ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
この作品にはブロリーが出てきますので苦手な方はご注意ください。
敵か味方か?記憶を失った男
ここはパオズ山。悟空たちは六日後のセルゲームに向けて英気を養っていた。
悟空と悟飯は暖かな日差しを全身に浴びながら、日向ぼっこを楽しんでいるようだ。
「よーし、悟飯!昼飯に魚でも獲ってくっか」
「はい、お父さん」
悟空は立ち上がって、家に少し入ってゆっくりと息を吸う
「チチ!ちょっくら悟飯連れて、飯獲ってくっかんな!」
「わかっただよ。気ぃ付けていってくるだぞ?悟飯ちゃんもあんまし危ねぇことするんでねえぞ?」
「うん、わかったよ」
チチの許しをへて二人はパオズ山、奥地の小さな湖を目指して飛び立った。
~湖~
湖に到着するとすぐに悟空は服を脱ぎ始めて、そこらへんの岩に無造作に置く
「この辺ならでっけえ魚が獲れそうだ。悟飯、準備はいいか?」
「いつでも大丈夫だよ、お父さん」
悟空が振り向くとすでに悟飯も服を脱いでいた。悟空と違って丁寧に畳まれた服は水から少し
離れた場所に置かれている。お互いの顔を見合わせ、合図をとって同時に湖に飛び込んだ。
二人は大きな魚を探して二手に分かれて湖の中を模索する。その時、悟飯は奇妙な気を感じて水面に顔を出した。
「ぷはっ!なんだろう。どこか不思議な気を感じる……」
気ではあるもののそれとは別の不思議な力が辺りを覆っていた。悟飯が周りへの警戒を続けていると悟空も水面に顔を出した。
「お父さん!」
「わかってる。こんな変な感覚は初めてだ」
普段とは打って変わり真剣な表情で悟空は辺りの気を探る。そして山の向こうを指さした。
「あっちだ。あの山の向こうは一番でかい気を感じる。悟飯、行くぞ!」
「はい!」
二人は服も着ないまま不思議な気の元へ飛び立った。
「お父さん、一体何なんでしょう?まさかセル以外にもまだ何か出てくるんでしょうか……?」
「わからねえ。もしかすっと生き物じゃねえかもしれねえ。でも邪悪な気ではねえし……?」
悟空は頭をひねらせて考える。もしも人造人間だったとしたら気は感じないはずである。かといって今感じている気は、自分たちの知っている気とは別の力も感じる。
「……こりゃ、面白くなりそうだ」
悟空が小さく呟くとちょうど目的の場所にたどり着いた。見渡したところ特に変わった様子はないがやはりこの場所だけ、他とは違う力を二人は感じていた。
「__っ!お父さん、あそこ!」
「ん?」
何かを見つけた様子の悟飯はすぐさま見つけた場所を指さした。つられて悟空もその場所に目を凝らすと、そこには一人の男が倒れていた。
肩までの長さでぼさぼさの黒い髪。見たことのないシンプルなデザインの民族衣装を着た男が全身に傷を負って倒れていた。
悟空たちはすぐさま男のもとに駆け寄った。
「おい、おめえ!しっかりしろ!」
「……う、うう」
「ひどい怪我だ……。お父さん、この人を家まで運びましょう!」
「ああ、オラが運ぶ。急いで帰るぞ。ついてこい悟飯!」
「はい!」
悟空は男を担ぎ上げて全速力で自宅へ向かう。その後ろを悟飯がついていった。
~孫家~
深い眠りの中、声が聞こえる。追い詰められたような高い声。苦しむような低い声。そして、腹の底から叫ぶような悲痛の声。
誰の声だろう?なぜそんなに苦しそうなんだろう?なぜそんなに悲しい顔をしているんだろう?何もわからない中、一人の男の声が聞こえた気がした。
『ホウレン…おまえの敵は必ず俺が…俺たちがとってやるからな』
その言葉が頭に響き男の意識は浮上し始めた。
「……ここはどこだ?」
「あ、目が覚めたんですね」
「おまえは……?」
「ボクは孫悟飯っていいます。それより体のほうは大丈夫ですか?」
悟飯が心配そうに治療された男の体を見る。だが当の本人は不思議そうな顔をしていた。
「怪我……。なんで怪我なんてしてるんだ?それにここは一体どこなんだ?」
その言葉を聞き悟飯は不思議に思った。ここがどこなのかわからないのはともかく、自分が怪我をしていることすらわからないなんて一体どういうことなんだろう……と。
だが幼い頃から勉強をしてきた悟飯にはピンとくることがあった。
「……もしかしたら、軽い記憶障害になっているのかもしれない」
「ん……?なにか言ったか?」
「あ、いえなんでもありません。それよりちょっと待ってくださいね」
悟飯はひとまず記憶障害のことは置いておき、悟空とチチを呼んだ。するとすぐに二人が駆けつけてくれた。
「よお!おめえ大丈夫か?すげえ怪我だったけんど」
「悟空さじゃあるめえし、普通の人間があんな怪我して大丈夫なわけねえべ。おいおめえ、まだ治療したばっかなんだから無理して動くんでねえぞ?」
駆けつけた二人はそれぞれ男を心配そうに気遣う。それを見て男は再び首をかしげる。
「あんたたちは誰だ?」
「オラか?オラ孫悟空だ。」
「オラは悟空さの妻のチチだよ。」
「ボクのお父さんとお母さんです。」
「そうか、親子なのか。……ところでなんで俺は怪我をしているんだ?」
そう言い放った男の言葉に悟空とチチは少し驚いた顔をしてお互いの顔を見合わせる。
「おめえ、そんだな怪我してて何があったかも覚えてないだか!?」
「あ、ああ。」
距離を詰めて息をまく姿に気圧されながら男は頷いた。その様子に悟空が腕を組んで考える。
「参ったなあ。おめえが目を覚ましたら、いろいろと聞きてえことが あったんだけんど。その様子じゃ聞けそうにねえぞ……。」
「すまない……。」
「わからねえもんはしょうがねえ、気にすんな!」
悟空は組んでいた腕を解いて男のもとへ歩み寄り軽く肩を叩いた。申し訳なさそうにしていた男もその行動に少し安心したのか表情が和らぐ。
「あなたに一つ聞きたいことがあるんですが。いいですか?」
悟飯は男の様子を見て自分の考えがあっているかを確認することにした。
「ああ、俺に答えられることなら構わない。」
「では……あなたが覚えていることってなにかありますか……?」
悟飯の言葉に悟空とチチは首をかしげる。だが男はその質問に表情を暗くした。少しの間を空けて男はゆっくりと質問に答える。
「それが……覚えてないんだ。わかるのはせいぜい自分の名前くらいで…。」
「……やっぱり。」
悟飯は男の言葉を聞いて自分の考えが当たっていたことを確信した。そこにいまいち話を理解できない悟空は悟飯に尋ねる。
「悟飯、何かわかったんか?オラちっともわかんねえぞ。」
首をかしげながら悟空は悟飯に尋ねる。悟飯は深刻な顔をして悟空に説明を始めた。
「どうやらこの人は記憶を失っているみたいです。」
「記憶?ひょっとして、頭でも打ったんか?」
「だども頭にそんだな怪我なんてなかっただよ。」
「もしかしたら僕たちが見つけるよりもずっと前に何かがあったのかもしれません。それがなんなのかはわからないですけど……。」
「すまん、俺にも何があったかわからない。俺はいったい何をしていたのか…それさえ思い出せればいいんだが。」
少し落ち込んだ様子の男に近寄り、その肩をに手を置いた。
「そう落ち込むなよ。きっと思い出せるさ。どうだ?どうせならおめえの記憶が戻るまでここに住まねえか?いいだろチチ?」
突然の提案に男は驚いて悟空を見上げる。
「いや、さすがにそこまで迷惑をかけるわけにはいけないだろ。俺は一人でも大丈夫だ。」
「なに言ってるだ!そんな体でおまけに記憶まで無くなっちまってるだぞ?遠慮しねえでここにいればいいだよ。いまさら一人や二人増えたところでたいして変わんねえだ。」
「そうですよ。それに一人では危険もありますし、僕も記憶が戻るために協力しますよ!」
「……だが。」
「よし、じゃあ決まり!おめえは記憶が戻るまでオラの家に住むってことで。よろしくな!」
男が何かを言う間もなく、悟空の意見は決定された。
「……あ、ああ。よろしく。えっと、ありがとう。」
笑顔で手を差し出された男はもう意見をだすことができず、悟空の好意に甘えることにした。
そして差し出された手を取り悟空たちにお礼を言った。
そこに悟飯が問いかける。
「そういえば聞きそびれてしまいましたけど、あなたはなんて名前なんですか?」
「俺か?俺の名前は……ホウレン。たしかそういう名前のはずだ。
「ホウレンか、じゃあ改めてよろしくな、ホウレン!」
「ああ、こちらこそよろしく。」
こうして謎の男ホウレンが悟空の家に住むことになった。
果たして記憶を戻すことができるのか。
そしてこの男がなぜ大怪我をしていたのか。
これ長い長い戦いの始まりの物語である。
「そうだ。とりあえず今の地球も状況も伝えとかなくちゃいけませんね。」
「ん?ちきゅう…?それの状況ってどういうことだ?」
「実は今、セルというやつが__」
いかがだったでしょうか?まだ初心者のためなかなか上手くいかないところもあり、投稿のペースも遅いですが、応援よろしくお願いします!