ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
悟空の頼み事によって闘うことになった二人は、紅魔館の門から少しだけ離れた場所に移動して、お互いに体をほぐすため準備運動を行っていた。
準備運動を終えた美鈴が呼吸を整え悟空を見る。
「いきますよ。覚悟はいいですか?」
「ああ、いつでもこい!」
二人は少し距離をとってお互いに構え睨みあった。常人が見ればただの睨み合いにしか見えないが二人にとっては隙の探り合いであった。
(嘘…まるで隙がない……?)
「どうした?来ねえならこっちからいくぞ!」
「……ッ!!(は、速い!)」
美鈴は高速で繰り出された悟空の右拳を寸でのところで躱し、更にの二撃目の左拳を左手でいなし、悟空のガラ空きになった腹に殴りかかるが一瞬で後ろに回り込まれ逆に前方へ吹き飛ばされた。
「はっはー!惜しかったなあ!」
「くっ!(捉えたつもりが逆に捉えられていた!)……たあっ!!」
悟空と美鈴は互いにぶつかり合い激しい攻防を繰り広げた。
「どうした!そんなんじゃオラは倒せねえぞ!」
「甘く見ないでください!まだまだこれからですよ!」
美鈴は悟空から少し距離を取って技の構えに入った。
「いきます!」 彩符『極彩颱風』
美鈴は色鮮やかな弾幕を全体に撒き散らし、悟空と自らを囲った。
あまりの弾幕の密度にさすがの悟空も出られそうにない。
「……こりゃ逃げ場がねえな。」
「まだこの技は終わりではありませんよ!」
美鈴は悟空に向けて一直線に走り出し悟空に殴りかかった。
「っと!へへっ、そんなパンチじゃ避けるまでもねえぞ…_ッ!?」
拳を受け止め余裕の表情を見せる悟空であったが、受け止めた美鈴の拳から追撃するように無数の白い弾幕が放たれ悟空に直撃した。
「うわああ!」
(効いた!これならいける!)
チャンスを逃すまいと美鈴はすぐに吹き飛んだ悟空に追撃の弾幕を放った。
しかし悟空は地面に滑り込みながらもすぐに体制を立て直し、一瞬で美鈴の後ろに回り込んだ。
「な!?」
「うおりゃああーー!!」
そして悟空は美鈴に向けて特大の衝撃波を放った。強力な衝撃波によって二人を囲っていた弾幕がすべて吹き飛ぶ。
「ぐっ…きゃあ!」
衝撃波をまともに食らった美鈴はそのまま門を突き破り、館の中まで吹き飛ばされた。
「やべっ!つい本気で攻撃しちまった!」
悟空は急いで吹き飛んだ美鈴の元へ飛んで行った。
~紅魔館~
悟空が紅魔館の中に入るとそこには扉の残骸の中に倒れる美鈴の姿があった。
「おい!しっかりしろ!大丈夫か!?」
美鈴は悟空の声を聞いてフラフラと立ち上がろうとした。
「ま…まだ…やれ…ます……。」
「もうやめとけ!フラフラじゃねえか!それにおめえの実力は十分わかった。おめえ一人じゃオラには勝てねえぞ。」
「あら、じゃあ二人ならどうかしら?」
突然聞こえてきた声に驚き後ろを振り返ると、そこには銀髪のメイド服を着た女性が立っていた。
「お、おめえ一体いつからそこにいたんだ?」
「今しがた来たばかりですわ。」
「さ…咲夜さん……。」
「何やってるのよ美鈴。門番の貴方が門どころか館の扉まで壊されてしまうなんて……。」
「す…すみません……。」
「まぁ、今はもういいわ。お仕置きはまた後でね。それよりも貴方?」
「ん?なんだ?」
「この手合わせ、私も参加させていただいてもよろしいかしら?」
「え?おめえも強いんか?」
「ええ、それなりにはね。」
「さ、咲夜さん!」
「美鈴、貴方も色々言いたいことがあるでしょうけど。ここは私と協力して闘いなさい。…お嬢様のためにもね。」
「え?それってどういう……。」
「……いえ、何でもないわ。それより立てる?」
咲夜は倒れている美鈴い手を差し伸べた。
「は、はい!」
美鈴は咲夜の手を取り、まだ少しフラつきながらもしっかりと立ち上がった。
その様子を見て悟空は嬉しそうに笑った。
「へへっ、二対一か…わくわくすんなあ!」
「うふふ、それはなによりですわ。」
嬉しそうに笑う悟空を見て小さく微笑んだ咲夜だったが内心では笑える状況ではなかった。
(お嬢様の話によると私たちではこの人にどうやっても勝てない…。ならせめてお嬢様に少しでもお怪我がないように出来るだけダメージを与えておかなくては……!)
「さあ、どっからでもかかってこい!」
「行くわよ美鈴!」
「はい!やああーー!!」
先に美鈴が悟空に突っ込み激しくぶつかり合った。受け身でいた悟空は反撃しようと拳を構えると美鈴は後方に飛び退いた。
そこに美鈴の後ろで咲夜が高く飛び上がり、隠し持っていたナイフを投げつけてくるも悟空は難なくそれをかわし、ナイフは床に突き刺さった。
「おめえ、ただのナイフじゃオラは倒せねえぞ?」
咲夜は床に着地すると小さく笑みを浮かべた
「ふふ、ご心配なく。ただのナイフではありませんので。」
すると床に刺さっていたはずのナイフが突然悟空の背後から飛んできた。
「なにっ!?」
悟空は驚きながらもそれを全てかわした。かわしたナイフはそのまま咲夜の元へ飛んでいくが急に消えてしまい気が付くと咲夜の手の中に戻っていた。
「ほらね。だからいったでしょう?(まさか後ろからの不意打ちをかわすなんて……。)」
「……後ろからナイフが飛んできた。どうなってんだ?一体……。」
「(でもまだ私の能力には気づいていないはず…ならば!)……美鈴ちょっといい?」
咲夜は悟空に聞こえない程度の小さな声で美鈴に話しかけた。
「はい、なんでしょうか?」
「私がナイフで隙をつくって能力で貴方をあの男の前まで移動させるわ。だから貴方は全力で拳を打ち込みなさい。」
「……なるほど、わかりました。やってみます。」
「おめえ、なんかおかしな技を使ってんな?」
「さて、どうでしょう?闘っていればわかるかもしれませんよ?」
「ははっ!それもそうだな。さあ続き始めっか!」
「ええ、続けましょう。はあ!」
咲夜は悟空の周りに大量のナイフを投げつけるも悟空はそれをすべてかわし続ける。
「まだまだ!」
咲夜が手で合図すると避けた全てのナイフが悟空の頭上に降り注いだ。
悟空はそれにすぐに反応すると真上に抜けて気合を放ちナイフを弾き落としたそのとき、ナイフを弾いたことでほんの一瞬気が緩んだ悟空の懐に突然美鈴が現れた。
「な!?」
「やあああーー!!」
「うわあああーー!」
突如出現した美鈴の攻撃に反応できなかった悟空は、美鈴の全力の連撃をまともに受けて後方に吹き飛んだ。
だが悟空はそれでも倒れることはなかった。
「ぐっ!……参ったな。ナイフだけじゃなく、人間まで急に現れたぞ……。」
そんな悟空を見て二人はもう勝ち目どころかダメージを負わせることすら難しく感じ始めた。
「……そんな。」
「はぁ…はぁ…!私の全力の拳が…たいして堪えてない……?」
「そっちのおめえ、咲夜っていったか?」
「……はい、そうですがなにか?」
「おめえのそのなんだかよくわからねえ技、オラにはもう通用しねえぞ。」
「な……!?」
「それからおめえは美鈴だったか?おめえは体力が無くなって、技の威力が随分落ちている。さっきも言ったがもうやめとけ。」
「くっ……!」
悟空の指摘はまさにその通りであった。今の二人の連携ならば美鈴が万全であれば流石の悟空もダメージが少なからず残ったはずだったからだ。
美鈴の体力がすでに限界近くのため、普段の力が出し切れていなかったことを悟空はすでに見抜いていた。
「……言ってくれるじゃない。確かにこれじゃ何をやっても貴方には勝てない。でもね、お嬢様の為ならたとえ勝ち目がなくても私は貴方に戦いを挑み続けるわ!」
「咲夜さん……?」
「……?(お嬢様…何のことだ?)」
「さあ、手合わせを続けるわよ!」
咲夜は敵わないと知りながらも悟空と闘うことをやめなかった。その様子を見て悟空は真面目な顔つきになり再び構えた。
「仕方ねえ。ちょっと眠っててもらうぞ!」
「「はあああーー!!」」
お互いの攻撃がぶつかり合おうとしたその時であった。
「そこまでよ!咲夜!孫悟空!」
「「「!!」」」
悟空と咲夜は何者かの声によって攻撃の手を止めた。
悟空が声のする方向を見ると階段の上から薄紫色の髪にナイトキャップをかぶり背中にはこうもりの羽のようなものが生えた少女が降りてきた。
「レミリアお嬢様!」
「お、お嬢様!なぜこちらにいらしたんですか!?ここは危険です!はやく避難を!」
「何言ってるのよ。こんなに館をボロボロにされて私が出てこないわけないじゃない。」
「ですが……!」
「それにね。私とそこの孫悟空が会うのは運命によって定められていること…。どこに逃げようと同じよ。」
「え?運命?なんのこと……?」
咲夜はレミリアのことを心配して避難してもらおうとしているが、美鈴は話を聞かされていないため何が何だかわからないといった表情をしていた。
「おいおめえ!なんでオラの名前を知ってんだ?」
「ふふ、なんでかしらね?」
レミリアは階段を下りて悟空のすぐ横を通り過ぎていった。
「付いてきなさい。外で話をしましょう。」
「……ああ、わかった。」
悟空は素直にレミリアの言うことを聞き、後についていった。
果たして悟空はこれからどうなってしまうのか。
そして仲間たちを見つけることが出来るのであろうか?
戦闘描写って難しいですね……。