ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~   作:月下の案内人

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ようやく第二章の始まりです。この章からオリキャラなどが登場する予定です。


第二章 凍界異変
吸血鬼姉妹の喧嘩 見えてしまった運命


 霊夢と闘い、異変を解決する手伝いをすることになってから二週間の時が流れた。

 それぞれ縁がある者たちからの手助けもあり、幻想郷での滞在場所を決めてバラバラに日々を過ごしていた。

 そして霊夢の判断で誰かひとりが博麗神社に住んで情報を共有するほうがいいということで、霊夢を激闘を繰り広げたホウレンが博麗神社に住みつくことになっていた。

 

 ~博麗神社~

 

 暑い日差しが差し込む中、境内には上半身裸で指立て伏せをするホウレンとそれを呆れた顔で見守る霊夢の姿があった。

 

「……あんたねぇ。この暑いときにそんな暑苦しいことしないでよね。」

 

「まあそう言うなよ。これくらいしかやることがねえんだ。」

 

「暇なら境内の掃除でもしてなさいよ。」

 

 ホウレンは指立て伏せを中断して地面に座り込んだ。

 

「掃除って言ってもよ。いつもおまえがやってるから十分綺麗だろ。」

 

「掃除ってのはね、何度やってもいいものなのよ。」

 

「はいはい、わかったよ。どこを掃除すりゃいい?」

 

「そんなの自分で考えてよね。」

 

「投げやりだなおい。」

 

 あれから皆で色々と調べてはいるものの異変にそれといった変化はなく、すっかりここでの生活に慣れてしまっているホウレンであった。

 もはや日常と化している会話をしているとそこに悟飯がやってきた。

 

「お二人とも、こんにちわ。」

 

「よう悟飯!」

 

「いらっしゃい。寺子屋での生活はどう?」

 

「はい。とても勉強になって楽しいです。」

 

 悟飯は慧音の勧めもあり、慧音の元に住みながら寺子屋にも通っている。

 慧音も真面目で優秀な生徒ができたと喜んでいるそうだ。

 

「あの小難しい授業を楽しめるなんて、随分賢い子ね。」

 

「それで、今日はどうしたんだ?」

 

「はい。……あれから異変の状況に変化はありましたか?丁度この近くを通りかかったのでそれを聞きに来ました。」

 

「残念ながら何もないわ。それどころか貴方たちが幻想郷に来てから外の世界から迷い込む人も減って、手がかりが何も見つからないのよ。」

 

 そう言って霊夢はお手上げのポーズをした。

 

「そうですか……。」

 

「まあそう落ち込むなよ。ゆっくり探していこうぜ?いつか絶対に帰れる時が来る。今はこの世界での生活を楽しんでいこう、な?」

 

「……そうですよね。ありがとうございます、ホウレンさん。」

 

「まったく、あんたはほんとに気楽でいいわね。探すのは私なのよ?」

 

「ははは!そうだったな。すまん!」

 

「やれやれ、早く見つけないとね……いつまでも二人で生活ってわけにもいかないし……。」

 

「ん?なんだ?」

 

「なんでもないわよ。それよりもあんたの仲間たちは上手くやれてるの?」

 

「どうだろうな。悟飯、おまえはみんなに会ったか?」

 

「はい、皆さん元気そうでしたよ。……ピッコロさんはあの山に行ったっきり見てませんけど。」

 

「ふぅん……。(もしかして早苗のところにでもいるのかしら?)」

 

 その頃、守矢神社では……。

 

「わ、わわ!ちょ…ちょっと待って……!」

 

「甘ったれるな!そんなことではいつまで経っても強くなれんぞ!」

 

「そそ、そんなこと言っても……!か、神奈子さまも諏訪子さまもなんとか言って下さいよぉ!」

 

「ま、早苗も最近運動不足だったし、いいんじゃないかな?」

 

「そうだな。ピッコロ!くれぐれも大怪我はさせないでくれよ!」

 

 ピッコロに激しい特訓をされている早苗を見守る神奈子と諏訪子はにやにや笑いながら言った。

 

「フン、それはこいつ次第だな。」

 

「そ、そんな~!?」

 

 そして再びここは博麗神社……。

 

(まあ、あの中じゃ一番まともそうな人?だったし大丈夫か。)

 

「そうか、みんな元気にしてるんだな。安心したぜ。」

 

「別の世界に来たってのに、随分と図太い神経をお持ちね。」

 

「そういう連中なんだよ。おまえだって結構図太いほうだろ?」

 

「……まあそうかもね。」

 

「では、ボクはそろそろ帰ります。何かあったら教えてくださいね?」

 

「おう、またな。」

 

「あ、待って。私もついていくわ。」

 

「ん?どうしたんだ。」

 

「ちょっといろいろ買い物にね。あんたがいる分、こっちは大変なのよ。」

 

「俺も付き合うか?」

 

「別にいいわ。あんたはここで留守番してて頂戴。」

 

「そうか、気を付けてな。」

 

「子供じゃないんだから大丈夫よ。じゃ、行ってくるわ。」

 

「ではホウレンさん、さようなら。」

 

 そうして悟飯と霊夢は人里へと飛んで行った。残されたホウレンは大きく背伸びをした。

 

「さーて、昼寝でもするかぁ。」

 

 ホウレンは欠伸をしながら神社の中へと消えて行った。

 場所は変わってここは紅魔館。悟空はレミリアたちに気に入られて紅魔館へ住みついていた。

 現在悟空は美鈴を鍛えるため、特訓の日々を送っていた。

 

「どうした!まだこんなもんじゃねえだろ!」

 

「はい!まだまだいけますよ!」

 

 ここのところ毎日繰り広げられている二人の組手をフランはひとり窓から眺めていた。

 

「いいなぁ。二人とも外で思いっきり遊べて。最近は曇りの日が多いから私もお外には出られるけど。この敷地内からは出ちゃダメって言われてるしな~……。」

 

 フランは自分の手を見ながら握って開いてを繰り返す。

 

「……この能力が上手く使いこなせればなぁ……。」

 

 フランは自信の能力をまだ上手く扱いきれないという理由でレミリアからこの屋敷の敷地内から一人で出歩くことを禁止されていた。

 元々フランの能力は非常に危険なもので、下手をすればまわりの生き物すらも全て破壊してしまうほどだった。

 そのことをフランも理解しており、納得した上での外出禁止であった。

 

「でも……それでもお外へ遊びに行きたいよ……。」

 

 自身の能力のことで悩んでいるとそこに咲夜が通りかかった。

 

「あら?妹様。こんなところでどうしたのですか?」

 

「咲夜……。」

 

「どうされたんですか?元気がないようですが……。」

 

 落ち込んだ様子のフランを心配する咲夜の言葉にフランは首を横に振った。

 

「……ううん。なんでもない。……それよりお姉さまはどこ?」

 

「お嬢様ですか?お嬢様なら自室にいらっしゃると思いますが。」

 

「そっか。ありがと。」

 

 咲夜にお礼を言うとフランは咲夜の横を通り過ぎてレミリアの部屋へ向かった。

 

(こうなったらお姉さまに直接頼み込んでみよう!もしかしたら許してもらえるかもしれないし!)

 

「……妹様。どうしたのかしら。……あんなに寂しそうな顔をなさって……。」

 

 遠ざかるフランの背中を咲夜はその姿が見えなくなるまで見送った。

 そしてここはレミリアの部屋。レミリアはひとり、部屋で静かに過ごしているとドアから小さくノックが聞こえてきた。

 

「誰?」

 

『お姉さま、私だよ。入ってもいい?』

 

「フラン?いいわよ。入りなさい。」

 

 レミリアの返事があるとすぐにフランが部屋に入ってきてレミリアの数歩手前で立ち止まった。

 

「どうしたの?」

 

「……あのね。私……お外に出たいの。」

 

 突然の言葉にレミリアは目を見開くがすぐに真面目な顔つきになってフランと向き合った。

 

「……どうして急に?」

 

「悟空と美鈴がよくお外で遊んでいるでしょ?それを見てたら私もお外に遊びに行きたいなって思って……。」

 

 フランの説明に対してレミリアは無言だった。だがしっかりとフランの目を見つめていた。

 

「ねえ、私前よりも能力を上手く使えるよ?周りのものだって絶対に壊さない。だから__」

 

「__駄目よ。」

 

「ッ……!なんで!?私だってあまり物を壊さないようになってきてるのに、どうしていつまで経ってもお外に行かせてくれないの!?」

 

「……貴方はまだ完全に能力を扱えているわけじゃないの。それはわかるわよね?」

 

「……うん。」

 

「貴方が外に出かけて、もしもの事があったらどうするの?」

 

「でも……それでも私はお外で遊びたいよ!!」

 

「駄目って言ってるでしょ!いい加減にしなさい!!」

 

「うう……お姉さまのバカ!」

 

 フランは涙を堪えながらレミリアの部屋を飛び出していった。

 

「あ!待ちなさい!フラ__ッ!!?」

 

 レミリアが飛び出していったフランを呼び止めようとしたその時、レミリアの脳内に見知らぬ様々な場面が駆け巡った。

 

『どうなっているんですか!この幻想郷で一体何が起こってるんです!?』

 

 白く染まりかけた幻想郷の空をピッコロと共に飛ぶ早苗の姿。

 

『あんたがこの異変の本当の元凶ってわけね。今度こそ終わりにしてやるわ。』

 

 凍り付いた丘で誰かと対峙している霊夢の姿。

 

『嘘ですよね……?ホウレンさん……ホウレンさんっ!!』

 

 数多の氷塊が転がる中で何かを見つめて叫び続ける妖夢の姿。

 

『ごめんなさい……お姉さま……。』

 

 そして……へたり込んだままで謎の化け物に殺されるフランの姿。

 そこまで見て、レミリアは我に返った。

 

「__ッ!?ハァ!ハァ!……まさか……今のは幻想郷全体の運命……?これから一体何が起こるって言うの……?」

 

 レミリアはひどく動揺しながらも今見えた運命の最後を思い出して顔を青くした。

 

「最後に見えたのはフランだった……いけない!早くあの子を止めないとあの子が危ない!!」

 

 レミリアは必死になってフランを追って走り出した。

 

 ~紅魔館 門~

 

「お?あれってフランじゃねえか?」

 

「え?ホントですね。こっちに向かって走ってきてるような……?」

 

 不思議に思う美鈴と悟空のもとへでフランは走りながら右手を突き出した。

 

「どいて!」

 

「え!?ちょ、ちょっと妹様!なにを!?」

 

「えい!!」

 

 フランが突き出した右手を握ると突然門が爆発して吹き飛び、爆風により土埃が舞って、そこをフランが駆け抜ける。

 

「うわ!すげえ埃だ!前が見えねえぞ!」

 

「ゲホッ!ゲホッ!い、妹様!待ってください!」

 

 美鈴はすぐにフランを追うも大量の土埃で視界を奪われ、フランを見失ってしまった。

 

「大変です!妹様が行ってしまいました!すぐに追わないと!」

 

「いってえどうしたんだ……?フランのやつ……。」

 

 慌てる美鈴と状況がよくわかっていない悟空の元に少し遅れてレミリアが息を切らしながら走ってきた。

 

「はあっ…はあっ…!美鈴!フランは!?」

 

「お嬢様!申し訳ありません!妹様は門を破壊して外に……!」

 

「くそっ!ま…間に合わなかった……!!」

 

「どうしたんだ?おめえたち。そんなに慌てて。」

 

 悟空は慌てる二人のことを不思議そうに見ながら聞いた。

 

「……そうか。貴方にはまだ教えてなかったか。よく聞きなさい悟空。フランはね……__」

 

 レミリアは事の経緯を悟空に説明した。

 

「そうか……あいつ、まだ自分の力が上手く扱えねえんか。」

 

「ええそうよ……だからあの子を早く見つけないと!」

 

「……でもよ。レミリア。それだけじゃねえだろ?」

 

 外に向かって走り出そうとするレミリアだったが悟空の言葉にその足を止めた。

 

「……なにが言いたいの?」

 

「いくらフランの能力が危険でもそこまで本気で止めるとは思えねえんだ。本当はおめえだってフランが周りの生き物を壊しちまうなんて思ってねえんだろ?」

 

「……なんでこういう時だけ貴方は察しがいいのかしらね。」

 

 レミリアは悩みながらも自分の気持ちを正直に話すことにして悟空と向き合った。

 

「そうよ。……あの子がもう周りを全部壊してしまうなんて思ってない。……あの子が必死に自信の能力を制御しようとしてることもわかってる。……でもね。やっぱり心配なのよ。姉妹なんだから当然でしょ?あの子がまた昔みたいに能力に溺れ、狂気に走る姿はもう見たくないのよ……。」

 

「お嬢様……。」

 

「そうか……よし!」

 

 悟空はレミリアの話を聞くと満足そうに笑い、レミリアの頭に手を置いた。

 

「……悟空?」

 

「フランはオラが連れ戻してやる。だから心配すんな。オラは頑丈だからそう簡単に壊されたりしねえよ。」

 

 レミリアは悟空の言葉に意表を突かれたのか目をぱちぱちと開いて悟空を見つめた。

 

「そう……そうね……。(先に見た運命。この男なら何か変えられるかもしれない。)」

 

 そして考え込んだ後にレミリアは悟空の目を見てそれに答えた。

 

「悟空。フランをお願いするわ。それと美鈴、貴方も一緒に行きなさい。」

 

「わかりました!」

 

「それと……念のため、いつでも闘える準備はしておいて頂戴。」

 

「え?お嬢様、それはどういう……?」

 

「頼んだわよ。二人共、無事に帰ってきてね。」

 

「おう!行くぞ美鈴!」

 

「は、はい!行きましょう!」

 

 レミリアの言葉に違和感を覚えながらも美鈴は悟空と共に森のほうへと飛んで行った。

 それを見送ったレミリアは慎重にこれからのことを考えていた。

 

「(私が最後に見たフランが殺される場面、あれは間違いなく紅魔館だった。ならばあの得体のしれない化け物はここに現れるはず……。それなら、なんとしてでもここでそいつを倒してフランを救って見せる……!)……咲夜。いるんでしょ?出てきなさい。」

 

 レミリアが呼びかけるとどこからともなく咲夜が現れた。

 

「お呼びでしょうか。」

 

「紅魔館の全ての者に伝えなさい。今から私が話す言葉を。」

 

 

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