ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
ブルマの提案で花見をすることになったホウレンは悟飯を連れて花見の会場にいた。
クリリンや亀仙人、ウーロンにトランクスそしてベジータまでも来ていた。
どうやらブルマに無理やり連れてこられたようだ。今はそれぞれ花見を楽しんでいる。
「おい貴様。確かホウレンとか言ったか?」
ベジータはみんなをカラオケを聞いていたホウレンに話しかけた。
「そうだが、あんたは?」
「オレはベジータ。誇り高きサイヤ人の王子だ。貴様に話がある、ついてこい。」
「……?わかった。」
二人はカラオケの場を抜けて近くの桜の木の下に移動した。
「では、単刀直入に聞くが。ひょっとして貴様はサイヤ人か?」
突然の発言にホウレンは頭に謎マークを浮かべた。そもそも記憶がないホウレンにとってサイヤ人という単語すら初めて聞く言葉なのだ。それもあってさっきベジータが言ったサイヤ人の王子というのも実はよくわかっていない。
「わからない。そもそもサイヤ人ってのはなんなんだ?」
「ちっ、そうか記憶がないんだったな。面倒な奴め。まあいい説明してやる。サイヤ人とは惑星ベジータに住む、全宇宙最強の戦闘民族のことだ。とは言えすでに惑星ベジータは星ごと消滅しちまって、生き残ったのはオレやカカロットといったごく僅かな者だけだ。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!惑星ベジータ?生き残り?ってことはあんたとそのカカロットってやつは宇宙人なのか!?」
「ああそうだ。ちなみにカカロットとは孫悟空のことだ。」
衝撃の事実にホウレンは頭がいっぱいになる。だがなぜかサイヤ人という単語には聞き覚えがあった。
「……悟飯もサイヤ人なのか?」
「ああ。それにトランクスもだ。あいつらは例外で地球人とのハーフだがな。」
「そうだったのか……。」
「その様子じゃ、自分がどこの星の住人かも覚えてないようだな。だが貴様から感じる気は間違いなくサイヤ人のものだ。」
「俺が……宇宙人……?」
『なんだあれは!?』
『わああああ!!』
信じられず戸惑っていると辺りが急に騒がしくなり始めた。
すると空から突然巨大な宇宙船が降りたち花見の会場に強い風が吹く。
「あれは……?」
「どうやら宇宙船のようだな。まったく、今度は何が来やがったんだか。」
遠くで宇宙船のドアが開き中からたくさんの兵らしき人達がこちらに向かって走ってきて、ベジータの前でひざまづいた。
「なんだなんだ!?」
「なんだ貴様ら、このオレに何か用でもあるのか?」
「捜しましたぞベジータ王子。」
色黒の肌をして髭を生やした男が兵をかきわけてベジータの前にひざまづいた。
「……サイヤ人だな?」
「え。こいつもサイヤ人なのか?」
「パラガスでございます。新惑星ベジータの王になっていただきたく、お迎えに上がりました。」
「新惑星ベジータだと?」
「もう一度、最強の戦闘民族サイヤ人の優秀さを全宇宙に知らしめてやろうではありませんか!あなたの手で最強の宇宙帝国を築き上げるのです!」
「チッ、くだらん。いくぞホウレン。」
「お、おい待てよベジータ。」
パラガスの提案を一言で切り捨てて歩き出した。ホウレンはそのあとを追い歩き出す。
するとパラガスが新たな情報を伝えてきた。
「伝説の超サイヤ人を倒せるのはベジータ王、あなたしかいません!」
その言葉にベジータの足が止まる。
「伝説の超サイヤ人……。」
「なんだよその伝説の超サイヤ人ってのは?」
「南の銀河一帯をその脅威のパワーで暴れまわっております。このままではせっかく築き上げた新惑星ベジータも伝説の超サイヤ人に……。」
「なんだよそれ、とんでもないやつじゃないか!」
「ところで貴方はベジータ王のご友人か何かですかな?」
「いや、俺は…その…。」
「そいつはオレたちと同じサイヤ人の生き残りだ。友人ではない。」
どう答えていいかわからずいるところにベジータがハッキリと答えた。
ホウレンはまだ自分がサイヤ人ということの自覚を持っていないため、少し戸惑う。
「なんと、我々以外にもまだサイヤ人が生き残っているとは!貴方も同じサイヤ人として共に戦おうではありませんか!」
「い、いや俺は別に。」
「父さん!それにホウレンさんも、ダメです!そんな話に乗っては!」
「貴様は黙っていろトランクス。パラガス!案内しろ!」
「父さん!!」
「貴方もどうぞ。ベジータ王の血を引くトランクス王子…。」
「……。」
ベジータを乗せて宇宙船は出発の準備を行い始めた。そこで出発までにトランクスたちは話し合いを始めた。
「まったく、何新惑星ベジータの王よ。バカじゃないの?」
「母さん、オレが必ず父さんを連れて帰ります!」
「トランクスさん。ボクも手伝いますよ。」
「ありがとうございます!悟飯さん。クリリンさんはどうしますか?」
「お、オレはやめておくよ。今回は力になれそうにない。」
「わかりました。ではいきましょう悟飯さん!」
「待ってくれ!俺も連れて行ってくれないか!」
宇宙船に乗り込もうとするトランクスたちを引き留めたのはホウレンだった。
「ですがホウレンさん。かなり危険かもしれませんから貴方を連れて行くわけには…。」
「聞いてくれ。ベジータによると俺は…サイヤ人らしいんだ。」
ホウレンの言葉に悟飯は動揺を見せるが、神殿でピッコロの話を聞いていたトランクスはそのままホウレンの話に耳を傾ける。
「だから同じサイヤ人のあいつについていけば何か思い出せるかもしれない!勝手な頼みだと思うが頼む!俺も手伝わせてくれ!」
そういって頭を下げるホウレンを見て、トランクスは少し考えてから首を縦に振った。
「わかりました。ではよろしくお願いします。」
「おう!絶対に役に立って見せるからな!」
「ありがたいですが、無理はしないでくださいね。何が起こるかわかりませんから。」
「ああ!」
「では母さん。オレたちは行ってきます。」
「ええわかったわ。トランクス。ベジータのことよろしくね…!」
「はい!」
こうしてホウレン。トランクス。悟飯の三人は宇宙船に乗り込み数分後、宇宙船は地球を飛び立った。それから数時間後、新惑星ベジータに到着したホウレン達は出迎えに来ていた車に乗りようやく宮殿へとたどり着いた。
「ベジータ王。銀河の至る所から集めたならず者たちが貴方の従僕としてお待ちしておりました。」
ベジータが宮殿に入るとそこには上半身が裸で筋肉質の男が立っていた。
「息子です。なんなりとお使いください。」
「ブロリーです。」
ベジータはブロリーをじっと見つめた。
「おまえもサイヤ人のようだな。」
「はい。」
その様子をホウレン達は遠目で見ていた。ベジータにサイヤ人の生き残りはごく僅かと聞いていたホウレンは少し混乱気味だ。
「……サイヤ人ってほぼ絶滅したみたいなこと聞いてたけどわりといるんだな。」
「オレも驚いています。オレのいた世界ではもうオレを除いてサイヤ人は一人もいないはずでしたから。」
「ん?オレがいた世界ってどういうことだ?」
「トランクスさんは未来からきたんですよ。」
「未来から!?」
「ええ。タイムマシンに乗ってね。母さんが抱きかかえていた赤ん坊がオレなんです。この世界には人造人間を倒すことが目的で来ました。」
「そ、そうだったのか。おまえたちってマジでなんでもありなんだな……。こりゃ俺もいちいち驚いてばかりじゃいらんねえな……。」
トランクスたちと話をしていると一人の兵士がベジータの元へ駆け足でやってきた。
「申し上げます!トトカマ星に伝説の超サイヤ人が現れました!!」
「何っ!?もう出やがったか。さっそく伝説の超サイヤ人を征伐しに出かける、後に続けブロリー!」
「父さん!やみくもに出かけるのは危険です!もっと情報を集めてからでも!」
「臆病者はついてこなくてもよい!ブロリー早くしろ!!」
トランクスの制止する声にも耳を傾けずベジータはブロリーを連れてトトカマ星へ向かうための宇宙船に向かって行ってしまった。残されたホウレンたちはこれからの行動について話し合いを始めた。
「オレは一度この星を探索してこようと思います。お二人はどうしますか?」
「ボクはトランクスさんについていきます。ホウレンさんは?」
「俺はこの宮殿を探ってみようと思う。あとで合流しよう。」
「わかりました。ではお気を付けて。」
行動が決まった三人は二手に分かれて行動することになり、トランクスと悟飯は街の方角へと飛んで行った。一人になったホウレンはこの宮殿を探るため宮殿の中へと足を進めるのであった。
「まずは情報収集だよな。兵士に聞き込みでもするか…。」
話を聞けそうな兵士を探しに宮殿内を歩き回る。宮殿の中は広くほぼ全てが石で造り上げられていて空気がひんやりしている。しばらく歩いていると渡り廊下に二人ほど兵士を見つけた。
「おーい!そこのあんたたち、ちょっと話を聞きたいんだがいいかな?」
「あん?なんだおまえ。」
「見ない顔だな…。新入りか?」
二人の兵士は少し警戒した様子でホウレンを睨みつけてきた。ならず者を集めたというだけあって、兵士たちはガラが悪い連中が多いようだ。
「あ、いや。俺は地球からパラガスに案内されてきた者で…。一応サイヤ人だ。」
「さ、サイヤ人!?し、失礼しました。パラガス様の同族の方だったとは!」
「話は聞いております!なんでもお聞きください!」
ガラの悪い兵士たちはサイヤ人と聞いた途端、急に弱腰になり頭を下げだした。
「……相当恐れられてんのな、サイヤ人って…。」
「それはもう!凶悪にして最強の戦闘種族サイヤ人の恐ろしさはパラガス様やその息子ブロリー様の強さを見れば当然のことです!」
「我々では束になっても敵わないほどの戦士が昔はたくさんいたと思うと背筋が震えるほどです!」
「そんなにか。でもまあ、俺のことはそんなに怖がらなくていいよ。別に取って食おうとか考えてるわけじゃねえからさ。そんなことより、パラガスとブロリーってそんなに強いのか?」
「……強いです。とてつもなく。おそらくどちらか一人でもいれば星一つを征服できてしまうほどの強さの持ち主です。」
「一人で星一つを征服できる…か。他にその二人で知ってることは?」
「他にですか…。そういえば、パラガス様はこの星に帝国を再建することに妙にこだわっていたような。」
「そういやそうだ。パラガス様はなんでこんな自然も何もない場所を選んだんだ…?」
「……。」
「申し訳ありません。これ以上のことは我々も詳しくは…。」
「いや、十分だ。ありがとよ、後は他の連中にも聞いてみるさ。」
「はっ!では我々はこれで失礼します!」
二人の兵士は足早にこの場を去った。残ったホウレンには小さな疑問が残った。
「……この星に妙にこだわった…。」
兵士たちの言ったように帝国を再建するならもっと自然が豊かな星を選ぶはず。それをしなかった理由がなにかあるようにホウレンは考えた。
「……パラガスは何か隠してるのかもしれないな。もう少し聞き込みを続けよう。」
ホウレンはそれから宮殿の中で聞き込みを続けて様々な情報を得て、頭に小さな疑問を残しながらトランクスたちとの合流を待った。この時はまだこの星で大きな闘いに巻き込まれることをホウレンは知る由もなかった。
だいぶいろんな部分を端折ってしまった。次回は少し時間がかかりそうですが気長にお待ちください。