私のお人形はまだまだあるわよ」

 

再び、地面から姿を現した死体に俺は視線を向けると俺は目を見開いた。

 

「・・・・ディオドラ」

 

そう、卑劣な策を使ってアーシアを傷付けて、イッセーにやられた元上級悪魔のディオドラ・アスタロトだった。

 

「よーく、知ってるでしょ?だって貴方が殺したんだから」

 

ああ、俺はあの時こいつを殺した。怒りのまま、感情のままに俺はディオドラを殺した。

 

「勿論、この子も強化済みよ。更に魔法具(アーティファクト)を使って魔力も強化させた私のお気に入りの一つよ。さぁ、行きなさい」

 

ディオドラは外道の言われるがままに俺に魔力の塊を放ってきたが俺はそれを躱して、氷の槍をディオドラに向かって放つとディオドラの体に突き刺さった。だが、ディオドラは何事もないかのように魔力で攻撃してきた。

 

「無駄よ。死体だから痛みなんて感じるわけないでしょう?」

 

俺は外道の言葉を無視してディオドラを見るとそこには以前のような笑みもなく、ただ死んだ目で俺に攻撃してくる。

 

ディオドラ。今になってお前に憐れみを感じるよ。お前はアーシアを傷つけた。そんなお前を俺は許すは微塵もない。だけど、

 

槍をディオドラに向け俺は言う。

 

「俺はお前を殺した。なら、もう一度俺の手で葬ってやる」

 

それが、せめてもの俺がおまえにしてやれる情けだ。

 

神器の力で地中にある水分を凍らせてディオドラの足を凍らせ動きを封じる。そして、今度はディオドラの上空に巨大な氷球を作る。

 

「眠れ、ディオドラ」

 

そのまま氷球を落とす。もう蘇ることはできないように・・・・・。

 

「本当に凄いわね、その神器は。元上級悪魔をああも容易く倒しちゃうなんて。で・も」

 

「きゃ!」

 

「黒歌!?」

 

突然の黒歌の悲鳴。俺は黒歌の方を見ると鎖に縛り付けられた黒歌の姿が!

 

魔法具(アーティファクト)狂気の鎖(フィナイン・チェイン)。それに縛られた者の力の流れを乱す効果があるの。対魔法使い用に開発した物の一つよ」

 

「黒歌!今助ける!」

 

俺は黒歌の元へ行こうとしたが黒歌の背後から現れた死体が剣を黒歌の首筋に当てる。

 

「動かないでちょうだい。その子を傷つけたくなかったらね」

 

クソッ!ディオドラに気を取らせすぎた!

 

「それじゃあ、まずはその状態を解除してもらおうかしら」

 

俺は外道の言われたとおりに禁手(バランス・ブレイカー)を解除する。それと同時、静かに神器を使い、黒歌の後ろにいる死体の動きを封じる。

 

「あと、変な気を起こさないことね。少しでも妙なことをすれば」

 

外道が指を鳴らすと死体は黒歌の着物を破いた。

 

「止めろ!お前に用があるのは俺なんだろ!?黒歌に手を出すな!」

 

「ええ、わかったわ」

 

死体の動きを止めさせる外道は悠々と俺に近づいてくるなか俺は手に魔力を込める。

 

死体を操っているのはこいつだ。なら近づいてきた瞬間を狙い一瞬の間もなく気絶させることが出来れば・・・・・ッ!

 

もちろん、ばれないようにゆっくりと静かに魔力を込め続けるなか俺は問いかける。

 

「何故京都を襲う?お前ら禍の団(カオス・ブリゲード)はいったい何が目的なんだ?」

 

わざわざ酒呑童子とまで同盟を結んでまでする理由がこの京都にあるのか?またグレートレッドをこの京都に呼ぶつもりなのか?

 

「温泉よ」

 

「はぁ?」

 

余りにも意外すぎる答えに俺は呆気を取られた。

 

「裏京都では美肌効果のある温泉が数多く存在するのよ!それを浸かり私は更なる美しさを磨くのよ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・。

 

少なくともこいつの目は本気だ。なら本当に温泉が目当てなんだろう。あーなるほど、良く考えれば酒呑童子がもし、京都の主権を手に入れたとしても温泉にまで興味がいかないから温泉を独り占めできるということかな?

 

「・・・・それじゃあ、禍の団(カオス・ブリゲート)総意で京都を襲ったのではなく?」

 

「ええ、私個人の理由で兵を連れて来たわ!」

 

「別にグレードレッドを呼びだす為でもオーフィスの為でもなく?」

 

「あんな力だけの塊の存在と私の美しい目的を一緒にしないでちょうだい!」

 

「・・・・・ごめん、黒歌。ツッコンで」

 

「いや」

 

速攻で拒否られた。しかし、京都を襲った理由が温泉だなんて。俺、またグレードレッドを呼ぶ出したりするんじゃないかと結構真面目に考えていたのが馬鹿らしくなってきた。

 

帰りたい、帰って朱乃が淹れてくれた紅茶でも飲みながら小猫ちゃんの頭を撫でながら癒されたい。

 

「はぁ~」

 

「ちょっと何よ!?その溜息は!?状況が分かってないのかしら!?」

 

ああ、ゴメン。ちょっと現実逃避してました。

 

「もういいわ。少しは楽しもうと思ったけど、その顔を苦痛に歪ませてあげる!」

 

外道は指を鳴らすと今度は地面からではなかった。

 

「さぁ、出て来なさい!私の新しいお人形ちゃん!」

 

そして、外道の背後から現れたのは・・・・。

 

「レイ・・ヴェル・・・・?」

 

駒王学園の制服を着て剣を持っているレイヴェル。

 

「てめえ!レイヴェルに何しやがった!?」

 

俺は思わず外道に突っ込みそうになったが黒歌のことで何とか冷静にいられた。外道は愉快に笑いながらレイヴェルの肩に手を置く。

 

「本当に苦労したわ。酒呑童子が暴れ回ってくれなきゃあの魔法使いの子からこの子を攫えなかったもの。おまけに九尾も来たから大変だったわ」

 

あの時、フィルの言っていたことはそのことか!酒呑童子が現れた事とレイヴェルが攫われたこと。

 

先程までなかったレイヴェルの首にチョーカーがついていた。

 

「そのチョーカー、魔法具(アーティファクト)か」

 

「そう、魔法具(アーティファクト)意思の拘束(ウィル・バインド)。これを着けたら者は私のいいなり。いわば生きた死体という所ね」

 

外道の言葉に俺は歯を噛みしめる。

 

クソ!黒歌は今動けない。レイヴェルはこいつの手中にある。さらにフィルが酒呑童子と戦っている。どうする・・・・・ッ!

 

通信を使って援軍も呼べない。もし、俺がここから離れてフィルのところに行ったら黒歌もレイヴェルもこいつの思うがまま。レイヴェルを助けようとしてもこの外道が黒歌を殺す。その逆も考えられる。

 

「いいわ、いいわよ!その悔しがる表情!最高にたまらないわ!そうね、なら、せっかくだし」

 

何かを思いついたのか外道は俺に向かってこう言ってきた。

 

「貴方にチャンスをあげるわ」

 

チャンス?

 

怪訝する俺に外道はレイヴェルに一言。

 

「彼を殺しなさい」

 

その言葉にレイヴェルは剣を持ちながら俺に向かってきた。

 

「選びなさい!もし、貴方がこの子に素直に殺されるのならその二人は見逃してあげる。でも、避けたり、逃げたりしたら」

 

外道は黒歌を指しながら残酷な笑みを浮かばせる。

 

「その子には死んでもらうわ」

 

こいつッ!マジで外道だ・・・・・・ッ!

 

「さぁ、どうするのかしら!?死ぬ!?それとも見捨てる!?どうなるか見ものだわ!」

 

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