Sideショウ
ベンニーアが俺の眷属、
正直、駒一つで足りるのか不安だったけどベンニーアは死神と人間のハーフで人間である母親の血の方が濃いらしい。そして父親は最上級死神の一角―――オルクス。
部室に待っていた皆にベンニーアを紹介すると皆ベンニーアを歓迎してくれた。イッセーは『・・・・・またショウに美少女が』などとつぶやいていたが問題はないだろう。
これで残りの駒は
《大丈夫っすか?マスター》
「・・・・何とか」
俺――――駿河彰は現在風邪を引いて寝込んでいます。
京都での任務に続いて魔獣騒動に眷属希望やお見合いの対応に疲労が溜まり体に限界が来たらしい。
「悪いな、この町とか色々案内しなければならないのに」
《気にしませんぜ。むしろマスターの看病が出来てお得っス》
そう言ってくれると助かる。でも、お願いだからこんなところにまで鎌を持ってこないで・・・。何か怖いから・・・。
「調子はどうかにゃ?ショウ」
御粥を持って来てくれた黒歌。皆が学園に行っている間は学園に行っていない黒歌とベンニーアが俺の看病をしてくれている。
「御粥食べれる?無理なら流動食を持ってくるわよ?」
「いや、そこまで悪くないから食べれるよ。ありがとう」
「そうかにゃ。じゃ、あ~ん」
スプーンで御粥を掬って俺の口元に持ってくる黒歌。
「いや、そこまでしなくても・・・」
「病人が何言ってるの。こういうときぐらい甘えなさい」
「・・・・わかったよ」
俺は黒歌の言うとおりに甘えることにした。
御粥美味しいな。
《マスター。何かあったら御呼びくださせえ》
足下に魔方陣を展開させて潜っていくベンニーア。
おい、家の中ぐらい魔方陣を使うな。ちゃんとドアから出ていけドアから。
「それじゃあ、仙術を使うから横になるにゃ」
「ああ、頼む」
御粥を食べ終えた俺は黒歌に仙術を使って気の巡りを良くしてもらうように横になるとその上に覆い被るように黒歌がのってきた。
「それじゃ、始めるにゃ」
黒歌が仙術を使い初めて数分後に体が温かくなってくるのが感じた。
でも、それ以上に黒歌の体の柔らかさが俺に伝わってくる・・・・ッ!
こいつ、絶対ワザと押し付けてきてるだろ。さっきから胸の感触が伝わってくるし、脚もからめてきてやがる。俺じゃなくてイッセーなら絶対襲われてるぞ・・・。
「ねぇ、ショウ」
「ん?」
「房中術しない?」
「ブッ!」
俺の口から何かが吹き出た。
いや、今はそれどころじゃねえ!?何言ってんだ!この黒猫は!?
「あらあら、吹き出すとってことは意味知ってるのね」
「それぐらいわかるわ!というかそれだと本当に子作りになっちまうだろうが!?」
俺はまだ子供とか作る気はないぞ!まだ高校生なんだから!
「ショウは赤龍帝ちんのようにしたくないの?」
「したいに決まってんだろ!俺だって男だ!女の体に興味持つ年頃だ!でもいきなり子作りなんてぶっ飛びすぎだ!」
俺が毎夜毎夜、どれだけ理性を保ちながら寝ていると思ってんだ!朱乃もフィルも俺にしがみ付くように寝てるから二人の体が俺の腕や体に伝わってくるたびに何度理性が崩壊しそうになってると思ってんだ!それに・・・・。
「それに俺と黒歌はそういう関係じゃないだろう。そりゃ眷属とのスキンシップとしてそういうのもあるかもしれないけど、俺は黒歌にはちゃんとした相手を見つけてして欲しい」
「あら、私はショウのこと好きよ。これでOKね」
・・・・・・・・・・・・はい?
思考が停止していると黒歌が俺の服を脱がせて・・・・っていやいやいやいや!
「ちょっと待て!今なんつった!?」
「ショウが好きにゃ。本当に子どもが欲しいくらいにね」
どうやら聞き間違いじゃなかったようだ。
「私の為に功績を捨てようとするどころか魔王に頭を下げてまで助けようとするショウに私は惚れてるにゃ」
「・・・・あれはフィルが調べてくれたおかげと、サーゼクスさんが優しい方だったからだ」
もし、そうじゃなかったら黒歌はあそこで捕まっていたかもしれない。小猫ちゃんと仲を取り戻せないようにしていたかもしれないんだ。
「そんなの関係ないわよ。私はショウが好きという気持ちは変わらないわ。それともショウは私の事嫌い?」
「そんなこと・・・・な・・・」
あれ・・・・・意識が・・・・・・・。
「ごめんね、病人に大声ださせちゃって。寝ている間に仙術しておくにゃ」
それだけが聞こえて俺の意識は無くなって―――――。
目を覚ますともう夕方になっていた。
「悪い、起こしちまったか」
「・・・・匙?」
目を覚ますと匙がいた。
「あんまり大勢でくるのも気が引けたから生徒会代表として見舞いにきたんだ」
「そうか。悪いな、心配かけて。明日には登校できるってソーナ会長に伝えておいてくれ」
生徒会の人たちにも心配かけちまったな。明日は謝りに行っておかないと。
「なぁ、駿河」
「ん?どうした」
「俺は諦めねえからな」
突然のその言葉に俺はどういうことかわからなかった。
「俺はお前の事を本当に凄いと思ってる。お前と俺とじゃ天と地ほどの差がある。もし、会長がお前と結ばれたとしても納得しちまう俺がいる」
強い眼差しを見て俺は匙がどれだけ本気だとわかってしまった。
「それでも俺は諦めねえ。駿河、お前がどれだけ先に行こうが必ず追いついてやる」
「俺だって負けねえよ」
負けられないのは俺だってそうだ。まだ匙とは戦ったことはないけど負けたくない気持ちは俺だって同じだ。
「・・・・悪いな、病人相手にこんなこと言っちまって。じゃ、生徒会の仕事が残ってるから帰るわ」
「ああ、ソーナ会長にもよろしく言っといてくれ」
「ああ」
匙は部屋から出ていくと俺は寝転びながら匙の言っていたことを思い出す。
匙は俺をあんな風に思っていたんだな。匙にとって俺は追い抜きたい目標みたいなものか。
「ん?メールがきてるな」
『風邪をこじらせてまた学園の女子をたぶらかせようとしているのか!?』
『そのまま休んでいるといい。イケメンが一人減るだけで俺たちにもチャンスが出てくるのだから』
うん、明日はまずは松田と元浜をシメるとしよう。それからモテたいのなら日頃の行いをなんとかしろ、元浜。
他にも学園で知り合った人たちから結構メールがきてるな。
「ショウ。気分はどうですか?」
部屋に入ってきたのは朱乃だ。
「黒歌が仙術を使ってくれたからほとんど治ったよ。部活はどうしたんだ?」
「皆さん、ショウが心配だから早めに帰ってきましたわ。でも、その様子だと心配はいらないようですね」
「ごめんな、心配かけて」
「かまいませんわ。それにいつもの無茶と比べればまだ可愛いものです」
うっ・・・・。そう言われると辛いな。本当にいつも無茶してごめんなさい。
毎回血まみれになってまで戦ってるからな。本当に朱乃たちに心配かけてばかりだな。
「ショウ。汗は掻いてはいませんか?一応タオルは持ってきましたが」
「ん、ああ、寝汗が酷いな。ごめん、タオルを」
貸してくれって言おうと思った時黒歌が言っていたことを思い出した。
―――――病人が何言ってるの。こういうときぐらい甘えなさい。
「朱乃。体を拭いてくれない?」
「ええ、喜んで」
朱乃は笑顔で了承して俺の体を濡らしたタオルで拭いてくれた。
誰かに甘えるなんてこと滅多になかったけどこういうのも甘えている内に入るよな。
なんか、気持ちいいな・・・・・・。
「ねぇ、朱乃」
「はい?」
「たまにでもいいからまた甘えてもいい?」
気持ちよさの余り思わず朱乃にそう言ってしまった。
普段は甘やかしてるけどたまには俺が朱乃たちに甘えてもいいよな。
すると、朱乃が背中から俺に抱き着いて来て肩から顔を覗かせながら言った。
「たまになんて言わずにいつでも私に甘えてください。たくさん甘やかしてあげますから」
「・・・・・それじゃ、もう少しこのまま」
朱乃の温もりを感じさせて。
それから朱乃は俺が満足するまでずっと抱きしめてくれた。そんな朱乃に感謝しながら俺は朱乃に甘えた。
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