ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~   作:月下の案内人

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吸血鬼姉妹登場!月下の超決戦!

 レミリアの後についてきた悟空は綺麗な植物が並ぶ庭の中央までやってきた。

 闘っているうちに辺りはすっかり暗くなり大きな満月が浮かんでいる。

 

「さて、ここで話をしましょうか。」

 

「ああ。」

 

「……お嬢様、私たちは。」

 

「少し離れて待機してなさい。」

 

「はっ!」

 

 指示を受けた咲夜はその場から姿を消し、少し離れたところにいる美鈴の隣に移動した。

 

「まずは自己紹介かしら?私はここ紅魔館の主のレミリア・スカーレット。誇り高き吸血鬼よ。貴方は?」

 

「オラは地球で育ったサイヤ人、孫悟空だ。」

 

「サイヤ人?」

 

「まあ闘いが大好きな宇宙人ってとこかな。」

 

「ふーん。月の民の別種なの?」

 

「月の民?いや、オラ別に月には住んでねえぞ。」

 

 悟空の言葉にレミリアは少し興味を持ち悟空に少し近づいた。

 

「あら。じゃあ本当に他の星から来たとでもいうのかしら?」

 

「まあな。つってもオラは生まれた頃にすぐ地球へ送られたらしいから、よく覚えてねえけどな。」

 

「そうなの…。それで貴方はなぜここに来たのかしら?」

 

「それなんだけどよ。実はオラこの世界の人間じゃねえんだ。」

 

「宇宙人という話なら今聞いたけど?」

 

「いや、そうじゃなくてよ。おめえたちが住んでるこの世界の外から来たんだ。」

 

 悟空の説明に紅魔館の者たちに衝撃が走る。外の世界にこれほどの強さを持った人間が存在することに驚きを隠せないでいた。

 そんな中レミリアがぼそりと呟いた。

 

「……外来人…か……。」

 

「がいらいじん?なんだそれ。」

 

「外来人っていうのは、貴方みたいにこの世界の外から迷い込んでしまった者達のことをそう呼ぶのよ。といっても大抵の人間は迷い込んですぐに妖怪の餌になってしまうことが多いけれどね。」

 

「へー。えっと、それでよ。オラ意外にも何人か一緒にこの世界に来たんだけどさ。色々あってバラバラに分かれちまってな。そいつらがここにいねえかなと思って来たんだ。」

 

「……ではなぜ私の従者と闘っていたのかしら?」

 

「へへっ、さっき言ったとおり、サイヤ人は戦いが大好きでな!美鈴にたのんで手合わせしてもらってたんだ。」

 

 それを聞いたレミリアは呆れたような顔をした。

 

「まったく、手合わせで私の館を壊さないで欲しいわね。」

 

「わりいわりい、つい力を出しすぎちまってよ。この通りだ!」

 

 悟空は両手を合わせてレミリアに謝罪した。

 

「はぁ…。まあいいわ。……それと、貴方の仲間だったかしら?残念だけどここには来てないわ。」

 

「ああ、もう聞いた。あいつら一体どこ行っちまったんだ……?」

 

「聞きたいことはそれだけかしら?ならお引き取り願いたいのだけど。」

 

「ああ、すまなかった。……ついでにちょっと聞きてぇんだけどよ。」

 

「ん?何かしら。」

 

「おめえはあの二人よりも強いんか?もしそうだったらオラと手合わせしてくんねえかなあ!」

 

「ほう?」

 

 悟空の発言にレミリアは興味深いといった反応をするが従者の咲夜にとってそれは危険すぎる申し出だった。

 

「いけません!お嬢様!危険すぎます!」

 

「下がりなさい咲夜。」

 

「ですがお嬢様!その男はまだ底が知れません!お嬢様にもしものことがあったら……!」

 

「命令よ。咲夜、下がりなさい。」

 

「ッ……!わかり…ました。」

 

 咲夜はレミリアに命令され苦しげな表情で下がった。

 

「貴方。私と闘いたいなんておもしろいことを言うわね?」

 

「そうか?」

 

「ええ。吸血鬼に闘いを挑むなんて宇宙人といえどもただじゃ済まないわよ?それでもいいのかしら?」

 

「ああ!大丈夫だ!」

 

 レミリアに対してまったく怯えを感じていない悟空を見てレミリアはくすりと笑った。

 

「ふふ、貴方本当におもしろいわね。気に入ったわ。」

 

 そう言うとレミリアはゆっくりと宙に浮かび上がった。

 

「では、始めましょうか。構えなさい。」

 

「へへっ、はやくおっぱじめようぜ!」

 

 二人が闘いを始めようとしたその時であった。

 

「待って!お姉さま!」

 

 そこに濃い黄色の髪を片方だけまとめてその上にレミリアと同じようなナイトキャップをかぶり、背中には結晶のようなものがぶら下がった不思議な羽のようなものを持つ少女が館から小走りでこちらに向かってきた。

 その後ろを長い紫色の髪の先をリボンでまとめていてこちらもナイトキャップをかぶり、片手に本を持っている女性がそのあとを追って歩いてきた。

 

「フラン?どうかしたの?」

 

「お姉さたちばっかりずるい!私も遊びたい!」

 

「何言ってるのよ。貴方はまだ力の制御が出来ていないでしょ?」

 

「それでもやーるーのー!」

 

「わがまま言わないの!パチェ!貴方が付いていながらなんでこの子を止めなかったのよ!」

 

「仕方ないじゃない。レミィたちがあんなに大きな音で闘うんだもの、すぐバレるわよ。」

 

「ちょっと、私はまだ闘ってないわよ!?大きな音を出したのは咲夜と美鈴のほうで私じゃないもん!」

 

 ギャーギャーと騒ぎ出す三人を見て悟空はどうしたもんかと腕を組み咲夜と美鈴のほうを見た。すると二人はやれやれといった表情で三人を見ていた。

 

「お、お嬢様……。」

 

「あはは、また始まっちゃいましたね……。」

 

「なあ美鈴。今レミリアと話してんのは誰だ?」

 

「あ、はい。今言い合いをしてるのは紫色の髪の人がお嬢様のご友人のパチュリー・ノーレッジ様で隣にいる黄色の髪をしている方がお嬢様の妹であるフランドール・スカーレット様です。」

 

「妹?へえ、そうなんか。じゃあなんで揉めてんだ?」

 

「たぶん妹様も貴方と闘いたいみたいで、そのことで揉めてるみたいです。」

 

「なんだそんなことか~!なら簡単だな。」

 

「え?」

 

 すると悟空は何かを閃き、言い争う三人を見つめた。

 

「ダメったらダメ!」

 

「やるったらやる!」

 

「おいおめえたち。」

 

「「何っ!!」」

 

 レミリアとフランは声を揃えて悟空を睨んだ。

 

「そんなに闘いたがってんなら、二人で一緒に闘ったらどうだ?」

 

 悟空のとんでもない発言に紅魔館の住人たちは、ポカンとした顔で悟空を見ていた。

 

「……貴方、本気で言っているの?」

 

「ああ。そうすりゃ、おめえたちの喧嘩も解決すんだろ?」

 

「私たち二人がかりだなんて、お兄さん壊れちゃうよ?」

 

「それはどうかな?やってみなきゃわかんねえぞ?」

 

 悟空は二人に対してもまるで臆することなく笑って見せた。それを見ていた咲夜たちは額に汗を垂らした。

 

「無茶な…。いくらあの男が強いからといって、お嬢様と妹様を同時に相手するなんて不可能よ。」

 

「私たち二人がかりとはわけが違いますからね……。」

 

 レミリアは真剣な顔つきで悟空の目を見た。

 

「死んでも後悔しないわね?」

 

「大丈夫だ。オラはおめえたちに絶対勝ってみせる!」

 

「……はぁ、仕方ないわね。貴方は気に入っちゃったから殺したくはなかったんだけど……。」

 

「お姉さま、大丈夫よ!壊れちゃう前に倒せばいいんだから♪」

 

「……それもそうね。いくわよフラン!」

 

「うん!お姉さまも足引っ張らないでよね?」

 

「こっちのセリフよフラン?久しぶりの闘いだからって張り切りすぎて足元をすくわれないようにね?」

 

 二人はようやく和解して悟空に向かって構えをとる。

 そしていつの間にかパチュリーは咲夜たちの元に立っていた。

 それを見て悟空はとても楽しそうに笑い、悟空もまた構えをとった。

 

「いっくよー!」

 

 フランの言葉を切っ掛けに闘いの火ぶたが切って落とされた。

 フランはとてつもないスピードで悟空を攻撃しながら通り過ぎた。

 

「ぐっ!」

 

「まだまだいくよー!」

 

 そのままフランは悟空の周りを目にも止まらぬ速さで駆け回り攻撃を繰り返す。

 防戦一方になった悟空はなんとかその状況を抜け出そうとして周囲全体に大きな衝撃波を放ちフランを攻撃するがあっさりとかわされてしまいさらに追い打ちを受ける。

 

「どうしたの?私一人にこんなんじゃ私たち二人を倒すなんて無理だよ?」

 

「どうかな?オラはまだピンピンしてんぞ!」

 

 悟空がフランに突進しようとした時、レミリアが頭上から現れた。

 

「さすが、咲夜たちを倒しただけのことはあるわね?」

 

「ッ!!(いつの間に上に!)」

 

「はあ!」

 

「うぐっ!」

 

 レミリアは動揺した悟空の頭をそのまま殴りつけ、更にフランの元に蹴り飛ばした。

 

「お姉さま、ナイスパス!たあ!」

 

 そして飛んできた悟空をフランが別の場所へ蹴り飛ばす。

 蹴り飛ばされた悟空は地面に転がり込んだ。

 

「くっ…さすが姉妹だな。息がぴったりだ…!……む!!」

 

 悟空はすぐさま立ち上がり二人を見るとレミリアとフランは左右に分かれてそれぞれ技の構えをとっていた。

 

「しまっ__!!」

 

「はあ!」     紅符『スカーレットシュート』

 

「やあ!」     禁弾『スターボウブレイク』

 

 レミリアは紅く染まった弾幕の束を。フランは七色に光る無数の弾幕をそれぞれ悟空目掛けて発射した。

 

「うわあぁああ!!」

 

 その勢いに悟空は避けることが出来ず大爆発を起こしてその場に倒れてしまった。

 

「あちゃ~。つい壊しちゃったかな?」

 

「ちょっとフラン!もう少し手加減しなさい!せっかくおもしろいやつだったのに死んじゃったじゃないの!」

 

「え~!お姉さまだって凄く強めに撃ってたでしょー!?」

 

「……凄い。あっさりとあの男を倒してしまった。」

 

「まあ当然と言えば当然の結果よね。」

 

 勝利を確信した紅魔館の住人たちであったが美鈴だけがいまだ真剣な顔つきで倒れた悟空を見ていた。

 

「美鈴?どうかしたの?」

 

「あの人…まだ気を感じる。まだ生きています!」

 

「まさか。あれをまともに受けて生きていられる人間なんてこの幻想郷にも数える程しかいないわよ?」

 

「それに生きてたとしても流石にもう戦えないんじゃないの?」

 

 咲夜に続いてパチュリーもまさかといった様子で美鈴の言った言葉が信じられないようだ。

 

「いえ…戦えないどころかあの人……!」

 

 すると抉れた地面から悟空がゆっくりと立ち上がった。

 

「「「!?」」」

 

「たいして気が減ってません……っ!」

 

 平然と立ち上がる悟空を見ながら放心したようにフランはつぶやいた。

 

「…嘘……?」

 

「いっちちち!油断してたぞ…。おめえたち本当に強いんだな~!」

 

 悟空は感心したように二人を見た。だが褒められた二人は信じられないようなものを見る目で悟空を見ていた。

 

「……貴方…なんでそんなにピンピンしているの……?」

 

「ピンピンはしてねえぞ?すっげー痛かったかんなあ!ハハッ!」

 

「貴方…まだ本気じゃないわね?」

 

「え?お姉さま、それってどういう……?」

 

「へへっ、まあな。」

 

 余裕な表情での悟空の発言に咲夜と美鈴が反応を見せた。

 

「そんな、まさか……!」

 

「あれで手加減しているんですか!?」

 

「ああ。オラが本気出しちまうとおめえらが危険だかんなぁ。」

 

「……見せなさい。」

 

「ん?」

 

「貴方の本気の力を私たちに見せてみなさい!手加減していたら私たちには勝てないわよ!」

 

 手加減されていたという事実がレミリアのプライドに障り、レミリアは悟空が本気を出すようにと強く望んだ。実際悟空は力をまだまだ隠していて今の力など半分にも満たないといったところである。

 それゆえに悟空は本気を出すことをためらっていた。

 

「…仕方ねえか。ちょっとだけだかんな?」

 

「それでいいのよ…。……フラン。」

 

 レミリアは小さな声でフランに話しかけた。

 

「何?お姉さま。」

 

「次で決めるわ。ありったけのスペルを打ち込むわよ。」

 

「!……うん!」

 

「はぁああああ!!」

 

 悟空は気を溜めだしたその時、悟空の巨大な気に触れて大地が震動を始めた。

 突然の震動に紅魔館の住人たちは動揺する。

 

「な、なにこれ地震……?」

 

「私の本棚大丈夫かしら…。」

 

「咲夜さん、これ地震なんかじゃありません……!」

 

「え?美鈴それどういうことなの?」

 

「これは悟空さんの体から発せられる気があまりにも巨大なのでそれに触れて周りのものにまで震動が伝わってきているんです……!少なくとも私が生きてきた中でこれほどの気を発せられる人なんて見たこともありません……!」

 

「だぁあああーー!!」

 

 そして悟空は超サイヤ人に変身した。するとその瞬間すべての震動が止まった。

 

「大気の震えが…止まった……?」

 

「すごい!変身した!金色でかっこいいー!」

 

「どうだ?これがオラの力だ……。」

 

「いいわね。ますます気に入ったわ!」

 

「そいつはどうも。それで?どうすんだ。本当にこのままでいいんか?」

 

「当然よ!今度は私たちも本気で攻撃させてもらうわ!」

 

「そいつは楽しみだな。さあかかってこい!」

 

「よーし、じゃあ私からいくよ!」       禁忌『クランベリートラップ』

 

 フランが放った弾幕が悟空の周りを回り始めて悟空を完全に閉じ込めた。

 

「あちゃー!また囲まれちまったな……。」

 

「囲んだだけじゃないよ!」

 

「む!?」

 

 悟空の周りを回る高密度の弾幕の隙間から、赤い特大のエネルギー弾が様々なところから飛び出して悟空を襲う。だが悟空はそれを難なくかわし続ける。

 するとレミリアが放ったナイフのような形をした高速の弾幕が回る弾幕を貫いて悟空を狙った。

 

「っと!あぶねえ!」

 

「……外れたか。でもまだまだ行くわよ!」    『スカーレットディスティニー』

 

 レミリアは回る弾幕の中の悟空に向けて先ほどの高速の弾幕を大量に放った。

 

「くっ!」

 

 悟空は飛んでくる弾幕をすべて紙一重でかわし続けた。

 

(結構早えな…避けんのも一苦労だ……!)

 

「くっ!こっちの姿は見えていないはずなのに!」

 

「全部避けられてるみたいだね…。だったら!」

 

「だぁあああーー!!」

 

「「!?」」

 

 悟空は自分の周囲全体に向かって気を放出し、回る弾幕をすべてかき消したのだった。

 

「ふぅ…。さあ、続けようぜ__むっ!」

 

 悟空は後ろから放たれたエネルギー弾を首を曲げてかわした。

 それはフランが放った不意の攻撃であった。

 

「「「もう!後ろから撃ったのになんで避けれるのよ!」」」

 

「ははは、そんなもんすぐわかっぞ……ってあり?」

 

「「「どうしたのお兄さん?」」」

 

「ど、どうなってんだ!?」

 

 悟空が驚くのも無理はない。なぜなら悟空の周りを四人のフランが囲んでいたからだ。

 

「お、おめえ!四つ子だったんか!」

 

「「「ふっふっふ~。そう思うのも無理ないかな?でもハズレ~♪これは私の奥の手。禁忌『フォーオブアカインド』だよ!」」」

 

「よくわかんねえけど、おめえの技ってことか!四人に増えるなんておめえ天津飯みてえだな。」

 

「「「天津飯?私食べ物じゃないよ?」」」

 

「いや、そうじゃねえ。オラの仲間にも四人に増えることが出来るやつがいてよ。そいつの名前が天津飯ってんだ。」

 

「「「へ~!私以外にもそんな人がいるんだ!」」」

 

「天津飯の技には弱点があったが、おめえはどうかな……?」

 

「「「へへ~、それは闘ってみてのお楽しみだよ!」」」

 

 四人のフランは同時に右手を開いた。するとそこに炎が現れメラメラと燃え盛っていく。

 

「「「どこまで耐えられるかな?」」」      禁忌『レーヴァテイン』

 

 燃え盛る炎は形を変えてゆき、そのまま長剣へと変わり、フランたちは一斉に長剣を構えて悟空目掛けて突っ込み長剣を振り下した。

 だが悟空は寸前で上へと飛びあがり宙へと逃げた。

 

「「「逃がさないよ!」」」

 

 フランは悟空を取り囲むように追跡しながらレーヴァテインで斬りかかる。悟空は四人の攻撃を避けながら上へ上へと上昇し続けた。

 

(参ったな。天津飯みてえに力が四等分されたりはしねえんか……!とにかく避けるしかねえ!)

 

 上昇し続けた悟空とフランは雲の上まで飛んで行ってしまい見えなくなってしまう。

 紅魔館の従者たちはその光景に目を見開いた。

 

「見えなくなった……。」

 

「一体どうなってしまうんでしょう……?」

 

「あれ?そういえばレミィは……?」

 

 そして場所は変わってここは雲の上、フランの攻撃を避け続けた悟空は反撃を試みる。

 

「このままじゃ埒が明かねえ!終わりにすっぞ!フラン!」

 

 悟空はレーヴァテインを大きくかわし両手を合わせた。

 

「か~め~は~め~波ぁああああーーー!!」

 

「「「キャアアアア!!」」」

 

 悟空が放ったかめはめ波はフランのレーヴァテインをかき消してフランを捉えた。

 勝利を確信した悟空だったがその瞬間、悟空はふとしたことに気が付いた。

 落ちていくフランの口元が小さく笑っていることに。

 

「よくやったわ!フラン!」

 

 突然聞こえてきた声に悟空は辺りを見回すと、なんとレミリアが月を背に紅く染まった巨大な槍を構えて待ち構えていたのだ。

 

「あ!!」

 

「貴方の言うとおり、終わりにするわよっ!」      神槍『スピア・ザ・グングニル』

 

 レミリアはその深紅に染まった特大の槍を悟空目掛けて解き放った。

 

「すげえ力を感じるっ!とっておきってやつか……!」

 

「いけぇえええーー!!」

 

 超高速で飛んでくる槍。それを見て悟空は笑みを浮かべた。

 

「へへっ、おもしれえ!正面から受け止めてやる!」

 

 悟空はグングニルを両手で受け止めて何とか堪えた。だがその威力にだんだんと押され気味になっていった。

 

「うぐぐぐ!このやろー!」

 

「無駄よ、いくら貴方が強くてもその状態じゃ抗えないわ。私たちの勝ちよ。」

 

「ぐぐっ…どうかな…?まだ勝負はついてねえぞ!」

 

「……もう終わりよ、残念だけどね。もしこれで生きてたら、手当くらいはしてあげるわ。」

 

「必要ねえよ…っ!それよか、飯のほうがいい……っ!」

 

「ふふ、いいわ。生きていたら、いくらでもご馳走してあげる。」

 

 その言葉を聞いた瞬間、悟空は目を輝かせた。

 

「ほんとか!?じゃあ尚更負けらんねえ!もっと力出させてもらうぞ!」

 

「え?」

 

「いくぞ!レミリア!」

 

 するとグングニルを受け止めている悟空の手のひらにどんどん気が集まり始める。

 

「か……め……は……め……波ぁああああああ!!」

 

 そして悟空の特大のかめはめ波はレミリアのグングニルを力づくで押し返し、そのままレミリアの真横を通り過ぎて行った。

 

「はぁ…はぁ…、どうだ。なんとかなったろ?」

 

「……嘘。あれでもまだ…本気じゃなかったっていうの……?」

 

「ああ、まあな。」

 

「信じられないわ。貴方のような人間がこの世に存在するなんて……。」

 

「どうすんだ?まだ続けっか?」

 

「……ふ、ふっふっふ。アーッハッハッハ!」

 

 レミリアは突然大声で笑いだしてしまった。

 

「……?」

 

「……負けよ。降参だわ。貴方とんでもない男ね。」

 

「おめえたちこそなかなか強かったぞ。」

 

「それはどうも。」

 

「それよか、ほんとに飯食わせてくれるんか!?」

 

 悟空は先の戦闘などなかったかのように目を輝かせていた。

 

「ふふ、もちろんよ。…すっかり真夜中になってしまったわね。ついでに泊まっていったら?」

 

「いいんか?」

 

「ええ。貴方の世界の話でも聞かせて頂戴?」

 

「助かるぞー!サンキュー、レミリア!」

 

「どういたしまして。さ、早く下に降りましょ?咲夜たちが心配しているわ。」

 

 悟空たちは二人でゆっくりと紅魔館まで降りて行った。その様子に従者たちはどちらが勝ったのかわからずともそばに駆け寄った。

 

「お嬢様!勝負はどうなったのですか!?」

 

「負けたわ。完敗よ。それよりフランは?」

 

 フランを探すレミリアの元に美鈴がフランを抱きかかえながら歩み寄った。

 

「ここにいますよ。」

 

「お姉さま…負けちゃったね。」

 

「ええ、そうね。でも仕方ないわ。この男まだ本気じゃなかったんですもの。」

 

「ええ!?そうなのお兄さん!?」

 

「あれ以上は本当に危険だからな。でもおめえも強かったぞフラン。若いのに大したもんだ。」

 

「貴方勘違いしているようだけど、フランは貴方よりずっと年上よ?」

 

「え?そうなんか?」

 

「ええ。ちなみに私は五百年以上生きているわ。」

 

「ご、五百年!?ひゃ~!おめえ、そんなに歳くってたんか!」

 

「驚いたようね。でもまあ、これでもこの幻想郷ではまだ若いほうよ?」

 

「そうなんか…。こりゃすげえ世界だなぁ。」

 

「咲夜。すぐに夕食の用意をして頂戴。この男にご馳走してあげるの。」

 

「え?は、はい。かしこまりました。」

 

「やりー!楽しみにしてっぞぉ!」

 

「私も食べる!闘って遊んだらおなかペコペコになっちゃった!」

 

「よっしゃ、じゃあ思いっきり食おうぜフラン!」

 

「うん!」

 

 こうして悟空の長い長い一日は終わった。

 この後、悟空のとてつもない食欲に全員が度肝を抜いたのは言うまでもなかった。

 




闘ってばかりですみません!これからも闘いは多くなると思いますがお付き合いよろしくお願いします。
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