ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~   作:月下の案内人

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明らかになる作戦 驚愕の真実

 各所で闘いが行われている中、紫は八雲藍とともに幻想郷全体を見通していた。

 それはこの闘いを引き起こした人物が他にも力を与えた者がいるのではないかという疑問からだった。そして幻想郷の中心辺りの草原を見るとそこには見知らぬ男が立っていた。

 

 真っ黒な袴姿に服の上からでもわかるほどの筋肉質な体。厳格な鋭い目つきをしていてボサボサの黒い髪をオールバックにした中年くらいの男性だった。

 

「……あの男。」

 

「あの男がどうかなされましたか?」

 

「ええ……なにかしら。人間が一人であんな所にいるなんて……。」

 

 疑問に思っているその時、男は突然強大な気を発し始めた。

 

「っ……これは!!」

 

 あまりにも大きな気に気を扱う者たちはそれにいち早く気が付いた。

 

 ~妖怪の山~

 

「っ!!な、なんだこの気は!」

 

「え?ピッコロさん、何かあったんですか?」

 

「……また厄介ごと?」

 

 疲れ切った様子の霊夢がうんざりした表情でピッコロに問いかけた。

 

「今幻想郷にとてつもない大きさの気が現れた。……恐らくオレよりも力は上だ。」

 

 ピッコロの発言に三人は息を飲んだ。ピッコロの強さは超サイヤ人状態のホウレンをも凌ぐ、それを知っていたからだ。

 

「……まだ力が暴走してるやつが残ってるってことよね……。あの男はどこまで余計なことしてくれるのかしら……!」

 

「霊夢さん、今は怒ってる場合じゃありませんよ。それよりもどうしますか。早苗さんの神社で休む予定でしたが。やはり行きますか?」

 

「当然よ!そんな化け物放っておけないわ!」

 

 射命丸の問いかけに即答した霊夢はすぐにその場所へ向かおうとした。

 すると突然辺りに霧が立ち込め始めた。

 

「霧……?……__っ!霊夢さん避けて!!」

 

 早苗が叫ぶとその瞬間地面から鋭い爪が突き出してきて霊夢を襲った。

 

「っ!!」

 

 霊夢は左肩に爪が掠るもその爪を回避して距離を取った。掠った左肩からはたらりと血が流れている。

 

「霊夢さん!大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫、かすり傷よ。それよりも今の攻撃ってまさか……!!」

 

 全員が爪が突き出た地面を見るとそこからずるりと妖怪が出てきた。その妖怪はなんと先ほど倒したはずのカプラスであった。

 

「あいつまだ生きてたわけ……!?」

 

「いや、そんなはずはない。確かに息の根を止めたはずだ。それにあいつの体には傷が一切見当たらん。どういうことだ……?」

 

「それに様子も変です。なんで一言も喋らないんでしょうか?」

 

 射命丸の言うとおりカプラスは一切言葉を発さなかった。それはまるで冥界に現れた男と同じようにだ。そして霧がどんどん濃くなり始め、なんとカプラスまでもが大量に現れ始めた。

 

「なんだと!?」

 

「な、なんですかこの人数……!こんなにたくさんどうやって倒したら!?」

 

「早苗、落ち着いてやつらの力を探ってみろ。」

 

「え?は、はい。」

 

 ピッコロの言うとおりに早苗はカプラス達の力を探ってみるとカプラス達からはなんの力も感じることが出来なかった。

 

「力を感じない……?これは一体……。」

 

「恐らく幻ね。誰かが幻を作り上げているんだわ。つまりあいつらにはさっきまでの硬さはないってことよ。」

 

「なるほど、それならあんなやつ私たちだけでも余裕ですね。」

 

「そういうことよ。わかった?早苗。」

 

「はい!では早くこの妖怪達を退治してその強い人の場所へ向かいましょう!」

 

「勝てる相手とは言え油断はするな。全力でいけ!」

 

 

 ~旧都~

 

「どうしたの二人とも?急に上を見上げちゃって。」

 

「悟飯さん!今の気づきましたか!」

 

「気づきました!セルに匹敵するほどの気が地上から……!」

 

「なんだい?地上に強いやつが出たってのかい?」

 

「ああそうだ!急いで向かいましょう!」

 

「はい!__っおまえは!?」

 

 急いで地上に向かって走り出そうとすると目の間に死んだはずのオーガの姿があった。

 そしてこのオーガもまたどんどん数を増やし数えきれないほどの人数で四人を囲った。

 

「なんなんだいこりゃ!あいつはさっき死んだんじゃなかったのかい!?」

 

「た、確かに気は完全に消滅したはずです!こいつらは一体……!」

 

「考えてても仕方ありません!早くこいつらを倒して地上に行かないと!」

 

「そうですよね、よしやりましょう!はぁああーー!!」

 

 悟飯とトランクスは再び超サイヤ人に変身してオーガ達との闘いを始めたのだった。

 

 ~地獄~

 

 ブロリー達は他と同じく倒したはずの亡者が目の前に現れていた。

 

「なんだおまえ。まだやるつもりか?」

 

「待ちなさいブロリー!この亡者さっきとは何か違います。」

 

「違うだと?どこがだ?」

 

 するとこの亡者もまた霧と共にどんどん数を増やし始めブロリー達を囲った。

 

「……フン、いいだろう。まだ闘い足りなかったところだ……!映姫、小町を見てろ。」

 

「わかりました。ってちょっと!投げて渡さないでください!落としたらどうするんですか!?」

 

「そんなことは知らん。」

 

 ブロリーはすぐに超サイヤ人に変身して気を高めて、肩を鳴らした。

 

「全員まとめて血祭りにあげてやろう……!」

 

 

 ~スキマ~

 

「これはまさか……戦力を分散されられた?」

 

「ですが一体何のために……?」

 

「それはわからないわ。でも確かなのはすぐにあの男を止めに行ける人がいないということ。……どうやら私たちが行くしかなさそうね。藍、出るわよ!」

 

「はっ!」

 

 

 ~草原~

 

 紫がスキマから出るとそこには力を解放した男が仁王立ちしていた。まるで来るのがわかっていたかのように男はニヤリと笑った。

 

「始めまして。私は八雲紫よ。」

 

「私は式神の八雲藍です。」

 

 男は組んでいた腕を解いて紫達と対峙した。

 

「出てきおったか。待っておったぞ。」

 

「あら?私のことご存知だったかしら?」

 

「無論だ。オレの名はアルメト。訳あってこの幻想郷に参った。」

 

 アルメトの言葉に二人は気づいた。こいつは力を貰い暴走しているわけではないことに。

 

「幻想郷に参ったと言うことは貴方外来人ね?ってことは今回の件とは無関係ってことかしら。……それでアルメト。貴方は何をしにこの幻想郷に来たのかしら?ちょっと今幻想郷は大変なところだから後からなら聞いてあげられるわよ?」」

 

「……幻想郷は大変なところ……そうだろうな。」

 

 アルメトの呟きを聞いた途端に何か嫌な予感がした紫は急いでアルメトから離れた。

 

「藍、早く貴方も下がりなさい!」

 

「え?は、はい!」

 

 紫にそう言われて藍はすぐに紫の元まで走り出した。その様子を見てアルメトは面白そうに笑みを浮かべていた。

 

「……貴方、何者かしら。あのファトムって子のお仲間?」

 

「ほう、よくわかったもんだ。いかにも、ファトムはオレの協力者だ。」

 

「捕まった仲間を助けにでも来たのかしら?でも彼は幻想郷全体を巻き込むほどのことをしでかした張本人。そう簡単に返すわけにはいかないわ。貴方も大人しくするなら合わせてあげてもいいけど?」

 

「ハッハッハ!!そうか、おまえさんらはまだ気が付いていないのか!」

 

 アルメトは突然訳のわからないことを言って笑い出した。二人はそれがどういうことかを考えるが何のことを言っているのかがさっぱりわからなかった。

 

「なんのこと?貴方いったいなにを知っているの?」

 

「フッフッフ……。おまえさんらはどうやらここの者達に力を与えたのがファトムだと思い込んでいたようだな。……オレたちの狙い通りに。」

 

 二人はその言葉に激しく動揺した。この二人に限らず全員が今回の騒動の発端は間違いなくファトムだと思い込んでいたからだ。

 だがアルメトの言葉だとそれが間違いであるということになる。

 

「どういうこと!?だったらなぜ彼は幻想郷のあちこちで声をかけて回っていたと言うの!?」

 

「簡単な話よ。それはおまえさんらを欺き、本来の目的を達成するため。」

 

「本来の目的ですって……?」

 

 するとアルメトは紫を指さした。

 

「オレたちの真の目的は八雲紫。おまえさんだ!」

 

「なっ!?」

 

「目的は紫さま……!?」

 

「そう、オレたちはある方法を使ってこの幻想郷に入ってきた。だがこちらの都合で今はまだ最大で二人しか同時に幻想郷に入ることは出来ない……。だがそれを解決させる方法が存在する。それは八雲紫、おまえさんの力を使うことだ。」

 

 アルメトたちがどうやって幻想郷に入ってきたのかはわからない。だがアルメトの言うとおり紫の力を使えば幻想郷に外の世界の人間を連れ込むことは可能なのだ。

 しかし外の世界から来たはずのアルメトたちがなぜ紫の能力のことを知っていたのかがわからなかった。

 

「オレたちはこの幻想郷に入り、すぐにおまえさんを探そうと思った。だがこの幻想郷には想像以上の強さを持つ者たちが数人いることに気が付いたのだ。そこでオレたちはその力を先に分断することにした。オレの力を使ってな。」

 

「貴方の力ですって?貴方いったい何ができると言うの……?」

 

「おまえさんらの世界で言うところの『程度の能力』と言うものをオレたちも使うことが出来ると言ったらおまえさんはどうする?」

 

「な!?そんなわけない……外の世界に住むものがその力を使えるわけないわ!」

 

「フッフッフ。信じる信じないはおまえさんの自由。好きに受け取ればいい。」

 

「……っ!」

 

「話を続けよう。オレの能力は『常識を覆す程度』と言うものだ。」

 

「常識を……覆す?」

 

「そのとおり。この能力はオレの基本的な能力値を常識では考えられんほどに増大させることができる。そしてこの力を使いこの幻想郷にいる四人の者にこの力の一部を分け与えて回ったのだ。おまえさんらがファトムを探している間にな……。」

 

 力を分け与えた。その言葉に紫はすぐに反論した。

 

「力の一部を分け与えるですって……!?そんなこと不可能なはず!」

 

「言っただろう?常識を覆す程度……と。おまえさんらの常識なんぞオレには通用しない。」

 

 あまりに理不尽な能力を前に紫は言葉を失った。

 

「だがしかしおまえさんらも見事。一人は出来損ないの人間だったとは言え、力を与えた四人をすべて倒してしまうとは思わなかったぞ。だが対策はまだある。残念だがここに助けに来れる者はいない。」

 

「……ならばみんながここに到着するまで私たちが貴方と闘うだけだわ。」

 

「ほう。先の力を見てなおオレと闘う気力があるとは、なかなか肝が据わっているではないか!」

 

 紫と藍は戦闘態勢に入り、顔を見合わせた。

 

(藍わかっているわね?あの男にはどうやっても勝てないわ。なんとか時間を稼いで彼らが来てくれるのを待つのよ。)

 

(わかっています。なんとしてでも時間を稼いで見せましょう。)

 

「八雲紫!おまえさんを捕まえさせてもらおう!覚悟するがいい!!」

 

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